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普通財産貸付事務処理要領

平成13年3月30日
財理第1308


改正平成 13年 10月 29日財理第3660号

13年 11月 28日同第4317号

14年 11月 6日同第4021号

16年 6月 30日同第2508号

18年 3月 28日同第1190号

20年 5月 9日同第1866号

21年 2月 19日同585号

21年 12月 15日同第5426号

23年 6月 8日同第2606号

24年 3月 2日同833号

24年 5月 22日同第2445号

24年 6月 28日同第3132号

24年 12月 28日同第6083号

25年 6月 28日同第3146号

27年 3月 26日同第1482号

28年 6月 23日同第2094号

29年 3月 28日同第1044号

30年 3月 30日同第1150号

30年 6月 29日同第2235号

30年 12月 26日同第4269号

令和元年 9月 20日同第3211号

2年 1月 31日同325号

3年 9月 21日同第3258号

4年 6月 15日同第2117号

4年 6月 17日同第2201号

5年 3月 29日同948号

5年 3月 31日同第1014号

5年 6月 28日同第1877号

5年 12月 22日同第3436号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

普通財産の貸付事務については、下記のとおり取扱いを定めたので通知する。

なお、昭和61年6月10日付蔵理第2283号「普通財産貸付事務処理要領について」通達は、廃止する。ただし、同通達別添1「普通財産(土地及び建物)貸付料算定基準」については、平成14年3月31日限りで廃止することとする。

第1節共通事項

第1基本方針

新規貸付

継続貸付

定期借地権等の取扱い

普通財産を電柱等の敷地として使用させる場合の取扱い

第2貸付期間等

貸付期間

貸付契約の更新等

第3貸付料

算定基準

貸付料の減免措置

貸付料の適用期間

改定通知等

貸付料の納付

第4民有地上の国有建物に係る貸付料の増額請求等

第5使用目的の変更

第6現状変更等の取扱い

第7貸付財産の付保及び損害額の求償

第8延滞金

第9賃借権の登記

第10その他

特例処理

事務管理

第2節借地契約に係る特約条項

第1主な特約条項

第2用途指定に係る特約

第3違約金額

第3節借家契約に係る特約条項

第1主な特約条項

第2用途指定に係る特約

第3違約金額

第4節一時金等の取扱い

第1借地権利金

借地権利金の徴求

借地権利金の算定

第2借地権等の譲渡等の取扱い

借地権等の譲渡の承認

無断借地権等譲渡

名義書換承諾料の算定

転貸の承認

第3増改築等による現状変更

増改築等の承認

増改築等の承認申請

増改築等承認後の貸付期間

借家契約における増改築等

増改築承諾料の徴求

増改築承諾料の算定

無断増改築等

第4非訟事件への対応

第5節その他の事項

第1改定未済事案の取扱い

改定未済事案への対応

定例報告

第2保安上危険な国有建物を貸付けしている場合の取扱い

第3国有財産特別措置法第2条第2項第7号の規定に基づき無償貸付けをしている普通財産の取扱い

第4借地権利金等の債権の種類及び歳入科目

第5書面等の作成等・送付等の方法

電子ファイルによる作成等

電子メール等による送付等

適用除外

別紙様式

第1改定通知文書

第1-2一部変更契約書の送付文書

第2借地権等譲渡申請書

第2-2借地権等譲渡不承認通知書

第3現状変更承認申請書

第4相続人による暫定契約

第4-2相続人による暫定契約における添付書類

第5既往使用料を含む改定通知書

第6暫定数量による契約

第7改定未済事案の一部変更契約書の送付文書

第8改定未済事案の一部変更契約書の最終送付文書

第9一部変更契約書の最終送付文書

第10改定未済事案調

第11改定事案等処理状況調

第12改定未済事案処理状況調

別添1普通財産貸付料算定基準

第1土地の貸付料

継続貸付料

新規貸付料

貸付料算定の特例

第2建物の貸付料

継続貸付料

新規貸付料

貸付料算定の特例

第3マンション等の貸付料の特例

第4一時等貸付料の算定

土地貸付料

建物貸付料

第5工作物の貸付料

第6機械器具及び船舶等の貸付料

第7農地の貸付料の特例

第8増額請求について

貸付料基礎額の再算定

貸付料の決定

増額請求日

その他

第9その他留意事項

貸付先例の採用

相続税評価額等の取扱い

誤信使用財産で、貸付料算定基準による当初の貸付料を算定する場合の取扱い

別添2一時金等算定基準

借地権利金の算定

名義書換承諾料の算定

増改築承諾料の算定

その他

第1節共通事項

第1基本方針

新規貸付

(1)次に掲げる場合には、普通財産の新規貸付けを行うことができるものとする。

公用、公共用又は公益事業の用等に供する場合

予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号。以下「予決令」という。)第99条第21号に規定する「公共用、公用又は公益事業の用(以下「公用、公共用又は公益事業の用」という。)に供する」場合

予決令第99条第12号に該当する場合

予算決算及び会計令臨時特例(昭和21年勅令第558号。以下「予決令臨特」という。)第5条第1項第10号に該当する場合

ただし、上記①から③に該当する新規貸付けのうち、時価貸付け(下記3において別途取扱いを定める貸付けを除く。)を行う場合には、慎重に判断するとともに、理財局長の承認を得て処理するものとする。

国有財産の有効活用の観点から貸付けを行う場合

売払いを行うよりも貸付けを行う方が経済合理性から見て優位と認められるものとして、理財局長の承認を得た場合。

財産の処分を行うまでの間、暫定的な活用を図る場合。

処分が困難な財産について、有効活用を図る観点から貸付けを行う場合。

(2)上記(1)に該当し、新規貸付けを行う場合には、当該財産の所在する地域の都市計画、環境及び貸付申請書に添付された貸付相手方(以下「相手方」という。)の利用計画案等を十分に検討し、国有財産の有効活用に配意するものとする。

(3)上記(1)に該当し、新規貸付けを行うに当たっては、当該財産の利用履歴等から地下埋設物や土壌汚染等の蓋然性が高い場合などには、当該財産の地下埋設物や土壌汚染等の状況について調査等を実施するものとする。

ただし、下記第2-1-(8)に該当する貸付けを行う場合を除く。

(4)暴力団排除に関する取組

契約を締結するにあたっては、平成24年5月22日付財理第2445号「普通財産の管理処分に係る契約からの暴力団排除について」通達(以下「暴排通達」という。)の記-2の規定に基づき、警察当局への照会手続を行うものとする。

契約書には、暴排通達の記-3の特約を付すものとする。

継続貸付

(1)現に貸付中の財産(誤信使用財産及び法令の規定に基づき物納され又は国庫に帰属した財産(以下「物納財産等」という。)を従前の使用者に貸付けする場合を含む。)については令和5年6月28日付財理第1877号「貸付中の財産の売却促進について」通達を踏まえ、契約期間の更新、貸付料改定、増改築や借地権譲渡の承認申請等の機会を捉え、相手方の状況及び意向並びに貸付けの経緯等を勘案のうえ、買受勧奨を行うものとする。

また、民有地上の国有建物についても、増額請求等の機会を捉えて、地主に対して積極的に買受勧奨を行うものとする。

(2)貸付料の改定又は貸付契約の更新等を行う機会においては、貸付契約の履行状況を十分に検討し、契約に定める義務の不履行に当たると認められるもの又は建物の朽廃等により借地権が消滅していると認められるもの等については、専門家等(法務局又は弁護士等をいう。以下同じ。)の意見を徴したうえで、貸付契約の解除等適切な措置を講ずるものとする。

なお、契約に定める使用目的に反して貸付財産を風俗営業(注1)、暴力団の事務所(注2)、公の秩序又は善良の風俗に反する目的その他社会通念上不適切と認められるものに使用している事実が判明した場合にあっては、特に留意のうえ、適切な措置を講ずるものとする。

(注1) 風俗営業とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に規定する風俗営業、性風俗関連特殊営業又は特定遊興飲食店営業その他これらに類する業をいう(以下同じ。)。

(注2) 暴力団の事務所とは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団の事務所その他これに類する施設をいう(以下同じ。)。

定期借地権等の取扱い

借地借家法(平成3年法律第90号)第22条(定期借地権)、第23条(事業用定期借地権)又は第24条(建物譲渡特約付借地権)の規定による貸付けについては、別途定めるところにより取り扱うものとする。

普通財産を電柱等の敷地として使用させる場合の取扱い

電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者又は電気事業法(昭和39年法律第 170 号)第2条第1項第17号に規定する電気事業者に対し、普通財産を電柱等の敷地として使用させる場合の取扱いについては、昭和51年6月26日付蔵理第2774号「普通財産を電柱等の敷地として使用させる場合の取扱いについて」通達により取り扱うものとする。

第2 貸付期間等

貸付期間

普通財産の貸付けを行う場合の貸付期間については、契約の性質や使用の目的に従い、次に定めるところによるものとする。

(1)土地に建物の所有を目的とする賃借権を設定しようとする場合(借地借家法第25条に該当する場合を除く。) 30年

(2)建物(その敷地を含む。)を使用させるために建物の賃借権を設定しようとする場合(借地借家法第40条に該当する場合を除く。) 3年

(3)借受人が政府関係機関又は地方公共団体の場合で、予算制度等の理由で1年間の契約を希望した場合 1年

(4)法令の規定に基づき無償貸付を行う場合で、貸付期間について別の定めがない場合 5年

(5)物納財産等で、物納又は国庫帰属の当時からの借地権者又は借家権者がいる場合は、上記(1)又は(2)に規定する貸付期間から前主の契約日より国の貸付条件による貸付開始日の前日までの期間を控除した期間とする。ただし、前主の契約日が平成4年7月31日以前の場合で貸付地上の建物が堅固な構造以外の構造の場合には、上記(1)に定める期間は20年と読み替えて適用するものとする。

なお、物納財産等について従前からの使用者と借地借家法又は旧借地法(大正10年法律第49号)若しくは旧借家法(大正10年法律第50号)の規定の適用を受けない賃貸借契約を締結する場合も同様に取り扱うものとする。

