平成 24 年 5 月 22 日 |
改正平成25年6月28日財理第3146号
同30年3月30日同第1150号
令和元年6月28日同第2319号
同2年1月31日同第322号
同3年9月21日同第3258号
同4年6月7日同第2006号
同5年12月22日同第3436号
財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛
平成 4 年に暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成 3 年法律第 77 号)が施行されたことにより、暴力団による不当な行為の取締りが強化されてきたところであるが、近年、多くの暴力団が、組織実態を隠し合法的な企業活動を装って、資金獲得活動を活発化させている実情を踏まえ、平成 21 年 12 月 22 日の第 14 回犯罪対策閣僚会議において、あらゆる公共事業等からの暴力団排除の推進が決定され、また事業者及び個人による暴力団との取引を規制するため、平成 23 年 10 月までに全ての都道府県において暴力団排除条例が施行された。
今般、警察庁と各府省庁が協議し、国全体として、暴力団排除の取組みを行うこととなったことを踏まえ、財務省においても警察庁と「財務省が行う公共工事等からの暴力団排除の推進に関する合意書」を取り交わし、売買、賃借、請負その他の契約からの暴力団排除を徹底することとなった。
一方、普通財産の管理処分に係る契約(地方公共団体及び独立行政法人との契約を除く) に関しては、財産の性質に即した取扱いが必要となることから、警察庁と協議の上、下記 のとおり取扱いを定めたので通知する。
記
1排除の対象となる者
普通財産の管理処分に係る契約相手方等から、次に該当する者(以下「排除対象者」という。)を排除するものとする。
(1)法人等(個人、法人又は団体をいう。)の役員等(個人である場合はその者、法人である場合は役員又は支店若しくは営業所の代表者、団体である場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。以下「役員等」という。)が、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第 2 条第 2 号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)又は同法第 2 条第 6 号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。) であるとき
(2)役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的、又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしているとき
(3)役員等が、暴力団又は暴力団員に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき
(4)役員等が、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれを不当に利用するなどしているとき
(5)役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
(注) 一般競争入札の場合には、上記の排除対象者から依頼を受けて入札に参加する者も含むものとする。
2警察当局への照会手続等
(1)誓約書の提出
各財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。) は、普通財産に係る契約を締結しようとする場合(借地権等譲渡承認を行う場合を含む。)並びに令和元年9月20日付財理第3207号「定期借地権を設定した貸付けについて」通達及び令和元年9月20日付財理第3209号「普通財産を暫定活用する場合の取扱いについて」通達記-第3-2、第3-3で定める貸付け(以下「定期借地権等による貸付け」という。)において契約の相手方の役員等に異動があった場合には、別添 1「誓約書」を、申請等の際に契約の相手方となろうとする者及び定期借地権等による貸付けにおける契約の相手方(以下「契約相手方」という。)から提出させるものとする。
ただし、以下の契約相手方からは、誓約書の提出を要しない。
①交換、信託、貸付中財産の契約更新又は売払い、物納財産収納後の貸付け、金融商品市場で取引のある有価証券の処分、金融商品市場で取引のない公社債及び投資信託受益権の処分並びに誤信使用財産の売払い、貸付け又は譲与に係る契約相手方
②借地権等の法定相続人
(注)誓約書の提出にあわせて、住民票又は法人登記の現在事項全部証明書を添付させること。
(2)警察当局への照会
①財務局長等は、誓約書の提出を受け、契約締結前及び定期借地権等による貸付けの契約期間中に、契約相手方が排除対象者に該当するか否か、別添 2「暴力団等の排除に関する警察当局への照会手続きの事務取扱要領」に基づき警察当局へ照会を行うものとする。
ただし、誓約書の提出を要しない場合であっても、交換については、相手方と交渉を行う前に警察当局への照会を実施するものとする。
(注 1)一般競争入札については、入札参加者を対象として、開札前に照会を行うものとする。
(注 2)契約締結後においても、必要に応じて、照会することも差し支えない。なお、定期借地権等による貸付けについては、契約相手方の役員等に異動があった場合にはその都度、役員等に異動がない場合でも原則3年に1回警察当局への照会を行うものとする。
