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国有財産特別措置法の規定により普通財産の減額譲渡又は減額貸付けをする場合の取扱いについて

昭和48年12月26日
蔵理第5 7 2 2


改正 昭和51年4月2日蔵理第1491号

52年4月11日同第1468号

55年4月10日同第1186号

57年6月30日同第2169号

60年4月24日同第1227号

63年4月21日同第1591号

平成元年4月1日同第1668号

2年4月1日同第1296号

5年4月1日同第1063号

8年3月14日同875号

11年4月1日同第1401号

11年9月21日同第3638号

13年3月30日財理第1296号

14年3月29日同981号

16年6月30日同第2508号

20年5月9日同第1865号

21年12月25日同第5594号

24年1月27日同315号

25年3月26日同第1448号

29年6月30日同第2273号

30年3月30日同第1150号

30年7月2日同第2242号

31年3月29日同第1190号

令和元年9月20日同第3211号

2年12月9日同第3906号

3年6月11日同第1932号

3年9月22日同第3281号

4年6月3日同第1962号

5年6月28日同第1885号

5年12月22日同第3436号

大蔵省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号。以下「措置法」という。)第3条又は第6条の2の規定に基づき、普通財産の減額譲渡又は減額貸付け(以下「減額譲渡等」という。)をする場合のうち、その運用に係る施設の種類及びその減額率等の取扱いについては、下記によることとしたから、通知する。

なお、昭和40年3月25日付蔵国有第509号「国有財産特別措置法の規定に基づき普通財産を減額譲渡又は貸付けする場合の取扱いについて」通達は廃止する。

おって、本通達は、減額譲渡の場合は契約日、減額貸付けの場合は減額貸付料の適用始期が令和3年10月1日以降となるものから適用する。

第1.措置法第3条の規定に基づく普通財産の減額譲渡等の取扱い

普通財産の減額譲渡等を行うことができる場合は、措置法第3条に規定する施設(以下「3条施設」という。)のうち、以下に掲げるものとする。

イ.新たに設置する場合

施設整備又は経常的な業務運営に対する国庫補助等が交付されるもの(交付予定を含む。)とする。

(注)「国庫補助等」とは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第2条に掲げるものをいう(以下、同じ)。

ロ.既に設置されている場合(施設の増改築を含む。)

仮に新たに施設を整備するとした場合、施設整備にかかる国庫補助の交付対象となるもの(施設整備時点では国庫補助の対象とならなかったものを含む。)又は経常的な業務運営に対する国庫補助等が交付されるものとする。

なお、この範囲、財産の規模及び減額率については、次に定めるところによる。

1.3条施設の範囲

上記イの場合における3条施設の範囲は、相手方が補助申請を行う際に適用される国庫補助交付要綱等の基準によるものとする。

また、上記ロの場合における3条施設の範囲は、別表「施設の範囲及び適正規模の認定基準」(以下「別表」という。)の「施設の範囲」欄に掲げるものとする。

ただし、上記ロの場合であっても、減額譲渡を行う場合については、契約日時点において適用される国庫補助交付要綱等の基準によるものとする。

(注1)措置法に規定する施設であることが前提であることから、相手方の利用計画及び減額譲渡等後の利用状況については充分に確認するように留意する。

(注2)上記ロにおいて減額譲渡を行う場合に用いる国庫補助交付要綱等については、本省において関係省庁に確認することから、事前に本省に連絡すること。

2.土地及び建物の取扱い

(1) 財産の規模

減額譲渡等を行うことができる財産の規模は、適正規模と準適正規模とし、次により決定する。

適正規模とは、3条施設を維持運営するのに必要な最小規模面積をいう。準適正規模とは、適正規模をこえる場合に、そのこえる部分が必ずしも必要ではないが、あることが望ましいものであるときの規模面積をいう。

イ.適正規模及び準適正規模

財務(支)局長、沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)が、相手方の事業計画及び事業内容並びに他の同種施設の状況等を勘案のうえ、次に掲げる面積の範囲内で決定する。

この場合、当該施設が主要な施設の敷地と別地に所在するものであっても(例えば同じ学校の校舎で、車道を隔てて別棟が存する場合のように機能的に一体として運用される場合等)、一体として措置法の規定を適用すべき場合があることに留意すること。

