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優遇措置の取扱いについて

平成14年3月29日
財理第1169


改正平成15年7月2日財理第2579号

同 18年3月17日同第1044号

同 23年5月23日同第2199号

令和元年9月20日同第3211号

3年6月2日同第1788号

3年 6月25日同 第1788-1号

3年11月1日同第3683号

3年12月13日同第4126号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

国有地を売払い、譲与又は貸付け等を行うに際し、法令上優遇措置が適用できることと規定されている場合の具体的な取扱いについては、関連する法令・通達との関係等を含め、下記によることとしたから通知する。

なお、平成12年12月26日付蔵理第4629号「優遇措置の取扱いについて」は廃止する。

第1基本方針

優遇措置の是正(一部面積)

優遇措置の是正(全面積)

第2用語の定義

第3対象財産及び対象法令

第4優遇措置の是正(一部面積)の処分等条件

道路、公園等の用途に供する場合の取扱い

学校、社会福祉施設等の施設の用途に供する場合の取扱い

小規模財産の取扱い

小規模財産の特例

第5優遇措置の是正(全面積)の対象財産

第6公的利用再検討財産

第7本通達の適用を受けない財産

第8特別な事情等に基づく特例

優遇措置の適用について法令上裁量の余地のない財産

旧軍港市転換事業の用に供する財産

返還財産

筑波移転跡地財産

地域振興のため特に配慮する必要があると認められる財産

災害等にかかる応急措置の用に供するとき

その他特別の事情のある財産

第9既存施設の廃止を伴う場合の留意事項

第10本省承認

別表本通達の処分等条件の対象となる法律及び対象とならない法律の例

別紙優遇措置の適用にかかる参考例

第13条施設にかかる減額率の適用について

第2地方公共団体等が補償金等を支払った場合の取扱い

第1基本方針

優遇措置の取扱いについては、国の財政事情を踏まえ、当分の間以下によることとする。

優遇措置の是正(一部面積)

(1)国有地を道路、公園等の用途に供する場合

道路、公園等のように昭和48年12月26日付蔵理第5722号「国有財産特別措置法の規定により普通財産の減額譲渡又は減額貸付けをする場合の取扱いについて」通達(以下「減額基準通達」という。)で適正規模及び準適正規模を規定していない施設の用途に供する場合については、優遇措置を適用できる面積を処分等する国有地の一定割合とすることを基本として、具体的な処分等条件を規定することとする。

(2)国有地を学校、社会福祉施設等の施設の用途に供する場合

学校、社会福祉施設等の施設のうち、当該施設の整備にかかる国庫補助基準等が設けられている施設については、これを基に適正規模及び準適正規模を減額基準通達で規定しているところである。

国有地をこれら施設の用途に供する場合については、優遇措置を適用できる面積を適正規模及び準適正規模(一部を除く)の一定割合とすることを基本として、具体的な処分等条件を規定することとする。

優遇措置の是正(全面積)

上記1の取扱いにかかわらず、相続税の金銭納付に代えて国庫に納付された物納財産、庁舎の移転跡地のように国が移転経費を要した財産などについては、平成18年1月18日財政制度等審議会答申「今後の国有財産の制度及び管理処分のあり方について」等の趣旨を踏まえて、国の財政事情が著しく悪化していること、対象施設が相当程度整備されてきていること、未利用国有地の地域的な偏在により受益面で不公平が生じていることを特に考慮し、優遇措置を適用しないこととする。

第2用語の定義

本通達において使用する用語の定義は以下による。

優遇措置財政法(昭和22年法律第34号)第9条第1項の例外として規定された国有財産の処分等に係る無償貸付け、譲与、減額売払い及び減額貸付け

優遇措置の是正国有地の処分等において、優遇措置を一部面積又は全面積について適用しないこと

処分等売払い、譲与又は貸付け(ただし、暫定活用のための一時貸付等を除く。)

譲与等譲与又は無償貸付

公的利用再検討財産財務省所管一般会計所属普通財産のうち、令和3年6月2日付財理第1789号「公的利用再検討財産の取扱いについて」通達(以下「再検討通達」という。)記第2に規定する財産

