1.令和8年度社会保障関係費の全体像
令和8年度の社会保障関係費は、前年度(38.3兆円程度)から+7,600億円程度の39.1兆円程度となった。様々な制度改革・効率化努力を積み重ねることにより、実質的な伸びを高齢化による増加分に抑えた上で、令和8年度診療報酬改定における今後の賃上げ、物価対応分など経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算した。
(いわゆる自然増は+4,000億円程度(年金スライド分を除く。)、制度改革・効率化等は▲1,500億円、高齢化による増加分は+2,500億円程度(年金スライド分を除く。)、経済・物価動向等への対応は+5,200億円程度(年金スライド分を含む。))
資料1 一般歳出及び社会保障関係費の推移

資料2 2026年度予算について

資料3 令和8年度社会保障関係費の全体像

2.令和8年度診療報酬・薬価等改定
(1)診療報酬改定
令和8年度診療報酬改定は、令和7年度補正予算の「医療・介護等支援パッケージ」に引き続き、「経済財政運営と改革の基本方針2025」及び「「強い経済」を実現する総合経済対策」に基づき、経営の改善や従事者の処遇改善につながるよう、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえた的確な対応を行う。あわせて、現役世代の保険料負担の抑制のため効率化・適正化を実施する。その際、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急的な対応その他の特例的な措置を図る。
これらの措置による改定率は+3.09%(令和8年度及び令和9年度の2年度平均。令和8年度+2.41%(国費+2,348億円程度(令和8年度予算額))、令和9年度+3.77%)となる。
○ 賃上げ分の+1.70%は、医療現場での生産性向上の取組と併せ、+3.2%のベースアップを実現する措置(看護補助者及び事務職員は+5.7%)を講じ、施設類型ごとの職員の規模や構成に応じて配分する。うち+0.28%は、医療機関等の賃上げ余力の回復・確保を図りつつ幅広い医療関係職種での賃上げを確実にすべく、賃上げ対応拡充時の特例的な対応として措置する。
○ 物価対応分の+0.76%のうち、+0.62%は、施設類型ごとの費用関係データに基づき配分する。さらに、病院の中でも、その担う医療機能に応じて配分する。また、+0.14%は、大学病院を含む高度機能医療を担う病院に対し、物価対応本格導入時の特例的な対応として措置する。
○ 令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分の+0.44%は、令和7年度補正予算の効果を減じないよう、施設類型ごとのメリハリを維持して配分する。
○ また、入院時の食費基準額を1食当たり40円引き上げる(患者負担は、所得区分等に応じて1食当たり20円~40円の引上げ)とともに、光熱水費基準額を1日当たり60円引き上げる(指定難病患者等の患者負担は据え置き)。
○ 後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化として、▲0.15%とする。
○ 実際の物価等が見通しから大きく変動し、医療機関等の経営に支障が生じた場合には令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。
資料4 令和8年度診療報酬改定等について

(2)薬価等改定
創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保を図りつつ、市場実勢価格を反映することにより、▲0.87%(国費▲1,063億円)とする。
3.令和8年度介護報酬改定・障害福祉サービス等報酬改定
(1)介護報酬改定
「「強い経済」を実現する総合経済対策」において、「介護分野の職員の処遇改善については、(中略)他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」とされたことを踏まえて、令和9年度介護報酬改定を待たずに、期中改定を実施する。具体的には、政府経済見通し等を踏まえた介護分野の職員の処遇改善、介護サービス事業者の生産性向上や協働化の促進等のため、以下の措置を講じる。なお、これらの措置による改定率は+2.03%(国費+518億円(令和8年度予算額への影響額))となる。
