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定期借地権を設定した貸付けについて

令和元年9月20日
財理第3207


改正 令和 2年1月 31日財理 第 325

同 2年 2月 25日同  第325-1 号

2年 6月 26日同  第2213

同 2年 12月 18日同  第4097

3年 6月 11日同  第1932

4年 3月 31日同  第1332

4年 5月 10日同  第1693

4年 6月 17日同  第2197

同 5年 12月 22日同  第3436

6年 2月 5日同  第 291

6年 2月 15日同  第291-1 号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

普通財産取扱規則(昭和40年大蔵省訓令第2号)第3条の趣旨を踏まえ、令和元年9月20日付財理第3206号「最適利用に向けた未利用国有地等の管理処分方針について」通達(以下「最適利用通達」という。)記-第8-1-(1)の各号又は(2)-イに該当し、未利用国有地等に定期借地権(最適利用通達記-第2-16に規定する借地権をいう。以下同じ。)を設定して貸付けを行うときの取扱いを下記のとおり定めたので通知する。

なお、平成22年8月27日付財理第3644号「社会福祉施設等の整備を目的とした地方公共団体に対する定期借地権の設定について」通達及び平成23年3月31日付財理第1539号「社会福祉施設等の整備を目的とした社会福祉法人等に対する定期借地権の設定について」通達は廃止する。

借地権の種類

本通達に基づいて設定する定期借地権は、賃借権とする。

用途指定

随意契約により定期借地権を設定して貸し付ける場合は、用途指定を付すものとする。用途指定の取扱いについては、昭和41年2月22日付蔵国有第339号「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」通達(以下「用途指定通達」という。)によるものとする。

貸付期間

定期借地権を設定して貸し付ける場合の貸付期間については、次に定めるところによる。

(1)建物の所有を目的として貸し付ける場合において、借地借家法(平成3年法律第90号)第22条第1項の規定に基づく借地権の存続期間を設定するとき50年以上

(2)専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次の(3)において同じ。)の所有を目的として貸し付ける場合において、借地借家法第23条第1項の規定に基づく借地権の存続期間を設定するとき30年

(3)専ら事業の用に供する建物の所有を目的として貸し付ける場合において、借地借家法第23条第2項の規定に基づく借地権の存続期間を設定するとき10年以上30年未満

貸付料

(1)貸付料予定価格算定基準

貸付料予定価格は不動産鑑定士による年額貸付料の評価額により決定する。

なお、当該貸付けの対象となっている財産の全部が国有資産等所在市町村交付金法(昭和31年法律第82号)第2条第2項により国有資産等所在市町村交付金の交付を要しないものである場合には、上記の規定より算出した年額貸付料の評価額から、公租公課相当額を控除した額に修正するものとする。

(注1)土地の評価については、指定用途にかかわらず、売払いのときと同様に当該敷地の最有効使用に基づく更地価格を求めることとする。

(注2)不動産鑑定士への発注に当たっては、年額貸付料のほか公租公課相当額を明記させることとする。

(2)貸付当初3年間の貸付料年額

原則として当初3年間は貸付料の改定は行わないものとする。

(3)第4年次以降の継続貸付料

第4年次以降の継続貸付料の算出に当たっては、平成13年3月30日付財理第1308号「普通財産貸付事務処理要領」通達(以下「貸付通達」という。)別添1「普通財産貸付料算定基準」第1-1の規定を準用する。

貸付料の適用期間については、貸付通達記-第1節-第3-3-(1)の規定を準用する。

(4)改定通知等

貸付料の改定通知等については、貸付通達記-第1節-第3-4の規定を準用する。

(5)貸付料の納付

納付方法については、貸付通達記-第1節-第3-5-(1)の規定を準用する。

納付期限については、貸付通達記-第1節-第3-5-(2)の規定を準用する。

(6)貸付料の減免措置

貸付中の財産が、災害を直接の原因とする事由により災害を受けた場合には、平成23年6月8日付財理第2608号「災害を直接の原因とする普通財産の貸付料の減免措置の取扱いについて」通達の定めるところにより、貸付料算定期間の不算入措置等の減免措置を講ずる。

一時金等の取扱い

(1)権利金

定期借地権を設定する際の権利金(国が返還義務を負わないものに限る。)については、民間精通者に照会する等により、その授受の慣行を確認し、慣行がある場合は徴するものとする。

