キャッシュフロー
キーワードの説明
キャッシュフローは、一般には企業活動のなかで獲得した正味の現金収支を言い、企業が自ら調達した資金であることから内部金融と言えます。なお、ここでは、当期純利益の内部留保分に減価償却費を加えたものとしています。
キャッシュフロー = 内部留保* + 減価償却費
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[2006年度調査以前] 内部留保 = 当期純利益−(中間配当額+配当金+役員賞与) |
[2007年度調査以降] 内部留保 = 当期純利益−(中間配当額+配当金) |
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役員賞与は、2006年度調査以前では利益処分項目として調査を行っていたが、2007年度調査以降は費用項目として調査を行っている。 |
グラフで見る最近の動き
2015年度の製造業を見ると、配当金の増加等により、キャッシュフローは前年度比で減少しています。非製造業を見ると、減価償却費の増加等により、キャッシュフローは前年度比で増加しています。
(注) | 全産業は金融業、保険業を除く。 |
(出所) | 法人企業統計年報 |
トピックス
キャッシュフロー水準が設備投資に影響しています。
製造業・非製造業のキャッシュフローと設備投資の関係を見たのが下図です。
キャッシュフロー(内部資金)と外部資金(借入、社債等)にコストの差がなければ、設備投資はこれらの資金調達方法とは独立に決定されることとなります。しかし、下図のように、キャッシュフローと設備投資とは製造業・非製造業ともに長期的に連動していることがわかります。つまり、キャッシュフローの水準が設備投資の水準に影響を及ぼしています。これは外部資金はキャッシュフローに比べてコスト高となり、設備投資が相対的に低コストのキャッシュフローに影響されることを示しています。
(注) | 設備投資は、ソフトウェア増減額を除いたものである。 |
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非製造業は金融業、保険業を除く。 |
(参考文献) | 「規模別および年代別の設備投資行動」(花崎正晴、TRAN THI THU THUY)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー62号(法人企業統計から見た日本の企業行動特集)」 |