3条施設国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第3条に規定する施設

財務局長等財務局長、財務支局長又は沖縄総合事務局長

小規模財産処分等相手方が、都道府県又は政令指定都市の場合は1,000m2以下、それ以外の者の場合は300m2以下の面積である財産

国庫帰属不動産令和2年12月14日付財理第3992号「国庫に帰属する不動産等の取扱いについて」通達記第2-1に規定する国庫帰属不動産

10優遇措置算定基礎面積減額基準通達に規定する適正規模と準適正規模の面積の合計

第3対象財産及び対象法令

本通達の対象財産については、財務省所管一般会計所属普通財産の土地(国有地)とする。

また、優遇措置を規定した法律のうち、本通達の適用の対象となる法律及び対象とならない法律の例は別表のとおりであるので、参照されたい。

(注)暫定活用のための一時貸付等については、優遇措置の適用対象としないことに留意すること。

第4優遇措置の是正(一部面積)の処分等条件

上記第1-1に基づく処分等条件は以下に定めるところによるものとする。

道路、公園等の用途に供する場合の取扱い

(1)基本的な取扱い

処分等面積の3分の2について優遇措置を適用できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

(2)都市部において公園、緑地の用途に供する場合の特例

都市部(注)に所在する宅地又は宅地見込地で、かつ、単独利用可能な対象財産を公園、緑地の用途に供する場合においては、処分等面積の3分の1について無償貸付できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

(注)都市部とは、都道府県庁所在市その他財務局長等が定める都市(これらの都市の周辺において市街地を形成している地域で、財務局長等が定める地域を含む。)をいう。

学校、社会福祉施設等の施設の用途に供する場合の取扱い

学校、社会福祉施設等の施設の用途に供する目的で国有地を処分等する場合には、減額基準通達に規定する適正規模及び準適正規模のうち、別紙第1で定めるところにより算定した「優遇措置を適用できる面積」に優遇措置を適用する。

減額基準通達では、3条施設の適正規模と準適正規模につき、それぞれ異なる減額率を適用することとしているところであり、別紙第1に記載する参考例により、適正規模の減額率を適用する面積と準適正規模の減額率を適用できる面積とに分かつものとする。

なお、準適正規模の面積は、適正規模の面積の5割に相当する面積に限るものとする。

小規模財産の取扱い

小規模財産は、上記1及び2の取扱いにかかわらず、時価売払いをするものとする。

なお、小規模財産に該当するか否かの判断に当たっては、以下の点に留意すること。

(1)小規模財産に該当するか否かは、一箇所の国有地毎に判断するものとする。従って、一箇所の財産が複数の用途に充てられる場合であっても、相手方に一括して処分等するときは、当該国有地の全体の面積で判断する。また、相手方担当部局が複数にまたがるため、形式的には契約は複数となる場合であっても、それぞれの契約が同時期になされる場合にあっては、同一相手方に対する一括処分等とみなすものとする。

(2)処分等する財産が複数箇所のものであっても、同一施設用地内に所在しているものにつき、一括して処分等するときは、当該施設用地内の対象財産全体を一箇所の財産とみなして処理するものとする。

ただし、当該施設用地内に、単独利用可能な財産と単独利用困難な財産とがある場合においては、単独利用可能な財産全体と単独利用困難な財産全体とをそれぞれ一箇所の財産とみなして処理するものとする。

小規模財産の特例

次の(1)及び(2)に該当する小規模財産については、上記3の取扱いにかかわらず、それぞれ以下に定める処分等条件によるものとする。

(1)道路又は下水道の用に供する場合の取扱い

道路法(昭和27年法律第180号)の規定に基づく都道府県道若しくは市町村道又は下水道法(昭和33年法律第79号)に基づく公共下水道、流域下水道若しくは都市下水路の用途に供する場合において、それぞれの施設の区域に含まれる民・公有地が低廉な価格又は寄附により地方公共団体に提供されているときは、民・公有地の買収価格等を勘案の上、財務局長等が適切と認める条件(全面積に優遇措置を適用することを含む。)で処分等をできるものとする。

(2)国有地の利用価値等の増を図るために道路を設置する場合の取扱い

国有地が無道路地である場合等において、対象財産の一部を道路とする(拡幅を含む。)ことにより、国有地全体としての利用価値又は効用の増を図ることができる場合においては、財務局長等が適切と認める条件(全面積に優遇措置を適用することを含む。)で処分等をできるものとする。