○ 介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月1.0万円(+3.3%)の賃上げを実現する措置を実施する。
○ 生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月0.7万円(+2.4%)の上乗せ措置を実施する。
※ 合計で、介護職員について最大月1.9万円(+6.3%)の賃上げ(定期昇給0.2万円込み)が実現する措置。
○ 上記の措置を実施するため、今回から、処遇改善加算の対象について、介護職員のみから介護従事者に拡大するとともに、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せの加算区分を設ける。また、これまで処遇改善加算の対象外だった、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等について、新たに処遇改善加算を設ける。
○ また、令和9年度介護報酬改定を待たずに、介護保険施設等における食費の基準費用額について、1日当たり100円引き上げる(低所得者については、所得区分に応じて、利用者負担を据え置き又は1日当たり30~60円引上げ)。
(2)障害福祉サービス等報酬改定
介護報酬と同様に、「「強い経済」を実現する総合経済対策」を踏まえ、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定を待たずに、期中改定を実施する。具体的には、介護分野の処遇改善の対応状況も踏まえ、介護分野との収支差率や賃上げの状況の違い等、障害福祉分野における総費用額の伸び等も勘案しつつ、政府経済見通し等を踏まえた障害福祉分野の職員の処遇改善、障害福祉サービス等事業者の生産性向上や協働化の促進のため、以下の措置を講じる。なお、これらの措置による改定率は+1.84%(国費+313億円(令和8年度予算額への影響額))となる。
○ 福祉・介護職員のみならず、障害福祉従事者を対象に、幅広く月1.0万円(+3.3%)の賃上げが実現できる措置を実施する。
○ 生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員を対象に、月0.3万円(+1.0%)の上乗せを措置する。
※ 合計で、福祉・介護職員について、最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.6万円込み)が実現する措置。
○ 上記の措置を実施するため、今回から、処遇改善加算の対象について、福祉・介護職員のみから、障害福祉従事者に拡大するとともに、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せの加算を設ける。また、これまで処遇改善加算の対象外だった、計画相談支援、障害児相談支援及び地域相談支援について、新たに処遇改善加算を設ける。さらに、ベースアップなどによる更なる賃上げや生産性向上等の取組を後押しするために必要な措置を講ずる。
4.社会保障制度改革の推進
「社会保障改革の新たなステージにおいて、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すとの方針に基づき、経済・物価動向等に適切に対応しつつ、医療・介護を中心とした社会保障制度改革を着実に実行する。
具体的には、令和8年度診療報酬改定が令和8・9年度に対応するものであることを踏まえ、令和8・9年度を通じて、歳出改革を中心に取り組み、その社会保険負担軽減効果を活用するほか、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けた取組による雇用者報酬の増加によって生じる社会保険負担軽減効果も活用することにより、令和9年度の社会保障負担率が令和7年度と比較して上昇しないよう取り組む。
また、今後も一定の物価上昇が継続すると想定される中での医療給付費の在り方と、現役世代の保険料負担抑制との整合性を図るための制度的対応についても検討を進める。
こうした方針を踏まえつつ、令和8年度においては、以下の項目に取り組む。さらに、「「強い経済」を実現する総合経済対策」脚注58に盛り込まれた社会保障改革を含め、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実施するべく、検討を進める。
