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平成23年5月31日
財理第2543


改正平成24年5月16日財理第2376号

25年4月 1 日同第1068号

26年4月 1 日同第1004号

27年4月 1 日同第1043号

28年4月 1 日同第1177号

29年3月31日同第1179号

30年3月30日同第1146号

31年1月17日同第 148 号

令和元年9月20日同第3217号

2年1月10日同80号

2年4月28日同第1485号

2年12月18日同第4098号

3年1月29日同287号

4年1月27日同314号

5年1月 6 日同39号

5年3月22日同764号

5年12月27日同第3476号

6年3月18日同778号

財務省理財局長から各省各庁国有財産総括部局長宛

国有財産法(昭和23年法律第73号)第10条等の規定に基づき財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)が、国有財産等の監査を実施する場合の取扱いについて、財務局長等に対し、別添のとおり通知したので、了知されたい。

なお、貴職におかれては、本通知の趣旨を理解の上、貴管下関係機関に周知いただく等、引き続き国有財産監査が円滑に実施されるよう格段の配意を願いたい。

[別添] 国有財産監査指針

平成23年5月31日
財理第2543


改正平成24年5月16日財理第2376号

25年4月 1 日同第1068号

26年4月 1 日同第1004号

27年4月 1 日同第1043号

28年4月 1 日同第1177号

29年3月31日同第1179号

30年3月30日同第1146号

31年1月17日同第 148 号

令和元年9月20日同第3217号

2年1月10日同80号

2年4月28日同第1485号

2年12月18日同第4098号

3年1月29日同287号

4年1月27日同314号

5年1月 6 日同39号

5年3月22日同764号

5年12月27日同第3476号

6年3月18日同778号

6年3月27日同第778-1号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

国有財産法(昭和23年法律第73号)第10条等の規定に基づき財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)が、国有財産等(別冊「国有財産監査実施手続」第1章第2(1)から(5)のものをいう。以下同じ。)の実地監査(以下「監査」という。)を実施する場合の取扱いについて、その基本的な考え方及び毎年度の監査方針を下記のとおり定めるとともに、これらに基づく監査の実施に係る事務手続を別冊「国有財産監査実施手続」のとおり定めたので、命により通知する。

なお、次に掲げる通達は廃止する。

1.昭和57年3月30日付蔵理第1326号「国有財産監査要領について」

2.平成13年2月7日付財理第326号「漁港区域内に所在する公共用財産にかかる是正等未済事案の処理促進について」

3.平成13年2月7日付財理第327号「港湾区域内等に所在する公共用財産にかかる是正等未済事案の処理促進について」

4.平成18年4月5日付財理第1381号「庁舎等の使用効率等実態監査の実施について」

5.平成20年2月26日付財理第708号「各省各庁所管財産の実態監査の実施について」

6.平成23年3月31日付財理第1581号「平成23年度の国有財産の監査の当面の方針について」

第1監査の基本的な考え方

国有財産は、国民共有の財産であり、財務省は国有財産全般を総括する立場から、その適正な管理処分と有効活用に取り組んでいる。

監査は、こうした国有財産の総括権の下で実施するものであるが、各省各庁から協議又は通知を受ける等の受動的な事務とは異なり、国有財産等の良好な状態での維持及び保存並びに用途に応じた効率的な運用等がなされているかを現況把握する能動的な事務である。

これまでも、監査は国有財産等の適正な管理処分の観点から実施してきたところであるが、限られた人員の下、数多くの財産を監査する中で、書面での処理を中心とする運用がなされる傾向にあった。今後は、監査本来の機能を十分に発揮し、個々の財産の特性に応じた有効活用を図るなど国有財産の最適利用を追求するためにも、現地における深度ある監査を推進するための運用を行っていく必要がある。

このため、総括部門(国有財産総括事務処理規則(昭和29年大蔵省訓令第5号。以下「処理規則」という。)第2章第4節に規定する事務を行う部署をいう。以下同じ。)と監査部門との連携を進めることで、事務量の大半を現地における深度ある監査に投入するとともに、監査対象財産を所管する各省各庁との意見交換を十分に行い、監査における着眼点を共有するなど、各省各庁との信頼関係に基づいた国有財産等の適正な管理処分を更に進めることが必要である。

本通達では、国有財産監査の新たな展開を推進する中で、監査に関する基本原則を策定するとともに、(1)庁舎等及び宿舎の公用財産等、(2)道路及び河川等の公共用財産、(3)各省各庁所管の普通財産という3つの対象財産別に毎年度の監査方針を定め、監査の充実・強化に向けた指針を示すこととした。

基本原則

基本的な考え方に対応するため、以下の基本原則に則って監査を実施する必要がある。

(1)有効活用の原則

国民共有の財産である国有財産は、良好な状態での管理処分が求められる。このため、監査を通じて、未利用国有地の洗い出しや余剰スペースの創出など、国の財政への貢献、地域や社会のニーズへの対応を図るとともに、国有財産の有効活用を促進する。

(2)法令遵守の原則

国有財産等の良好な状態での管理処分を実現するためには、その前提として、国有財産等の現況を正確に把握し、また、管理処分が適正かつ統一的に行われていることが重要である。このため、管理処分が法令等に基づいて行われているかを監査し、統一的な事務処理を確保する必要がある。

(3)効率性・実効性の原則

監査の重点化を図り、監査計画を策定し、限られた人的・物的資源の下、監査を効率的かつ実効的に実施する。

このため、各省各庁との間において、監査事項や着眼点等の認識の共有に向けた取組を行い、指摘事項の発生原因の究明や各省各庁における有効活用に向けた取組を促すことで、監査対象の重点化・効率化を図る。

また、監査の結果をその後の管理処分に確実に反映させるため、総括部門との連携を進め、監査を実効あるものとする。

(4)透明性の原則

監査に当たっては、監査の基本的な考え方と毎年度の監査方針を盛り込んだ本通達を公表するとともに、監査の結果をより詳細に公表し、透明性を高める。

こうした国有財産監査の透明化に向けた取組とともに、監査先となる各省各庁との間で、監査の基本的な考え方や着眼点についての認識の共有を図り、国民に向けて、国有財産等の管理処分についての説明責任を果たす。

対象財産ごとの監査の観点

上記の原則に則り、対象財産ごとに、以下の観点から監査を実施する。なお、以下に掲げる財産以外についても、財産の特性に応じ、適切な観点から監査を実施する。

(1)庁舎等及び宿舎の公用財産等

各省各庁が所管する庁舎等及び宿舎について、組織の改編・統廃合等に伴って生じる土地及び建物の非効率的な利用に対し、未利用国有地の洗い出し及び余剰スペースの創出など有効活用を促進し、国有財産の最適利用を図る観点から監査を実施する。また、改修等による戦略的維持管理や施設の有効活用の推進の観点から保全状況の監査を実施する。

