昭和53年11月1日 |
改正昭和 55年5月27日蔵理第2160号
同 56年5月13日同第1888号
同 59年6月 7 日同第2054号
平成 7年6月12日同第2352号
同 8年3月29日同第1204号
同 9年3月31日同第1414号
同 10年3月27日同第1156号
同 13年3月30日財理第1296号
同 21年6月19日同第2639号
令和 3年9月21日同第3258号
大蔵省理財局長から財務局長宛
昭和53年9月29日に開催された第1回旧軍港市国有財産処理審議会(以下「審議会」という。)において、旧軍港市転換法(昭和25年法律第220号。以下「法」という。)第4条又は第5条の規定に基づく国有財産の処理について「旧軍港市転換法に基づく国有財産処理標準」(以下「処理標準」という。)が諮問の上定められ、また、審議会に諮問する事案の範囲については、「旧軍港市国有財産処理審議会に諮問する事案の範囲について」が了承されたが、これらの取扱いについては下記によることとされたから、命により通知する。
なお、昭和26年12月6日付蔵管第6684号「旧軍港市転換法に基く国有財産処理標準の取扱細目について」通達は、廃止する。
記
第1処理標準の取扱い
1譲与(法第5条)
処理標準記2(1)の取扱いは、次のとおりとする。
(1)譲与することができる用途の範囲
イ譲与は、当該財産が処理標準記2(1)に掲げる施設で、下記(イ)又は(ロ) に掲げる施設に該当するものの用に供される場合に行うことができるものとする。
(イ)旧軍港市を平和産業港湾都市に転換再建するためにとくに重要な意義を有する施設
(ロ)旧軍港市が地方公共団体として行う事務のうち基本的なものの用に供される施設で、一般公衆の用に供されるもの
ロ当該財産が前記イに規定する場合に該当するか否かは、それぞれの場合において具体的に判断することとするが、一般的には、当該財産が概ね次に掲げるような施設の用に供される場合に譲与するものとする。
(イ)公共施設 公園、運動場、広場、緑地、溜池、排水施設
(ロ)公企業施設 水道、下水道
(ハ)港湾施設 固定式荷役機械、軌道走行式荷役機械、上屋、旅客乗降用固定施設、手荷物取扱所、待合所、野積場、貯木場、貯炭場、危険物置場、給水船、艀柱灯浮標、航路浮標
(ニ)教育施設 小学校、中学校、高等学校、図書館、公民館
(ホ)勧業施設 物産展示会館、商工物産陳列館、貿易振興会館、漁業会館
(ヘ)保健衛生施設 ごみ処理施設、し尿処理施設、保健所、伝染病院、隔離病舎、隔離所、消毒所、結核療養所、共同便所、火葬場、墓地、と畜場
(ト)社会福祉施設 児童福祉施設、無料宿泊所、公共職業訓練施設
(チ)防犯防火施設 水上警察署、消防署、消防署出張所、消防団車庫敷地、防火貯水池
ハ前記イにより譲与できる場合であっても、当該施設の経営が営利を目的とし、若しくは利益をあげる場合又は譲与を受けようとする公共団体が当該施設の経営を直接行わない場合には、譲与は行わないものとする。
(2)譲与する財産の要件
譲与は、譲与をしようとする財産が、次に掲げる要件を満たす場合に限り行うこととする。
イ次に掲げる財産に該当しないこと。
(イ)国の行政目的のため必要な財産
(ロ)社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律(昭和22年法律第53号)の規定により社寺等が譲与又は半額売払を受けることができる財産
(ハ)前記(イ)又は(ロ)に掲げるもののほか、特別会計に属する財産
(ニ)アメリカ合衆国の軍隊の用に供している財産
ロ当該財産の現況からみて、転用することが適切と認められること。
ハ譲与の相手方の利用計画、近傍地における他の類似施設の規模、状況等からみて適正妥当な規模であること。
ニ当該財産を契約その他の権限により使用する者があるときは、譲与の契約が行われるまでの間に譲与を受けようとする公共団体が補償その他必要な措置を講ずること。
2譲渡代金の延納
(1)延納期限等
処理標準記3(2)の延納の期限等は、次のとおりとする。
イ公共団体又は教育若しくは社会福祉事業を営む団体に譲渡する場合
1件の売払代金 又は交換差金 |
延納期限 | 売払代金又は交換差金の納付方法 | |
---|---|---|---|
即納金額 | 延納期限内の納付方法 | ||
40 万円を超え |
1年以内 | 20万円以上 | 各納期につき元金の均等若しくは逓減又は元利均等 |
100 万円以上 |
2年 〃 | 売払代金の2割以上 | 〃 |
200 万円以上 |
3年 〃 | 〃 | 〃 |
400 万円以上 |
4年 〃 | 〃 | 〃 |