資料5 保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革の全体像

(1)薬剤給付の見直し
ア OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し
OTC医薬品の対応する症状に適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品のうち、他の被保険者の保険料負担により給付する必要性が低いと考えられるときには、患者の状況や負担能力に配慮しつつ、別途の保険外負担(特別の料金)を求める新たな仕組みを創設し、令和8年度中(令和9年3月)に実施する。まずは、77成分(約1,100品目)を対象医薬品とし、薬剤費の4分の1に特別の料金を設定する。
今後、セルフメディケーションに関する国民の理解や、OTC医薬品に関する医師・薬剤師の理解を深めるための取組、医療品医薬品のスイッチOTC化に係る政府目標の達成に向けた取組などの環境整備を進めるとともに、将来、OTC医薬品の対応する症状に適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指し、上記の施行状況等について厚生労働省において把握・分析を行った上で、令和9年度以降にその対象範囲を拡大していく。あわせて、特別の料金の対象となる薬剤費の割合の引き上げについても検討する。
なお、実施に当たっては、こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方等に対する配慮を検討する。
イ 食品類似薬の保険給付の見直し
医療保険給付の適正化の観点から、栄養保持を目的とした医薬品のうち、代替可能な食品が存在する医薬品について、経口による通常の食事から栄養補給可能な患者に対する使用は保険給付外とする。
なお、手術後の患者、経管により栄養補給を行っている患者などについては、引き続き保険給付の対象とする。
ウ 長期収載品の選定療養の拡大
長期収載品については、令和6年10月より、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当が選定療養の対象となり、「特別の料金」として患者に負担が求められてきたが、後発医薬品の更なる使用促進の観点から、価格差の2分の1相当へと引き上げる。
エ 長期処方・リフィル処方箋の活用
現役世代を含めた通院負担の軽減の観点から、症状の安定している患者に係る一定の医薬品の投与について長期処方・リフィル処方箋を原則化することを視野に入れ、長期処方・リフィル処方箋に対応している旨の院内掲示を必須要件とする医療機関を、こうした患者が通院する医療機関が対象となるよう拡大する。あわせて長期処方・リフィル処方箋の活用を阻害している要因を精査し、処方箋様式などの運用を改善する。さらに、実効的なKPIの設定を行い、医師と患者の双方の理解の下で、安定した症状の下で定期的に通院している患者に対する長期処方・リフィル処方での対応が一層普及するよう、必要な対応を図ることとする。
(2)金融所得の公平な反映などの応能負担の徹底
現役世代に負担が偏りがちな構造の見直しの観点から、年齢にかかわらず公平な応能負担を実現するための第一歩として、まずは後期高齢者医療制度の窓口負担割合や保険料等への金融所得の公平な反映を実現するための具体的な措置を盛り込んだ「健康保険法等の一部を改正する法律案」を第221回国会に提出したところ。具体的には、税制における確定申告の有無により負担等が変わる不公平な取扱いを是正し、確定申告をしていない場合であっても、確定申告をした場合と同様に、上場株式の配当等の金融所得を反映する。このため、関係省庁と協力の上で、税制における金融所得に係る法定調書へのマイナンバー記載を徹底しつつ、法案成立後3年程度で保険者への法定調書のオンライン提出義務化が確実に履行できるよう、金融機関や自治体等の関係者の事務負担等に留意しながら調整を進めるとともに、事務の性格を踏まえ法定調書データベース運営法人の調整を進める。
(3)高額療養費制度の見直し
高齢化の進展や医療の高度化等を背景にした医療費の増大に直面する中、医療保険制度の持続性を高め、とりわけ重要なセーフティネット機能である高額療養費制度を将来にわたって堅持していく観点から、高額療養費制度の見直しを行う。