(2)道路及び河川等の公共用財産

公共用財産の管理状況を把握し、公共用財産・公用財産の区分の状況、公共用財産の目的に応じた機能発揮の実態、公共性の確保、未利用国有地の洗い出し及び余剰スペースの創出の観点から監査を実施する。

(3)各省各庁所管の普通財産

各省各庁の長が所管し、管理処分している普通財産について、財務大臣が国有財産を総括する立場から監査を実施する。

また、一元的な管理処分の実施の観点をも踏まえつつ、地域・社会のニーズの変化・多様化にも対応した有効活用を促進する観点から監査を実施する。

第2令和6年度の監査方針

令和6年度監査の基本方針

令和6年度の監査に当たっては、監査の基本的な考え方及び監査対象財産のストック状況を踏まえ、現地における深度ある監査を中心として、各省各庁の理解と協力を得つつ、行政改革や特別会計改革における取組とも連携を図りながら、(1)庁舎等及び宿舎の公用財産等及び(2)各省各庁所管の普通財産を重点対象とし、この順に事務量を重点的に配分することとする。

ただし、重点対象の財産について、既に直近3年以内に監査を実施したなどの理由により、事務量を重点配分できない場合には、①過年度の監査において是正その他の措置を求めた事案で、未だ改善等の措置が講じられていない事案のうち、未利用又は利用程度の低い国有地の洗い出し及び余剰スペースの創出に繋がるなどの重要な事案から優先的に実施するフォローアップ、又は②各省各庁が所管する財産について、過年度の監査結果を踏まえ、当該省庁が自己点検を実施し、当該点検結果について財務局長等が検証する必要があると認める財産の監査に当該事務量を振り分けることとする。

なお、監査に当たっては、個々の財産の特性や地域実情に応じ、対象財産ごとの監査の目的や着眼点を踏まえ、実効性の高い監査を実施することとする。

重点対象に係る監査の目的等

(1)庁舎等及び宿舎の公用財産等

各省各庁が所管する庁舎等及び宿舎について、その実態を把握し、組織の改編・統廃合等に伴って生じる未利用又は利用の程度が低いものは用途廃止、一定の地域又は官署を特定した庁舎等については使用調整等により有効活用を促進し、国有財産の最適利用を図ることを目的として監査を実施する。その際は、平成18年度及び19年度に実施した庁舎等の使用効率等実態監査並びに平成20年度に実施した行政財産(土地)の使用状況実態監査の見直し等の必要性の観点等からも監査を実施する。また、改修等による効率的維持管理等の推進の観点から庁舎等及び宿舎の保全状況の監査を実施する。

なお、公用財産を対象とする場合は、事務量の大半を「①一定の地域又は官署を特定した庁舎等の使用実態」に配分した上で、残余を「②研修教育施設等の使用実態」及び「③庁舎等及び宿舎の保全状況」に順次配分するほか、複数の目的をもって監査を実施することが、効率的と認められる場合は、相手方の負担等も考慮した上で、複合的に組み合わせるものとする。

(注1)対象財産と一体又は隣接して管理されており、一体として監査を行うことが有効と認められる財産については、監査対象とすることができるものとする。

(注2)監査に当たっては、以下に規定する主な着眼点以外に、国有財産の適正な管理の観点から、国有財産台帳の整理状況及び財産管理の状況についても調査し、台帳等の不備が確認された場合には、適切に指摘等を行うものとする。なお、当該監査の結果については、関係部門と情報共有し、遺漏なく事務指導させるものとする。

一定の地域又は官署を特定した庁舎等の使用実態

目的

庁舎等については、庁舎等の使用効率等実態監査(平成18・19年度実施)以降、組織の改編・統廃合等による余剰スペースの発生が見込まれる。このため、一定の地域又は官署を特定した庁舎等の使用実態を把握し、省庁横断的な使用調整等により有効活用を促進し、国有財産の最適利用を図ることを目的とする。

対象財産

同一地域内に所在する又は相互に業務関連性を有する機関が管理又は使用する庁舎等を複数選定の上、監査を実施する。

主な着眼点

組織の改編・統廃合等に伴って生じる未利用若しくは利用程度の低い国有地の洗い出し又は余剰スペースの創出により、省庁横断的な使用調整等による有効活用に加え、シェアサイクル、カーシェアリング、電気自動車充電設備を備えた駐車場、サテライトオフィス等としての活用といった脱炭素化等に繋がるような現下の政策課題解決にも資する有効活用を図ることはできないか。

使用実態を把握し、既存庁舎等の有効活用及び耐震性能を有した庁舎等の確保の観点から配置の適正化及び統合利用を含めた適切な措置を講ずることができないか。

なお、耐震性能の確保にあたっては、使用調整に必要な余剰スペースが生じていない場合も含め、経済合理性の観点からのコスト比較に加え、既存庁舎の適正かつ効率的な使用の促進及び行政サービスへの影響等の観点も踏まえ検討するものとする。

(注)国有財産の最適利用については、コンパクトシティ構想等の地方都市における新たなまちづくりの状況や公共施設の統合・廃止の方針などを踏まえつつ、国や地方公共団体が管理する施設の余剰スペースの活用等による最適利用を求める観点から検討するものとし、その際、利用者の利便性や職員の執務環境等への配慮にも留意するものとする。

津波、河川氾濫、高潮等による水害、その他の自然災害が発生した際、防災拠点機能に支障が生じるおそれのある庁舎について、別の庁舎等の余剰スペースへの移転や電気機械設備等の上階への移設などにより、機能維持を図ることはできないか。

研修教育施設等の使用実態

目的

研修教育施設等については、総務省行政評価局による「職員研修施設に関する調査結果に基づく勧告(平成22年12月10日)」及び会計検査院による「各府省等における職員の研修の実施状況等についての報告書(平成29年1月27日)」の公表並びに参議院決算委員会による「平成27年度決算審査措置要求決議(平成29年6月5日)」がなされている。

これらを踏まえ、研修教育施設等の使用実態を把握し、省庁横断的な使用調整等により有効活用の促進を図ることを目的とする。

対象財産

研修教育施設、宿泊等施設、会議施設及び運動施設を対象に監査を実施する。

主な着眼点

現状及び将来における利用見込みがあるか。

低い利用水準にある施設について、省庁横断的な使用の可能性又は民間施設での代替の可能性はないか。

庁舎等及び宿舎の保全状況

目的

社会資本ストックである既存の庁舎等及び宿舎については、維持管理状況を把握し、建物の長寿命化、効率的維持管理の促進を図ることを目的とする。

対象財産

一定の地域又は官署を特定した庁舎等の使用実態の監査の対象財産から選定の上、監査を実施する。なお、当該対象財産以外の財産についても、必要に応じ監査を実施する。

また、監査の実施に当たっては、対象財産の選定及び技術面における意見交換等について、国土交通省と連携を図るものとする。

主な着眼点

保全実施体制は整備されているか。

保全計画は作成されているか。

保全業務内容の記録整備は適切に行われているか。

法定点検等は適切に行われているか。

建築設備の状況はどうか。

建物の敷地及び構造は問題ないか。

(注)限られた人的・物的資源の下、監査を効率的かつ実効的に実施する必要があることから、庁舎等における一定地域の使用実態の監査を行う場合において、監査対象となる庁舎等の近隣等に所在する宿舎の保全状況については、上記AからDの着眼点を対象に、書面を中心とした監査を実施できるものとする。