ⅰ.適正規模

別表の「適正規模の認定基準」により算定した面積とする。ただし、上記第1のイの場合又は第1のロの場合であって減額譲渡を行う場合については、上記第1の1に準じて、相手方が補助申請を行う際等に適用される国庫補助交付要綱等の基準によるものとする。この場合において、当該国庫補助交付要綱等の基準に敷地の規模の定めのない施設については、別表1.(1)に規定する基準を適用するものとする。

ⅱ.準適正規模

a.適正規模の5割に相当する面積

b.aのほか、措置法第3条第1項第1号イ、ロ又はチに規定する施設に運動場、作業用地等を付設する場合には、事業の許認可等の権限を有する関係官庁により、事業計画及び利用計画等が認められる面積

ロ.施設が併置又は併設される場合の取扱い

対象財産が一区画の土地であって、当該土地に2以上の施設が併置又は併設される場合の適正規模及び準適正規模(以下「適正規模等」という。)の計算は、次による。

ⅰ.3条施設と3条施設以外が、別棟として併置される場合

3条施設の適正規模等の面積によることとする。

なお、各々の敷地が利用計画図等により明確に敷地面積が区分され、かつ別々に機能していると見られる場合には3条施設の敷地にかかる部分のみが減額の対象となりうること、また、その他の場合には各々の施設ごとの延床面積によりあん分して求められた3条施設の敷地面積に相当する面積のみが減額の対象となりうることに留意すること。

ⅱ.3条施設が、別棟として2棟以上併置される場合

各施設ごとに算定した適正規模等の面積を合算した面積による。

(別添「計算例」Ⅰ参照)

ⅲ.1 棟の建物に、2以上の3条施設が併設される場合

建物全体が、当該建物に併設される各3条施設のうち主たる施設の用に供されるものとして当該主たる施設の算定基準を適用して算定した適正規模等の面積による。

a.設置者が同一の場合(別添「計算例」Ⅱ~a参照)

b.設置者が異なる場合(別添「計算例」Ⅱ~b参照)

ⅳ.1 棟の建物に、3条施設とそれ以外の施設とが併設される場合

建物の全体が、当該3条施設の用に供されるものとして仮の適正規模等の面積を計算し、この面積を当該3条施設とそれ以外の施設との延床面積によりあん分した面積による。

(別添「計算例」Ⅲ参照)

ハ.その他の特別の場合の取扱い

ⅰ.既存の3条施設(施設又はその敷地が現在又は過去において国有財産であったか否かを問わない。)を改築又は増築するため普通財産を必要とする場合

改築又は増築後の利用計画及び定員等を基として算定した適正規模等の面積から既存の3条施設の面積を控除した面積による。

この場合、既存の3条施設の面積は、まず、新たに算定した適正規模の面積から控除し、残余がある場合には準適正規模の面積から控除する。(下記ⅱのb及びⅲの場合において準用する。)

ⅱ.既存の3条施設(施設又はその敷地が現在又は過去において国有財産であったか否かを問わない。)を廃止して、同種施設を別の場所に建設するため普通財産を必要とする場合

a.既存の3条施設又はその敷地が減額譲渡、譲与、減額貸付又は無償貸付の対象となる他の用途に転用される場合には、新たに建設する3条施設について、新設の場合の例によって算定した適正規模等の面積による。

この場合において、既存の3条施設にかかる財産の譲渡又は貸付が行われるときは、その対価及び用途が国における普通財産の処理と同様の基準で行われるものでなければならない。

b.a以外の場合においては、新たに建設する施設について算定した適正規模等の面積から、既存の3条施設又はその敷地の面積を控除した面積による。

ⅲ.普通財産と相手方保有財産とを一体として3条施設の用に供する場合

3条施設の適正規模等の面積から相手方保有財産(普通財産以外の財産で新たに買収するもの及び借用しているものを含む。)の面積を控除した面積による。

ⅳ.地形狭長等で単独利用困難な土地を譲渡等する場合については、これら国有地を他の者が利用することは事実上困難であること等を踏まえ、普通財産と一体で利用する相手方保有財産の大小にかかわらず、適正規模等の面積の範囲内で減額譲渡等をする。