(6)誤信使用財産を貸付けに移行する場合には、占有開始日(占有開始日が用途廃止による引受けの日以前である場合は、その引受けの日、占有開始日が判明しない場合には、当該建物の保存登記等をした日又は既往使用料請求期間(10か年)の始期の日とする。)を始期とし、また不法占拠財産を貸付けに移行する場合には、契約の日を始期として上記の貸付期間を定めるものとする。ただし、本規定により定めた占有開始日が、平成4年7月31日以前の場合で貸付地上の建物が堅固な構造以外の構造の場合には、上記(1)に定める期間は20年と読み替えて適用するものとする。

(注)堅固な構造の建物とは、石造、煉瓦造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、コンクリートブロック造等の建物をいう。

(7)次のいずれかに該当し、建物の所有以外の目的及び借地借家法第25条に該当する場合として土地に建物の所有を目的とする賃借権を設定しようとする目的で土地を貸付けする場合で、貸付期間について3年を超える必要があると財務局長等(財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長をいう。以下同じ。)が判断した場合 30年以内

ただし、借地借家法第25条に該当する場合として土地に建物の所有を目的とする賃借権を設定しようとする場合については、10年未満とする。

売残り財産(令和元年9月20日付財理第3209号「普通財産を暫定活用する場合の取扱いについて」通達(以下「暫定活用通達」という。)記-第1-2の財産をいう。)

処分困難事由のある財産(暫定活用通達記-第1-3の財産をいう。)

留保財産(令和元年9月20日付財理第3206号「最適利用に向けた未利用国有地等の管理処分方針について」通達(以下「最適利用通達」という。)記-第2-13の財産をいう。)

個別活用財産(最適利用通達記-第6-4で定めた財産をいう。)

利用困難財産(暫定活用通達記-第1-6の財産をいう。)

(8)上記以外の有償貸付を行う場合 3年以内

貸付契約の更新等

(1)貸付期間が満了する場合には、契約を解除する必要が生じた場合及び上記1-(7)又は(8)に該当する場合を除き、前契約と同一の期間について更新するものとする。ただし、上記1-(1)については、最初の更新にあっては20年としその後の更新については10年とする。

なお、貸付始期が平成4年7月31日以前の場合には、建物存続期間とするが、当該建物が堅固な構造の場合は30年、それ以外の構造の場合は20年を超えてはならないものとする。

(2)契約を更新する場合にあっては、上記第1-1-(4)-ロの規定にかかわらず、契約書に暴排通達の記-3に定める特約のうち(1)及び(2)を付すものとする。

なお、平成25年4月1日以降に相続開始となる物納財産を従前の使用者に貸付けする場合にあっては、上記に加え、暴排通達の記-1-(1)に該当する者のみを排除対象者として、契約書に暴排通達の記-3-(3)に定める特約を付すものとする。

(3)上記1-(7)又は(8)に該当する貸付けについては、原則として更新を行ってはならず、あらかじめ契約相手方にその旨十分な説明を行うものとする。ただし、次に掲げる場合にはこの限りでない。

物納財産等について従前からの使用者と賃貸借契約を締結している場合又は誤信使用財産についてその使用者と賃貸借契約を締結している場合において、貸付財産が次のいずれかに該当するために一般競争入札による早期の売却が困難であると認められるとき又は財務局長等が更新することにつきやむを得ない事情があると認めるとき。

無道路地、袋地又は地形狭長等単独利用困難である場合

使用目的が農地法(昭和27年法律第229号)第18条の制限を受ける農地等、私道又は軌道敷地である場合

複数回の一般競争入札に付しても売却に至らない財産が近隣に所在している場合

山間へき地等土地の需要に乏しい地域に所在する場合

公用、公共用又は公益事業の用に供しているもののうち、次のいずれかに該当するとき。

貸付相手方が地方公共団体である場合。

貸付相手方が地方公共団体以外の者であって、公用、公共用又は公益事業の用に関連して、賃貸借契約を締結している場合において、財務局長等が更新することについてやむを得ない事情があると認めるとき。

上記第1-1-(1)-ロ-①に規定する経済合理性から貸付を行っている場合

上記イ、ロ及びハのほか、財務局長等が更新することにつき真にやむを得ない事情があると認める場合。

(4)上記1-(3)に該当するもので、上記1-(8)と同様の性質を有するものにあっては、3年を超えて更新する場合にその適否について判断するものとする。

第3貸付料

算定基準

普通財産の貸付料(消費税及び地方消費税の相当額を含まない。)は、本通達別添1「普通財産貸付料算定基準」(以下「貸付料算定基準」という。)により算定するものとする。

貸付料の減免措置

貸付中の財産が、災害を直接の原因とする事由により被害を受けた場合には、別途定めるところにより、貸付料算定期間の不算入措置などの減免措置を講ずることとする。

貸付料の適用期間

(1)貸付料は、貸付料算定基準により、3年分を一括して算定するものとし、当該貸付料に消費税及び地方消費税の相当額を加えた額とする。

なお、事務の均分化等を図るため必要と認められる場合には、次期の貸付料適用期間を2年から4年の間で定めることができる。この場合の4年次分の貸付料の算定は、貸付料算定基準の規定を当該期間まで延長して適用するものとする。

(2)上記第2-1-(3)の規定により貸付期間を1年としたものについて貸付期間の更新を行う場合の貸付料は、貸付料適用期間を3年とした場合に準じて、3年毎に改定することとした場合の各年次の貸付料年額に相当する額によるものとする。

改定通知等

(1)貸付料の改定を行う場合には、本通達別紙様式第1「改定通知文書」により改定後の貸付料、納付期限及び違約金の額等を、次期貸付料適用開始日の10日前までに到着するように相手方に通知し、併せて歳入徴収官(分任歳入徴収官等を含む。以下同じ。)に債権発生の通知を行うものとする。

(注) 次期貸付料適用開始日の2週間前までに債権発生通知が行われない場合には、平成14年11月6日付財理第4047号「普通財産貸付料債権の適正な管理について」通達(以下「債権管理通達」という。)記-1-(1)の規定に基づき、歳入徴収官から早急に債権発生通知を行うよう要請されるので留意すること(以下(2)において同じ。)

(2)上記(1)の改定通知のみによっては後日紛争が生じるおそれがあると認められる場合には、改定通知を行うとともに、貸付料、貸付料の納付及び違約金に関する条項について、一部変更契約を締結することとする。この場合においては、本通達別紙様式第1-2「一部変更契約書の送付文書」により次期貸付料適用開始日の10日前までに到着するよう相手方に一部変更契約書を送付するとともに、相手方に通知した改定後の貸付料等に基づき歳入徴収官に債権発生の通知を行うものとする。

なお、債権発生の通知を行う場合には、一部変更契約の締結に要する期間その他債権管理上参考となるべき事項(納入告知の一時的な留保の要請等)を歳入徴収官に通知するものとする。

(3)相手方と一部変更契約を締結した場合には、その旨を歳入徴収官に通知するものとする。ただし、当初通知した貸付料を変更した場合にあっては、変更後の貸付料に基づき債権異動の通知を行うものとする。

なお、相手方が一部変更契約の締結に応じない場合には、下記第5節-第1-1-(2)の後段なお書により処理するものとする。

(注)債権管理通達記-1-(3)-(イ)のなお書により、歳入徴収官が納入の告知を留保できる期間は原則として債権管理簿に記載した日から6ヶ月とされていることに留意するものとする。

貸付料の納付

(1)納付方法

貸付料は、原則として毎年一回当該年次分を前納させるものとする。

なお、貸付期間が6か月以上にわたるものについては、相手方と協議のうえ、適宜分割回数(年賦、半年賦、四半期賦、月賦)を設定し、分割納付させることができる。ただし、一回の納付額は千円以上とする。

(2)納付期限

貸付料の納付期限は次のとおり取扱うこととする。

新規貸付

契約締結の日から20日以内とする。以降の納付期限については、継続貸付と同様に設定する。

継続貸付

各分割期間の初月の20日(初月が4月の場合には30日)とする。

債権発生の事務手続きを行った日が、予め設定した納付期限を経過している場合等、当該納付期限によることが適当でない場合には、次回の納付期限に係る貸付料と同時に納付させる等適切に処理する。

(3)納付の特例

分割納付が認められないような少額貸付料にあっては、3年次分(貸付料適用期間を2年から4年の間で定めたものについては、当該期間分。)を一括して納付させることができるものとする。

国以外の者が所有する土地(以下「民有地」という。)の上の建物の貸付料の算定に当たり、民有地の所有者に支払うべき地代が確定していない等の理由から、当該年次の建物貸付料(地代相当額を含む。以下この項において同じ。)が算定できない場合には、前年次における建物貸付料を概算額として相手方に通知するものとする。ただし、当該年次における民有地の所有者に支払うべき地代が確定した場合には、遅滞なく確定した建物貸付料を通知するものとし、概算額によって貸付料を納付している場合には、概算額による納付額と確定した建物貸付料の差額につき精算を行うものとする。ただし、貸付料を分割納付している場合には、上記(2)-ハにより、次回の納付額と同時に納付させる等の処理を行うことができる。

第4民有地上の国有建物に係る貸付料の増額請求等

(1)民有地上に所在する建物貸付料について、当該民有地の所有者からその地代の増額請求があった場合には、貸付料算定基準による貸付料の試算又は付近の民間の取引事例の調査結果によって当該請求額の妥当性について検討を行い、妥当と認められる場合に限り、当該請求額による増額請求を認め、建物貸付料の増額請求を行うものとする。

(2)貸付料を増額する時期が年次途中である場合には、上記第3-4によって通知した次期貸付料の適用期間にかかわらず、当該年次の未経過の期間についてのみ増額請求することとし、当該年次を第1年次として3年間分の貸付料を改めて通知するものとする。

第5使用目的の変更

(1)相手方から貸付財産の使用目的の変更の申出があった場合には、利用計画案等変更の内容が判明する資料の提出を求め、変更を認めることが事情やむを得ないものである場合には、当該申出を認めることができるものとする。ただし、変更後の使用目的が風俗営業、暴力団の事務所、公の秩序又は善良の風俗に反する目的その他社会通念上不適切と認められるものの用に供しようとするものである場合を除く。

なお、用途指定の変更に該当するものである場合については、「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」(昭和41年2月22日付蔵国有第339号。以下「用途指定通達」という。)に別途定めるものであることに留意する。