(2)各省各庁所管の普通財産

監査の目的

各省各庁が所管する普通財産については、未利用国有地等の有効活用を促進するため、処理の進捗状況を把握し、管理処分の適正化を図ることを目的とする。また、国有財産を総括する立場から、管理処分手法に関する知見等について各省各庁へ必要かつ適切な助言をしつつ、地域や社会のニーズの変化・多様化にも対応した有効活用の促進を図る観点にも留意する。

対象財産

平成23年5月31日付財理第2544号「各省各庁所管普通財産の現状把握の実施について」通達に基づく各省各庁所管普通財産(注)のうち次の財産から、対象を選定するものとする。

(注)特別会計(財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定を除く。)所属の普通財産及び一般会計所属の普通財産(国有財産法第6条の規定に基づき財務大臣が現に管理している財産を除く。)。

特別会計の廃止に伴い一般会計化された旧特別会計所属普通財産で、財務局、福岡財務支局及び沖縄総合事務局(以下「財務局等」という。)に引き継ぐこととされた財産

上記イのほか、有効活用の促進の観点から監査の実施が有効であると認められる以下の財産

(イ)未利用国有地に分類される財産

(ロ)未利用国有地以外に分類される財産(市街地に所在するもの)

主な着眼点

特別会計の廃止・一般会計化に伴い、財務省に引き継ぐこととされた財産について、長期にわたり引継ぎが遅延していないか。

未利用国有地のうち、一部境界が未確定、建築制限、区画整理中等の理由から処分が困難な財産として区分されているものについて、原因の解消に向けた適切かつ必要な取組がなされないまま、長期にわたり放置されていないか。

今後の処理計画に妥当性があるか、その実現に向けた取組が適切に行われているか。

近年生じた未利用国有地は、売却等までの期間が長期化しないための方策が講じられているか。

財務局等の管理処分に関する知見の活用、管理処分の一元化等を通じた財務局等への事務委任などにより、有効活用の促進に繋がるものはないか。

別冊

国有財産監査実施手

目次

第1章総則

第1用語の定義

第2根拠法令等

第3監査担当官

第4監査を行う財産の範囲

第5監査の対象

第6監査事項

第2章監査計画

第7監査計画の策定及び本省への報告

第8監査計画の変更及び進行管理

第9監査対象財産の所在地を管轄する財務事務所長等への送付

第10監査対象財産の選定

第11監査業務の進行管理

第3章監査の実施

第1節監査実施通知

第12監査実施通知

第13監査実施通知に係る留意事項

第14資料の収集に係る留意事項

第2節監査の実施

第15監査の準備

第16監査に係る留意事項

第4章監査実施後の処理

第1節指摘内容の決定

第17検討会の開催

第18指摘内容(案)の決定

第19庁舎等及び宿舎の保全状況に係る監査結果における指摘区分等の取扱い

第20指摘予定事案報告

第2節監査結果の通知

第21監査結果通知

第22管理責任者名による補足説明等

第23改善等措置状況の徴求

第24指摘内容の変更

第25監査の実施状況の本省への報告

第5章フォローアップ

第26監査結果の記録

第27改善等措置状況の検証

第28フォローアップ

第29改善等措置状況の本省への報告

第30従前通達における是正等未済事案の取扱い

第31是正等措置済に係る本省への報告

第32書面等の作成・報告等の方法

第1章

(用語の定義)

第1この手続で使用する用語は、原則として、国有財産総括事務処理規則及び国有財産監査官等規則で使用する用語の例による。

なお、次に掲げる用語の意義は、それぞれ以下に定めるところによる。

①「法」とは、国有財産法(昭和23年法律第73号)をいう。

②「施行令」とは、国有財産法施行令(昭和23年政令第246号)をいう。

③「施行細則」とは、国有財産法施行細則(昭和23年大蔵省令第92号)をいう。

④「処理規則」とは、国有財産総括事務処理規則(昭和29年大蔵省訓令第5号)をいう。

⑤「宿舎法」とは、国家公務員宿舎法(昭和24年法律第117号)をいう。

⑥「宿舎取扱準則」とは、国家公務員宿舎事務取扱準則(昭和34年大蔵省訓令特第6号)をいう。

⑦「庁舎法」とは、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和32年法律第115号)をいう。

⑧「監査官等規則」とは、国有財産監査官等規則(平成13年財務省訓令第9号)をいう。

⑨「財務局等」とは、財務局、福岡財務支局及び沖縄総合事務局をいう。

⑩「財務局長等」とは、財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長をいう。

⑪「財務事務所長等」とは、財務事務所長、財務局出張所長、福岡財務支局出張所長及び財務事務所出張所長をいう。

⑫「管理責任者」とは、特別国有財産監査官及び統括国有財産監査官並びに沖縄総合事務局財務部に置かれる管財総括課長をいう。

⑬「部局長」とは、各省各庁の国有財産に関する事務を所掌する部局等の長をいう。

⑭「財産管理責任者」とは、各省各庁の国有財産に関する事務を所掌する所属長をいう。

⑮「契約担当官等」とは、会計法(昭和22年法律第35号)第29条の2に定める契約担当官及び分任契約担当官をいう。

⑯「法定受託事務」とは、国有財産法第9条第3項の規定により都道府県又は市町村が行う国有財産に関する事務の一部をいう。

⑰「受託財産所管部局」とは、国有財産法第9条第3項の規定による法定受託事務に係る国有財産を所管する各省各庁の部局をいう。

(根拠法令等)

第2財務局長等は、次に掲げる国有財産等の監査について、処理規則、宿舎取扱準則及び監査官等規則に定めるところによるほか、この実施手続に定めるところにより行うものとする。

(1)法第10条第1項に規定する国有財産

(2)法第10条第4項に規定する用途指定財産

(3)施行令第6条第9項に規定する法定受託事務に係る国有財産

(4)宿舎法第6条第2項に規定する省庁別宿舎

(5)庁舎法第3条の2に規定する借受庁舎等

(監査担当官)

第3財務局長等は、国有財産等の監査を行う場合は、国有財産監査官及び財務局長等の命を受けた職員(以下「監査担当官」という。)をして行わせるものとし、監査担当官は、監査の遂行に当たり、監査官等規則を遵守するものとする。

(注)処理規則第2条第3項に基づき財務事務所長等が監査を行う場合は、本規定を準用するものとする。

(監査を行う財産の範囲)