見直しの具体的な内容は、「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方」(令和7年12月16日 高額療養費制度の在り方に関する専門委員会)を踏まえ、資料6の通りとする。
資料6 高額療養費制度の見直しのポイント

資料7 高額療養費制度の見直しについて

資料8 高額療養費制度の見直しについて(イメージ)

(4)高齢者の窓口負担の見直し
高齢者の特徴を踏まえ、現役世代よりも低く設定されている高齢者医療の窓口負担割合については、近年の高齢者の受診行動や所得の状況等も踏まえつつ、世代間・世代内の公平性を確保する観点から、その在り方について、令和9年度予算編成過程において具体的な制度設計の検討を行い、結論を得る。その中で、高額療養費制度における外来特例の対象年齢の在り方や自己負担を3割とする対象者(「現役並み所得者」)の適切な判断基準の在り方などについてもあわせて検討を行う。
(5)介護保険制度改革
ア 利用者負担の「一定以上所得」(2割負担)の判断基準の見直し
能力に応じた負担と、現役世代を含めた保険料負担の上昇を抑える観点から、利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準の見直しについて検討する必要がある。検討に当たっては、介護サービスは長期間利用されること等を踏まえつつ、高齢者の方々が必要なサービスを受けられるよう、高齢者の生活実態や生活への影響等に加えて、令和8年度に見込まれる医療保険制度における給付と負担の見直し、現在補足給付について行われている預貯金等の把握に係る事務の状況等を踏まえ、第10期介護保険事業計画期間の開始(令和9年度~)の前までに、結論を得る。
イ 有料老人ホームの入居者に係る利用者負担の導入
ケアマネジメントについては、他の介護サービスとは異なり、利用者負担を求めてこなかったが、ケアプラン作成を含めて利用者負担を求めている介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)等との均衡等の観点から、住宅型有料老人ホームの入居者に係る新たな相談支援の類型を設けた上で、利用者負担を導入する。
ウ 補足給付の見直し
補足給付について、能力に応じた負担の観点から、所得区分の設定の精緻化を行うとともに、区分間の利用者の負担限度額のバランスをとる措置を講じる。具体的には、令和8年8月から、年金収入等120万円超の所得区分の居住費の負担限度額を月0.3万円引き上げる。令和9年度中に、所得区分の設定を精緻化し、年金収入等100万円超120万円以下及び140万円超の所得区分について、負担限度額の見直しを行う。
5.こども・子育て政策の抜本強化
「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)を踏まえ、令和6年通常国会において、改正子ども・子育て支援法(令和6年法律第47号)など所要の法改正が成立。令和8年度予算においては、歳出改革や既定予算の最大限の活用により財源を確保しつつ、「加速化プラン」を着実に実施し、予算規模3.6兆円(国・地方合計)のうち3.2兆円程度(約9割)を実現。
資料9 こども・子育て政策の強化

(1)こども家庭庁予算

- 令和8年度のこども家庭庁予算は、一般会計と子ども・子育て支援特別会計子ども・子育て支援勘定の合計で6兆3,913億円と、令和7年度当初予算から1,331億円の増加。さらに、育児休業等給付勘定を加えると7兆4,956億円と1,686億円の増加。
- 令和4年度予算(4兆6,863億円)から2兆793億円の増加※(約4割増)。
※ 一般会計と子ども・子育て支援特別会計子ども・子育て支援勘定の合計の増加分(1兆7,050億円)+育児休業等給付の増加分(3,743億円)
- 令和8年度における歳出改革による公費節減効果は国・地方で0.18兆円程度(令和7年度は0.18兆円程度、令和6年度は0.19兆円程度)。
- 令和8年度における歳出改革等による実質的な社会保険負担軽減効果は▲0.17兆円程度(令和5~8年度の合計は▲0.60兆円程度)。
- 改正子ども・子育て支援法に基づき、上記の社会保険負担軽減効果の範囲内で令和8年度から子ども・子育て支援金を導入(令和8年度は被保険者及び事業主の拠出分が0.60兆円、一律の支援金率は0.23%)。
※ 同法に基づき、令和9年度概ね8,000億円、令和10年度概ね1兆円と段階的に構築