なお、権利金を徴する場合には、下記12で定める標準合意書式又は標準契約書式に財務局等において以下の事項を追加することとする。

借受人は、本契約締結と同時に国に権利金を支払わなければならないこと。

権利金の額。

国が受領した権利金は返還されないこと。

(2)前納貸付料

財務局長等は、貸付相手方から貸付期間における貸付料の一部を契約締結時に納付することについて協議があった場合には、上記4-(5)に定める納付方法にかかわらず、契約締結の日から20日以内の納付期限を設定し、当該貸付料の一部を前納させることができるものとする。

上記イにより前納させる額は、貸付当初の貸付料年額に貸付期間の月数(暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月とする。)を乗じて得た額を12で除して得た額(その額に1万円未満の端数がある時は、これを切り捨てる。)の2分の1を限度として、貸付相手方と協議の上定めるものとする。

前納された貸付料の一部(以下「前納貸付料」という。)は、貸付期間における貸付料に毎年均等に充てられるものとする。ただし、毎年の貸付料に充てる額に1円未満の端数が生じる場合等必要に応じ、貸付相手方と協議の上、貸付料に充てる金額を調整することができるものとする。

貸付料の改定通知等を行う場合には、上記4-(4)に定めるもののほか、前納貸付料のうち次期貸付料適用期間における貸付料の一部に充てる金額を通知するものとする。

(3)保証金

本通達に基づく貸付契約に係る義務の履行を実質的に担保するため、会計法(昭和22年法律第35号)第29条の9第1項の規定により、契約保証金として、契約金額(注)の100分の10を納付させることとする。

ただし、契約時点においては、確定している第1年次から第3年次までの貸付料合計額の100分の10を納付させ、残りの契約保証金については、貸付料改定時毎に確定した貸付料合計額の100分の10を納付させることができる。この場合において、貸付通達記-第1節-第3-4-(1)中「別紙様式第1『改定通知文書』」とあるのは「本通達別紙様式第7号」と、同通達記-第1節-第3-4-(2)中「貸付料、貸付料の納付及び違約金」とあるのは「貸付料、貸付料の納付、違約金及び契約保証金」と、「別紙様式1-2『一部変更契約書の送付文書』」とあるのは「本通達別紙様式第8号」と読み替えるものとする。

上記規定にかかわらず、普通財産取扱規則第13条第1号に該当する場合又は当該財産の全部を次の各号の一に該当する施設の用に供する場合には、契約保証金の納付を免除するものとする。

社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会福祉事業の用に供する施設(以下「福祉施設」という。)であって、社会福祉法人が経営するもの(次の②に掲げるものを除く。)。

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条に規定する認定こども園の用に供する施設(以下「認定こども園」という。)であって、社会福祉法人又は学校法人が経営するもの。

(注)契約金額は、契約期間全体の貸付料合計金額とする。

定期借地貸付を行う事業の適正な運営の履行確保

定期借地権を設定して貸し付ける場合は、適正な運営を確保するため、次の措置を執ることとする。

(1)財務状況等の確認

貸付相手方の財務状況の健全性等を確認するため

毎年度1回以上、貸付相手方に財務諸表及び企画提案等において提出された事業収支計画に対する実績や将来見通しを比較することができる資料を提出させることとする。また、年に1回、貸付相手方と直接面会し、財務状況や事業収支状況、それらの見通しについて確認する。当該面会は下記(2)の実地調査等で行う面会と併せて実施することができる。

毎年度1回及び貸付相手方の役員等に異動があった場合は、貸付相手方に法人登記の現在事項全部証明書等を提出させることとし、平成24年5月22日付財理第2445号「普通財産の管理処分に係る契約からの暴力団排除について」通達(以下「暴排通達」という。)記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

(注)契約締結済みの社会福祉施設等の整備を目的とした定期借地契約についても、次回貸付料の改定時等の際に、順次同様の規定を設けるものとする。

ただし、貸付相手方が地方公共団体の場合は、上記イ及びロの財務諸表等の提出は不要とすることができる。

(2)実地調査等

契約に付した条件の履行状況を把握し、条件違反を未然に防止するため、

契約締結後から施設の運営が開始されるまでの間について、建設工事の進捗や事業の準備等の状況を確認するため、概ね四半期に1度、貸付相手方から報告を受け、現地確認を行うものとする。また、事業開始のスケジュールの遅延等の事態が発生した場合には、事業者から速やかに報告を受けることとする。