第4財務局長等が監査を行う国有財産等の範囲は、当該財務局等の管轄区域内にある国有財産等とするものとする。

なお、財務局長等が、当該財務局等の管轄区域外に所在する国有財産部局が所管する国有財産等を対象とする場合には、あらかじめ当該国有財産部局の所在地を管轄する財務局長等と調整を行うことにより、効率的な監査を実施するものとする。

(監査の対象)

第5財務局長等は、処理規則第5条第1項、第10条の4及び第12条第1項の規定に基づき監査を行う場合は、監査方針に定める重点対象の財産を中心に監査を実施するものとする。ただし、財務局長等が処理規則第5条第2項及び第12条第2項の規定に基づき、随時に監査を実施する場合は、この限りでない。

(監査事項)

第6財務局長等は、監査方針及び対象財産の監査の目的並びに着眼点を踏まえ、適切に監査事項を設定するものとする。

(参考)別表1「監査事務の流れ」

別表2「監査事項例」

第2章監査計画

(監査計画の策定及び本省への報告)

第7財務局長等は、処理規則第5条第1項、第10条の4及び第12条第1項に規定する監査計画について、あらかじめ理財局と協議し、各四半期計画からなる翌年度の年度計画を毎年1月31日までに策定の上、第1号様式-1「監査計画表」及び第1号様式-2「監査計画一件別表」を作成し、処理規則第5条第3項(第10条の4において準用する場合を含む。)又は第12条第3項の規定により理財局長に報告するものとする。

なお、監査計画の策定及び実行に当たっては、本指針に則って、現地における深度ある監査の徹底及び年間を通じた監査業務の平準化を図るとともに、個々の監査に有機的な関連を持たせ、総合して成果が上がるよう努めるものとする。

(監査計画の変更及び進行管理)

第8財務局長等は、監査計画の策定後において、各四半期計画からなる年度計画を変更する必要があると認めるときは、各四半期開始の10日前までに第1号様式-3「変更監査計画表」を理財局長に報告するものとする。

ただし、四半期開始後の当該四半期計画の変更については、その都度、報告するものとする。

また、監査計画の変更のほか、現地における確認や相手方との意見交換等を行う(以下「往査」という。)など監査実施に進捗があった都度、政府共通インフォメーションボードに登録している「監査計画一件別表」の内容を更新し、進行管理を行うものとする。

(監査対象財産の所在地を管轄する財務事務所長等への送付)

第9財務局長等は、「監査計画表」、「監査計画一件別表」及び「変更監査計画表」を理財局長に送付した場合は、速やかにその写しを監査実施対象財産の所在地を管轄する財務事務所長等に送付するものとする。なお、第10以降の項目において、財務局長等名をもって書面を送付又は通知した場合は、別に定める場合を除き、同様の扱いとするものとする。

(監査対象財産の選定)

第10監査計画を策定する際に基礎となる監査対象財産の選定に当たっては、監査指針に則るほか、以下に留意するものとする。

直近3年以内に監査を実施した財産については、原則として対象から除くものとする。ただし、過年度の監査指摘等に係る改善等の措置が長期にわたって講じられていない場合、過年度の監査指摘等に係る改善等の措置が不十分となっている場合、又は財産が所在する地域における都市計画の変更その他財務局長等が必要と認める場合は、この限りでない。

地震、風水害等の自然災害への対応を行う機関等が管理する国有財産等を対象とする場合は、十分な配慮をするものとする。また、当該業務に支障を及ぼすおそれがある場合は、対象から除くものとする。

同一の地域内に複数の財産が所在する場合は、庁舎等の使用調整の観点から極力一体的に監査を実施するものとする。

財産的価値が高い又は有効活用のニーズが高い地域に所在する財産や余剰スペースが生じた場合に有効活用が期待できる財産等については、監査対象として選定の頻度を高めるよう努めるものとする。

次に掲げる機関の管理する国有財産等に該当する場合は、あらかじめ理財局と意見調整を行うものとする。

衆議院、参議院、最高裁判所(下級裁判所を除く。)、会計検査院及び内閣(官房)

内閣府本府(沖縄総合事務局を除く。)及び外局並びに本省及び外局

(監査業務の進行管理)

第11管理責任者は、監査計画の策定に併せて、監査対象財産ごとに事務量配分を決定の上、第2号様式「進行管理表」を参考に、本表記載の工程に沿った監査の実施状況等の進行管理を行うものとする。また、管理責任者は、準備監査終了時又は往査終了時等の監査の節目となる段階において、必要に応じ、監査計画及び事務量配分の見直しを行うことにより、効率的かつ実効的な監査を確保するものとする。

第3章監査の実施

第1節監査実施通知

(監査実施通知)

第12財務局長等が、第7の規定により策定した監査計画に基づき、監査担当官をして監査を行わせる場合には、次に掲げる相手方に対し、監査日程に則って、監査を実施する根拠法令その他必要な事項を明らかにした第3号様式「監査実施通知」により通知するものとする。また、通知に当たっては、監査時に必要な資料を示した上で、事前に収集すべき又は収集可能な資料及び情報については、書式及び提出期日を定め、提出(貸出を含む。)を依頼するものとする。

(注1) 財務局長等は、その写しを対象財産の所在地を管轄する財務事務所長等に送付する。

(注2) 処理規則第2条第3項に基づき財務事務所長等が監査を行う場合は、本規定を準用するものとする。

(1)法第10条第1項、庁舎法第3条の2及び宿舎法第6条第2項に基づく監査にあっては、対象財産(借受庁舎を含む。)を所管する各省各庁の部局長

なお、法第5条の2に規定する2以上の各省各庁の長において使用する行政財産のうち統一的に管理する必要があるもので財務大臣が指定した財産については、これを使用する各省各庁の長のうち財務大臣が指定した者であることに留意する。

(2)法第10条第4項に基づく用途指定財産の監査にあっては、契約担当官等及び契約の相手方

(3)施行令第6条第9項に基づく監査にあっては、法定受託事務を行うこととされている都道府県又は市町村の長及び受託財産所管部局の長

(監査実施通知に係る留意事項)

第13監査実施通知に当たっては、以下に留意するものとする。

あらかじめ相手方その他関係者の事務負担を考慮した日程調整を行い、適切な日程を設定するものとする。

監査実施通知後に自然災害の発生等やむを得ない事情が生じ、監査を実施することが困難になったと認められる場合は、監査日程を変更又は中止することを妨げない。

(資料の収集に係る留意事項)

第14財務局長等は、監査に必要な資料の準備又は提出を依頼する場合は、可能な限り、過去の監査事績、国有財産法令等に基づく法定調書等の既存資料の活用に努め、提出を依頼する資料は、必要最小限となるよう配意するものとする。

なお、事前に質問すべき事項又は確認すべき事項がある場合は、第4号様式「質問票」を作成の上、併せて回答を依頼するものとする。

第2節監査の実施

(監査の準備)