- 令和8年度の支援納付金は6,436億円を計上。支援納付金が満年度化するまでの間の財源不足には、必要に応じて、「子ども・子育て支援特例公債」を発行。令和8年度予算の発行額は5,072億円(令和7年度予算の発行額は1兆1,397億円)。
(2)「加速化プラン」の着実な実施
※ ★事業の財源として子ども・子育て支援納付金を活用。
ア 幼児教育・保育の質の向上等
【子ども・子育て支援特別会計】
・保育士・幼稚園教諭等の処遇改善
858億円(一部、事業主拠出金)
- 民間給与動向等を踏まえた更なる保育士等の処遇改善として、令和7年人事院勧告を踏まえた引き上げを行う(人件費の改定率は+5.3%)。
- 引き続き、安定的かつ持続可能な改善が図られるよう、経営情報データベースを活用し保育士等の賃金の状況を悉皆的に把握するとともに、民間給与動向等を踏まえ、対応を検討する。
※ 令和7年度予算における改定率は+10.7%(所要額:1,607億円)
・こども誰でも通園制度の本格実施・給付化
349億円★
- 改正子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として、「こども誰でも通園制度」を創設。月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる制度として、全国の地方公共団体において本格実施。
イ 国民年金第1号被保険者の育児期間における保険料免除措置の創設
152億円★
【子ども・子育て支援特別会計から年金特別会計に繰入】
- 自営業・フリーランス等の国民年金第1号被保険者について、その子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料免除措置を創設。
ウ ひとり親・低所得世帯への支援の大幅拡充
203億円の内数
- 地方公共団体が公民館等を活用して、ひとり親・低所得世帯のこどもの食事を集中的に支援する事業を創設。
エ 共働き・共育ての推進
・育児休業給付の増
8,896億円(7年度:8,857億円)
【子ども・子育て支援特別会計】
- 男性育休の取得促進等に伴う育児休業給付の支給額の増加。
・出生後休業支援給付金
248億円(7年度:243億円)★
【子ども・子育て支援特別会計】
- 子の出生後一定期間内に被保険者とその配偶者がともに育児休業を取得した場合に、育児休業給付とあわせて給付し、手取り10割相当の給付を実施。
※ 子の出生後8週間以内(産後休業をした場合は16週間以内)に14日以上の育児休業をした場合、最大28日まで手取り10割相当額を支給(配偶者も同様)。
・育児時短就業給付金
505億円(7年度:549億円)★
【子ども・子育て支援特別会計】
- 時短勤務中に賃金が低下した場合に給付を行うことで、柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくする。
※ 時短就業中の各月に支払われた賃金額の10%相当額を支給。
・育児休業を支える体制整備を行う企業への支援
373億円(7年度:347億円)
【労働保険特別会計】
- 業務を代替する周囲の社員への応援手当の支給に関する助成(育児休業中の手当支給:最大140万円)につき、対象を中小企業以外にも拡大。
(3)その他の幼児教育・保育の充実
ア 施設等利用給付(認可外保育施設・私学助成園)の上限額の見直し
37億円
- 令和元年の制度創設以来、給付上限額が据え置かれてきた認可外保育施設等の利用者負担軽減について、給付上限額の引上げ((例)認可外(0~2歳):月42,000円→45,700円、私学助成幼稚園:月25,700円→28,000円)。
イ 非常勤単価の引上げ、障害児・医療的ケア児に対応するための専門職配置の支援等の公定価格の見直し
118億円
- 人事院勧告を踏まえた非常勤保育士等の単価の引上げや、障害児・医療的ケア児に対応するための専門職配置の支援など、公定価格の見直しを通じた幼児教育・保育の充実。
(4)こども性暴力防止法の円滑な施行
23億円
- 令和8年12月のこども性暴力防止法施行に向けた体制を確保するとともに、対象事業者へ法律相談といった支援を行う。
6.その他各歳出分野における取組
各歳出分野において、メリハリ付けを行いつつ、必要な予算を措置。
(1)医療
ア 地域医療介護総合確保基金(医療分)
960億円(7年度:909億円、公費)
