平 成 23 年 6 月 8 日 |
改正 平成 25 年 12 月 12 日財理第 5697 号
令和 元 年 6 月 28 日同第 2319 号
同 2 年 1 月 31 日同第 325 号
同 3 年 9 月 21 日同第 3258 号
同 5 年 12 月 22 日同第 3436 号
財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛
普通財産貸付事務処理要領(平成 13 年 3 月 30 日付財理第 1308 号通達)第 1 節の第 3 の 2 貸付料の減免措置を講ずる場合の取扱いについては、下記により処理することとしたので、通知する。
記
第1適用範囲
風水害その他の災害を直接の原因とする被害等により使用不可能となった貸付財産
第2貸付料の減免措置
貸付中の財産が、風水害その他借受人の責に帰することができない事由により被害を受けた場合には、次により処理するものとする。
1貸付期間不算入措置
冠水等のため財産使用不可能と認められる期間(注)が生じた場合には、当該期間を貸付料算定期間に含めない。
(注)津波による家屋の流失、地震による建物の倒壊、ライフラインの使用不能など。
(1)通常使用不可能と認められる期間
貸付の目的とする用途としての使用が開始されるまでの期間又は災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)に基づく避難の勧告、指示又は警戒区域の設定がなされ解除されるまでの期間
なお、貸付中の農地にあっては、次の期間を含む。
①津波による塩害等により物理的に耕作できない場合には、災害発生の日から耕作を開始した日の前日までの期間
②原子力災害対策特別措置法(平成 11 年法律第 156 号)第 20 条第 2 項に基づき出荷制限又は摂取制限の指示を受けた作物を耕作している場合には、災害発生の日から出荷制限又は摂取制限が解除された日までの期間
③地方公共団体が災害に起因して作付け制限等の期間を設けた場合には、当該制限中の期間
(2)不算入期間の始期財産の使用が不可能となった日
(3)不算入期間の終期財産の使用を再開した日(注)の前日(財産の使用を再開した日の前日が、通常使用不可能と認められる期間の最終日よりも早い場合には、通常使用不可能と認められる期間の最終日)
(注) 建替・修繕工事の着工日、耕作を開始した日等
(4)不算入期間の限度最長 2 年間を限度とする。ただし、大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成 25 年法律第 61 号)に基づく特定大規模災害として指定され、同法第 4 条の措置が適用された被災地については、使用開始に至らない理由が事情止むを得ないと認められる場合に限り、当該措置を指定した政令の施行の日から 3 年を超えない範囲で延長することができる。
2損害率による貸付料の減額措置
国有建物が、災害により一部滅失又はき損した場合には、当該滅失又はき損した割合(以下「損害率」という。)に応じ、原状回復するまでの間貸付料を減免することとする。なお、損害率の算定に当たっては、相手方からの事情聴取、現地調査を行う等、実情を十分斟酌すること。
(1)損害の認定
①市区町村長の罹災証明の交付を受けている場合
罹災証明のなかの罹災状況の区分(全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊)による。
②市区町村長の罹災証明の交付を受けることが困難な場合
相手方が災害により直接被害を受けていれば、現地調査に基づき、被害の状況に応じ、全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊に区分する。
罹災状況 | 被害の状況 |
---|---|
全壊 |
建物の損壊、焼失、流失した部分の床面積の延べ面積に占める割合が 70%以上 |
大規模半壊 |
建物の損壊、焼失、流失した部分の床面積の延べ面積に占める割合が 50%以上 70%未満 |
半壊 |
建物の損壊、焼失、流失した部分の床面積の延べ面積に占める割合が 20%以上 50%未満 |
一部損壊 |
建物の損壊、焼失、流失した部分の床面積の延べ面積に占める割合が 20%未満 |
(2)損害率
次に掲げる率とする。なお、全壊は貸付期間不算入措置を講じる。
罹災状況 | 損害率 |
---|---|
全壊 |
100% |
大規模半壊 |
70% |
半壊 |
50% |
一部損壊 |
20% |
(3)減額期間の始期と終期
①貸付期間不算入に引き続き本措置を適用する場合
イ減額期間の始期不算入期間の翌日
ロ減額期間の終期国有建物の修繕が完了した日の前日
②貸付期間不算入措置を取らずに本措置のみ適用する場合
イ減額期間の始期災害発生の日
ロ減額期間の終期国有建物の修繕が完了した日の前日