第15監査担当官は、事前に収集した情報・資料等を分析・検討及び整理し、対象財産の状況等を十分に把握し、監査すべき事項を的確に設定した上で、現地で相当量の時間をかけて重点的に検証すべき事項、確認をもって足りる事項の選別を行うことにより、監査の効率性の向上及び実効性の確保を図るものとする。

(監査に係る留意事項)

第16監査担当官は、以下に留意し、現地における監査を実施するものとする。

事前に設定した監査すべき事項及び手続に従い、現地における深度ある監査を実施するものとする。その際は、事前に入手した情報、資料等を有効に活用し、効率化を図るものとする。なお、必要と認める場合は、本実施手続に定める調書以外に独自の調書を設定することを妨げない。

関係部門と相互に緊密な連絡を保つとともに、財産の特性等に応じ、他部門へ現地への同行を要請するなどにより監査の実効性を確保するものとする。

過去、監査を実施した財産を対象とする場合は、必ずその記録を事前に確認の上、必要に応じ、その後の措置状況等を確認するものとする。

事前に入手した資料以外にも、監査結果を証する資料として、現物又はその写しを入手又は借り受けるほか、必要に応じ、写真等により現況を記録するものとする。

監査の過程で把握又は収集した事実関係及び問題点等は、意見交換等により相手方の見解・認識を聴取し、その時点での見解・認識の一致又は相違を確認するものとする。なお、監査時の応答内容は、正確に記録するものとし、重大な事実に係る相手方の見解・認識は、質問票を活用するなど書面にて提出を求めることとする。

往査に当たっては、現地に赴くことなく、対象財産の状況等を十分把握することができるとともに、相手方との見解・認識に齟齬が生じない場合には、オンライン会議システム等のデジタル技術を活用する方法で行うことができるものとする。

予期されない監査事項及び日程等の変更や重大な不正等の事実が確認された場合で、自らの判断により処理することが適当でないと認められる場合は、速やかにその旨を管理責任者へ報告し、指示に従うものとする。

監査で把握した事項が、次のいずれかに該当する場合は、あらかじめ理財局と意見調整を行うものとする。

(1)特に重要なもの又は異例に属するもの

(2)会計検査院、総務省その他外部機関から指摘を受けることが見込まれるもの

(3)通常の処理方法等によらない特例処理に係るもの

(4)制度欠陥等に起因するもの

(5)その他財務局長等が必要と認めるもの

単純かつ影響の少ない軽微な誤り等が確認された場合は、事務担当者を通じて財産管理責任者に対する口頭指導により、再発防止等に向けた指導の徹底を図るなど、効率的な監査を実施するものとする。

10事前に収集した情報・資料等により対象財産の状況等を十分把握し、監査すべき事項を的確に検証できる場合は、監査相手方の事務負担軽減等の観点から、書面を中心とした監査を実施することができるものとする。

第4章監査実施後の処理

第1節指摘内容の決定

(検討会の開催)

第17管理責任者は、往査終了後速やかに、監査結果を取りまとめ、指摘の要否、指摘事項の内容等について意見調整等を行うための検討会を開催するものとする。

(注)財務局等は、第20(注3)の規定のとおり往査終了から理財局長による審査回答までの標準処理期間が概ね2か月であることを踏まえ、検討会の開催日程を調整することとする。

(指摘内容(案)の決定)

第18財務局長等は、検討会での意見調整等を踏まえ、是正その他の措置を要すると認められる事案について、別に定める場合を除き、次の指摘区分に従い、指摘内容(案)を決定するものとする。

なお、同一又は関連する財産について監査を実施した結果、複数の是正その他の措置を要すると認められる場合は、最も重大な指摘区分をもって指摘内容(案)を決定するものとする。

(1)是正事項

次の各号の一に該当するものについては、是正事項として処理するものとする。

法令等の規定に照らし、処理が明らかに誤っているもの

国有財産等の使用状況等について、効率的な運用及び有効活用の促進の観点等からみて、他の用途への変更、所管換、所属替及び用途廃止等の適切な措置を明らかに要するもの

著しい不経済又は損害が生じているもの

過去の監査において、是正その他の措置を求めたもので、漫然と長期にわたって改善等措置が講じられていないもの

「国有財産増減及び現在額報告書」又は「国有財産無償貸付状況報告書」において、「報告洩」・「誤謬訂正」(以下「報告洩等」という。)による増減が発生するもののうち、平成13年5月24日付財理第1858号「国有財産増減及び現在額報告書の作成等について」通達記第5の2に定める一件1千万円以上の「報告洩等」に該当するもの

(2)検討事項

次の各号の一に該当するものについては、検討事項として処理するものとする。

改善等措置に向けた方策が、複数見込まれ、最適な方策について検討する必要があると認められるもの

国有財産等の使用状況等について、効率的な運用及び有効活用の促進の観点等からみて、特定の省庁に限らない多くの省庁や地方公共団体による使用等、他の用途への変更、所管換、所属替及び用途廃止等の適切な措置の検討を要するもの

具体の改善に当たって、開発計画の決定その他の外部要因を考慮する必要があるなど、相当期間を要することが見込まれるもの(問題が法令等が整備されていない、又はその後の情勢等の変化に伴って、新たな基準の策定等が必要となる場合を含む。)

(3)留意事項

次の各号の一に該当するものについては、留意事項として処理するものとする。

是正事項又は検討事項に該当し、かつ、その程度が軽微なもの

是正・改善の措置が未だ完了していないが、既に監査の相手方において改善等措置のための取組が着手され、是正・改善が確実に見込まれると認められるもの

重大な違反等はないが、今後の国有財産等の適正な管理処分の観点から注意喚起を行う必要があると認められるもの

活用可能な余剰面積が150m2以上(150m2未満の活用可能な余剰スペースが複数箇所あり、合計で150m2以上となる場合(例:活用可能70m2+活用可能80m2)を含む。)のもので、現時点では、周辺に調整対象庁舎がないことや最適利用に関する協議会等において地方公共団体の利用要望が把握されていない(協議会等が未設置の場合を含む。)などの理由により、具体的な処理方針を策定することが困難と認められるもの。

ただし、余剰面積が150m2未満であっても、活用可能であると認められるものは指摘対象とすることができるものとする。

上記(1)⑤に該当しない「報告洩等」。

ただし、一件100万円未満であって内容が軽微と認められる場合は、第22に規定する管理責任者名による補足説明等を記載した文書の送付によることができるものとする。

(4)簡易事項

次の各号の一に該当するものについては、簡易事項として処理するものとする。

貸付料及び使用料について、計算の誤りに起因するもので、適正な額と誤りの額との差額が適正な額の概ね10%以下で、かつ、差額が概ね年額10万円以下のもの

貸付け及び売払い等の契約内容に係るもので、その内容が次のいずれにも該当しないもの

予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)第100条第1項本文に掲げる、契約の目的、契約金額、履行期限及び契約保証金に関する事項