800 万円以上 |
5年 〃 | 〃 | 〃 |
1,400万円以上 |
6年 〃 | 〃 | 〃 |
2,000 万円以上 |
7年 〃 | 〃 | 〃 |
2,500 万円以上 |
8年 〃 | 〃 | 〃 |
3,000 万円以上 |
9年 〃 | 〃 | 〃 |
4,000 万円以上 |
10 年 〃 |
〃 |
〃 |
(注)延納期限内の納付方法を定める場合においては、年賦を原則とするが、買受者の資産及び収入の状況等を参酌し、半年賦、四半期賦又は月賦等の分割払の方法を認めることができる。
ロその他の場合
(イ)住宅(店舗又は事務所等と住居とを兼ねている場合を含む。以下同じ。) 又は住宅の用に供する土地を譲渡する場合
1件の売払代金 | 延納期限 | 売払代金の納付方法 | |
---|---|---|---|
即納金額 | 延納期限内の納付方法 | ||
5千円を超え |
1年以内 |
売払代金を分割納付回数で除した金額以上。ただし2千円を下らないこと |
各納期につき元金の均等若しくは逓減又は元利均等とする。ただし各納期の金額は2千円を下らないこと |
2万円以上 |
2年 〃 | 同上 | 同 上 |
4万円以上 |
3年 〃 | 同上 | 同 上 |
6万円以上 |
4年 〃 | 同上 | 同 上 |
8万円以上 |
5年 〃 | 同上 | 同 上 |
11万円以上 |
6年 〃 | 同上 | 同 上 |
14万円以上 |
7年 〃 | 同上 | 同 上 |
17万円以上 |
8年 〃 | 同上 | 同 上 |
21万円以上 |
9年 〃 | 同上 | 同 上 |
25万円以上 | 10 年 〃 | 同上 | 同 上 |
(注) 前記イの表の(注)に同じ。
(ロ)その他の場合
1件の売払代金 又は交換差金 |
延納期限 | 売払代金の納付方法 | |
---|---|---|---|
即納金額 | 延納期限内の納付方法 | ||
40 万円を超え |
1年以内 | 20万円以上 |
各納期につき元金の均等若しくは逓減又は元利均等 |
140 万円以上 |
2年 〃 | 売払代金の2割以上 | 〃 |
300 万円以上 |
3年 〃 | 〃 | 〃 |
600 万円以上 |
4年 〃 | 〃 | 〃 |
1,200 万円以上 |
5年 〃 | 〃 | 〃 |
2,400 万円以上 |
6年 〃 | 〃 | 〃 |
4,000 万円以上 |
7年 〃 | 〃 | 〃 |
5,000 万円以上 |
8年 〃 | 〃 | 〃 |
6,000 万円以上 |
9年 〃 | 〃 | 〃 |
8,000 万円以上 | 10 年以内 | 〃 | 〃 |
(注)前記イの表の(注)に同じ。
(2)担保
担保の種類、担保の価値、増担保及び担保物の付保等については、普通財産取扱規則(昭和40年大蔵省訓令第2号、以下「取扱規則」という。)第18条から第22条までに定めるところによる。
(3)延納利率
延納利率は、取扱規則第17 条第1号から第3号の規定により算定した利率とする。
3処理の申請
(1)申請の受付
処理の申請は、財産を管轄する財務局又は財務事務所の出張所において受け付けるものとする。
(2)副申書の受領
当該処理にかかる申請書を受け付けたときは、旧軍港市からの申請にかかるものを除き、当該申請書の副本一部を関係市長に移送して、市長から当該市の転換計画に照らし当該申請が適当である旨の副申書の送付を受けるものとする。
4特例の承認
事案の処理について、この通達により難い特別の事情がある場合には、理財局長の承認を受けたうえ処理するものとする。
第2審議会に諮問する事案の範囲
1審議会付議事案
審議会には、下記(1)から(11)までに該当する事案について付議(福岡財務支局にあっては、九州財務局長に付議方進達する。以下同じ。)するものとする。ただし、下記2により旧軍港市国有財産処理地方幹事会(以下「地方幹事会」という。)に付議して処理することができる事案を除く。
(1)譲与
(2)譲渡(注1)
(3)貸付け(貸付期間更新の場合を除く。)
(4)交換
(5)所管換
(6)使用承認(使用期間の更新の場合を除く。)(注2)
(7)現物出資
(8)返還要求(注3)
(9)転用方針(注4)の決定
(10)指定用途の変更又は解除の承認
(11)契約解除
(注1)一般競争入札による譲渡(旧軍用財産の未利用地のうち、旧軍港市の市長が旧軍港市転換事業の用に供さないと判断した財産に限る。以下同じ。)の場合の付議内容は、一般競争入札に付することの適否とし、その入札の結果は、直後の審議会に報告するものとする。