(2)使用目的が変更となり、増額請求する必要が生じた場合には、貸付料算定基準第8「増額請求について」の規定により増額請求を行うものとする。

第6現状変更等の取扱い

相手方から貸付財産の現状変更に関して承認申請があった場合においては、現状変更の適否を慎重に判断し、やむを得ないと認められる場合に限りこれを承認するものとする。

この場合において、民法(明治29年法律第89号)第608条に規定する必要費及び有益費については、相手方に償還しないこととする。

第7貸付財産の付保及び損害額の求償

(1)建物及びこれに類する工作物の無償貸付をする場合は、借受人の負担において国の指定する金額を保険金額とし国を被保険者とする損害保険契約を締結させ、貸付期間中はこれを継続させるものとする。この場合において、借受人の責に帰する事由により損害が発生し損害保険金が支払われたがその額が時価による損害額に不足しているときは、その不足額を借受人に求償するものとする。また、損害の発生が借受人の故意又は重大な過失によるときは、保険金の支払いを受けられないことから、当該物件の時価による損害額を借受人に求償するものとする。なお、保険契約書は財務局長等(事務所長、出張所長を含む。)が保管するものとする。

(2)上記(1)以外の場合には借受人に対し付保義務は課さないが、借受人の故意又は重大な過失により貸付財産に損害を与えたときは、損害賠償を請求するものとする。

第8延滞金

貸付料を納付期限までに支払わない場合の延滞金の利率については、普通財産取扱規則(昭和40年大蔵省訓令第2号)第30条第3項に定める率による。

第9賃借権の登記

普通財産について借地、借家、賃貸借又は一時貸付の契約を締結する場合において、その賃借権に係る民法第605条(賃借権の対抗力)に規定する登記は行わないものとする。

ただし、物納財産等で、物納又は国庫帰属以前から賃借権の登記が行われていた場合には、この限りでない。

第10その他

本省承認

この要領により処理することが適当でないと認められる場合には、理財局長の承認を得て別途処理することができるものとする。

事務管理

貸付けは、相手方との契約が長期にわたり継続するため、各種の申請事項の処理状況等を必要に応じて整理、記録し保管しておくものとする。

第2節借地契約に係る特約条項

第1主な特約条項

借地契約(土地の賃貸借契約を含む。)の締結に当たっては、次の特約を付し、相手方に対してその旨を説明するものとする。

(1)次のイ、ロに該当するときは、国の承諾を要する旨の特約

貸付財産の全部若しくは一部の賃借権を第三者に譲渡し、又は、貸付財産の全部若しくは一部を転貸しようとするとき

貸付財産に工事等を加え、現状の変更(極めて軽微なものを除く。)をしようとするとき、又は当該財産上に所在する借受人所有の建物若しくはその他の工作物につき増改築等により現状の変更(軽微なものを除く。)をしようとするとき

(2)契約に定める義務の履行状況を確認するため、実地に調査(ドローン等のデジタル技術を活用した調査を含む。)し、又は参考となるべき資料その他の報告を徴求できる旨の特約

(3)上記(1)、(2)の特約に違反した場合には、違約金を徴求する旨の特約

(4)貸付物件について、あらかじめ契約締結前に把握している地下埋設物や土壌汚染等の物件の状況が明確になる資料等を添付し、その状況を理由として民法第559条において準用する第562条から第565条に規定する担保の責任に基づく履行の追完請求、貸付料の減免請求、損害賠償請求及び契約解除並びに民法第606条第1項に規定する修繕請求並びに第608条の必要費償還請求及び有益費償還請求を行うことができない旨の特約

(5)貸付物件について契約不適合部分(「目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない部分のこと」をいう。以下同じ。)の存在が明らかになった場合に以下の取扱いとする特約

なお、その対応については次のイ又はロによる。

国において契約不適合部分を修補することにより履行の追完を行う。

国において契約不適合部分の修補を行うことにより生じた損害については、賠償又は補償請求することはできない。但し、国による契約不適合部分の修補の期間中、貸付相手方の使用収益が制限される場合には、下記③の規定にかかわらず、使用収益が制限される程度に応じた貸付料の減免を行うことができる。

民法第559条において準用する第563条から第565条に規定する担保の責任に基づく貸付料の減免請求、損害賠償請求及び契約解除を行うことはできない。

契約不適合部分の修補を自ら行った場合、支出した費用(必要費、有益費を含む)を国に償還請求することはできない。

国は、契約不適合部分の修補に過分の費用を要する場合には契約を解除できる。

国が使用収益に支障があると認めるとき

上記①~⑤の対応による。

国が使用収益に支障があると認めないとき

国において、契約不適合部分の修補を行わないことのほか、上記③及び④の対応による。

(6)貸付物件の引き渡し後、修繕等を要する箇所が生じた場合には以下の取扱いとする特約

なお、その対応については次のイ又はロによる。

国において修繕等を行う。

ただし、相手方の責めに帰すべき事由により修繕等の必要が生じた場合は、その修繕等に要する費用は、相手方が負担しなければならない。

(注)国が相当の期間内に修繕を行えない時や修繕の急迫の必要がある時には、修繕方法等について、国と相手方において協議することができる。

国において修繕等を行うことにより生じた損害については、賠償又は補償請求することはできない。但し、国による修繕等の期間中、貸付相手方の使用収益が制限される場合には、下記③の規定にかかわらず、使用収益が制限される程度に応じた貸付料の減免を行うことができる。

修繕等が必要な箇所が存在することによる損害賠償請求及び貸付料の減免請求を行うことはできない。

修繕等を自ら行った場合、支出した費用を国に償還請求することはできない。

国は、修繕等に過分の費用を要する場合には契約を解除できる。

国が使用収益に支障があると認めるとき

上記①~⑤の対応による。

国が使用収益に支障があると認めないとき

国において修繕等を行わないことのほか、上記③及び④の対応による。

第2用途指定に係る特約

用途指定を付しているものについては、用途指定通達に基づき適切に特約を付して処理するものとする。

第3違約金額

違約金額の取扱いは次によることとし、当該違約金額が一万円未満の場合には、一万円とする。

(1)違約金額は、貸付料年額(貸付料算定基準第1-1-(3)「貸付料の通知等」による措置を講じているものにあっては第一年次の貸付料年額)とする。

なお、相手方が貸付財産を農地の用に供する場合の違約金の額については、「貸付料年額の10倍」とすることができる。

(2)上記第2「用途指定に係る特約」の規定による特約に係る違約金額については、用途指定通達中、「時価額の3割」に代えて「貸付料年額の3倍」として適用するものとする。

(3)風俗営業、暴力団の事務所及び公の秩序又は善良の風俗に反する目的の用その他近隣住民の迷惑となる目的の用に使用した場合の違約金額は、「貸付料年額の3倍」とする。

第3節借家契約に係る特約条項

第1主な特約条項

建物の賃貸借(建物に付随する敷地の使用を含む。)を設定しようとする場合は、次の特約を付するものとする。

(1)次のイ、ロに該当するときは、国の承諾を要する旨の特約

貸付財産の賃借権を第三者に譲渡し又は転貸しようとするとき

貸付財産について、模様替え、改造等により、現状の変更(軽微な変更を除く。)をしようとするとき

(2)契約に定める義務の履行状況を確認するため、実地に調査し、又は参考となるべき資料その他の報告を徴求できる旨の特約

(3)上記(1)、(2)の特約に違反した場合には、違約金を徴する旨の特約

(4)国は、修繕義務を負担しない旨の特約

第2用途指定に係る特約

用途指定に係る特約については、用途指定通達に基づき、適切に特約を付して処理するものとする。

第3違約金額

違約金額については、上記第2節-第3「違約金額」の規定を準用して定めるものとする。

第4 原状回復

次のイ、ロに該当するものを除き、原則、相手方は貸付物件に生じた損傷を原状に復する義務を負う。

通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化

相手方の責めに帰することができない事由による損傷

第4節一時金等の取扱い

借地権利金及び借地条件の変更の際徴求すべき一時金等の取扱いは次によることとする。

第1借地権利金

借地権利金の徴求

普通財産を借地契約により新規に貸付けする場合及び借家契約又は賃貸借契約を借地契約に変更する場合には、次のイ~ハに該当する場合を除き、借地権利金を徴するものとする。ただし、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第3条の規定により減額貸付するものについては、昭和48年12月26日付蔵理第5722号「国有財産特別措置法の規定により普通財産の減額譲渡又は減額貸付けをする場合の取扱いについて」通達(以下「減額通達」という。)に定める減額率を乗じた借地権利金を徴するものとする。

貸付財産が借地権利金の授受の慣行の無い地域に所在する場合。

ただし、当該慣行の有無が明確でない場合には、民間精通者(不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号)に規定する不動産鑑定業者等をいう。以下同じ。)に照会する等により、当該慣行の有無を確認するものとする。

貸付財産が地形狭長等単独利用困難なものである場合。

その他の事情により、借地権利金を徴しないことが真にやむを得ないものとして財務局長等が認めた場合。

借地権利金の算定

借地権利金の算定は、本通達別添2「一時金等算定基準」によるものとする。

第2借地権等の譲渡等の取扱い

借地権等の譲渡の承認

(1)貸付中の普通財産について借地権及び借家権(以下「借地権等」という。)の譲渡の承認申請があった場合において、次に該当する財産に係る借地権等については、普通財産取扱規則第30条第4項ただし書の規定による「特別の事情があるものとして別に定める場合」として、財務局長等限りでその譲渡を認めることができるものとする。

ただし、借地権等の譲渡によって国が不利となるおそれがある場合は除く。

予決令第99条第22号を適用して貸し付けている財産で、借地権の目的となっている土地

物納財産である建物のうち、物納前から借家権の目的となっているとともに借家権の譲渡が契約又は慣行により認められていたもの

法令の規定により国庫に帰属した財産である建物のうち、国庫に帰属する前から借家権の目的となっているとともに借家権の譲渡が契約又は慣行により認められていたもの

(注)「国が不利となるおそれがある」場合としては、例えば次のような場合がある。

借地権等の譲受人の貸付料支払能力に不安がある場合

借地権の残存期間が短い場合

借地権等の譲渡により貸付土地が細分化され、貸付土地の全体的利用、効率的利用に著しい支障をきたし、価格の低下、利用価値の減少等が生じる場合

借地権等の譲受人に人的信頼関係がない場合

(2)借地権等の譲渡の承認に当たっては、本通達別紙様式第2「借地権等譲渡申請書」による申請書及び添付書類として譲受人から暴排通達の別添1「誓約書」を提出させ、同通達の記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