施設の運営開始後について、毎年1回以上、貸付相手方と直接面会し、利用状況等の報告を受け、現地確認を行うものとする。また、必要があると認めるときには相手方に資料の提出を求め、又は実地調査若しくは実地監査(いずれもドローン等のデジタル技術を活用した方法を含む。)等を行うものとする。

契約期間満了日より1年前を目途に、建物解体等の更地返還に向けた作業計画等について、貸付相手方と協議を実施するものとする。また、その後においても当該計画に基づく作業進捗等について、適宜確認を行うものとする。

なお、別途、事業終了後の次の土地利用に向けて検討を開始する必要があることにも留意すること。

貸付相手方の財務状況や事業収支等の悪化その他の事由により事業の継続が困難となるおそれがあると考えられる場合には、債務不履行時には契約解除を行う旨を相手方に改めて伝えるとともに、相手方と事業改善等に向けた協議を実施するものとする。

(3)貸付相手方が建設した建物その他工作物の賃貸について

貸付財産上に所在する貸付相手方が建設した建物その他工作物の賃貸は国の承認事項とし、この場合の申請は書面(別紙様式第9号)によるものとする。なお、承認に当たっては、暴排通達の記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

ただし、企画提案書(平成20年6月26日付財理第2730号「国有地の利用等に関する企画提案を審査した上で行う一般競争入札の取扱いについて」通達(以下「二段階競争入札通達」という。)第2-3に規定する企画提案書をいう。以下同じ。)において、建物その他工作物の賃借人(以下「建物等賃借人」という。)、利用計画等があらかじめ示されている場合は、上記承認を省略することができる。なお、上記警察当局への照会手続は、建物等賃借人についても、本契約締結までに行うものとする。

建物等賃借人が利用計画に沿って建物その他工作物を転貸する場合、建物等転借人について、上記承認、及び警察当局への照会手続きは不要とする(建物等転借人については、建物等賃借人が警察当局への照会に準ずる手続きを行う。)。

(注)賃貸住宅を例として、建物賃借人から入居者に貸室を転貸する場合、入居者毎に上記承認、及び警察当局への照会手続は不要。

(4)事業者からの提案事項

上記の(1)から(3)の対応に加え、二段階一般競争入札(二段階競争入札通達に基づく二段階一般競争入札をいう。)を実施した場合において、貸付相手方から、当方に対して事業状況等の健全性を示すための情報提供や事業の実施に伴うリスク管理にかかる対応策などの提案があった場合には、契約締結後においても当該提案の履行状況を確認することとする。

(5)経過措置

定期借地貸付を行う事業の適正な運営の履行確保に当たり、令和元年9月20日までに契約が締結されたもの又は公的取得等要望の受付を通じた審査を開始しているものについては、上記(1)-イ、(2)から(4)の規定にかかわらず、なお、従前の例によることができる。

貸付財産の転貸

(1)貸付財産について転貸の承認申請があっても、原則として認めない。

ただし、次に掲げる場合において、貸付財産について書面(別紙様式第10号)で転貸の承認申請があったときは、普通財産取扱規則第30条第4項ただし書の規定による「特別の事情があるものとして別に定める場合」として、財務局長等限りでその転貸を認めることができるものとする(国の転貸先として不適切な相手への転貸及び不特定又は多数の者への転貸は除く。)。なお、承認に当たっては暴排通達記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

地方公共団体が借り受け、福祉施設、認定こども園又は令和4年6月15日付財理第2087号「普通財産の管理及び処分を行う場合において指名競争に付し又は随意契約によることについての財務大臣との包括協議について」通達の別紙1-第1-(ニ)-1-⑽の規定により財務大臣との協議が調っている施設(以下「医療施設」という。)を経営する事業者へ転貸するとき。

二段階一般競争入札により定期借地権を設定した場合において、貸付相手方が、審査委員会の審査を通過した企画提案書の内容に基づいて転貸するとき。ただし、企画提案書にあらかじめ転借人が明示されている場合に限る。

(注)「国の転貸先として不適切な相手」として、例えば過去に国又は地方公共団体に対して貸付料等の不払いがあった者、暴排通達の記-1に規定する排除対象者(以下同じ。)がある。

(2)貸付財産上に所在する借受人が建設した建物その他工作物の譲渡は国の承認事項とし、この場合の申請は書面(別紙様式第11号)によるものとする。なお、承認に当たっては暴排通達の記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

(3)上記(1)及び(2)の貸付財産の転貸等の承認申請があったとき、承認申請書等に添付させた転貸借契約書(案)等にて次の事項等が確認できなければ、財務局長等は転貸等を承認することができない。