第5優遇措置の是正(全面積)の対象財産

上記第1-2に基づき、優遇措置を適用せず、全面積時価で処分等する財産は、以下に定めるものとする。

物納財産を売り払う場合

(注)上記のほか、物納前から国有財産法(昭和23年法律第73号)又は国有財産特別措置法の規定により、優遇措置を適用することができる用途として賃貸借契約(借地借家法(平成3年法律第90号)又は(旧)借地法(大正10年法律第49号)若しくは(旧)借家法(大正10年法律第50号)の規定の適用を受けるものを含む。以下同じ。)又は使用貸借契約が締結されている不動産について、引受後も継続して地方公共団体等に貸し付ける場合においても、時価貸付を行うものとする。

独立行政法人通則法の規定に基づき国に現物納付された財産を売り払う場合

国が移転費用を要した財産を売り払う場合

(注)国が移転経費を要した財産として取り扱う財産の範囲は、新たな施設が整備されたことに伴い用途廃止された施設跡地のように、新たな施設の整備と施設の移転跡地との関係が直接的であるもののほか、庁舎等使用調整計画(平成19年1月11日付財理第1号「庁舎等使用調整計画の策定等に係る取扱いについて」通達に規定する10条調整を含む。)、特定国有財産整備計画、宿舎設置計画(同設置計画の実施に伴う宿舎の配分計画も含む。)等の実施により生じた施設の移転跡地を含む。

定期借地権を設定した貸付けを行う場合

(注)事業者の初期投資額が低減されるなど貸付けを行うこと自体が優遇措置に当たるとの考え方から、全面積について時価貸付を行うものとする。

第6公的利用再検討財産

公的利用再検討財産については、より一層の維持管理費用を削減する観点から、上記第4及び第5の規定にかかわらず、優遇措置の是正を行うことなく、優遇措置を適用することができるものとする。

ただし、特定国有財産整備計画の実施により生じた施設の移転跡地は除くものとする。

(注1)公的利用再検討財産の取扱いについては、再検討通達に基づき処理を行うものとする。

(注2)減額基準通達に適正規模及び準適正規模を規定している施設の用途に供する場合については、当該通達の定めによることに留意すること。

第7本通達の適用を受けない財産

以下の財産は、本通達が定める取扱いによらず優遇措置を適用することができるものとする。ただし、注書きに留意すること。

地方公共団体等に優遇措置の対象となる施設の敷地として貸付中の財産(国庫帰属不動産で、国庫帰属以前から優遇措置の対象となる施設の敷地として貸付中の財産を引き受けた場合を含む。)を引き続き実質的に同様の用途で利用する当該地方公共団体等に処分等する場合

また、地方公共団体等が優遇措置の対象となる施設の敷地として利用するために、当該財産を国から借り受けている者等に補償金等(国庫補助金及び処分等相手方以外の者が負担した費用の額は含まないものとする。)を支払って立ち退かせ、国に返還させた財産を当該地方公共団体等に処分等する場合についても同様に取り扱う。

(注1)地方公共団体等に貸し付けている財産であっても、他の用途に転用する場合においては、本通達の対象となるので留意すること。

(注2)本通達の取扱いに基づき対応する財産については、地方公共団体等が支払った補償金等の額が、優遇措置を適用しない部分の評価額や減額基準通達に基づき算定した減額を行った額を下回る場合に、本通達の対象となるので留意すること。(別紙第2に記載する、本通達の適用を受けない参考例を参照。)

なお、評価にあっては平成13年3月30日付財理第1317号「国有財産評価基準について」通達(以下「評価通達」という。)第2章、第3章-第2又は第3のいずれかに基づき算定するものとする。

地方公共団体等が優遇措置の対象となる施設の敷地として誤信使用している財産(国庫帰属不動産で、国庫帰属以前から優遇措置の対象となる施設の敷地として誤信使用されていた財産を引き受けた場合を含む。)を引き続き実質的に同様の用途で利用する当該地方公共団体等に処分等する場合

また、地方公共団体等が優遇措置の対象となる施設の敷地として利用するために、当該財産を誤信使用している者等に補償金等を支払って立ち退かせ、国に返還させた財産を当該地方公共団体等に処分等する場合についても同様に取り扱う。

