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自己資本比率

キーワードの説明

自己資本比率とは、総資本のうち純資産(新株予約権を除く)の占める割合を言い、企業の財務体質の健全性を図る尺度です。自己資本比率が高い場合は、総資本の中の返済しなければならない負債(他人資本)によってまかなわれている部分が少なく、健全性が高いと言えます。

[2006年度調査以前]

自己資本比率(%)

純資産 × 100
総資本*
[2007年度調査以降]

自己資本比率(%)

純資産 − 新株予約権** × 100
総資本*
* 総資本=負債+特別法上の準備金+純資産
** 新株予約権は、2007年度調査から調査を行っている。

グラフで見る最近の動き

2010年度の製造業を見ると、純資産が増加し、総資本が減少したため、自己資本比率は前年度比で増加しています。非製造業を見ると、純資産の増加が総資本の増加を上回ったため、自己資本比率は前年度比で増加しています。

(注)  1 [2006年度調査以前] 自己資本比率(%)=(純資産/総資本)×100
[2007年度調査以降] 自己資本比率(%)=((純資産−新株予約権)/総資本)×100

2

全産業及び非製造業は金融業、保険業を除く。
(出所) 法人企業統計年報

トピックス

自己資本比率の上昇と借入依存比率の下降が継続しています。

増資及び内部留保を継続的に蓄積し、借入金を返済することで各企業は自己資本比率を高めてきましたが、業種・企業規模によりその傾向には程度の差があります。

資本金10億円以上の製造業の自己資本比率については、1990年度から2010年度の期間は10ポイントの増加であるのに対し、1970年度から1990年度の期間には17ポイントも増加しています。これは日本の基幹セクターであった大手製造業が、国際化や競争の激化に対応して自己資本の増強を図ったことに起因し、特に1980年代に資本増強が大きく進んだと考えられます。

資本金10億円以上の非製造業においては1998年度より自己資本比率の上昇傾向が顕著となり1998年度から2010年度の期間に20ポイント増加しました。これは収益の改善による資本増強に加え、経営の安全性を高めるため支払利息を少なくしようとすることに起因していると考えられます。

自己資本比率と借入依存比率の推移(製造業・規模別)のグラフ
自己資本比率と借入依存比率の推移(非製造業・規模別)のグラフ
(注)  1  [2006年度調査以前] 自己資本比率(%)=(純資産/総資本)×100
 [2007年度調査以降] 自己資本比率(%)=((純資産−新株予約権)/総資本)×100

2

 借入依存比率(%)=(長期借入金+短期借入金)/総資本×100

3

 なお、借入依存比率と自己資本比率の合計と100(%)との差は、流動負債の買掛金、支払手形、固定負債の社債などである。
(参考文献)  「資金調達と資本構成」(真壁昭夫)〜財務総合政策研究所編「フィナンシャルレビュー62号(法人企業統計から見た日本の企業行動特集)」

 

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