同条同項第1号から第7号に掲げる事項

用途指定に関する特約事項

(注)用途指定を必要としない契約において、漫然と契約書式を使用したため不必要な特約が付されたままになっているものを除く。

用途指定財産の指定用途の履行状況に係るもので、指定用途以外の用途に供されている部分の面積が用途指定財産全体面積の概ね10%以下、かつ、100m2以下のもので、用途指定の趣旨及び目的を達成するうえから大きな支障がないもの

その他財務局長等が、簡易事項が適当であると認めるもの

(庁舎等及び宿舎の保全状況に係る監査結果における指摘区分等の取扱い)

第19庁舎等及び宿舎の保全状況について、監査指針記第2-2-⑴-③-ハに定めるAからFまでの着眼点に基づき監査を実施する場合は、第5号様式の付表④-1から5により各事項の評点を判定し、同付表④-6「保全状況の監査における算出表」により総合評点を算出した上で、次表に則って指摘区分を決定するものとする。

(表)総合評点による指摘区分

指摘区分

(指摘なし)

簡易事項

留意事項

検討事項

総合評点

65点以上

50点以上

~65点未満

35点以上

~50点未満

35点未満

ただし、次の項目に該当する場合は、総合評点に基づく指摘区分より、一段階上位の指摘区分を採用するものとする。

施設保全責任者が配置されていない。

保全に係る事務担当者が配置されていない。

耐震対策が図られていない。

地盤沈下等による不陸、傾斜等について、調整等の対応が図られていない。

基礎又は土台の沈下、劣化及び損傷の状況について、修正等の対応が図られていない。

(注)上記③については、「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」により求められるそれぞれの施設の耐震性能と現状の耐震性能の差を考慮する。

また、監査指針第2-2-⑴-③-ハ(注)に基づき書面を中心とした監査を実施する場合は、第5号様式の付表④-7により各事項の適否を判定し、同付表④-8により結果を整理した上で、法令等に基づいた適正な維持管理(保全体制の整備、保全台帳の作成、法定点検の実施等)が行われていない事実が確認された場合は、国土交通省が官公庁施設の建設等に関する法律(昭和26年法律第181号)に基づき実施している保全実地指導の状況を踏まえ、第22に規定する管理責任者名による補足説明等を記載した文書を送付するものとする。

(指摘予定事案報告)

第20財務局長等は、監査の結果、是正その他の措置を求めることが適当と認められる場合は、当該指摘内容等を取りまとめ、第6号様式-1「指摘予定事案報告」、第6号様式-1(別添)「指摘予定事案審査表」及び第6号様式-2「一件別審査調書」を作成の上、監査結果通知書(案)、その他必要な審査資料を添えて、速やかに理財局長に送付するものとする。

(注1) その他必要な審査資料とは、監査対象財産に係る第5号様式「監査調書」、位置図、案内図、建物配置図等の図面、監査対象財産の現状又は指摘すべき事項が客観的に判明する写真等の資料とする。

(注2) 理財局長は、財務局長等から送付された報告について審査し、必要に応じ、関係省庁と所要の調整を行った上で財務局長等にその結果を通知する。

(注3) 当該結果通知は、往査終了から概ね2か月を標準処理期間とし、その期間が年度を超える場合においては、財務局長等は原則として3月10日までに理財局長に送付するものとする。

(注4) 第6号様式-2「一件別審査調書」については、監査を行う際の資料として活用するものとし、指摘がない場合においても作成するものとする。

第2節監査結果の通知

(監査結果通知)

第21財務局長等は、第7号様式「監査結果通知書」を作成し、監査の相手方あてに送付するものとする。

(注1) 指摘がある場合は、理財局長の審査結果を踏まえ作成することとする。

(注2) 法定受託事務により都道府県又は市町村が管理する国有財産に係る監査結果について、当該都道府県又は市町村の長あてに通知する場合は、受託財産所管部局の長に対して、当該通知書の写しを送付するものとする。

(注3) 財務局長等は、その写しを対象財産の所在地を管轄する財務事務所長等に送付する。

(注4) 処理規則第2条第3項に基づき財務事務所長等が監査を行う場合は、本規定を準用するものとする。

(管理責任者名による補足説明等)

第22財務局長等は、監査結果通知書について、強調的又は補足的に説明することが適当と認める場合又は指摘に至らないが注意喚起を促す必要があると認める場合には、当該通知書の送付に併せて、管理責任者名による補足説明等を記載した文書(任意様式)を作成し、監査の相手方その他関係者あてに送付するものとする。

(注1) 第18の指摘区分に該当しない場合も、同様の取扱いとする。

(注2) 管理責任者名による補足説明等を記載した文書を送付する場合は、監査結果通知書にその旨を付記する。

(改善等措置状況の徴求)

第23財務局長等は、是正その他の措置を求める場合は、監査結果通知書において、指摘内容の重要度及び緊急度に応じ、適切な期日を設定した上で、第8号様式「是正等措置状況報告書」により、改善等の措置状況に関する報告を求めるものとする。

(注1) 法定受託事務により都道府県又は市町村が管理する国有財産については、都道府県又は市町村による財産管理が適正に行われるよう、受託財産所管部局の長に対して、是正その他の措置を求めるものとする。

また、受託財産所管部局の長が、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条の4 の規定に基づき、都道府県又は市町村に対して助言・勧告を行ったものについて、財務局長等へその改善等の措置状況に関する報告を求めるものとする。

(注2) 一定の用途に供する目的で譲渡又は貸付けをした財産(用途指定財産)に係る監査結果通知の相手方は、契約担当官等であり、契約の相手方に対する具体の指導については、契約担当官等において行うこととなる。

(注3) 監査結果通知後、改善等の措置を講じ、又は改善を終えたと認められるものを除き、初回の報告においては、是正等措置に係るスケジュールについて部局と調整を行い、その結果を添付することを求め、変更がある場合は、改めて添付することを求めるものとする。

(指摘内容の変更)

第24財務局長等は、監査結果通知以後、法令等の改廃、社会情勢の著しい変化その他やむを得ない事情が生じたことにより、著しく指摘内容が実情に沿わないと認められる場合は、あらかじめ理財局長の承認を受けた上で、これを取消し又は変更することができるものとする。

(1)再度監査により指摘内容の取消し又は変更する場合

理財局長への承認申請は、第9号様式-1「指摘内容取消予定事案承認申請」又は第9号様式-2「指摘内容変更予定事案承認申請」及び第9号様式(別添)「指摘内容取消(変更)予定事案審査表」を用いて行うこととし、第6号様式-2「一件別審査調書」、監査結果通知書(案)、その他必要な審査資料を添えるものとする。

なお、指摘内容の取消しに係る監査結果通知書(案)には、前回監査時の指摘内容に係る取消し事項を記載するものとする。また、指摘内容の変更に係る監査結果通知書(案)には、前回監査時の指摘内容に係る取消し事項及び実施した監査による監査結果を併記するものとする。

(注1) その他必要な審査資料とは、監査対象財産に係る第5号様式「監査調書」、位置図、案内図、建物配置図等の図面、監査対象財産の現状や取消し又は変更すべき事項が客観的に判明する写真等の資料とする。