(注)譲受人が暴排通達の記-1に定める排除対象者に該当することが判明した場合には、当該事由を理由として借地権等の譲渡を認めないことを、本通達別紙様式第2-2「借地権等譲渡不承認通知書」により、譲渡人に対し通知することとする。そのため、譲受人の誓約が虚偽であることが判明した場合には、譲受人が排除対象者に該当する旨を国から譲渡人に通知することを、譲受人に対しあらかじめ同意させておくものとする。

また、下記(4)に定める名義書換承諾料徴求対象事案にあっては当該承諾料を徴することを条件として承認するものとする。

ただし、譲受人が法定相続人のときなど、国からの承認の有無に係らず借地権等の譲渡が法的に成立している場合(包括承継の場合)には、誓約書の提出及び上記照会手続を省略できるものとする。

(3)上記(1)-(注)-③については、名義書換承諾料の徴求により当該借地権等の譲渡によって生じる価値減少相当額を補うことができる場合、又は、共有している借地権を契約関係を明確化するため分割して契約する場合若しくは長屋形式により集団貸付しているものにつき、それぞれ賃借人と契約を行うことにより、処分を促進しようとする場合等は、「国が不利となるおそれがある」場合には該当しないものとする。

(4)借地権の譲渡を承認する場合には、次のイ~ヘに該当する場合を除き、原則として賃借権の譲渡人から名義書換承諾料を徴するものとする。ただし、国有財産特別措置法第3条の規定により減額貸付しているもので減額貸付が可能な第三者に借地権を譲渡する場合にあっては、減額通達に定める減額率を乗じた名義書換承諾料を徴するものとする。

貸付財産が名義書換承諾料の授受の慣行の無い地域に所在する場合。ただし、当該慣行の有無が明確でない場合には、民間精通者に照会する等により、当該慣行の有無を確認するものとする。

貸付財産が地形狭長等単独利用困難なものである場合

相手方が、借地権を国又は地方公共団体等に無償で譲渡する場合であって租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第40条第1項(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)に該当するものである場合(同法第40条第1項に規定する国税庁長官の承認を受けようとする場合を含む。)。ただし、同法第40条第2項により国税庁長官の承認が取消されたときは、その承認が取消された時点で新たな借地権譲渡があったものとみなす。

相続(遺贈を含む。)又は将来相続人となる者への生前の贈与であるとき。

借地権譲渡と同時に譲受人が貸付財産を買い付ける場合。ただし、民間精通者に照会する等により、当該取引時においても名義書換承諾料の授受の慣行が有ると確認される場合を除く。

その他の事情により、名義書換承諾料を徴しないことが真にやむを得ないものとして財務局長等が認めた場合

(5)借地権等の譲受人と貸付契約を締結する場合には、原則として上記第1節-第1-1-(4)-ロに定める特約を付した契約書によるものとする。

ただし、譲受人が法定相続人のときなど、国からの承認の有無に係らず借地権等の譲渡が法的に成立している場合(包括承継の場合)には、引き続き従前の契約内容とすることも差し支えない。

なお、貸付期間は国と借地権等の譲渡人との間の契約における残期間とする。

(6)借地権及び借家権以外の賃借権については、普通財産取扱規則第30条第4項により、原則として普通財産の使用又は収益を目的とする権利の譲渡又は転貸を禁止しなければならないことに留意する。

無断借地権等譲渡

国の承認を得ないで無断で借地権等の譲渡がなされた場合であって財務局長等が適当と認めたときには、遅滞なく違約金を徴求したうえで、上記1「借地権等の譲渡の承認」の規定を準用して借地権等の譲渡を追認することができるものとする。

ただし、借地権等譲渡が背信行為を伴うものである場合等、承認することができない場合には、専門家等の意見を徴したうえで違約金の徴求のほか、契約を解除し貸付財産の明渡しを求めるものとする。

なお、財務局長等限りで追認できるのは、上記1-(1)-イ、ロ、ハに該当する場合で国が不利となるおそれがないときに限られることに留意する。

おって、無断譲渡事案において当該譲渡人の居所が不明である等、賃借権の譲渡人を当該承諾料徴求の相手方とすることが実情に即さないと認められる場合には、賃借権の譲受人をその徴求の相手方とすることができるものとする。

名義書換承諾料の算定

名義書換承諾料の算定は、本通達別添2「一時金等算定基準」によるものとする。

転貸の承認

財務局長等は、貸付中の普通財産の使用又は収益を目的とする権利に関して転貸の承認申請があった場合において、当該転貸が次の(1)から(5)までのすべてに該当するときは、普通財産取扱規則第30条第4項ただし書きの規定による「特別な事情があるものとして別に定める場合」として、財務局長等限りでその転貸を認めることができるものとする。

(注) 法令により優遇措置が適用されている貸付けが、転貸を行うことにより、優遇措置の適用ができなくなる場合には、時価貸付けに移行した上で、転貸承認を行うことに留意すること。

(1)法令により事業主体が地方公共団体とされている事業において、当該事業主体である地方公共団体が、施設整備又はその管理運営を民間事業者に対して委託する目的により転貸を行う場合又は令和4年6月15日付財理第2087号「普通財産の管理及び処分を行う場合において指名競争に付し又は随意契約によることについての財務大臣との包括協議について」通達別紙1-第1-(ニ)-(5)、(5の2)、(10)に該当する転貸を行う場合であること。

(2)転貸相手方が予決令第70条及び第71条又は地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4に該当しない者であること。

(注) 上記(2)の確認に当たっては、暴排通達記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

(3)転貸相手方が事業を適切に遂行するために必要な能力(事業実績、経営状況及び財務状況)又は資格を有すること。

(4)転貸を認めることにより、国にとって不利な契約にとならないよう、国と貸付相手方との間の貸付契約(以下「貸付契約」という。)及び貸付相手方と転貸相手方との間の転貸借契約(以下「転貸借契約」という。)が以下の事項を満たしていること。

転貸貸付料が国の貸付料を上回らないこと

貸付契約に定められた権利の範囲内において転貸借契約が締結されていること

貸付契約上の規定(次に掲げるものを除く。)と同一の規定を転貸相手方に遵守させる転貸借契約書となっていること

貸付料関係

貸付料、貸付料の納付、貸付料の改定、充当の順序、貸付物件の一部滅失、貸付料の清算

延滞金関係

貸付料の延滞金、延滞金の算定

その他

物件の引渡し、原状回復、本契約にかかる日割計算、契約の費用、疑義の決定

転貸相手方が暴排通達の記-1に規定する排除対象者に該当した場合には転貸借契約を解除できることが約定されていること

(注)転貸借契約書(案)については、弁護士の確認を経ることとし、事案毎の個別性を勘案の上、上記イからニまでのほかに定めるべき事項があると判断される場合は、貸付相手方と協議を行い、転貸借契約書(案)を修正すること。

(5)転貸相手方が、転貸借契約書に約定された規定(上記(4)-ハにより約定したものに限る。)に違反した場合には、貸付相手方の義務違反があったものとみなす旨の約定及び転貸相手方が暴排通達の記-1に規定する排除対象者に該当した場合には契約を解除できる旨の約定を、貸付契約書に追加すること。

なお、この場合においては、次の事項について貸付契約書を修正するものとする。

転貸相手方の義務違反に関するみなし条項

平成13年3月30日付財理第1298号「普通財産の管理及び処分に係る標準契約書式及び同取扱要領について」通達(以下「標準契約書式通達」という。)に定める各標準契約書式の「権利譲渡等の禁止」の条項に以下の2項を追加するものとする。

    • 乙が第【権利譲渡等の禁止の条項における承認にかかる項】項に定める甲の承認を得て貸付物件を第三者に転貸する場合には、乙は、当該第三者(以下「転借人」という。)に対し、第【使用目的(用途指定を付している場合は指定用途)の条項】条、第【使用上の制限の条項】条、第【権利譲渡等の禁止の条項】条、第【物件保全義務等の条項】条及び第【実地調査等の条項】条に定める乙の甲に対する義務と同一の義務を遵守させるものとする。

    • 転借人が前項に定める各義務のいずれかに違反したときは、乙が当該義務に違反したものとみなし、甲は、乙に対し、第【違約金の条項】条に定める違約金を請求することができるとともに、第【契約の解除の条項】条に従い契約を解除し、または、第【損害賠償等の条項】条に従い損害賠償等を請求することができるものとする。

      なお、第【違約金の条項】条に定める甲の乙に対する違約金の請求については、同条において定める事由が生じたときに限るものとする。

転貸相手方に対する暴力団排除の特約

標準契約書式通達に定める各標準契約書式の「契約の解除」の条項に定める「暴力団排除の特約」について、「乙」を「乙が転貸した第三者」に修正して、貸付契約書に追加すること。

第3増改築等による現状変更

増改築等の承認

貸付土地上に所在する貸付相手方所有の建物の増改築等(建物の種類、構造等の変更を含む。)について、承認申請があった場合には、現状変更の理由を踏まえ次の事項について確認の上処理を行うものとする。

建築基準法(昭和25年法律第201号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)等による諸規制との整合性

貸付料の納付状況

増改築等の承認申請

増改築等の承認に当たっては、本通達別紙様式第3「現状変更承認申請書」による申請書を提出させ、下記5「増改築承諾料の徴求」に定める増改築承諾料徴求対象事案にあっては、当該承諾料を徴することを条件として承認するものとする。

なお、下記5-(5)に定める場合にあっては、同号に該当することが確認できる書面を提出させるものとする。

増改築等承認後の貸付期間

増改築等を承認した場合の承認後の貸付期間は、次に定めるところによるものとする。

(1)堅固な建物への改築の場合は、承認をした日の翌月の初日を始期として30年とする。

ただし、貸付始期が平成4年8月1日以後の場合は20年(現行の契約の残期間が20年を超える場合はその期間)とする。

(2)非堅固な建物への改築の場合は、承認をした日の翌月の初日を始期として20年とする。(現行の契約の残期間が20年を超える場合はその期間。)

(3)建物の増築の場合は、現行の契約における残期間とする。

借家契約における増改築等

借家契約で貸し付けている建物については、貸付者たる国の所有に係るものであるが、その性格上借家人による増改築等はなじまないものであり、また、これを認めた場合、内容によっては当該借家契約の性質を変更することとなるおそれもあるので、これを認めようとする場合には、必ず専門家等の意見を徴したうえで適正な措置を講じるものとする。