指定用途又は企画提案書のとおり使用しなければならないこと。

転借人が別紙様式第1号国有財産有償貸付合意書第4条若しくは別紙様式第4号国有財産有償貸付契約書第4条に定める指定用途又は別紙様式第3号国有財産有償貸付合意書第4条若しくは別紙様式第6号国有財産有償貸付契約書第4条に定める使用目的のとおり貸付財産を使用しているか、借受人が把握し、その結果を財務局等に報告しなければならないこと。

転借人が排除対象者に該当しないこと。

(注)転貸借契約書(案)については、弁護士の確認を経ることとし、事案毎の個別性を勘案の上、上記①から③までのほかに定めるべき事項があると判断される場合は、貸付相手方と協議を行い、転貸借契約書(案)を修正すること。

(4)転貸を承認する場合は、転借人が指定用途に係る義務又は使用目的に係る義務等に違反したときに、貸付相手方に義務違反があったものとみなす旨の特約を国と貸付相手方との間の契約(以下「原契約」という。)に追加(変更契約を締結)しなければならない。なお、具体的な特約の内容については、弁護士に意見を徴した上で定めること。

定期借地権の譲渡

(1)貸付財産の賃借権について第三者へ譲渡の承認申請があっても、原則として認めない。

ただし、次に掲げるときは、原契約における借受人の地位を当該第三者が承継することを条件に、普通財産取扱規則第30条第4項ただし書の規定による「特別の事情があるものとして別に定める場合」として、財務局長等限りでその譲渡を認めることができる(不特定又は多数の者への譲渡は除く。)ものとし、この場合の申請は別紙様式第12号によるものとする。なお、承認に当たっては、貸付通達記-第4節-第2-1-(1)-(注)に規定する事項に留意するとともに、暴排通達記-2の規定に基づき警察当局への照会手続を行うものとする。

当該財産の全部を上記5-(3)の各号の一に該当する施設の用に供するため定期借地権を設定した場合において、事業の継続運営が困難と判断される等、その譲渡が真にやむを得ないと認められ、かつ、地方公共団体が公募等により選定した第三者に譲渡しようとするとき。

二段階一般競争入札により定期借地権を設定した場合において、事業の継続運営が困難と判断される等、その譲渡が真にやむを得ないと認められ、かつ、貸付相手方が選定した第三者について、主に、二段階競争入札通達別表に記載されている「審査項目1.開発能力等の事項」である「(1)資力」及び「(2)開発実績及び運営実績」に係る当該第三者の能力を審査の上、当該第三者が企画提案書の内容を実施できる能力があり借地権を譲渡することが適当と認めるとき。

二段階一般競争入札により定期借地権を設定した場合において、貸付相手方が、審査委員会の審査を通過した企画提案書の内容に基づいて、借地権を譲渡しようとするとき。ただし、企画提案書にあらかじめ譲渡先の第三者が明示されており、かつ、当該第三者についても、二段階競争入札通達別表に記載されている「審査項目1.開発能力等の事項」である「(1)資力」の審査対象となる図書の提出を受けている場合に限る(信託受益権化を目的として信託銀行等へ借地権を譲渡する場合を除く。)。

(注)上記①から③までの場合であっても、当該第三者が、予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)(以下「予決令」という。)第70条及び第71条に規定する者、国有財産に関する事務に従事する者、並びに暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)及び警察当局から排除要請がある者の場合は借地権の譲渡を承認してはならない。

(2)貸付期間は、原契約における残期間とする。

(3)借地権の譲渡において名義書換承諾料の授受の慣行がある地域に所在する場合であっても、名義書換料の徴求は行わないものとする。

(4)原契約における契約保証金と同額を当該第三者から納付させるものとする。

(5)財務局長等の譲渡の承認に基づき、貸付相手方が譲渡に係る契約を締結したときは、速やかに財務局長等に契約書の写しを提出させるものとする。

契約終了時の更地返還

定期借地契約が終了したときは、契約相手方において、貸付期間が満了する日、又は貸付契約が解除されたときは国の指定する期日までに、貸付財産上の建物その他工作物を除去し、貸付財産を原状に回復した上で、更地で返還を受けるものとする。