(注2) やむを得ない事情が解消された後に再度監査を実施することを前提として指摘内容を取り消す場合は、その旨を第9号様式(別添)「指摘内容取消(変更)予定事案審査表」及び監査結果通知書(案)に記載する。

(2)第5章に定めるフォローアップにより指摘内容の取消し又は変更する場合

理財局長への承認申請は、第9号様式-1「指摘内容取消予定事案承認申請」又は第9号様式-2「指摘内容変更予定事案承認申請」及び第9号様式(別添)「指摘内容取消(変更)予定事案審査表」を準用し、事案の審査に必要な書類を添付して作成するものとする。

(監査の実施状況の本省への報告)

第25財務局長等は、管内における四半期ごとの監査実施状況を取りまとめ、第10号様式「監査実施状況報告書」を作成し、翌年度4月20日までに理財局長あてに報告するものとする。

第5章フォローアップ

(監査結果の記録)

第26財務局長等は、管内における監査結果を取りまとめ、第11号様式-1「指摘等整理簿」を作成するものとする。

なお、土地の用途廃止を求めた場合及び借受解消を求めた場合は、第11号様式-2「用途廃止財産一覧」及び第11号様式-3「借受解消財産一覧」(以下「用途廃止財産一覧等」という。)を作成するものとする。

(注)用途廃止財産一覧等へ記録した事案については、指摘内容等の変更を行った場合を除き、原則、用途廃止財産一覧等より削除してはならない。

また、売却等により処理された財産についても、用途廃止財産一覧等より削除してはならない。

指摘等整理簿をもって処理規則第10条の3に定める「国有財産監査整理カード」及び処理規則第18条に定める「用途指定財産監査整理カード」並びに宿舎取扱準則第4条第5項に定める「帳簿」に代えるものとする。

(改善等措置状況の検証)

第27財務局長等は、是正その他の措置を求めた場合、別に定める場合を除き、監査の相手方から指定の期日までに報告される改善等措置状況について検証した上で、次表(確認基準)により区分整理し、指摘等整理簿に適切に記録するものとする。ただし、土地の用途廃止を求めた事案のうち各省各庁において売却等する財産及び借受解消を求めた事案については、次表の措置区分「A措置済」となって以降も、それぞれ売却済等又は借受解消の事実が認められるまで報告を求めるものとする。

なお、土地の用途廃止を求めた事案のうち、財務局等の管理処分担当が売却等する財産については、当該担当から適宜情報を収集し、用途廃止財産一覧等に適切に記録するものとする。

(表)確認基準

措置区分

措置済
(是正・改善済)

指摘内容に則った措置を講じ、又は改善を終えたと認められるもの

なお、次の各号の一に該当する場合は、措置済として整理

是正等事項が訴訟に移行したとき

所管換・所属替の措置を要する事案について、処理方針に基づいて部局間の協議(内協議)が整ったとき

公用又は公共物としての機能を喪失しており、既に用途廃止・引継ぎのための手続を開始したとき

(行政需要の変化により、指摘を受けた官署自らが余剰部分を使用(用途変更等)する必要性が生じた場合など、)理財局と意見調整した結果、「措置済」として整理することが適当であると判断されたとき

その後の措置状況の報告を求めない。

ただし、土地の用途廃止を求めた事案のうち、各省各庁において売却等する財産及び借受解消を求めた事案については、措置済となって以降も、それぞれ売却済等又は借受解消の事実が認められるまで報告を求めるものとする。

措置見込
(是正・改善見込)

講じた措置が未だ終了していないが、是正・改善が確実に見込まれると認められるもの

事案の重大性等を踏まえ、影響が少ないと認められる場合は、その後の措置状況の報告を求めない。

(必要に応じ理財局と調整)

ただし、土地の用途廃止を求めた事案のうち、各省各庁において売却等する財産及び借受解消を求めた事案については、売却済等又は借受解消の事実が認められるまで報告を求めるものとする。

是正・改善に取組中

是正・改善に着手していると認められるもの

引き続き措置状況の報告を求め、指導等を含め継続的にフォローを実施する。改善等の措置が不十分となっている場合は、再度監査対象とすることの要否についても検討する。

未実施

是正・改善の取組が認められないもの

国有財産法第10条に定める必要な措置について検討するものとする。

(フォローアップ)

第28財務局長等は、監査結果通知後、相手方から報告のあった改善等措置状況について検証し、その結果、当面、改善等措置が見込まれない又は困難であると認められる事案(以下「是正等未済事案」という。)については、速やかに監査の相手方その他関係者に対する照会又はヒアリングを実施し、必要に応じ、年次改善計画を立てさせる等その着実な解決に向けた指導を行い、当該ヒアリング等を実施した都度、その結果を指摘等整理簿に記録することとする。

なお、庁舎等の使用調整等総括権の行使をもって改善等の措置を図る必要がある場合は、監査部門と総括部門との連携の下、総括部門を中心とした調整を実施するものとする。

また、監査により用途廃止を求めた事案のうち、財務局等の管理処分担当が売却等する財産に対しては、管理処分担当との連携を密に行い、当該財産の早期引継ぎ等に向けた調整を行うものとする。

(注1) 照会又は指導を行う場合は、財務局長等名をもって通知するものとする。

(注2) フォローアップに当たっては、是正等未済事案の多くを占める予算措置を要する事案を中心に対応(理財局と財務局等が連携して相手方へのヒアリング・意見調整等)を行うものとする。また、指摘後の法令等の改廃、指摘対象財産の行政需要等の変化、又は社会経済情勢の動向も考慮の上、指摘区分及び指摘内容の変更、並びに再度監査の実施又は指摘の取消しの要否についても検討を行うものとする。

(注3) 未利用又は利用程度の低い国有地の洗い出し及び余剰スペースの創出に繋がるなどの重要な事案のフォローアップに当たっては、第7号様式「監査結果通知書」に定める期限に提出のある進捗状況等の報告に基づく実態把握に留まらず、管理責任者が、随時監査の相手方その他関係者からヒアリングの上、フォローアップを行い、処理促進に努めるものとする。

(注4) 法定受託事務により都道府県又は市町村が管理する国有財産について照会を行う場合は、当該財産を所管する受託財産所管部局の長あてに通知するものとする。また、指導を行う場合は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4の規定に基づき当該受託財産所管部局から助言・勧告を行うよう依頼するものとする。

第18-⑶-④に該当するものとして留意事項とした事案に係るフォローアップについては、以下のとおり取扱うものとする。

(1)基本的な考え方

原則として、有効活用の取組みの結果、余剰面積が 150m2未満となる場合は、第 27(表)確認基準の指摘区分「A措置済」(以下「措置済」という。)と整理し、フォローアップを終了するものとする(注)。