(注2)使用承認には、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律(昭和27年法律第110号)」第4条の規定による使用又は収益の許可を含むものとする。
(注3)在日合衆国軍隊に提供中の普通財産を特定の用途に供するためその売払い等を受けようとする者から当該普通財産の返還(使用転換に伴う返還を含む。)に関する要望書が提出された場合において、財務局から理財局長に対し当該普通財産の返還について日米合同委員会施設特別委員会に提案すべきことを上申することをいう。
この場合における付議内容は、返還について施設特別委員会に提案することの適否のほか、返還後の具体的処理内容の適否とする。
(注4)普通財産である一団の土地(当該土地の上に存する建物、立木竹等を含む。)を複数の用途に供し、又は複数の相手方に処分しようとする場合において、当該一団の土地の処理方針(用途、数量、処理区分、相手方等)をあらかじめ一括して定めるときの当該方針をいう。
2地方幹事会付議事案
前記1の(1)から(11)までに掲げる事案のうち、下記(1)の各号のいずれかに該当するものについては、事務処理の促進を図るため、審議会に付議することなく、地方幹事会に付議して処理することができるものとする。ただし、下記(2)の各号のいずれかに該当するものについては、この限りでない。
なお、地方幹事会に付議して処理した事案については、当該処理を行った財務局長は、直後の審議会にその処理内容を報告するものとする(九州財務局にあっては、当該処理を行った福岡財務支局長が処理内容について九州財務局長に報告したのち、局長から審議会に報告するものとする。)。
(1)原則として地方幹事会に付議する場合
イ譲与及び無償貸付けの場合
(イ)見積価格が2,000万円以下である財産を譲与し、又は無償貸付けするとき
(ロ)解体撤去若しくは移築を条件とする建物若しくは工作物又は伐採を条件とする立木竹を譲与するとき。
(ハ)機械器具を譲与するとき。
(ニ)審議会又は地方幹事会に付議のうえ、無償で貸し付けている財産を、引き続き同一の用途に供する目的で、貸付相手方へ譲与するとき。
ロ譲渡、交換及び有償貸付けの場合
(イ)予定価格(法律に基づき減額する場合にあっては、減額する以前の価格とする。)が5,000万円以下である財産を譲渡し、若しくは交換するとき又は見積価格が5,000万円以下の財産を有償貸付けするとき。
(ロ)解体撤去若しくは移築を条件とする建物若しくは工作物又は伐採を条件とする立木竹を譲渡するとき。
(ハ)機械器具を譲渡し、又は有償貸付けするとき。
(ニ)従来から有償で貸し付けている財産を、引き続き同一の用途に供する目的でその貸付相手方に譲渡するとき。
(ホ)一時的に使用させるとき。
(ヘ)一般競争入札による譲渡を行う場合であって、その面積が2,000平方メートル未満であるとき。
なお、この場合の付議内容は一般競争入札に付することの適否とし、その入札の結果は、直後の地方幹事会に報告するものとする。
ただし、面積が500平方メートル未満のときは地方幹事会への付議及び報告を要しない。
ハ所管換及び使用承認の場合
(イ)面積が30,000平方メートル以下の土地を所管換し、又は使用承認するとき。
(ロ)延面積が5,000平方メートル以下の建物を所管換し、又は使用承認するとき。
(ハ)土地及び建物以外の財産でその各区分ごとの見積価格が5,000万円以下のものを所管換し、又は使用承認するとき。
ニ現物出資の場合
各区分ごとの見積価格が5,000万円以下の財産を現物出資するとき。
ホ返還要求の場合
返還要求をしようとする普通財産の返還後の具体的処理内容が前記イからニまでに掲げる場合に該当するとき。
ヘ指定用途の変更又は解除の承認の場合(未締結の契約に係るものを含む。)
(イ)当該財産が用途を指定して処分された際に審議会に付議されなかったものであるとき。
(ロ)指定用途の一部変更又は一部の解除の場合であって、当該財産の利用上当初の目的に照らして一層有効と認められるものであるとき。
ト契約解除の場合であって、その内容が軽微であるとき。
チ既に審議会において適当である旨の答申を得た返還要求又は転用方針に基づき処理する事案の場合であって、次の要件を満たすとき。
(イ)当該処理の内容が当該答申の内容と概ね同一であること。
(ロ)当該処理の方法が譲与、無償貸付、所管換、使用承認又は現物出資であること。
(ハ)当該処理が、当該答申を得てから概ね5年以内に行われること。
(2)地方幹事会付議事案から除外される場合
イ取扱規則第5条第10号の規定に該当するとき。