ただし、地域・社会のニーズとして、契約相手方が建設した施設の継続利用の要望がある場合には、法定期間の範囲内に限り契約を延長することができる。

10使用上の制限

(1)企画提案書又は指定用途等の変更

貸付相手方が貸付期間満了までの間において企画提案書又は指定用途若しくは指定期日の変更をしようとする場合は、二段階競争入札通達記-第3-11又は用途指定通達別紙第4の規定に留意する。

(2)現状変更

貸付相手方が貸付財産上に所在する自己所有の建物その他の工作物等について増改築等により現状の変更をしようとする場合には、軽微な変更を除き、あらかじめ増改築等の理由及び計画を記載した書面を通知させるものとし、国への承認申請は要しないものとする。なお、増改築承諾料の徴求は行わないものとする。

(注)二段階一般競争入札により定期借地権を設定した貸付けの場合は、二段階競争入札通達記-第3-12の規定による。

11特約事項

(1)定期借地契約であることに鑑み、次の①から④の特約事項を付するものとする。なお、地方公共団体に対し、福祉施設、認定こども園又は医療施設の用に供するため、定期借地権を設定する場合は、下記①から④の特約事項に加え、⑤の特約事項も付すものとする。

貸付期間満了後契約の更新は行われないこと。

建物の改築による貸付期間の延長は行われないこと。

貸付期間が満了したとき又は貸付契約が解除されたときに、建物の買取り、必要費及び有益費の償還を請求できないこと。

貸付相手方は国に対して、貸付期間中については貸付財産の取得要望を行うことはできないこと。

国の承認を得て貸付財産の転貸又は借受人が建設した建物その他工作物に賃借権その他の使用若しくは収益を目的とする権利を設定する場合には、当該第三者との間で締結する契約において、建物の敷地が定期借地権に基づくものであり、貸付期間の満了により借地権が消滅し、建物を取り壊すことを明示すること。

(2)借地契約の終了時の確実な返還を担保するため、次の特約事項を付するものとする。なお、貸付期間が満了する日までに貸付財産が更地返還されなかったときは、貸付期間の満了する日の翌日から更地化するまでの期間(国が貸付相手方に代わって更地化した場合は、更地化するまでの期間)に係る貸付料相当額を、損害賠償金として貸付相手方に請求するものとする。

貸付期間が満了する日、又は貸付契約が解除されたときは国の指定する期日までに、貸付財産上の建物その他工作物を除去し、貸付財産を原状に回復し、国に更地で返還すること。

ただし、契約相手方等と協議の上、財務局長等の指示により契約相手方に貸付財産上の建物その他工作物の全部又は一部を除去させず無償で譲渡を受けることができること。

貸付相手方が更地返還義務に違反した場合は、原状回復に要する費用を貸付相手方に請求すること。

(3)物件の修補請求等の取扱いを明確化するため、次の特約事項を付するものとする。

あらかじめ契約締結前に把握している地下埋設物や土壌汚染等の物件の状況についてその物件の状況を特定し、貸付相手方はその物件の状況を理由として契約解除、損害賠償請求及び修補による履行の追完請求並びに貸付料の減免請求(以下「担保責任等の追及」という。)を行うことができないこと。

国が使用収益に支障があると認める契約不適合部分(「目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない部分のこと」をいう。以下同じ。)について

国において契約不適合部分の修補を行うこと。

貸付相手方は担保責任等の追及を行うことができないこと。

国において契約不適合部分の修補を行うことにより生じた損害については、賠償又は補償請求することはできないこと。ただし、国による契約不適合部分の修補の期間中、貸付相手方の使用収益が制限される場合には、②の規定にかかわらず、使用収益が制限される程度に応じた貸付料の減免を行うことができること。

契約不適合部分の修補を自ら行った場合、支出した費用を国に償還請求することはできないこと。

国は、契約不適合部分の修補に過分の費用を要する場合には契約を解除することができること。

(注1)契約不適合部分が発見された場合であっても、国が使用収益に支障があると認めない場合は、国において当該部分の修補を行わないことのほか、上記③及び④の対応によるものとする。

(注2)借地契約の一部変更契約等に当たり、引渡しから2年を経過しているものについて別紙様式第1から6号の「物件の修補請求等」の条項の一部又は全部を、新たに挿入等する場合、「物件の修補請求等」の条項の次に、次の特約条項を加えるものとする。なお、「物件の修補請求等」の条項の一部又は全部を、新たに挿入等するに当たっては、原契約の内容(瑕疵担保についての規定の有無)や財産の状況に応じ、挿入等が必要か個別に検討するものとする。