第3貸付料納付の場合の取扱い
貸付期間不算入措置又は損害率による貸付料の減額措置を講ずる場合において、被害時以後の期間に係る貸付料が既に納付済のときは、以降の支払期において充当又は還付するものとする。
第4事務処理について
1申請
(1)貸付料の減免措置は、原則として貸付相手方から別紙 1「国有財産貸付料の減免措置申請書」を提出させ、申請に基づき行う。
申請の際、原則として罹災証明書の写しを徴求することとするが、罹災証明書の交付を受けることが困難な場合には、損壊部分の写真の提出をもって、これに代えることができる。
また、被災状況により貸付相手方からの申請が困難なときは、貸付財産の現況及び相手方の意向を聞き取りで確認し、別紙 2 別添の「被害状況及び意向確認調査票」(以下「調査票」という。)に取りまとめ、上記第 2「国有財産の貸付契約について」に定める条件に該当する場合は、貸付料減免に係る申請があったものとみなす(以下「みなし申請」という。)。なお、「みなし申請」の場合であっても、後日、貸付相手方より罹災証明書の写し又は損壊部分の写真を提出させるものとする。
(2)被災地に貸付財産が所在し、かつ災害発生後、貸付料が未納となっている貸付相手方については、返信用封筒を同封の上、別紙 2 及び調査票を送付するものとする。
返信がない場合は、適宜電話連絡又は現地調査(ドローン等のデジタル技術を活用した調査を含む。以下同じ。)を実施し、貸付相手方と接触のうえ、減免措置に該当する場合には、申請を受け付けるものとする。
(3)上記通知文書が配達困難等の理由で返戻された貸付相手方に対しては、定期的に電話連絡又は現地調査を実施するなど、貸付相手方との接触を図り、減免措置に該当する場合には、申請を受け付けるものとする。
(4)貸付相手方からの聞き取り調査、折衝状況及び郵便物の到達状況等は、「被災状況調査進行管理表」に記録するなど的確に進行管理を行うものとする。
2処理方法
(1)貸付相手方からの申請又は「みなし申請」に基づき、「貸付期間不算入措置」、「損害率による貸付料の減額措置」又は「貸付期間不算入に引き続き損害率による貸付料の減額をする措置」のいずれかの処理を行い、契約担当官より貸付料減免に係る文書「国有財産の貸付契約について」(別紙 3 の 1~3)を貸付相手方に通知するものとする。
なお、これらの措置に伴い、徴収担当課へ債権異動通知を行うこととするが、貸付変更契約の締結及び国有財産総合情報管理システムの入力は不要とする。
また、現地調査等によってもなお相手方の所在が分からず、接触できない場合には、相手方からの連絡を待ち、それまでの間処理を保留する。
(2)不算入期間に係る貸付料が既に納付済である場合は、過納額については、原則として充当により処理することとする。
なお、相手方から還付による処理の申出があった場合には、還付により処理することとする。
(3)貸付期間不算入措置又は損害率による貸付料の減額措置の期間が満了する概ね半年前に別紙4「国有財産の使用に関するお尋ね」により、相手方に対して期間が満了する旨通知した上で、今後、国有地の使用予定がない場合には、国有地の返還を求めるものとする。
第5財産の返還
1返還手続き
貸付相手方が被災により借受を継続できないとして返還を申し出た場合においては、返還届の提出の有無にかかわらず、申出があった日をもって返還されたものとみなす。
ただし、紛争を避けるため、後日返還届を提出させるものとし、未利用等への管理態様の変更は、返還届の提出をもって行うこととする。
なお、貸付相手方が死亡した場合においては、原則として、法定相続人全員に意思確認を行うものとする。
2原状回復
1の場合において、周辺の被災状況、原状回復の実例及び公平性等を勘案し、原状回復させることが適当ではないと判断するときは、貸付契約書の規定にかかわらず原状回復を行わせることなく、財産の返還を受けることができるものとする。
第6本省承認
本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、その理由を付した処理案により理財局長の承認を得て処理することができるものとする。
第7書面等の作成・提出等の方法
1電子ファイルによる作成
本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。
2電子メール等による提出等
(1)本通達に基づく提出等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。
(2)上記(1)の方法により提出等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。
3適用除外
上記1及び2の措置は、本通達記第4-1-(1)に規定する「別紙1」を提出させる場合については適用しないものとする。
別紙1~別紙4、被災状況調査進行管理表(PDF:258KB)