このページの本文へ移動
 
  
 

労働生産性

キーワードの説明

労働生産性とは、従業員一人当たりの付加価値額を言い、付加価値額を従業員数で除したものです。労働の効率性を計る尺度であり、労働生産性が高い場合は、投入された労働力が効率的に利用されていると言えます。

労働生産性 付加価値額*
従業員数
*

付加価値額=人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益

2006年度調査以前:人件費=役員給与+従業員給与(従業員賞与を含む)+福利厚生費

2007年度調査以降:人件費=役員給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚生費

役員賞与は、2006年度調査以前では利益処分項目として調査を行っていたが、2007年度調査以降は費用項目として調査を行っている。また、従業員賞与は、2006年度調査以前では従業員給与に含めて調査を行っていたが、2007年度調査以降は従業員給与に含めず単独項目として調査を行っている。

グラフで見る最近の動き

2015年度の製造業を見ると、付加価値額は前年度比で増加し、従業員数は前年度比で減少したことから、労働生産性は前年度比で上昇しています。非製造業を見ると、付加価値額の対前年度増加率が、従業員数の増加率を上回ったため、労働生産性は前年度比で上昇しています。

労働生産性のグラフ
(注) 1  労働生産性(従業員一人当たりの付加価値額)=付加価値額/従業員数

2 

全産業及び非製造業は金融業、保険業を除く。
(出所) 法人企業統計年報

トピックス

1990年代以降、名目労働生産性の変化率は小幅に推移しています。

名目労働生産性の変化を実質付加価値要因、従業員数要因、価格要因に分けて見たのが下図です(変化率は3期移動平均)。バブル経済の崩壊以降、実質付加価値は伸びず労働生産性の伸びは停滞し、2008年度の世界金融危機では、特に製造業において労働生産性が落ち込みました。1990年代以降のいわゆる「失われた20年」における停滞の要因については様々な議論がありますが、例えば資本の限界生産力逓減、技術進歩率の低下があります。1990年代以降急速に進んだIT技術の有効活用が思うように促進されず成長要因を得られなかったと考えられます。

名目労働生産性の変化率の要因分解(製造業・全規模)のグラフ
名目労働生産性の変化率の要因分解(非製造業・全規模)のグラフ
(注)  名目労働生産性=(価格×実質付加価値)/従業員数として定義する(価格はCPIを使用)。
各要因の変化率を対数差分で計算し、寄与度として用いる。
変化率は3期移動平均。非製造業は金融業、保険業を除く。
(参考文献) 「資本と労働の効率」(大和田雅英)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー62号(法人企業統計から見た日本の企業行動特集)」
「日本企業のパフォーマンスの変化と、資本と労働の効率に関する考察」(御園一)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー107号(法人企業行動 ―法人企業統計を活用した経済分析―)」

 

ページ先頭へ