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財務省所管普通財産の台帳価格改定に関する評価の特例について

平成23年10月12日
財理第4686


改正令和2年6月29日財理第2223号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

国有財産法施行令(昭和23年政令第246号)第23条の規定に基づき、毎年3月31日の現況において行う国有財産の台帳価格の改定(以下「価格改定」という。)に当たっては、平成23年10月12日付財理第4670号「国有財産台帳の価格改定に関する評価要領について」通達(以下「評価要領」という。)により実施することとされているが、財務省所管一般会計所属並びに財務省及び国土交通省所管財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定所属の普通財産に係る価格改定については、別紙により行うこととし、評価要領第6に基づく財務大臣との協議が整ったので通知する。

別紙

財務省所管一般会計所属並びに財務省及び国土交通省所管財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定所属の普通財産の価格改定について

1.土地の評価

価格改定に当たっては、平成14年3月22日付財理第1182号「財務省所管普通財産に係る国有財産総合情報管理システム(台帳記録・決算機能)の実施について」通達の別紙第3-1-(5)注書きの管理態様ごと以下に定める評価方法により算定するものとする。

なお、個々の財産の形状や、隣接する国有財産の価格改定の状況に鑑み、財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長が管理態様ごとに定める評価方法に拠りがたいと認められる場合には、評価要領に定めるその他の方式により算定できるものとする。

(1)未利用、有償貸付

次に掲げる財産のうち、相続税路線価が設定されている地域にある財産(ただし、下記ハについては、当該年度に取得した財産のみとする。)については、評価要領第3の1の(1)の①(路線価方式、以下同じ。)の方式により、算定するものとする。それ以外の財産については評価要領第3の1の(2)(時価倍率方式、以下同じ。)により算定するものとする。

なお、更地価格より借地権価格相当額を控除した価格をもって売払いすべき有償貸付財産については、借地権価格相当額を控除した価格を改定後の台帳価格とするものとする。

台帳数量1,000平方メートル以上、かつ台帳価格1億円以上の財産

台帳数量300平方メートル以上1,000平方メートル未満の財産で、かつ台帳価格1,000万円以上の財産

台帳数量300平方メートル未満の財産で、かつ台帳価格1,000万円以上の財産

(2)使用承認

路線価方式及び評価要領第3の1の(1)の②(倍率方式、以下同じ。)により算定するものとする。

なお、評価要領第3の1に規定する別添1「相続税評価方式によることがなじまないと判断される財産について」に該当する財産については、時価倍率方式により算定することに留意する。

(3)在日米軍使用

評価要領第3の1の(3)の③(固定資産税評価方式)の方式により算定するものとする。

(4)無償貸付

時価倍率方式により算定するものとする。ただし、配偶者居住権(民法(明治29年法律第89号)第1028条に基づく、被相続人の配偶者において居住していた建物の全部について無償で使用及び収益する権利をいう。以下同じ。)の目的となっている建物の敷地の用に供される財産については、以下により算定するものとする。

配偶者居住権の目的となっている建物が賃貸の用に供されていない場合

(算式)

改定後の台帳価格

= 土地の相続税評価額A

× 複利の計算で現価を算出するための割合B

A = 配偶者居住権が設定されていないものとした場合の相続税評価額。評価要領第3の1の(1)(相続税評価方式)により算定する。

B = 相続税法施行規則(昭和25年大蔵省令第17号)第12条の4に規定する割合。なお、同条にいう配偶者居住権の存続年数は、相続税法施行令(昭和25年政令第71号)第5条の8第3項に規定する年数をいい、法定利率は、改定時における民法第404条の規定に基づく利率をいう。

配偶者居住権の目的となっている建物が賃貸の用に供されている場合

(算式)

改定後の台帳価格

= 土地の相続税評価額A - {(土地の相続税評価額B × 当該居住建物の床面積のうちに当該賃貸の用に供されている部分以外の部分の床面積の占める割合)-(土地の相続税評価額B × 当該居住建物の床面積のうちに当該賃貸の用に供されている部分以外の部分の床面積の占める割合 × 複利の計算で現価を算出するための割合C)}

A = 賃貸の用に供されている建物の敷地に配偶者居住権が設定されていないものとした場合の相続税評価額。具体的には、「財産評価基本通達」(昭和39年4月25日付直資56直審(資)17。以下同じ。)の26(貸家建付地の評価)の規定に基づき、次の算式により算定する。ただし、自用地としての価額については、(注)1のとおりとする。

自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合× 借家権割合 × 賃貸割合

(注)1.自用地としての価額は評価要領第3の1の(1)(相続税評価方式)により算定する。なお、自用地としての価額の算定では、借地権を控除しないことに留意する。

2.借地権割合及び借家権割合は「財産評価基本通達」に定めるものをいう。

3.賃貸割合は居住建物の独立部分の床面積の合計に占める賃貸されている各独立部分の床面積の合計の割合をいう。

B = 配偶者居住権が設定されておらず、かつ建物が当該賃貸の用に供されていないものとした場合の相続税評価額。評価要領第3の1の(1)(相続税評価方式)により算定する。

C = 相続税法施行規則第12条の4に規定する割合。なお、同条にいう配偶者居住権の存続年数は、相続税法施行令第5条の8第3項に規定する年数をいい、法定利率は、改定時における民法第404条の規定に基づく利率をいう。