ロ一体として利用することが社会経済上好ましい一団の土地の一部を処理する場合並びに他の土地又は建物と一体として前記(1)のイの(ロ)及び(ハ)並びにロの(ロ)及び(ハ)の処分をする場合において、それぞれ当該一団の土地の処理及び当該他の土地又は建物の処分が前記(1)の原則として地方幹事会に付議する場合に該当しないとき。
第3旧軍港市に所在する旧軍用財産の一般競争入札
一般競争入札による譲渡に係る具体的手続きについては、次のように取り扱うこと。
(1)財務局長(九州財務局にあっては、当該処理を行う福岡財務支局長とする。以下同じ。)は、未利用の旧軍用財産について、旧軍港市の市長に対し、旧軍港市の利用要望の有無を文書により照会する。
なお、当該照会は、利用要望の有無のみを照会するものとし、利用計画年次その他の条件を付さないこと。
(2)旧軍港市の市長は、前記(1)の照会に対し、概ね6ヶ月以内に、利用要望が無い財産のみを文書により回答する。
(3)上記(1)の照会は、概ね5年ごとに実施するものとする。
ただし、その間、旧軍港市において旧軍港市転換事業の用に供さないと判断した財産がある場合には、当該旧軍港市の市長は、財務局長に対し、その旨を文書により速やかに報告するものとする。
(4)上記(2)又は前記(3)ただし書の規定により利用要望が無いと回答され、又は報告された財産については、第2に掲げる基準により、一般競争入札を実施することができる。
ただし、当該財産のうち500平方メートル未満の財産については、当該利用要望が無い旨の回答文書又は報告文書をもって一般競争入札を実施することができる。
(5)財務局長は、前記(4)ただし書の規定により行った入札の結果について、当該市長に対して速やかに通知するものとする。
第4書面等の作成・報告等の方法
1電子ファイルによる作成
本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。
2電子メール等による報告等
(1)本通達に基づく報告等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。
(2)上記(1)の方法により報告等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。
(参考)
旧軍港市転換法に基づく国有財産処理標準
旧軍港市転換法(昭和25年法律第220号。以下「法」という。)第4条又は第5条の規定に基づき国有財産を処理する場合には、下記によることとする。 なお、下記に定められていない重要事項については、別途審議会に諮問することとする。
記
1方針
国の関係諸機関は、旧軍港市転換事業が法第1条の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助を与えなければならないという法第3条の趣旨を根本とし、個々の国有財産の処理に当つては、旧軍港市転換計画の実現に寄与するように有効適切に処理するものとする。
2譲与(法第5条)
(1)譲与は当該財産が、公共団体の行う旧軍港市転換事業において設置される次に掲げる施設で平和産業港湾都市にふさわしいものの用に供される場合(審議会において特に必要と認める換地の場合を含む。)にできるものとする。
イ都市計画法(昭和43年法律第100号)に規定する都市計画施設
ロ港湾法(昭和25年法律第218号)に規定する港湾施設
ハ児童福祉法(昭和22年法律第164号)に規定する児童福祉施設
ニ保健所法(昭和22年法律第101号)に規定する保健所の施設
ホ消防組織法(昭和22年法律第226号)に規定する消防施設
ヘ警察法(昭和29年法律第162号)に規定する警察の施設
ト水道法(昭和32年法律第177号)に規定する水道施設
チ下水道法(昭和33年法律第79号)に規定する下水道施設
リ学校教育法(昭和22年法律第25号)に規定する小学校、中学校及び高等学校
ヌ社会教育法(昭和24年法律第207号)に規定する公民館
ル図書館法(昭和25年法律第118号)に規定する図書館
ヲ職業訓練法(昭和44年法律第64号)に規定する公共職業訓練施設
ワ地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第3項各号の事務の範囲内において設置される施設
カその他審議会において必要と認める施設
(2)譲与の対象となる財産は、審議会において特に必要と認める場合を除き、旧軍港市の都市計画の区域内に存する普通財産とする。
3譲渡(法第4条)
(1)減額譲渡の減額率
減額譲渡を行う場合の減額率は、原則として5割とする。
(2)譲渡代金の延納
延納の期限は、売払代金の額及び譲渡の相手方等により、10年以内において定める。