増改築承諾料の徴求

増改築等を承認する場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、増改築承諾料を徴するものとする。ただし、国有財産特別措置法第3条の規定により減額貸付しているものについては、減額通達に定める減額率を乗じた増改築承諾料を徴するものとする。

(1)貸付財産が増改築承諾料の授受の慣行の無い地域に所在する場合。ただし、当該慣行の有無が明確でない場合には、民間精通者に照会する等により、当該慣行の有無を判断するものとする。

(2)貸付財産が地形狭長等単独利用困難なものである場合

(3)火災その他の災害により、建物の一部又は全部が損壊し、おおむね従前の建物と同程度に復旧するものである場合(防災のための構造の変更を行う場合を含む)

(4)都市計画事業等の施行に伴い、増改築せざるを得ない場合で、おおむね従前の建物と同程度と認められるものに復旧するものである場合

(5)次に掲げる建築物の耐震改修を行う場合

学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校の施設

拠点医療施設としてあらかじめ選定を受けた医療法(昭和22年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所

災害応急対策を実施する災害対策本部、消防、警察等が使用する庁舎としてあらかじめ公表された庁舎

その他、災害発生時に活用が見込まれる公共施設

(6)その他の事情により、増改築承諾料を徴しないことが真にやむを得ないものとして財務局長等が認めた場合

増改築承諾料の算定

増改築承諾料の算定は、本通達別添2「一時金等算定基準」によるものとする。

無断増改築等

国の承認を得ないで無断で増改築が行われた場合であって、財務局長等が適当と認めた場合には、遅滞なく違約金及び上記5に定める増改築承諾料を徴求したうえで、上記1「増改築等の承認」の規定を準用して増改築等を追認することができるものとする。

追認処理に応じない場合又は無断増改築等が著しく信頼関係を破壊すると認められる場合には、専門家等の意見を徴したうえで、違約金の徴求のほか、契約を解除し、貸付財産の明渡しを要求するものとする。

なお、借家契約における無断増改築等については、上記4に留意し、追認等の措置については、専門家等の意見を徴したうえ、慎重に取り扱うものとする。

第4非訟事件への対応

相手方から借地条件の変更又は借地権の譲渡若しくは転貸について承認申請があった場合において、財務局長等がこれを承認しなかったため相手方が借地借家法第17条第1項、第2項、第18条第1項又は第19条第1項の規定により裁判所に賃貸人の承諾に代わる許可の申立てをしたときは、専門家等の意見を付して理財局長に報告するものとする。

第5節その他の事項

第1改定未済事案(発生が見込まれる場合を含む。以下同じ。)の取扱い

諸般の事情から所定の時期に貸付料の改定事務又は貸付期間満了による更新事務(以下「改定事務」という。)が完了せず、改定未済となった財産については、国の貸付料債権の適正な管理という観点から、早期に解消を図るとともに、改定事務を円滑に行うことにより、改定未済事案の発生を極力防止するものとする。

改定未済事案への対応

改定未済事案は、改定未済となっている事由別に次のように対応し、歳入徴収官と共同でその早期解消を図るものとする。

また、相手方に改定通知等を送付する場合には、上記第1節-第3-4に準じて歳入徴収官に債権発生等の通知を行うものとする。ただし、諸般の事情から所定の時期までに債権発生等の通知を行うことができない場合にあっては、その理由及び債権管理上必要となる事項を歳入徴収官に通知するものとする。

なお、相手方が国の請求した貸付料の支払等を行わない場合には、専門家等の意見を徴した上、貸付料の調停又は貸付契約の解除等適切な措置を講ずるものとする。

(1)改定未済事由別の対応

相手方が死亡し、相続人が未確定の場合

相続人において相続人のいずれか一人を選定させ、その者と貸付契約を締結するものとする。ただし、複数の相続人から契約要望があった場合には、複数の連名により貸付契約を締結することができる。

なお、契約に当たっては、本通達別紙様式第4-2「国有財産有償貸付契約の締結に係る借受人の地位に関する確認書」をすべての相続人が確認できる資料(被相続人が出生してから死亡するまでの戸籍(除籍)謄本)を添付のうえ提出させるものとする。

また、相続人から貸付契約の申し出がない場合には、居所が確認できる法定相続人すべてに改定通知を送付するものとし、居所が確認できない法定相続人に対しては、公示送達により改定通知を送付するものとする。この場合において、歳入徴収官に債権発生の通知を行うときは、改定通知を送付した法定相続人その他債権管理上参考となるべき事項を併せて通知するものとする。

相手方が行方不明の場合

(イ) 相手方の居所について関係者、関係官署等の調査を行い、相手方の居所が確認できない場合には、従前の貸付料額により、速やかに、歳入徴収官に債権発生の通知を行うとともに、専門家等の意見を徴したうえ、次の方法による等法的な措置を検討するものとする。

相手方の死亡が確認又は推定できる場合であって、配偶者及び推定相続人(以下「推定相続人等」という。)が存在するときは、失踪宣告等により当該推定相続人等に名義変更を行う。

相手方の死亡が確認又は推定できない場合には、公示送達による支払督促及び停止条件付契約解除通知を行うものとし、履行期限内に貸付料の支払等がないときは、建物収去土地明渡請求訴訟を行う。

相手方の死亡が確認又は推定できる場合であって、推定相続人等が存在しないときは、相続財産清算人選任の申立手続を経たうえ、当該清算人に対して上記②の処理を行う。

(ロ)上記(イ)により処理方法を決定した場合には、歳入徴収官に当該処理方法及び名義変更又は契約解除等手続に要する期間その他債権管理上参考となるべき事項を通知するものとする。

なお、上記(イ)により貸付料を据え置く期間は、①にあっては名義変更までの間、②及び③にあっては契約解除等までの間とするものとし、決定した処理方法に応じ歳入徴収官に債権異動等の通知を行うものとする。

また、相手方が行方不明となっていることを了知していなかったため、既に従前の貸付料額と異なる金額で債権発生の通知を行っている場合には、従前の貸付料額により債権異動の通知を行うものとする。

相手方が資力に乏しい場合

相手方に支払能力がない場合においても債権は発生させざるを得ないことから、速やかに改定事務を行うものとする。この場合の相手方への通知文書は本通達別紙様式第5「既往貸付料を含む改定通知書」を使用するものとする。

なお、改定に当たっては、相手方の事情にも十分配慮のうえ、今後の貸付料については均等分割による納付を行うとともに、新たに保証人等による納付等を検討するよう相手方に要請する。

(注)本事由の場合には、既に改定未済となっていることが一般的であることから、既往貸付料についても含めて改定通知を行うものである。

相手方が貸付財産(貸付財産の一部を含む)を使用していないと主張している場合

速やかに現地調査を行い、使用されていないことが確認された場合には、当該未使用部分を必要に応じて原状回復のうえ返還させる。

なお、返還される土地の既往の貸付料は、相手方の状況、誠意に応じ、使用していたと認められる時点までとして差し支えない。

貸付地の特定が必要な場合

境界未確定等の理由から、貸付地の特定が必要なものについては、改めて実態調査を行う。特定を了するまでの間は確定面積により遡及して貸付料の精算をする旨の特約を付した一部変更契約書(本通達別紙様式第6「暫定数量による契約」。以下この項において同じ。)をもって、特定以前の面積等に基づいて算定した貸付料により契約を締結する。

なお、一部変更契約書には、期間毎の国の算定基準による貸付料単価を明示する。

特定を了した後は、速やかに確定した面積等と一部変更契約書に明示した単価により算定した貸付料をもって、遡及して精算を行うとともに、一部変更契約を再度締結する。

(2)貸付料に不満がある場合の対応

貸付料に不満があって改定未済となっている場合においては、貸付料算定基準第1-3及び同第1-1-(3)ただし書により貸付料を算定することができるものとし、貸付料(未改定の貸付料を含む。)を記載した一部変更契約書を相手方に送付して(本通達別紙様式第7「改定未済事案の一部変更契約書の送付文書」)貸付料額の折衝を行う。

貸付料額について相手方の合意が得られないときの対応としては、一定期間内に応諾がない場合には当該期間経過後納入告知書を送付する旨を記載した文書(本通達別紙様式第8「改定未済事案の一部変更契約書の最終送付文書」)とともに、一部変更契約書を配達証明郵便により送付するものとする。

送付後、一部変更契約に応じることが確認された場合には、それにより速やかに契約を締結する。当該期間内に一部変更契約に応じない場合には、当該期間経過後遅滞なく最終的に相手方に提示した一部変更契約書に記載の貸付料をもって納入告知書を送付し、専門家等の意見を徴したうえで法的措置等適切な措置を講じるものとする。

(注)債権管理通達記1-(3)-(イ)のなお書により、歳入徴収官が納入の告知を留保できる期間は原則として債権管理簿に記載した日から6ヶ月とされていることに留意するものとする。

なお、上記第1節-第3-4-(2)により一部変更契約書を送付している場合にあっても、貸付料算定基準第1-3及び同第1-1-(3)ただし書により算定した貸付料により貸付料額の折衝を行うことができるものとし、相手方がこれによる契約に応じない場合には、本通達別紙様式第9「一部変更契約書の最終送付文書」を送付し、同文書記載の措置を講ずるものとする。

定例報告

財務局長等は、毎年度末現在における1年以上の改定未済事案の状況、改定未済事案処理状況及び改定事案等の処理状況について、それぞれ、本通達別紙様式第10「改定未済事案調」、別紙様式第11「改定事案等処理状況調」及び別紙様式第12「改定未済事案処理状況調」により翌年度4月30日までに、理財局長に報告するものとする。

第2保安上危険な国有建物を貸付けしている場合の取扱い

貸付中の国有建物が、建築基準法第10条又は消防法(昭和23年法律第186号)第5条の規定により、監督官庁から除却、使用禁止等の命令を受けた場合又は建物の朽廃が進み、保安上危険な状態となっていると認められる場合には、次により処理することができるものとする。