(注)参考例等については、上記1の(注2)及び別紙を参照すること。

なお、評価にあっては評価通達第2章、第3章-第2又は第3のいずれかに基づき算定するものとする。

法定外公共用財産を直ちに地方道(都道府県道及び市区町村道をいう。)又は下水道の用途に供するため、譲与等する場合(平成12年1月18日付蔵理第170号「法定外公共物の譲与に係る普通財産の取扱いについて」通達記4により、現に公共の用に供されている財務省所管一般会計所属普通財産を譲与する場合も含む。)における当該財産

(注)「直ちに」とは、地方道等の用に供する目的をもって用途廃止された法定外公共用財産を事務処理に要する時間を除き、引き続き当該地方道等の用に供することをいう。

都市計画法(昭和43年法律第100号)第40条第1項、土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第105条第1項又は土地改良法(昭和24年法律第195号)第54条の2第6項の規定により国に帰属した土地を譲与等する場合における当該財産

第8特別な事情等に基づく特例

次の財産については、上記第1から第7の取扱いにかかわらず、それぞれ以下に記した処分等条件によることとする。

優遇措置の適用について法令上裁量の余地のない財産

相手方に譲与等をする財産で、法令上裁量が許されないものと規定されているもの(河川法施行法(昭和39年法律第168号)第18条等)については、当該法令に規定するところによることに留意すること。

旧軍港市転換事業の用に供する財産

旧軍港市転換法(昭和25年法律第220号)第2条に規定する旧軍港市転換事業の用に供する財産については、昭和53年9月29日の旧軍港市国有財産処理審議会において決定された「旧軍港市転換法に基づく国有財産処理標準」及び昭和53年11月1日付蔵理第4160号「旧軍港市転換法に基づく国有財産の処理等について」通達に留意すること。

返還財産

返還財産(注)については、昭和54年12月24日付蔵理第4824号「返還財産の処分条件について」通達及び平成15年7月2日付財理第2579号「大口返還財産の留保地の今後の取扱いについて」通達に留意すること。

(注)返還財産とは、財務省所管一般会計所属の普通財産のうち、条約に基づいて日本国にある外国軍隊の用に供する国有の財産が返還された場合の当該財産をいう。

筑波移転跡地財産

筑波移転跡地財産(注)については、昭和55年5月19日の国有財産中央審議会で了承を得た処分条件によるものであることに留意すること。

(注)筑波移転跡地財産とは、筑波研究学園都市建設法(昭和45年法律第73号)第2条第4項に規定する研究学園地区建設計画に基づいて移転する機関の用に供していた財産をいう。

地域振興のため特に配慮する必要があると認められる財産

以下の財産の処分等に当たっては、それぞれの振興計画策定の過程において、具体的な処分等条件を決定していくものとする。

(1)小笠原諸島振興開発特別措置法施行令(昭和45年政令第13号)第2条に規定する用途に供する財産

(注)同施行令別表第二に定める処分条件に留意すること。

(2)沖縄振興計画に基づく事業で、沖縄振興特別措置法施行令(平成14年政令第102号)第36条に規定する用途に供する財産

(3)奄美群島振興開発計画に基づく事業で、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校(当該小学校の施設と同条に規定する幼稚園の施設とが同一の敷地に設けられる場合における当該幼稚園を含む。)、中学校、盲学校又は養護学校の施設の用に供する財産

災害等にかかる応急措置の用に供するとき

国有財産法第22条第1項第3号から第6号までの規定により災害等が発生した場合における応急措置の用に供するとき等は、所要の財産の全面積について無償貸付できるものとする。

その他特別の事情のある財産

(1)寄附者等に対して譲与する財産

国有財産法第28条第3号又は国有財産特別措置法第5条第1項第1号により、対象財産をその寄附者等に対して譲与する場合においては、全面積について優遇措置を適用できるものとする。

(2)特別の事情のある財産

国有財産特別措置法第5条第1項第2号、同6条の2(注1)、同第7条、運河法(大正2年法律第16号)附則第22条、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第25条、又は警察法(昭和29年法律第162号)第78条(注2)による優遇措置を適用する場合においては、当該処分等する対象財産の全面積について優遇措置を適用できるものとする。

(3)特別借受宿舎の用に供する財産

特別借受宿舎の用に供するときにおいては、所要の財産の全面積について無償貸付できるものとする。

(4)極小規模の施設の用に供する場合

国有財産法第22条第1項第1号の規定により信号機、道路標識その他公共用又は公用の極小規模の施設の用に供するときにおいて、上記第4-3の処分条件により売り払うことが管理上著しく不適当と認められる場合については、所要の財産の全面積について無償貸付できるものとする。