なお、150m2未満の活用可能な余剰スペースが複数あり合計で150m2以上となる事案のほか、第18-⑶-④ただし書きに基づき、余剰面積 150 m2未満で指摘をした事案については、指摘対象と判断した事情を踏まえ、措置済とする基準を個別に判断するものとする。

(注)有効活用の取組状況については、原則として、第 23 に定める「是正等措置状況報告書」により確認すること。

(2)具体的な取扱い

国利用の場合

監査指摘後における以下のような状況変化を踏まえ、国が利用することにより余剰面積が150m2未満となる場合(仮庁舎等の使用を含む。)は、措置済と整理し、フォローアップを終了するものとする。

周辺の国の官署の入居調整が可能となった場合

組織改編など行政需要の変化による必要スペースが生じた場合

一方、国が利用しても引き続き余剰面積が 150 m2以上となる場合は、以下の②によるものとする。

(注)仮庁舎等の使用で返還時期が明確な場合や、一定のまとまった余剰スペースが残る場合は、必要に応じて、フォローアップの終了に併せ、管理責任者名等による通知により、引き続き有効活用を促すこととする。

国以外の者の利用の場合

国利用が見込まれない場合(国の利用後も余剰面積が 150 m2以上となる場合を含む。)は、昭和 33 年1月7日付蔵管第1号「行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について」通達別紙第2節に規定する「地方公共団体等への情報提供等」(以下「情報提供等」という。)に基づく地方公共団体や民間事業者等による活用状況等を踏まえ、以下のとおり取り扱うものとする。

なお、情報提供等において利用要望を確認・募集する「活用可能な財産」の選定は、有効活用を図るよう監査指摘を受けた財産等について使用見込みや管理上の制約を踏まえ、当該財産を所管する各省各庁の部局等が行うことから、フォローアップの機会を通じ、その適切な選定に関する指導も行うものとする。

余剰面積が 150m2未満となる場合

情報提供等の実施により使用許可等が行われ、余剰面積が150 m2未満となる場合は、使用許可等の期間にかかわらず、措置済と整理し、フォローアップを終了するものとする(注)。

なお、使用許可等の期間が有限であることを考慮し、フォローアップの終了に併せ、管理責任者名等による部局への通知により、有効活用の継続的な取組を促すこととする。

(注)国公有財産の最適利用に関する協議会等における利用要望に基づき、情報提供等を省略し使用許可等を行った場合も同様とする。

余剰面積が 150m2未満とならない場合

情報提供等を実施したものの、利用要望がない、あるいは、使用許可等が一部分に止まり、余剰面積が 150 m2未満とならない場合のうち、以下の(イ)及び(ロ)の要件を満たすものについては、非効率使用の改善に向けた取組が行われたものとして、措置済と整理し、フォローアップを終了するものとする。

(イ)情報提供等の実施面積は、当該面積の使用許可等により余剰面積が 150 m2未満となる規模であること

(ロ)財務局等ホームページにおける利用要望の募集期間が、通算1年を経過すること

なお、有効活用に向けた取組を促すため、フォローアップの終了に併せ、管理責任者名等による部局への通知により、情報提供等の継続的な取組を求めることとする。

(参考)別表3「余剰面積150m2以上の留意指摘事案に係るフォローアップ(フローチャート)」

(改善等措置状況の本省への報告)

第29相手方から報告のあった改善等措置状況についての検証(第27)、是正等未済事案の指導(第28)等の内容については、事案に係る進捗があった都度、政府共通インフォメーションボードに登録している「指摘等整理簿」及び第11号様式-1(別添)「進行管理目次」の内容を更新し、進行管理を行うものとする。

その際、指摘等整理簿及び進行管理目次については、各事案による適切な次回フォローアップ時期を相手方と調整の上記載し、進行管理の徹底に努めるものとする。

理財局は、指摘等整理簿の更新があった都度、指摘等整理簿の確認を行い、必要に応じて本省コメント等を付した上で、財務局等への指導等を行うものとする。

また、次回以降のフォローアップについて、より深度あるものにするため、必要に応じて、財務局等と理財局の担当監査官で意見調整を行うものとする。

なお、是正その他の措置を求めた事案については、改善等の措置が講じられたと認められるまでの間、指摘等整理簿及び進行管理目次において進行管理を行い、土地の用途廃止を求めた事案及び借受解消を求めた事案については、措置済となって以降も、それぞれ売却済等又は借受解消の事実が認められるまでの間、用途廃止財産一覧等での報告を要する。

おって、当該年度末時点の「指摘等整理簿」、「進行管理目次」、「用途廃止財産一覧等」及び第11号様式-4「指摘等整理簿(集計表)」については、翌年度4月30日までに理財局長あて報告することとする。

(注)平成22年度以前に実施した監査に係るものは、理財局長への報告を要しない。

(従前通達における是正等未済事案の取扱い)

第30本通達の施行(平成23年5月31日)をもって廃止した通達(以下「従前通達」という。)により実施した監査において、是正その他の措置を求めた事案のうち、改善等の措置が講じられていないものについては、次の従前通達によりフォローアップを行うものとする。

(1)「国有財産監査要領について」(昭和57年3月30日付蔵理第1326号)通達によるもの

「国有財産監査要領について」(昭和57年3月30日付蔵理第1326号)通達に基づき、是正等未済事案等のフォローアップを行う必要があるものについては、第28に従い、フォローアップを行うものとする。

(2)「漁港区域内に所在する公共用財産にかかる是正等未済事案の処理促進について」(平成13年2月7日付財理第326号)通達及び「港湾区域内等に所在する公共用財産にかかる是正等未済事案の処理促進について」(平成13年2月7日付財理第327号)通達によるもの

財務局長等は、適切な措置が講じられたことが確認されるまで、監査対象部局等の長又は受託財産所管部局の長から第8号様式「是正等措置状況報告書」により、毎年4月15日までに報告を受けるとともに、債権保全等の適切な措置が講じられているか等について確認し、検証の結果、指導等を行う必要がある場合は、監査対象部局等の長又は受託財産所管部局の長に対し、当該事項を毎年5月31日までに通知するものとする。

なお、法定受託事務に係る国有財産に係る是正等未済事案の処理状況については、受託財産所管部局から、法定受託事務を行う都道府県又は市町村に照会を行った上で、是正等措置状況報告書の提出を求めることとなる。

(是正等措置済に係る本省への報告)

第31財務局長等は、別に定めがある場合を除き、過去の監査において、指摘した事案のうち、措置が図られたもの及び指摘内容の変更又は取消しを行った事案について、毎年度の事績を取りまとめ、第12号様式「是正等済報告書」を作成し、翌年度4月30日までに理財局長に報告するものとする。

なお、平成22年度以前に実施した監査については、是正等措置済に係る理財局長への報告は要しない。

第32書面等の作成・報告等の方法

電子ファイルによる作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

電子メール等による報告等

(1)本通達に基づく報告等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

(2)上記(1)の方法により報告等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

別表1~3、第1号~第12号様式(PDF:1689KB)