(5)管理委託

時価倍率方式により算定するものとする。ただし、次に掲げる相手方に対し管理委託をしている財産のうち、相続税路線価が設定されている地域にある財産については、路線価方式により算定するものとする。

独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条に規定する公益社団法人及び公益財団法人

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号)第42条に規定する特例社団法人又は特例財団法人

会社法(平成17年法律第86号)第25条に規定する株式会社

(6)誤信使用、不法占拠、準公共用、利用困難、要確認

時価倍率方式により算定するものとする。

2.建物の評価

配偶者居住権の目的となっている建物については、以下により算定するものとする。

配偶者居住権の目的となっている建物が賃貸の用に供されていない場合

(算式)

改定後の台帳価格 建物の相続税評価額A
× ( 耐用年数B - 経過年数 - 存続年数C )
( 耐用年数B - 経過年数 )

× 複利の計算で現価を算出するための割合D

A = 配偶者居住権が設定されていないものとした場合の相続税評価額。固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号。以下同じ。)の規定によって算定された価格とし、これにより難いものについては、評価要領第3の3により算定する。この場合において、評価要領第3の3中「改定後の台帳価格」を「建物の相続税評価額」、「前改定時における台帳価格」を「前改定時における建物の相続税評価額」、「取得時における台帳価格」を「取得時における建物の相続税評価額」とそれぞれ読み替えるものとする。

B = 相続税法施行令第5条の8第2項に規定する建物の耐用年数。

C = 相続税法施行令第5条の8第3項に規定する配偶者居住権が存続する年数。

D = 相続税法施行規則第12条の4に規定する割合。なお、同条にいう法定利率は、改定時における民法第404条の規定に基づく利率をいう。

配偶者居住権の目的となっている建物が賃貸の用に供されている場合

(算式)

改定後の台帳価格 建物の相続税評価額A - [(建物の相続税評価額B × 当該居住建物の床面積のうちに当該賃貸の用に供されている部分以外の部分の床面積の占める割合) - {建物の相続税評価額B × 当該居住建物の床面積のうちに当該賃貸の用に供されている部分以外の部分の床面積の占める割合
× (建物の耐用年数C-建築後の経過年数-配偶者居住権の存続年数D)
(建物の耐用年数C - 建築後の経過年数)

× 複利の計算で現価を算出するための割合E}]

A = 賃貸の用に供されており、配偶者居住権が設定されていないものとした場合の相続税評価額。具体的には、「財産評価基本通達」の93(貸家の評価)の規定に基づき、次の算式により算定する。ただし、家屋の価額については、(注)1のとおりとする。

家屋の価額 - 家屋の価額 × 借家権割合 × 賃貸割合

(注)1.家屋の価額は固定資産評価基準の規定によって算定された価格とし、これにより難いものについては、評価要領第3の3により算定する。この場合において、評価要領第3の3中「改定後の台帳価格」を「建物の相続税評価額」、「前改定時における台帳価格」を「前改定時における建物の相続税評価額」、「取得時における台帳価格」を「取得時における建物の相続税評価額」とそれぞれ読み替えるものとする。

2.借家権割合は「財産評価基本通達」に定めるものをいう。

3.賃貸割合は居住建物の独立部分の床面積の合計に占める賃貸されている各独立部分の床面積の合計の割合をいう。

B = 配偶者居住権が設定されておらず、かつ建物が当該賃貸の用に供していない場合の相続税評価額。固定資産評価基準の規定によって算定された価格とし、これにより難いものについては、評価要領第3の3により算定する。この場合において、評価要領第3の3中「改定後の台帳価格」を「建物の相続税評価額」、「前改定時における台帳価格」を「前改定時における建物の相続税評価額」、「取得時における台帳価格」を「取得時における建物の相続税評価額」とそれぞれ読み替えるものとする。

C = 相続税法施行令第5条の8第2項に規定する建物の耐用年数。

D = 相続税法施行令第5条の8第3項に規定する配偶者居住権が存続する年数。

E = 相続税法施行規則第12条の4に規定する割合。なお、同条にいう法定利率は、改定時における民法第404条の規定に基づく利率をいう。

3.「物納引受」財産の評価

当該年度に「物納引受」の事由で取得した財産で、かつ、前改定時以前に相続が開始されたものについては、次のとおり対応するものとする。

(1)土地、立木竹

時価倍率方式を適用して価格改定を行う場合には、管理態様にかかわらず、相続開始時からの時価倍率を適用するものとする。

(2)建物、工作物

相続開始時を取得時とみなし、評価要領又は本通達に従った計算を行い、評価額を算定するものとする。

なお、当該年度に相続が開始された財産で、かつ、当該年度に「物納引受」の事由で取得したものについても同様とする。

4.留意事項

(1)価格改定に当たり単独利用困難な土地等特殊な現況にある土地について、路線価方式及び倍率方式により評価する場合には、平成13年3月30日付財理第1317号「国有財産評価基準について」通達の別紙「国有財産評価基準」第3章の第3及び第4に定める需給関係による修正を適用して算定するものとする。

(2)取得時又は前回改定時に借地権価額相当額等を控除していた財産について、今回改定時に借地権等が消滅していた場合は、借地権価額相当額等の控除は行わないことに留意する。

(3)本通達における用語の定義は、特段の定めがある場合を除くほか、評価要領第2(用語の定義)の定めるところによる。