(注1)国有財産特別措置法第6条の2に規定する優遇措置を適用する場合には、減額基準通達の適用があることに留意すること。

(注2)警察法第78条で規定されている都道府県警察に無償で使用させることができる「警察用の国有財産」については、以下のとおり。

a警察法第37条第1項の規定に基づき国費支弁により取得した警察教養施設、警察通信施設、犯罪鑑識施設その他の国有財産(敷地を含む)

bもっぱら警察庁の用に供している国有財産(敷地を含む)で、その一部を都道府県警察の用に供するため一時使用させる必要のあるもの

上記のとおり、警察法第78条については、「警察用の国有財産」に適用される規定であり、財務省所管一般会計所属普通財産には適用できない。

したがって、財務省所管一般会計所属普通財産について、警察法第78条に基づき、都道府県警察に使用させる場合には、警察庁(又は国有財産管理部局長たる都道府県警察本部)に所管換(使用承認を含む。)した上で使用させる必要があることに留意する。

また、国庫補助を受けて設置された施設であっても、都道府県所有の施設として設置した場合には、警察法第78条による無償使用の対象にならないことに留意する。

第9既存施設の廃止を伴う場合の留意事項

既存の施設を廃止して同種施設を別の場所に設置するため新たに財産を必要とする場合で、かつ、既存施設の跡地の全面積又は一部面積を優遇措置の対象とならない用途に転用するときは、対象財産の面積のうち、当該優遇措置の対象とならない用途に供する面積相当分を相手方保有地とみなし(注)、かつ、対象財産の面積は、当該相手方保有地とみなす面積相当分を除いた面積のみとみなし、これに上記第4-1又は2を適用して、優遇措置を適用できる面積を算定するものとする。

なお、既存施設の跡地を第三者に処分等し、当該第三者等が優遇措置の対象となる施設を運営等する場合において、当該跡地の処分等条件が、本通達に規定する処分等条件と同程度以上に優遇された条件でない場合には、当該跡地は、優遇措置の対象とならない用途に転用されたものとみなす。

(注)当該相手方保有地とみなした面積は、時価売払いをするものとする。

第10本省承認

本通達により処理することが適当でないと認められる場合は、本省の承認を得て処理するものとする。

別表(PDF:135KB)

別紙

優遇措置の適用にかかる参考例

第13条施設にかかる減額率の適用について

本通達第4-2にかかる参考例については、以下のとおり。

当該対象財産が単独で利用されるとき、又は当該対象財産が単独利用困難(注)なものであるとき

当該対象財産のうち、優遇措置算定基礎面積の3分の2について優遇措置を適用できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

なお、適正規模及び準適正規模にかかる減額率の適用は以下のとおり。

(1) 適正規模にかかる減額率の適用

対象財産の優遇措置を適用できる面積のうち、減額基準通達に定める適正規模と等しい面積について適正規模にかかる減額率を適用できることとする。

(2) 準適正規模にかかる減額率の適用

対象財産の優遇措置を適用できる面積のうち、上記(1)を超える面積については、準適正規模にかかる減額率を適用できることとする。

(注)当該対象財産が単独利用困難なものである場合には、相手方保有地の大小にかかわりなく、必然的に相手方保有地と一体として利用されることとなるため、相手方保有地がある場合であっても、単独で利用されるときと同様の取扱いとする。

(参考例A)優遇措置が適用できる面積は、実際に処分等を行う国有地の面積の大小にかかわりなく、優遇措置算定基礎面積の3分の2である。

X(200)

Z(130)

優遇措置(200)

時価売払い(130)

対象財産(330)

優遇措置算定基礎面積(300)

適正規模(200)

準適正規模(100)

優遇措置を適用できる面積:300(優遇措置算定基礎面積)×2/3=200

X:適正規模にかかる減額率を適用できる面積
X=200

Z:時価売払いを行う面積
Z=130

当該対象財産が、単独利用可能なものであり、かつ相手方保有地と一体として利用されるとき

(1)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の1以下の場合

当該対象財産のうち、優遇措置算定基礎面積の3分の2について優遇措置を適用できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