(別添「計算例」Ⅳ参照)

ⅴ.沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)第96条第2項に規定する交付金(以下、「沖縄振興交付金」という。)が交付される施設の用に供する場合

3条施設のうち、沖縄振興交付金が交付される施設の用に供する場合については、本交付金の制度趣旨に鑑み、相手方の利用計画による建物の建面積をもって、建物の適正規模とすることができるものとする。

また、敷地の適正規模については、別表の「適正規模の認定基準」により算定するものとし、敷地の規模の定めのない施設については、別表1.(1)に規定する基準を適用するものとする。

(2) 減額率

適正規模と準適正規模に区分し、それぞれ次による。

イ.適正規模については、5割。

ロ.準適正規模については、4割。

3.工作物及び立木竹の取扱い

工作物及び立木竹については、土地又は建物に適用される減額率により次により減額する。

工作物の減額率の決定に当たっては、まず、土地に付随する工作物と建物に付随し又はこれに類する工作物(注参照)とに区分し、土地に付随する工作物及び立木竹については、土地に適用される減額率を、建物に付随する工作物については、建物に適用される減額率を適用する。

なお、当該工作物等の減額率の基礎となる土地又は建物の減額率が2種以上にわたっている場合(例えば、5割減額、4割減額と時価)には、土地又は建物の減額率別の価格に対応する減額前の評価額の減額率別の構成割合によって、工作物等の評価額を価格あん分し、それぞれに所定の減額割合を乗じて算定する。

(別添「計算例」Ⅴ参照)

(注) 土地に付随する工作物とは、土地に付随して土地の効用を保持し、又はその効用を高めている工作物で例えば、土留、土塁、舗床、貯水池、貯槽等をいい、建物に付随する工作物とは、建物に付随して建物の効用を保持し又はその効用を高めている工作物で、例えば、照明装置等をいう。

第2.措置法第6条の2の規定に基づく土地の減額譲渡の取扱い

措置法第6条の2第1項の規定に基づき普通財産の処分を行う場合において、同項第1号又は第2号に掲げる建物を取りこわして、その敷地に設置することができる施設の範囲、減額譲渡とすることができる敷地の規模及び減額率は次に定めるところによる。

1.施設の範囲

施設の範囲は、次に掲げるものとする。

(1) 住民に賃貸する目的で経営する住宅施設(児童遊園、共同浴場、集会場及び管理事務所を含む。以下「住宅施設」という。)

(2) 公共の用に供する施設(以下「公共用施設」という。)

(3) 住宅施設又は公共用施設と同一の建物に、あわせて建設する店舗及び事務所の施設(以下「関連施設」という。)

(注)①公共用施設とは、学校、病院、公民館、社会福祉事業施設、公園、緑地、公共駐車場及び自動車ターミナル等住民の福祉を増進する目的でその利用に供するため、地方公共団体が設置し、管理するものをいう。

関連施設とは、日用品の販売のための店舗、区役所の出張所、郵便局及び電気、ガス又は水道事業者のサービスセンターの事務所等住宅施設又は公共用施設の設置に関連して必要となる施設をいう。

1の各号に掲げる施設のうち、店舗、郵便局のようにその運営が当該敷地を譲渡する地方公共団体以外の第三者によって行われる場合には、当該地方公共団体が関連施設を建設し、これを当該第三者に賃貸借又は使用貸借等により使用又は収益させるときに限り、当該敷地を減額譲渡することができる。

敷地が、1の各号に掲げる施設の用に供される場合において、その具体的用途からみて、当該敷地を譲渡する地方公共団体に対し、他の法令の規定に基づき無償貸付又は譲与することができるときは、当該用途に供する敷地を、当該地方公共団体に対し、他の法令の規定を適用して無償貸付又は譲与することができる。

2.敷地の規模及び減額率

減額譲渡することができる敷地の規模及び減額率は次による。

(1) 住宅施設及び公共用施設(他の法令の規定に基づき、減額譲渡等又は無償貸付を行うことができるものに限る。)の用に供される敷地

イ.第1の2の(1)に準じて算定した適正規模(別表の「施設の範囲」欄に掲げられていない施設については、事業計画及び事業内容等を勘案のうえ、財務局長等が適正規模に相当すると認めた規模)の敷地については、7割。

