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令和8年度補正予算(第1号)について

主計局総務課主計官 松本 圭介

課長補佐 谷 伸雄

企画係 平木 良覚

1.令和8年度補正予算(第1号)編成の背景

今般の中東情勢を受け、政府としては、これまでも、国民生活と経済活動を守り抜くために、燃料油価格の激変緩和措置として、令和7年度予備費等を活用して緊急的な対応を行うなど、様々な取組を進めてきた。加えて、5月26日には、電気・ガス料金について、使用量が多くなる7月から9月において昨年夏の料金水準を下回るような支援を行うべく、令和8年度予算の一般予備費5,135億円の使用を決定した。

その上で、令和8年度補正予算は、引き続き、中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向や経済に与える影響を十分注視しつつ、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応するため、「リスクの最小化」の観点から、資金面で万全の備えを取るべく編成されたものであり、6月3日に国会に提出され、5日に成立した。

令和8年度一般会計補正予算(第1号)の概要

2.令和8年度補正予算(第1号)の概要

令和8年度補正予算の一般会計の歳出においては、総額3兆1,135億円を計上している。

その内容としては、(1)重点支援地方交付金について、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた支援を実施するための追加措置として1,000億円を計上し、「今後への万全の備え」として、(2)電気・ガス料金支援のために使用決定した一般予備費について、その残高を1兆円に復元するため、5,135億円を計上するとともに、(3)中東情勢に伴うエネルギー価格高騰など、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものとして、「中東情勢等対応予備費」を創設し、2兆5,000億円を計上している。

歳入においては、特例公債を3兆1,135億円発行することとしている。

令和8年度一般会計補正予算(第1号)フレーム

この結果、令和8年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対して歳入歳出ともに3兆1,135億円増加し、125兆4,228億円となっている。

令和8年度補正後予算フレーム

なお、前述のとおり、令和8年度一般会計補正予算の歳入として、3兆1,135億円の特例公債を追加することとなるが、その一方で、前年度分の特例公債のうち、予算編成後6月までの発行が予定されていた3兆円分については、税収・税外収入・歳出不用の見込みを踏まえると、実際には発行せずに済む見込みが立っていた。

(注)上記の特例公債3兆円分は、その後、実際に発行を取りやめている。

このように、国債発行予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応できるため、国債マーケットに影響を与えることなく、実行可能と考えている。

また、特別会計予算においては、以上の一般会計予算補正に関連して、予算総則について、所要の補正を行うこととしている。

3.結び

前述のとおり、中東情勢が依然として不透明である中で、今後の物価動向や経済に与える影響を十分注視しつつ、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応することが重要となる。

このため、政府としては、すでに取り組んでいる令和7年度経済対策・補正予算の早期執行、令和8年度当初予算の執行、今般の令和8年度予備費を活用した電気・ガス料金支援などと合わせ、状況をしっかりと見極めながら、必要に応じて、今般成立した令和8年度補正予算も有効に活用し、今後の経済財政運営に万全を期す考えである。*1

*1)本稿の内容は、執筆時点(7月3日)のものです。