なお、優遇措置を適用できる面積のうち、優遇措置算定基礎面積の3分の2(=適正規模)から相手方保有地を控除した面積について、適正規模にかかる減額率を適用できることとし、更に、優遇措置を適用できる面積に残りがある場合については、準適正規模にかかる減額率を適用できることとする。

(参考例B)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の1以下のため、優遇措置算定基礎面積の3分の2に優遇措置が適用できるケース

X(120)

Y(80)

Z(130)

優遇措置(200)

時価売払い(130)

相手方保有地
(80)

対象財産(330)

優遇措置算定基礎面積(300)

適正規模(200)

準適正規模
(100)

優遇措置を適用できる面積:
300(優遇措置算定基礎面積)×2/3(優遇措置の是正)=200

X:適正規模にかかる減額率を適用できる面積
X=優遇措置を適用できる面積(=適正規模)-相手方保有地=200-80=120

Y:準適正規模にかかる減額率を適用できる面積
Y=優遇措置を適用できる面積(=適正規模)-X=200-120=80

Z:時価売払いを行う面積
Z=対象財産-X-Y=330-120-80=130

(2)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の1超かつ3分の2以下の場合

優遇措置算定基礎面積から相手方保有地を控除した面積についてのみ優遇措置を適用できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

なお、優遇措置を適用できる面積のうち、優遇措置算定基礎面積の3分の2(=適正規模)から相手方保有地を控除した面積について、適正規模にかかる減額率を適用できることとし、更に、優遇措置を適用できる面積に残りがある場合については、準適正規模にかかる減額率を適用できることとする。

(参考例C)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の1を超えているため、優遇措置を適用できる面積が、優遇措置算定基礎面積から相手方保有地を控除した面積のみとなるケース

X(50)

Y(100)

Z(180)

優遇措置(150)

時価売払い(180)

相手方保有地(150)

対象財産(330)

優遇措置算定基礎面積(300)

適正規模(200)

準適正規模(100)

優遇措置を適用できる面積:
300(優遇措置算定基礎面積)-150(相手方保有地)=150

X:適正規模にかかる減額率を適用できる面積
X=適正規模-相手方保有地=200-150=50

Y:準適正規模にかかる減額率を適用できる面積
Y=優遇措置を適用できる面積-X=150-50=100

Z:時価売払いを行う面積
Z=対象財産-X-Y=330-50-100=180

(3)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の2超の場合

優遇措置算定基礎面積から相手方保有地を控除した面積についてのみ優遇措置を適用できるものとし、その他の部分については時価売払いをするものとする。

なお、優遇措置を適用できる面積には、適正規模にかかる減額率を適用できず、全て準適正規模にかかる減額率を適用できることとする。

(参考例D)相手方保有地が優遇措置算定基礎面積の3分の2(=適正規模)を超えているため、優遇措置を適用できる面積が、処分等面積から相手方保有財産を控除した面積のみとなるケース

Y(70)

Z(260)

優遇措置
(70)

時価売払い(260)

相手方保有地(230)

対象財産(330)

優遇措置算定基礎面積(300)

適正規模(200)

準適正規模
(100)

優遇措置を適用できる面積:
300(優遇措置算定基礎面積)-230(相手方保有地)=70

X:適正規模にかかる減額率を適用できる面積
X=0(相手方保有地が適正規模を超えているため)

Y:準適正規模にかかる減額率を適用できる面積
Y=優遇措置を適用できる面積=70

Z:時価売払いを行う面積
Z=対象財産-X-Y=330-0-70=260

第2地方公共団体等が補償金等を支払った場合の取扱い

本通達第7-1―(注2)にかかる参考例は以下のとおり。

(参考例E)公園として利用する場合

処分等面積のうち、3分の1(時価売払いを行う部分)の評定価格が300万円であるものに対し、国有地に係る地方公共団体が支払った補償金等の額が300万円以上であることが確認できた場合には、本通達が定める取扱いによらず、全面積について無償貸付できるものとする。

(参考例F)学校敷地として利用する場合

優遇措置算定基礎面積のうち、3分の1(準適正規模部分)の評定価格が300万円であった場合、本通達を適用しなければ、この部分も4割減額できることになる。 そのため、国有地に係る地方公共団体が支払った補償金等の額が180万円以上であることが確認できた場合には、本通達を適用せず、全面積について減額譲渡又は減額貸付できるものとする。