ロ.イ以外の敷地については、6割。

(2) (1)以外の施設の用に供される敷地については、6割。

(注) 工作物のうち土地に付随するもの及び立木竹については、第1の3に準じて取扱うものとする。

3.売買契約の特約

平成13年3月30日付財理第1298号「普通財産の管理及び処分に係る標準契約書式及び同取扱要領について」通達別紙第2標準契約書式第3号書式及び第8号書式については、次の例により、一部修正のうえ使用するものとする。

(指定用途)

乙は、売払申請書に添付した事業計画書及び利用計画書に定めるとおり、令和日付契第号で別に譲与契約する建物(以下「譲与建物」という。)を取りこわして、売買物件を住民に賃貸する目的で経営する住宅及び学校、病院、公園その他の公共の用に供する施設並びにこれらの施設の設置に関連して必要となる事務所及び店舗の用(以下「指定用途」という。)に自ら供し、又はこれらの施設の運営を乙以外の者によって行わせる場合には、当該乙以外の者をして指定用途に供させなければならない。

(指定期日)

乙は、売買物件をそれぞれ次に定める期日(以下「指定期日」という。)までに指定用途に供し、又は供させなければならない。

土地m2(別添利用計画図のA地区)令和日まで

土地m2(別添利用計画図のB地区)令和日まで

土地m2(別添利用計画図のE地区)令和日まで

(譲与契約する建物に居住している者の収容)

乙は、譲与建物の居住者を売払申請書に添付した事業計画書に記載したとおり売買物件に建設する住宅施設に収容し、又は他の住宅施設へ移転させるための必要な措置を令和日までに、とらなければならない。

乙は、前項の収容等の措置が完了するまで毎年1回その状況を甲に報告しなければならない。

(注) 措置法第6条の2の規定を適用して、普通財産の処理をしようとする場合には、国有財産特別措置法施行令第6条の規定により、申請書に、当該居住用建物の取りこわしについての居住者等の同意書及び取りこわす建物に居住している者の収容等の計画書等を添付させることになっているので留意する。

第3.その他

措置法第3条の規定に基づき減額貸付中のもので、施設が充足したことにより、施設整備費又は経常費にかかる国庫補助の対象から除外されたもの(老人福祉センター、児童遊園、公民館、公立図書館、公立博物館等)については、原則として、国庫補助の対象から除外された時点で適用されていた適正規模等の面積を引き続き適用するものとする。

ただし、施設の増改築、相手方保有面積の拡大、収容定員の変更等により、適正規模等の面積について縮小が認められる場合には、相応の適正規模等の面積の引き下げを行うものとする。なお、反対に、適正規模等の面積について拡大が認められる場合には、適正規模等の面積の引き上げは行わず、前段のとおり適正規模等の面積を適用することに留意すること。

(注) ここでいう減額貸付中のものとは、現に措置法第3条の適用を受けるものであり、関係法令の改正により、措置法第3条の対象外となった施設は原則としてその時点で直ちに時価貸付けに移行することに留意すること。

第4.特例処理

この取扱要領により処理することが適当でないと認められる場合には、その理由を付して、理財局長の承認を受けなければならない。

第5.経過措置

1.措置法第3条の規定に基づき減額貸付中のものの取扱い

原則として、次の貸付料改定期までは、従前の例によるものとする。ただし、事業計画及び利用計画等の変更により貸付料が変更になるものについてはこの限りではない。

なお、減額貸付けは、貸付料増額の可能性がある契約であることから、新規貸付け時及び貸付料改定時において、次の貸付料改定期に貸付料が増額する可能性があることを貸付相手方に対し周知すること。

2.時価貸付中のもので、措置法第3条の規定に基づく減額貸付ができることとなるものの取扱い

相手方の申請をまって、次の貸付料改定期までの間に減額貸付契約に変更するものとする。

第6.書面等の作成・提出の方法

1.電子ファイルによる作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

2.電子メール等による提出

(1)本通達に基づく提出の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

(2)上記(1)の方法により提出を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

別表、別紙1~別紙10、別添(PDF:1045KB)