②財務局長等は、普通財産又は処分済財産等が暴力団の事務所等で使用されているおそれがある場合、その使用状況について、上記①と同様の手続きにより警察当局へ照会を行うものとする。
(3)契約の締結
財務局長等は、上記(2)の照会の結果、契約相手方が排除対象者に該当しないことが判明した場合には、契約を締結するものとする。
(4)契約締結の中止又は契約解除の検討
財務局長等は、上記(2)の照会の結果、契約相手方が排除対象者に該当することが判明した場合には、契約締結前においては契約締結を中止し、契約締結後においては下記4-(1)により対応のうえ、契約解除について検討する。
3暴力団排除の措置
財務局長等は、契約を締結する場合において、次の暴力団排除の特約を付すものとする。
(1)公序良俗に反する使用の禁止及び実地調査等
①普通財産又は処分済財産を暴力団の事務所その他これに類する施設の用に使用してはならないこと。
②当該使用に関して、国が必要と認めるときは、実地調査(ドローン等のデジタル技術を活用した調査を含む。)を行うことができること。
また、定期借地権等による貸付けについては、契約締結の日から貸付期間終了の日までの間毎年1回期日を指定し、別添 1「誓約書」の別紙「役員一覧」に法人登記の現在事項全部証明書等を添えて提出させること。さらに、契約相手方の役員等に異動があった場合には別添 1「誓約書」に法人登記の現在事項全部証明書等を添えて提出させること。
③①、②の特約に違反した場合には違約金を徴すること。
(2)普通財産又は処分済財産を暴力団の事務所その他これに類する施設の用に使用したときには、財務局長等が催告を行うことなく契約を解除することができること。
(3)契約相手方が排除対象者であることが判明したときには、財務局長等が催告を行うことなく契約を解除することができること。
(注 1)昭和 41 年 2 月 22 日付蔵国有第 339 号「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」通達(以下「用途指定通達」という。)に基づき用途指定を付している場合、(1)の特約を付すことを要しない。
(注 2)上記 2 の(1)のただし書により、誓約書の提出を要さない場合においては、(3) の特約を付すことを要しない。
ただし、平成 25 年 4 月 1 日以降に相続開始となる物納財産を従前の権利者に貸付けする場合においては、上記 1 の(1)に該当する者のみを排除対象者として、(3) の特約を付すものとする。
(注 3)(1)又は(2)の措置期間については、売払等の処分に係る契約の場合、契約の締結の日から 10 年間、また、用途指定を付している場合、用途指定通達の別紙の第 2 の 4 に規定する指定期間とする。
4警察当局との連携
(1)契約締結後に、上記 3 に基づき契約書に付した特約に違反する事実が判明した場合には、財務局長等は事前に警察当局と緊密に情報交換を行い、担当職員の保護も含め、十分に協議の上、対応するものとする。
(2)契約手続き以外に、暴力団又は排除対象者から普通財産の管理処分に係る不当な要求、脅迫、威力妨害等が行われるおそれがある場合は、警察当局と協議の上、慎重に対応するものとする。
5その他
(1)財務局長等は、本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、そ の事由を付した処理案により理財局長の承認を得て処理することができるものとする。
(2)上記 2 及び 3 の取扱いについては、別添 3 に整理したので参考にされたい。
6書面等の作成・通知等の方法
(1)電子ファイルによる作成
本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。
(2)電子メール等による通知等
①本通達に基づく通知等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。
②上記①の方法により通知等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。
(3)適用除外
上記(1)及び(2)の措置は、本通達に規定する手続のうち、次に掲げる場合については適用しないものとする。
①記2-(1)に規定する住民票又は法人登記の現在事項全部証明書を提出させる場合
②別添2-記1-(2)-②-アに規定する別紙1及び別紙2を提出する場合、第1号様式により照会する場合並びに第2号様式により回答を受ける場合
③別添2-記1-(2)-②-イに規定する第3号様式により確認を求める場合、第4号様式により回答を受ける場合、第5-1号様式、第5-2号様式及び第5-3号様式により通知する場合、第6-1号様式により申出を受ける場合並びに第6-2号様式により通知する場合
④別添2-記1-(2)-②-ウに規定する第7-1号様式をもって入札の無効通知を発出する場合
⑤別添2-記1-(2)-②-エに規定する第7-2号様式あるいは第7-3号様式により通知する場合
⑥別添2-記2-(2)-アに規定する第8-1号様式又は第8-2号様式により照会する場合及び第9-1号様式又は第9-2号様式により回答を受ける場合
⑦別添2-記2-(2)-イに規定する第10号様式により契約締結を中止する旨通知を発出する場合
⑧別添2-記2-(2)-ウに規定する第11号様式により通知する場合
別添1~別添3(PDF:499KB)