財務総合政策研究所

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所長挨拶

財務総合政策研究所は、財務省のシンクタンクとして、財政経済に関する調査・研究のほか、開発途上国に対する知的支援、海外の研究機関との研究交流、法人企業統計等の統計調査、財政史の編纂、財務省図書館の運営、財務省職員の研修等を行っています。

当研究所は、昭和60年5月に財政金融研究所としてスタートし、平成12年に財務省の発足に伴い現在の名称に変更しました。また、平成27年に創立30周年の節目を迎え、研究内容及び研究手法の高度化・専門化に伴う研究の企画・立案機能強化の観点並びに研究所内の連携強化等の観点から、総務室と研究部を統合し「総務研究部」を設置するなどの組織改革を行いました。

 

我が国経済は、アベノミクスの取組みの下、企業収益は過去最高水準となり、就業者数は増加、また多くの企業で4年連続の実質ベースアップを実施するなど雇用・所得環境は大きく改善しており、全国で経済の好循環が着実に回り始めています。他方で、国の歳入歳出ギャップが拡大し公債残高が累増する一方、少子化が進み、他の先進国に先駆けて高齢者の割合が急増するなど、持続的な財政や社会保障制度を巡る課題への取り組みが一層重要となっています。国民生活の安定と持続的な経済発展に向けて、財政の健全化を進めるとともに、グローバルな情勢も踏まえた政策課題に的確に応える財政・経済政策を企画・立案していく必要があります。このためには、内外経済情勢や政策手段に対する幅広い視点からの調査・研究が不可欠です。

 

当研究所では、こうした現状に基づく政策部局の問題意識を踏まえ、中長期的な視点に立った内外の財政経済に関する 研究活動 を行っています。これまで財政・経済、金融・資本市場、国際経済・各国経済等の研究を行っており、その成果を「 フィナンシャル・レビュー 」や研究会の報告書等として刊行するとともにホームページにおいても公表しています。

 

こうした財政、経済に関する知見を活かしつつ、当研究所は 知的支援と研究交流 にも力を入れています。

知的支援は、ウズベキスタンなどわが国と繋がりの深いアジア諸国等を中心に、相手国の求めに応じて、日本の財政・経済政策等に関する研修・セミナーを実施しております。特に、ミャンマー及びラオスにおいては、ミャンマー経済銀行やラオス開発銀行を主な対象として、中小企業向け融資の審査能力の向上、人材育成のための技術協力プロジェクトを実施しており、更に取り組みを強化していきます。

研究交流は、外国研究機関や国際機関等との共同研究や、ワークショップ等の開催、研究員の受入れ等を行い、相手国・研究機関との間で知識や経験の交流を図るものです。現在、主に中国、インド等の主要研究機関との間で交流を行っており、今後連携先を拡大していく方針です。

以上の国際交流活動についても、研究所のホームページに幅広く公表していますのでご覧いただければと思います。

 

更に、当研究所では、二つの統計調査を実施しています。「 法人企業統計調査 」は、約3万6千社を対象として法人の活動実態を把握するものです。また、「 法人企業景気予測調査 」は、約1万6千社を対象として企業の景況感を調査します。いずれもマスコミや市場関係者、有識者等が注目する政府統計となっており、公表時においては研究所のホームページに多くのアクセスが寄せられます。

また、財務省の行政事績について、史録として編纂した「 財政史 」を刊行し、財務行政の企画・立案と学術研究等の用に供してきました。現在は、『明治財政史』シリーズ以降7シリーズ目となる『平成財政史−平成元〜12年度』全12巻の編纂・刊行に取り組んでいます。

 

上に挙げた研究等の成果を活かし、財務省職員に専門的な知識や技能を習得させるため、当研究所は、財務本省及び財務局職員に対する総合的な研修を行っています。平成28年度は、344コースの研修を実施し、延べ14,200余名が参加しました。研修運営においては、行政を取り巻く環境の変化に応じて、内容の充実・強化を図っています。

 

当研究所では、行政官だけではなく専門的な知識を有する研究者を公募するなど多様なスタッフを揃える努力をしております。更に大学や民間研究機関等の研究者とも相互に連携した研究を実施しているところです。今後も霞が関の殻に閉じこもることなく、財務省の研究所としての蓄積を基に、調査・研究、国際交流活動、長期的視点に立った人材育成に研究所の各部局が連携して積極的に取り組んでいきたいと考えています。皆様方の御理解と暖かい御支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

平成29年7月              財務省財務総合政策研究所長     土井  俊範