(1)履行不能による貸付契約の解除及び建物の明け渡しを相手方に申し入れることとし、この申入れに応じない相手方に対しては訴訟により解決するものとする。

(注1)「履行不能」とは、借家契約において、家主が建物そのものを提供できなくなる状態をいう。

(注2)建物の明け渡し期間は、建築基準法又は消防法に基づく命令による相当の期間とする。

(2)建物の明け渡しを請求した相手方が随契適格のある者であって、当該建物の買受けを希望した場合には、速やかに売払いするものとする。

この場合において、建物敷地が普通財産であるときは、当該敷地も併せて売払いするものとする。

(3)明け渡しを了した建物は、速やかに解体撤去するものとする。

(4)貸付契約の解除と同時に建物を明け渡さないものについては、貸付契約の解除後、相手方に対して使用料に相当する弁償金を通知するものとする。なお、貸付契約期間中に貸付契約の解除をしたもので、かつ、建物の明け渡しの日が契約書に定められた貸付期間の満了前であるものについて、既に貸付料が納付されているときは、建物の明け渡しの日から契約書に定められた貸付期間満了の日までの既納貸付料を返還するものとし、貸付料が未納となっているものについては契約解除の翌日から契約書に定められた貸付期間の満了の日までの貸付料について減額調定し、契約解除の翌日から建物の明け渡しの日までの間は、使用料に相当する弁償金を明け渡しを受けた後に通知するものとする。

第3国有財産特別措置法第2条第2項第7号の規定に基づき無償貸付をしている普通財産の取扱い

学校施設として有償貸付をしていたことのある普通財産を、国有財産特別措置法第2条第2項第7号の規定による無償貸付から有償貸付に変更する場合の上記第1節-第3「貸付料」又は第4節「一時金等の取扱い」の規定の適用に当たっては、当初の有償貸付が継続しているものとして処理するものとする。

第4借地権利金等の債権の種類及び歳入科目

借地権利金、名義書換承諾料及び増改築承諾料にかかる債権管理上の債権の種類と歳入徴収上の歳入科目は、次表に掲げるところによるものとする。

区 分

債権の種目

雑収入

諸収入

雑入

金銭引渡請求権債権

歳入科目

雑 収

第5書面等の作成等・送付等の方法

電子ファイルによる作成等

本通達に基づき、作成等を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成等を行うことができる。

電子メール等による送付等

(1)本通達に基づく送付等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

(2)上記(1)の方法により送付等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

適用除外

上記1及び2の措置は、本通達に規定する手続のうち、次に掲げる場合については適用しないものとする。

(1)第1節-第3-4-(1)に規定する「別紙様式第1」により相手方に通知する場合

(2)第1節-第3-4-(2)に規定する「別紙様式第1-2」により相手方に一部変更契約書を送付する場合

(3)第1節-第7-(1)に規定する損害保険契約書を保管する場合

(4)第4節-第2-1-(2)に規定する「別紙様式第2」を提出させる場合

(5)第4節-第2-1-(2)に規定する「別紙様式第2-2」により譲渡人に対し通知する場合

(6)第4節-第2-1-(5)に規定する貸付契約を締結する場合

(7)第4節-第3-2に規定する「別紙様式第3」による申請書を提出させる場合

(8)第5節-第1-1-(1)-イに規定する「別紙様式第4-2」及びすべての相続人が確認できる資料を提出させる場合

(9)第5節-第1-1-(1)-ハに規定する「別紙様式第5」により相手方に通知する場合

(10)第5節-第1-1-(1)-ホに規定する「別紙様式第6」をもって契約を締結する場合

(11)第5節-第1-1-(1)-ホに規定する貸付地の面積を特定した後、一部変更契約を再度締結する場合

(12)第5節-第1-1-(2)に規定する「別紙様式第7」とともに一部変更契約書を送付する場合

(13)第5節-第1-1-(2)に規定する「別紙様式第8」とともに一部変更契約書を送付する場合

(14)第5節-第1-1-(2)に規定する納入告知書を送付する場合

(15)第5節-第1-1-(2)に規定する「別紙様式第9」を送付する場合



別紙様式第1~別紙様式第12(PDF:307KB)

別添1

普通財産貸付料算定基準

この基準は、平成27年4月1日以降貸付料を算定するものから適用し、それ以外のものについては、なお従前の例によるものとする。ただし、下記第4「一時等貸付料の算定」については、平成13年10月1日以降貸付料を算定するものから適用するものとする。

第1土地の貸付料

継続貸付料

(1)貸付料基礎額の算定

計算式貸付料基礎額=従前の貸付料a×スライド率b

a=改定前の直近分として通知している貸付料(以下「従前の貸付料」という。)。ただし、従前の貸付料が前回改定時に算定した貸付料基礎額を下回っている場合は、前回改定時に算定した貸付料基礎額

b=(消費者物価指数+地価変動率)/2を標準とし、次の(2)により設定する。

なお、貸付料基礎額が国有資産等所在市町村交付金(以下「市町村交付金」という。)の額を下回る場合には、下記第1-3-(2)により民間精通者の意見価格等を基礎として貸付料基礎額を修正したものを除き、当分の間、市町村交付金の額を貸付料基礎額とみなすものとする。

(2)スライド率の決定

スライド率は、前回算定した貸付料の適用始期から今回算定する貸付料の適用始期までの期間における変動率を、直近の各指数を用いて小数点第4位(第5位以下切捨て。)まで求めることとし、次のイ、ロ及びハに留意して設定するものとする。

消費者物価指数

総務省が発表する消費者物価指数の全国及び都市階級・地方・都道府県庁所在市別の総合指数、各都道府県が発表する消費者物価指数の各都道府県及び各市町村の総合指数等を基に、財務局長等が予め設定した地域毎に設定する。

なお、当該指数は、変動率を求める期間の始期及び終期の属する四半期の初月から6か月前の指数を用いて設定するものとする。

地価変動率

貸付財産毎に、前回算定時に用いた相続税路線価等と今回改定時の前年の相続税路線価等を比較して求めるものとする。なお、一定の地域毎又は用途地域毎に予め算定する地価の変動に係る率を採用することもできる。

承認申請

財務局長等は、スライド率を定める場合には、次に掲げる事項を記載した書面により承認申請を行い、理財局長の承認を得なければならない。

なお、承認後、毎年度の改定等において、計算方法の変更を伴わず、指数の入れ替えのみを行う場合には、この限りでない。

採用する消費者物価指数(地域割り及び地域割り毎に採用する指数)

採用する地価変動率(地域割り及び地域割り毎に採用する指数又は計算方法)

採用するスライド率の計算式(地域割り毎に計算式を定める場合は、地域割り及び地域割り毎の計算式)

(3)貸付料の通知等

貸付料基礎額と従前の貸付料を比較して、次のイ、ロ、ハによる調整を行ったうえで貸付料を算定し、相手方に通知するものとする。ただし、貸付けの経緯、貸付料改定及び貸付財産の状況等を勘案し、次の調整率によることが不適当と認められる場合には、民間精通者(不動産鑑定士等)の意見等により、当該調整率を修正したうえ、従前の貸付料との調整を行うことができるものとする。

なお、次のニに掲げる場合には、ニに定めるところによる。

上記(1)により算定した貸付料基礎額が、従前の貸付料を上回っている場合

第一年次 従前の貸付料×1.05と貸付料基礎額のいずれか低い方の額

第二年次 第一年次の貸付料×1.05と貸付料基礎額のいずれか低い方の額

第三年次 第二年次の貸付料×1.05と貸付料基礎額のいずれか低い方の額

上記(1)により算定した貸付料基礎額が、従前の貸付料を下回っている場合

第一年次 従前の貸付料×0.95と貸付料基礎額のいずれか高い方の額

第二年次 第一年次と同額

第三年次 第一年次と同額

上記(1)により算定した貸付料基礎額が、従前の貸付料と同額の場合

貸付料基礎額をもって、各年次の貸付料とする。

物納財産収納後、初回の貸付料改定を行う場合

従前の貸付料が下記2-(1)により算定される額を上回る場合には、上記(1)により貸付料基礎額を算定のうえ、上記イ、ロ、ハを適用し、初回の貸付料を算定し、相手方に通知するものとする。

また、従前の貸付料が下記2-(1)により算定される額を下回る場合には、下記2-(1)により貸付料基礎額を算定のうえ、上記イ、ロ、ハを適用し、初回の貸付料を算定し、相手方に通知するものとする。

貸付料を日割り計算する場合には、閏年を含む期間についても、1年を365日として取り扱うものとする。

なお、以下の貸付料算定においても同様の取扱いとする。

新規貸付料

(1)貸付料基礎額の算定

計算式     貸付料基礎額=期待利回りa×相続税評価額b

a=「貸付先例毎に算定した貸付料基礎額÷相続税評価額」の平均値(いずれも直近改定時の数値を用いる。)

b=貸付始期の直近における相続税評価額(貸付始期が9月以降であるものはその年の相続税評価額を用いる。)

(注1) 期待利回りaは、新規に貸付けを行う財産を含む地域の近隣地域内の貸付先例毎に求めた期待利回りの平均値とする。(小数点第4位(第5位以下切捨て。)。)

(注2) 貸付先例は、下記第9-1「貸付先例の採用」の規定により選定する。

(2)貸付料の決定

貸付料基礎額をもって、各年次の貸付料とする。

ただし、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、貸付料基礎額を予定価格として、最適利用通達の記-第7-3-(4)に規定する処分等価格の決定手続きに準じて、貸付料を決定するものとする。

(注) 見積り合せ(予決令第99条の6の規定に基づき、相手方の契約希望価格を書面により確認し、当該価格が国の予定価格の制限の範囲内であるか否かを確認する手続きをいう。以下同じ。)の実施に先立ち、相手方に対して貸付料の概算額を提示する場合においては、最適利用通達の記-第7-3-(注)-(2)の規定に準じて手続きを行うものとする。この場合において、上記(1)の規定により貸付料基礎額を算定するときは、最適利用通達の記-第7-3-(注)-(2)の規定中「不動産鑑定評価」とあるのは「相続税評価額を基準として別に定める評価方法」と読み替えるものとする。

貸付料算定の特例

(1)上記1「継続貸付料」又は2「新規貸付料」により算定した額が一定地域の民間実例等の実情に照らして不適当と認める場合又は相手方から実情に照らして額に不満があるとの意見があり財務局長等がその意見に相応の合理性があると認める場合には、差額配分法等により、上記1又は2により算定した貸付料基礎額を修正できるものとする。