- ICT機器等の導入によって業務効率化・職場環境改善に資する取組を行い、生産性向上を図る病院に対して必要な経費を支援する事業について、法改正を行った上で基金の新たな事業区分として創設。
イ 重点医師偏在対策支援区域における経済的インセンティブ
30億円(新規)
- 今後も一定の定住人口が見込まれるものの、必要な医師を確保できず、人口減少よりも医療機関の減少のスピードの方が早い地域などを重点医師偏在対策支援区域と設定した上で、当該地域における医師確保を推進するため、以下の経済的インセンティブを実施。
・ 当該区域で承継又は開業する診療所の施設整備、設備整備、一定期間の地域への定着に対する支援(20億円)
・ 当該区域内の医療機関に新たに医師を派遣する医療機関に対する医師派遣に要する費用の支援(4.6億円)
・ 当該区域において医師の勤務・生活環境の改善のための土日の代替医師確保への支援(5.3億円)
(2)介護
ア 地域支援事業の推進等
1,807億円(7年度:1,800億円)
- 地域包括ケアシステムの実現に向けて、高齢者の社会参加・介護予防に向けた取組、配食・見守り等の生活支援体制の整備、認知症の人への支援の仕組みづくり、在宅医療と介護の連携等を一体的に推進。
※ 引き続き、高齢者の地域における自立した日常生活の支援や社会参加を促進する観点から、介護予防・日常生活支援総合事業の充実を図るための見直しを検討。
イ 地域医療介護総合確保基金(介護分)
430億円(公費)(7年度:524億円(公費))
- 介護施設の整備や介護人材の確保等に向けて必要な事業を支援。
※ 地域の実情に応じた介護従事者の確保対策等のため、足もとの執行状況を踏まえた見直しを行った上で、基金のメニュー事業を追加・拡充(訪問介護・ケアマネジメントの提供体制確保支援事業の追加等)。
※ 本基金のほか、「介護事業所における生産性向上推進事業」(1.2億円)等により、テクノロジーの導入や生産性の向上を推進。
※ 介護テクノロジーの導入・定着や、経営の協働化、経営改善を支援するとともに、これらの支援を行う都道府県相談窓口等の機能強化を図り伴走支援を充実するため、別途、令和7年度補正予算において、220億円を措置。
ウ インセンティブ交付金(保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金)
295億円(7年度:301億円)
- 保険者機能の強化に向け、市町村や都道府県による取組の客観的な評価結果に応じて交付金を交付し、予防・健康づくり等を充実させる財政的インセンティブを与えることにより、保険者等による高齢者の自立支援・重度化防止等を推進。
エ 認知症関連施策の推進
125億円(7年度:125億円)
〈一部科学技術振興費における対応〉
- 令和6年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」及び令和6年12月に閣議決定した「認知症施策推進基本計画」に基づき、認知症施策を総合的かつ計画的に推進。
※ 一部アと重複。
※ 認知症になってからも、希望をもって自分らしく暮らし続けることができる共生社会を実現するため、地方公共団体における認知症施策推進計画策定のための準備経費及び認知症の人と家族等の地域での多様な居場所づくり立ち上げに係る経費の補助として、令和7年度補正予算において5.0億円を措置。
(3)年金
○ 年金国庫負担 134,295億円(7年度:132,590億円)
- 基礎年金国庫負担(2分の1)等について措置。
- 足もとの物価等の状況を勘案し、令和8年度の年金額改定率を2.0%と見込んで計上。
(4)障害者支援等
ア 自立支援給付(障害福祉サービス等)
17,981億円(7年度:16,370億円)
- 障害者が身近な地域等で暮らすために必要な障害福祉サービスに必要な経費を計上。
(参考)補装具費を含めた自立支援給付は18,145億円(7年度:16,531億円)
※ 金額は障害福祉サービス等報酬改定を反映後の金額。
イ 障害福祉サービス事業所等の整備等
40億円(7年度:50億円)
- 障害者の社会参加支援や地域生活支援を更に推進するため、地域移行の受け皿としてグループホーム等の整備を促進。
(5)生活扶助基準の見直し
○ 生活保護費等負担金 28,464億円(7年度:28,235億円)
- 生活扶助基準における令和5年度以降実施してきた臨時・特例の措置について、一般低所得世帯の消費実態や社会経済情勢などを総合的に勘案して、見直しを行う。