第○条の2本契約は前契約(○年○月○日付○第○号)の一部変更契約につき、乙は、前条に定める契約不適合部分に係る責任は甲にはないことを確認する。

(4)国が使用収益に支障があると認める修繕又は保存行為(以下、この号において「修繕等」という。)を要する箇所が生じた場合(上記(3)による場合を除く。)の取扱いを明確化するため、次の特約事項を付するものとする。

国において修繕等を行うこと。

修繕等が必要な箇所が存在することによる損害賠償請求及び貸付料の減免請求を行うことはできないこと。

国において修繕等を行うことにより生じた損害については、賠償又は補償請求することはできないこと。ただし、国による修繕等の期間中、貸付相手方の使用収益が制限される場合には、②の規定にかかわらず、使用収益が制限される程度に応じた貸付料の減免を行うことができること。

貸付相手方の責めに帰すべき事由により修繕等の必要が生じた場合は、その修繕に要する費用は、貸付相手方が負担しなければならないこと。

修繕等を自ら行った場合、支出した費用を国に償還請求することはできないこと。

国は、修繕等に過分の費用を要する場合には契約を解除することができること。

(注)国が使用収益に支障があると認めない修繕等を要する箇所が生じた場合は、国において修繕等を行わないことのほか、上記(3)-ロ③及び④の対応によるものとする。

(5)暴力団を排除するため、暴排通達-記-3に定める特約事項を付すものとする。

12標準合意書式及び標準契約書式

貸付契約は、別紙様式第1号国有財産有償貸付合意書(定期借地、用途指定、分割納付(新規・地方公共団体用))、別紙様式第2号国有財産有償貸付合意書(定期借地、用途指定、分割納付(新規・社会福祉法人等用))又は別紙様式第3号国有財産有償貸付合意書(定期借地、分割納付(新規・二段階入札用))を標準合意書式として、公正証書により作成することとする。なお、公正証書の作成費用は、借受人の負担とする。

ただし、上記3-(1)の場合の貸付契約については、別紙様式第4号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、用途指定、分割納付(新規・地方公共団体用))、別紙様式第5号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、用途指定、分割納付(新規・社会福祉法人等用))又は別紙様式第6号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、分割納付(新規・二段階入札用))を標準契約書式として、契約を締結することができるものとする。

当該事案の内容に特別の事情があるため本通達に定める書式により難いものについては、本通達に定める意図を十分参酌の上、所要の修正を行うことは妨げない。

13借地権の登記

本通達に基づき貸付けを行った財産の賃借権に係る民法(明治29年法律第89号)第605条(賃借権の対抗力)に規定する登記は行わないものとする。

14本省承認

本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、その事由を付した処理案により理財局長の承認を得て処理することができるものとする。

15書面等の作成・提出等の方法

(1)電子ファイルによる作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

(2)電子メール等による提出等

本通達に基づく提出等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

上記イの方法により提出等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

(3)適用除外

上記(1)及び(2)の措置は、本通達に規定する手続のうち、次に掲げる場合については適用しないものとする。

記-4-(4)に規定する貸付料の改定通知等を行う場合

記-5-(2)-二に規定する前納貸付料のうち次期貸付料適用期間における貸付料の一部に充てる金額を通知する場合

記-6-(1)-ロに規定する法人登記の現在事項全部証明書等の提出を受ける場合

記-6-(3)に規定する別紙様式第9号による申請を受ける場合

記-7-(1)に規定する別紙様式第10号による申請を受ける場合

記-7-(2)に規定する別紙様式第11号による申請を受ける場合

記-8-(1)に規定する別紙様式第12号による申請を受ける場合

記-10-(2)に規定する増改築等の理由及び計画を記載した書面による通知を受ける場合

記-12に規定する別紙様式第1号国有財産有償貸付合意書(定期借地、用途指定、分割納付(新規・地方公共団体用))、別紙様式第2号国有財産有償貸付合意書(定期借地、用途指定、分割納付(新規・社会福祉法人等用))若しくは別紙様式第3号国有財産有償貸付合意書(定期借地、分割納付(新規・二段階入札用))を公正証書により作成する場合又は別紙様式第4号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、用途指定、分割納付(新規・地方公共団体用))、別紙様式第5号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、用途指定、分割納付(新規・社会福祉法人等用))若しくは別紙様式第6号国有財産有償貸付契約書(一般定期借地、分割納付(新規・二段階入札用))を作成する場合

別紙様式第1号~別紙様式第12号(PDF:697KB)