(2)貸付料年額が一千万円以上かつ面積が概ね二千平方メートル以上のもののほか、地域的に特殊な事情を考慮すべきもの及び近隣地域内の標準的なものに比べ貸付財産が著しく広大又は高額であるもの等については、民間精通者の意見価格等を基礎として、上記1「継続貸付料」又は2「新規貸付料」により算定した貸付料基礎額を修正できるものとする。なお、増改築を承諾した貸付財産に係る最初の貸付料の改定に当たっては、承諾料の授受の有無を勘案した民間精通者の意見価格等を基礎として、算定した貸付料基礎額を修正できるものとする。

当該貸付けの対象となっている財産の全部が国有資産等所在市町村交付金法(昭和31年法律第82号)第2条第2項により国有資産等所在市町村交付金の交付を要しないものである場合には、上記の規定より算出した貸付料年額の評価額から、公租公課相当額を控除した額に修正するものとする。

(注)民間精通者への発注に当たっては、貸付料年額のほか公租公課相当額を明記させることとする。

第2建物の貸付料

継続貸付料

(1)貸付料基礎額の算定(建物のみの計算)

計算式貸付料基礎額=(従前の貸付料a×スライド率b)×経年による残価変動率c

a=従前の貸付料。ただし、従前の貸付料が前回改定時に算定した貸付料基礎額を下回っている場合は、前回改定時に算定した貸付料基礎額

b=(消費者物価指数+一定率d)/2を標準とし、地域の実情を踏まえ財務局長等が設定する。

c=経年による残価変動率は、次の算式により求めるものとする。

経年による残価変動率=1-{(1-建物残存割合)/建物耐用年数×前回改定時からの経過年数}

(注) 建物耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和40年大蔵省令第15号)別表第1「機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」に定めるところによるものとする。

また、建物残存割合は0.1とする。

なお、建物の耐用年数が満了した時点以降において建物貸付料を改定しようとする場合には、経年による残価変動率cは1.00に据え置くものとする。

d=一定率については民間調査機関の統計資料等を勘案して財務局長等が定める率とする。

なお、貸付料基礎額が市町村交付金の額を下回る場合には、上記第1-3-(2)により民間精通者の意見価格等を基礎として貸付料基礎額を修正したものを除き、当分の間、市町村交付金の額を貸付料基礎額とみなすものとする。

(2)スライド率の決定

スライド率は、前回算定した貸付料の適用始期から今回算定する貸付料の適用始期までの期間における変動率を、直近の各指数を用いて小数点第4位(第5位以下切捨て。)まで求めることとし、次のイ、ロ及びハに留意して設定するものとする。

消費者物価指数は、上記第1-1-(2)-イの土地の貸付料の規定に準じて設定する。

一定率は、(財)日本不動産研究所が毎年発行している「全国賃料統計」等を基に定めることができる。

承認申請は、上記第1-1-(2)-ハの規定に準じて行い、土地に係るものと同時に申請するものとする。

(3)貸付料の通知等

建物を土地付きで貸付けする場合には、土地貸付料(地代)相当額を建物貸付料の算定に当たり含めることとなるので、貸付料の算定に当たっては、上記第1「土地の貸付料」によって算定した土地の貸付料基礎額と上記(1)「貸付料基礎額の算定(建物のみの計算)」によって算定した建物のみの貸付料基礎額を合計し、その合計額をもって、従前の貸付料と、第1-1-(3)「貸付料の通知等」による調整を行って決定し、相手方に通知するものとする。

下記3による貸付料基礎額の修正を行う場合には、土地及び建物一体の意見価格等を用いるものとする。

民有地上の国有建物を貸付けしている場合には、上記(1)「貸付料基礎額の算定(建物のみの計算)」によって算定した貸付料基礎額をもって、第1-1-(3)「貸付料の通知等」の規定に準じて調整を行って算定した額に、国が民有地の所有者に支払うべき地代の年額を加算した額をもって相手方に通知するものとする。

新規貸付料

付近の賃貸実例又は民間精通者の意見価格等をもって貸付料年額とする。

ただし、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、上記第1-2-(2)(同注釈の規定を除く。)によるものとする。

なお、本通達第1節-第2-1-(3)又は(8)に該当する貸付けに係る貸付料を算定しようとする場合には、下記第4「一時等貸付料の算定」によるものとする。

貸付料算定の特例

建物貸付料については、上記第1-3「貸付料算定の特例」の規定を準用して処理することができる。

第3マンション等の貸付料の特例

マンション等の貸付料については、上記第1、2にかかわらず次により土地及び建物貸付料を一括して算定するものとする。

ただし、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、上記第1-2-(2)(同注釈の規定を除く。)によるものとする。

貸付料年額は、近傍の適当な賃貸実例に比準し、又は、民間精通者の意見を参考として算定した額(ただし、区分所有建物の一住戸部分等を貸付けする場合又は国有建物の一棟全体を各住戸部分毎に貸付けする場合であって、当該建物又は近隣の同種の建物内に適当な賃貸実例があるときには、それに比準して算定した額)又は上記第2-1「継続貸付料」により算定した額とすることができる。

区分所有建物の一住戸部分等を貸付けする場合又は国有建物の一棟全体を各住戸部分等毎に貸付けする場合の貸付料年額は、共益費等をそれぞれ実態・実例により算定し、上記1の規定により算定した額に、必要に応じ、共益費等年額を加算した額とする。

(注1) マンション等とは、いわゆるマンション、商業ビル及び事務所用ビル等で、

区分所有の目的となっている建物

複数の者の借家権等の権利の目的となっており共用部分を有する建物をいう。ただし、いわゆる棟割長屋、タウンハウス等の連続建住宅のように個々の借家人が使用する敷地が特定されているもの若しくは特定したとみなしても支障のないものを除く。

(注2) 共益費とは、マンション等の共用部分及び共用施設の管理のために必要な費用であって、次のものをいう。

室外の電気、水道及びガスの使用に伴う諸費用

室外の給水施設、汚水処理施設等排水施設、エレベーター、その他の雑構築物等の維持又は運営に関する費用

その他マンション等の入居者が共通して負担する費用(修繕積立金等家主が負担することとされているものは含まれない。)

(注3) 共益費等とは、共益費の他、例えばマンション等に入居者専用の駐車場が設けられている場合における駐車場使用料をいう。

なお、駐車場使用料には、マンション等に付随して貸し付けられている駐車場の使用料でマンション等の貸付料と一体不可分として支払われているものは含まれないので留意すること。

また、マンション等に付随して貸し付けられている駐車場とは、マンション等の入居者に対し、一戸当たり1台分以上確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる駐車場等であり、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料が支払われていないものが該当する。

第4一時等貸付料の算定

土地貸付料

(1)本通達第1節-第2-1-(8)(同(3)に該当するものであって、(8)と同様の性質を有するものを含む。以下同じ。)に該当する貸付けに係る貸付料の算定は、次によるものとする(下記(2)によるものを除く)。

ただし、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、上記第1-2-(2)(同注釈の規定を除く。)によるものとする。

(注) 見積り合せの実施に先立ち、相手方に対して貸付料の概算額を提示する場合においては、最適利用通達の記-第7-3-(注)-(2)の規定に準じて手続きを行うものとする。この場合において、最適利用通達の記-第7-3-(注)-(2)の規定中「不動産鑑定評価」とあるのは「相続税評価額を基準として別に定める評価方法」と読み替えるものとする。

財務局長等が設定した地域毎に、複数の民間の取引事例を調査し、予め当該地域内の短期間の暫定的利用に係る貸付けにおける期待利回りを得ておくものとする。

計算式期待利回り=民間の取引事例における貸付料年額÷当該取引事例地の相続税評価額

(注1) 採用した民間の取引事例毎に算定するものとし、当該算定された期待利回りの平均値をもって当該地域における期待利回りとする。

(注2) 当該地域のこのような貸付けにおける期待利回りを得難い場合には、他地域(社会経済的にみて貸付料等に連続性が認められるものに限る。)の期待利回り(下記(2)で準用する上記第1-3-(2)の民間精通者の意見価格等により算定した利回りを含めて差し支えない。)を、通常の貸付けにおける期待利回りの水準を比較したところにより修正し、当該地域の期待利回りを算定する。

貸付けしようとする財産の貸付始期の直近における相続税評価額(貸付始期が9月以降であるものはその年の相続税評価額を用いる。)を算定し、上記イにより設定した期待利回りのうち、貸付けしようとする財産が含まれる地域を対象として設定された期待利回りを乗じて得られた額をもって貸付料年額とする。

貸付料年額=貸付財産の相続税評価額×期待利回り

(2)本通達第1節-第2-2-(3)ただし書により、貸付契約の更新を行うものであって、次に掲げる場合には、上記第1-1の継続貸付料の算定方法によるものとする。

貸付財産が借地借家法の適用を受ける土地(国が貸し付けている土地及び相手方所有地をいう。)と一体で利用されているとき

貸付財産が単独で利用することが困難な財産であって、相手方の使用目的が私道又は軌道敷地等契約に定める期間を超えて相当期間一定の用途に供するものと認められるとき

上記イ及びロのほか、都市計画法等の諸規制、貸付財産の現状等(規模、形状及び周囲の現況等)から、当該財産の返還後、一般競争入札等を実施しても成約が見込まれないと認められるとき

(3)上記(1)及び(2)によりがたい特別の事情があると認められる場合には、上記第1-3「貸付料算定の特例」の規定を準用して貸付料を算定できるものとする。

なお、その際に民間精通者から意見価格等を徴する場合においては、個別の財産の特性及び利用形態の制約に鑑み、収益性を考慮した賃料の算定を行うことができるものとする。

建物貸付料

本通達第1節-第2-1-(8)に該当する貸付けに係る貸付料の算定に当たっては、下記第9「その他留意事項」の規定を準用し、当該貸付けを行おうとする財産が所在する地域の近隣地域内に所在する、相手方の利用目的と類似している用途に供されている民間の建物賃貸取引実例により算定するものとする。

計算式貸付料=取引事例の貸付料(1平方メートル当たり単価)×貸付数量

(注) 取引事例の貸付料は、採用した取引事例の平均値とする。

ただし、民間の建物賃貸取引実例により難い場合には、民間精通者の意見価格等により算定することができるものとする。

なお、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、上記第1-2-(2)(同注釈の規定を除く。)によるものとする。