・令和4年の社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果に基づく令和元年当時の消費実態の水準への特例加算(現行:世帯人員一人当たり月額1,500円)について、1,000円引き上げて月額2,500円にするとともに、
・加算を行っても従前の基準額から減額となる世帯について、従前の基準額を保障
※ 令和8年10月から1年間の措置として実施。財政影響は8年度57億円(半年分)。経済・物価動向等を踏まえた対応としては、このほか、令和7年10月からの特例加算額引上げ(月額1,000円→1,500円)の平年度化による増24億円があり、8年度の財政影響は全体で81億円。
(6)労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進等
ア 賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援
1,961億円(7年度:2,003億円)
【一般会計・労働保険特別会計】
〈一部中小企業対策費における対応〉
- 最低賃金・賃金の引上げに向けた中小・小規模企業等支援(「賃上げ」支援助成金パッケージ)や、非正規雇用労働者への支援等を実施。
※ 業務改善助成金:21億円(7年度補正予算:352億円)
キャリアアップ助成金:1,022億円 等
イ リ・スキリング、労働移動の円滑化の推進等
1,881億円(7年度:1,932億円)
【労働保険特別会計】
- 教育訓練給付等の活用による、労働者個々人の学び・学び直しや企業における人材育成の支援の促進、非正規雇用労働者等が働きながら学びやすい職業訓練、賃金上昇を伴って中途採用者を雇用する事業主への支援等を実施。
※ 人材開発支援助成金:539億円 等
ウ 人材確保の支援
507億円(7年度:484億円)
【一般会計・労働保険特別会計】
- ハローワークの専門窓口(人材確保対策コーナー)等による医療・介護分野等のマッチング支援の強化、雇用管理制度等の導入及び賃上げにより従業員の定着・確保を図る事業主への支援の拡充等を実施。
※ 人材確保等支援助成金:25億円 等
エ 多様な人材の活躍促進等
492億円(7年度:460億円)
【一般会計・労働保険特別会計】
- 就職氷河期世代を含む中高年層への就労支援、障害者就業・生活支援センターによる就業支援の促進、育成就労制度の施行に向けた必要な体制整備等を実施。
(7)その他
ア 生活困窮者自立支援等の推進
898億円(7年度:833億円)
〈一部デジタル庁計上分を含む〉
〈一部イ包括的な支援体制の整備と重複〉
- 生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者に対する包括的な相談支援や就労支援等を実施。
- 子どもの学習・生活支援事業について、昨今の賃金上昇等を踏まえた補助基準額の引上げを実施。
イ 包括的な支援体制の整備
1,015億円(7年度:885億円)
- 生活困窮者自立支援制度を軸とした包括的な支援体制の整備、過疎地域等における既存の相談支援・地域づくり事業の機能集約等を実施。
- 重層的支援体制整備事業(多機関協働事業等)について、より効果的な事業実施の観点から、補助基準額・補助率を見直し。
ウ 自殺総合対策の推進
41億円(7年度:40億円)
〈一部その他の事項経費における対応〉
- 地域の実情に応じた継続的な自殺防止対策、民間団体への支援を通じた全国的な自殺防止対策、こども・若者の自殺危機対応チームによる支援等を実施。
エ B型肝炎給付金
572億円(7年度:1,181億円)
- 「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」に基づき、B型肝炎ウイルスの感染被害を受けた方々への給付金等の支給に万全を期すため、「B型肝炎訴訟の全体解決の枠組みに関する基本方針」に沿って、従前より措置してきた572億円を措置し、令和7年度補正予算で措置した1,198億円とあわせ、給付金等の支給に十分な予算を確保。
オ 女性の健康総合センターの体制強化
28億円(7年度:22億円)
- 女性の健康や疾患に特化した研究やデータの収集・解析、情報発信、女性の体とこころのケアなどの支援を行うため、国立成育医療研究センターに設置された女性の健康総合センターの体制を強化。