第5工作物の貸付料

土地又は建物に付随するものについては上記第1又は第2に準じ、機械に類するものについては次の第6に準じることができるものとし、これらに準じることが著しく不適当な場合には、それぞれの実情に応じて財務局長等の定めるところにより算定するものとする。

(注) 機械に類する工作物とは、国有財産台帳記録の財産区分の如何にかかわらず、起重機、貯槽(移動式のものに限る。)、暖房装置(配管及びラジエーターを除く。)、冷室装置、通風装置(気送管路を除く。)、通信装置(電線、付属パイプ及びがい子を除く。)、原動装置、変電装置、伝導装置及び水道装置(揚水機械及び濾過機に限る。)をいう。

第6機械器具及び船舶等の貸付料

機械器具及び船舶等の貸付料の算定は、次の算式によるものとする。

ただし、最適利用通達の記-第2-5に規定する地方公共団体等と随意契約により新規に貸付けを行う場合又は予決令第99条第6号若しくは予決令臨特第5条第1項第2号により新規に貸付けを行う場合には、上記第1-2-(2)(同注釈の規定を除く。)によるものとする。

S=V×{(1-N√残存割合)+0.096}

S:貸付料年額

V:国有財産評価基準(平成13年3月30日付財理第1317号「国有財産評価基準について」通達の別紙「国有財産評価基準」。以下同じ。)に基づき算定した評定価格

N:耐用年数

(注) (1-N√残存割合)は、減価率(償却率)である。

第7農地の貸付料の特例

貸付料の算定

(1)農地法第52条の規定により、貸付けしている農地が所在する地域を管轄する農業委員会が情報提供する農地の賃借料の平均額に比準して算定した額をもって、各年次の貸付料年額とする。

(2)貸付けしている農地が所在する地域の農地の賃借料について農業委員会による情報提供がなされていない場合には、農業委員会により情報提供されている近隣農地の賃借料の平均額に比準して算定した額をもって各年次の貸付料年額とする。

(3)上記(1)又は(2)による貸付料年額によることが、貸付けしている農地の所在する近隣地域の実情に照らし、著しく不適当であると認められる場合には、全国農業会議所により情報提供されている都道府県の農地の賃借料の平均額又は民間精通者等の意見価格等を基礎として貸付料年額を修正することができる。

(4)地方税法(昭和25年法律第226号)第343条第5項、第6項及び第702条第2項の規定により、農地の使用者が所有者とみなされて固定資産税又は都市計画税が賦課されている場合の貸付料については、上記により算定した貸付料年額から固定資産税又は都市計画税に相当する額を控除することができる。

農地貸付財産の利用状況に関する取扱い

農地の貸付料の特例を適用する財産については、別途定めるところにより利用状況を確認する。

第8増額請求について

貸付財産の使用目的の変更等に伴い増額請求することが必要となった場合には、次により増額請求するものとする。

貸付料基礎額の再算定

増額請求に際しては、土地貸付料にあっては上記第1-2-(1)により、建物貸付料にあっては上記第2-2に基づき、使用目的変更後等の貸付料基礎額を再算定するものとする。

この場合、変更後の使用目的に用途が類似する貸付先例を採用して期待利回りを求めるものとする。

貸付料の決定

上記1により算定された貸付料基礎額と、使用目的の変更を行おうとする日の属する年次の貸付料年額により、上記第1-1-(3)「貸付料の通知等」又は第2-1-(3)「貸付料の通知等」による調整を行って貸付料を決定するものとする。

増額請求日

使用目的の変更の申出があった日の翌月の初日を始期として増額請求を行う。

変更後の貸付料適用期間については、本通達第1節-第4-(2)に準じて定めるものとする。

その他

貸付料を再計算した結果、従前の貸付料を下回ることとなった場合には、増額請求権は行使しないものとする。

第9その他留意事項

貸付先例の採用

貸付先例は、予め定めた近隣地域内に所在する用途区分(注)、借地・借家条件(地上建物の堅固・非堅固の別、契約期間等)等が類似しているものを2か所以上採用することとし、近隣地域内に適切な先例が存在しない場合には、他の地域の用途・借地条件が類似しているものを2か所以上採用する。

また、借地権利金の徴求により貸付料を減免しているものにあっては、減免前の価格に補正して採用すること。

なお、貸付先例の貸付料基礎額が市町村交付金の額を下回る場合、又は上記第1-2-(1)により算定した貸付料基礎額が当該新規貸付財産の台帳価格を基に算定した市町村交付金見込額を下回る場合には、当該貸付先例は採用しないこと。

(注1) 用途区分は次のとおりとする。

居住用

(イ)相手方の如何にかかわらず、現に相手方又は当該財産を生活の本拠とする者が入居している財産及び併用住宅の用に供している財産(地方公共団体等に対する貸付財産で従来「非営利用」としていた財産を含む。)。

なお、固定資産税の取扱い上で住宅の用に供するものとされるものについては、居住用とするものである。

(ロ)「併用住宅」とは、居住用部分とその他部分が結合している建物(居住用部分の床面積の当該建物の床面積に対する割合が、おおむね4分の1以上であるものに限る。)であって、当該建物にかかる貸付土地の面積がおおむね500平方メートル以下のもの(ただし、貸付土地が同一の所有者の2戸以上の建物の敷地となっている場合は、おおむね1,000平方メートル以下のもの。)をいうものとする。

その他

居住用と区分されたもの以外のもの。

(注2)上記(注1)イ-(イ)における「非営利用」とは、次の各号に該当する場合をいう。

貸付相手方が次の各号に該当する法人であって、貸付財産を当該法人の事務、事業の用に供する場合。ただし、(イ)及び(ロ)に掲げる法人が貸付財産を競馬、競輪、競艇、小型自動車競走等の施設の用に供する場合並びに(ハ)に掲げる法人が貸付財産を収益事業の用に供する場合を除く。

(イ)地方公共団体

(ロ)特別の法律の規定に基づき国又は地方公共団体が出資している法人(根拠法に利益分配の規定のある法人を除く。)、各省各庁所属の職員をもって組織する国家公務員共済組合及び日本放送協会

(ハ)法人税法別表第2「公益法人等の表」に掲げる法人(ただし、上記(ロ)に該当する法人を除く。)

貸付相手方が法人以外の者であって、貸付財産を営利を目的としないと認められる用途に供する場合。ただし、貸付財産を収益事業の用に供する場合を除く。

(注3) 上記(注2)ロにおける「収益事業の用に供する場合」とは、貸付財産の全部又は一部を法人税法第2条第13号に規定する収益事業に準ずる事業の用に供している場合で、その供している割合が、収益事業以外の用に供している割合を上回る場合をいう。

相続税評価額等の取扱い

(1)「相続税評価額」は、土地の現況地目に応じて、国有財産評価基準の取扱いに準拠して、昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17国税庁長官通達「財産評価基本通達」(以下「国税庁基本通達」という。)の規定に基づき算定した価格とする。

ただし、算定に当たっては、次の各号に留意する。

宅地については、国税庁基本通達の第2章-第2節中20-2(地積規模の大きな宅地の評価)、24(私道の用に供されている宅地の評価)から25(貸宅地の評価)まで及び26(貸家建付地の評価)の規定を適用しないで算定した価格とする。

宅地のうち、私道敷地及び高圧線下地(単独利用困難な土地を除く。)については、国有財産評価基準の規定により算定した価格とすることができる。

山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地及び雑種地については、国税庁基本通達の第2章-第4節中51(貸し付けられている山林の評価)等貸し付けられている場合の規定を適用しないで算定した価格とする。

雑種地(墳墓地、海浜地及び堂宇敷地を含む。)で固定資産税評価額に対する倍率が定められていないもの及びゴルフ場等敷地については、当該雑種地の近傍の土地の価格に比準して算定した価格とする。

境内地等、堂宇敷及び墳墓地については、国有財産評価基準の規定を適用して算定した価格とする。

鉄軌道用地のうち、いわゆる引込線路敷で工場等の敷地区域内にあるもの又は普通財産を新たに鉄軌道用地として貸し付けるものについては、それぞれ当該工場等の敷地と同一の宅地価格又は当該新たに鉄軌道用地として貸し付ける普通財産の近傍の土地の価格に比準して算定した価格とする。

単独利用困難な土地については、上記の各号に定めるところにより算定した価格に国有財産評価基準の規定を適用して修正した価格とする。

(2)「相続税評価額」は、借地権利金を徴したものについては、相続税評価額から国税庁基本通達に定める借地権価格に相当する額を控除した価格とする。

(3)「借地権割合」は、国税庁基本通達に定める借地権割合とする。

誤信使用財産で、貸付料算定基準による当初の貸付料を算定する場合の取扱い

本通達において、誤信使用財産を貸付けに移行する場合は継続貸付として取り扱うこととしているが、貸付料算定基準により当初の貸付料を算定する場合は、新規貸付料の規定を準用し、算定するものとする。

別添2

一時金等算定基準

借地権利金の算定

借地権利金=借地権設定時の相続税評価額×借地権割合

名義書換承諾料の算定

名義書換承諾料=名義書換時の相続税評価額×借地権割合×10/100

増改築承諾料の算定

改築承諾料=改築時の相続税評価額×5/100
(改築後の建物が非堅固な建物の場合3/100)

増築承諾料=改築承諾料×増築部分の延面積/既存建物の延面積

(1)増築承諾料は、改築承諾料と同額をもって上限とする。

(2)増築承諾料を徴したもので、承諾料徴求後5年以内に改築を行う場合には、改築承諾料から徴求済みの増築承諾料を控除できる。なお、改築承諾料を徴したもので、承諾料徴求後5年以内に再度増改築を行う場合には、増改築承諾料を徴求しないことができる。

その他

(1)一時金等の算定の際に用いる相続税評価額は、各時点における直近(9月以降であるものはその年の相続税評価額を用いる。)のものとする。

(2)上記により一時金等を算定することが付近の実情に照らして不適当と認められる場合又は相手方から上記によることが実情に照らして不満があるとの意見があり、財務局長等がその意見に相応の合理性があると認める場合には、民間精通者の意見価格等によって得られた額により、当該一時金等を修正することができる。

(3)相続税評価額、借地権割合は、本通達別添1「普通財産貸付料算定基準」の第9-2「相続税評価額等の取扱い」により算定するものとする。