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国有財産増減及び現在額報告書の作成等について

平成13年5月24日
財理第1858号

改正 平成16年 3月3日財理第754号
同 19年 1月22日同   第119号
同 21年 12月3日同 第5196号
同 24年 3月22日同 第1363号
同 25年 3月26日同 第1501号
同 27年 3月26日同 第1492号
同 29年 6月22日同 第2076号
同 30年 4月25日同 第1471号
同 31年 3月12日同 第805号

財務省理財局長から各省各庁国有財産総括部局長宛

国有財産法(昭和23年法律第73号。以下「法」という。)に規定する国有財産増減及び現在額報告書(以下「増減現在額報告書」という。)、国有財産無償貸付状況報告書(以下「無償貸付報告書」という。)及び国有財産見込現在額報告書(以下「見込現在額報告書」という。)の作成等に関する事務処理の適正化を図るため、下記のとおりその取扱いを定めたので通知する。

なお、次に掲げる通達は廃止する。

昭和28年3月19日付蔵管第1332号「国外に所在する国有財産の取扱について」

昭和38年3月27日付蔵管第685号「国有財産増減事由別調書の調製について」

昭和43年4月3日付蔵国有第517号「国有財産増減及び現在額報告書等の調製について」

昭和43年7月31日付蔵理第1515号「国有財産見込現在額報告書の調製について」

昭和49年3月5日付蔵理第730号「国有財産無償貸付状況報告書等の調製について」

昭和49年4月23日付蔵理第1788号「国有財産増減及び現在額報告書の審査資料等について」

昭和49年12月2日付蔵理第4961号「国有財産増減及び現在額報告書における「報告洩」及び「誤謬訂正」について」

平成4年4月14日付蔵理第1529号「口座別国有財産増減調書の提出について」

  • 第1 総則

    各省各庁の長は、法及び国有財産法施行細則(昭和23年大蔵省令第92号。以下「細則」という。)に基づく増減現在額報告書、無償貸付報告書及び見込現在額報告書(以下「増減現在額報告書等」という。)の作成及び財務大臣への送付に当たっては、法及び細則に定めるもののほか、本通達によるものとする。

    また、「予算及び決算に係る情報通信の技術の利用に関する対象手続等を定める省令」(平成15年財務省令第24号)に基づく増減現在額報告書等の作成及び財務大臣への送付に当たっても、本通達によるものとする。

  • 第2 国有財産増減及び現在額報告書関係

    • 1 増減現在額報告書の内容審査に必要な調書

      増減現在額報告書の内容審査に必要な調書は次のとおりとする。

      • 国有財産増減事由別調書(以下「増減事由別調書」という。)
    • 2 増減現在額報告書及び内容審査に必要な調書の提出

      • (1) 提出期限

        増減現在額報告書及び増減事由別調書の財務大臣への提出期限は、法第33条第1項の規定にかかわらず、翌年度の6月30日とする。

        ただし、細則別表第1に規定する政府出資等について、上記期限までに提出できないやむを得ない事情がある場合は、翌年度の7月15日とする。

      • (2) 提出方法

        上記(1)の報告書等については、国有財産総合情報管理システムの台帳記録・決算機能(以下「システム」という。)への記録が完了(省庁締め)したことをもって提出されたものとする。ただし、記録の完了に当たっては、電磁的方法又はそれ以外の方法により完了したことを証する書面を提出するものとする。

  • 第3 国有財産無償貸付状況報告書関係

    • 1 無償貸付報告書の作成

      無償貸付報告書の作成に当たっては、別紙1「国有財産無償貸付状況報告書作成上の留意事項」によるものとする。

    • 2 無償貸付報告書の内容審査に必要な調書

      無償貸付報告書の内容審査に必要な調書は次のとおりとする。

      • 国有財産無償貸付状況事由別調書(以下「無償貸付事由別調書」という。)
    • 3 無償貸付報告書及び内容審査に必要な調書の提出

      • (1) 提出期限

        無償貸付報告書及び無償貸付事由別調書の財務大臣への提出期限は、法第36条第1項の規定にかかわらず、翌年度の6月30日とする。

      • (2) 提出方法

        上記(1)の報告書等については、システムへの記録が完了(省庁締め)したことをもって提出されたものとする。ただし、記録の完了に当たっては電磁的方法又はその他の方法により完了したことを証する書面を提出するものとする。

  • 第4 国有財産見込現在額報告書関係

    • 1 見込現在額報告書の作成

      見込現在額報告書の作成に当たっては、別紙2「国有財産見込現在額報告書作成上の留意事項」によるものとする。

    • 2 見込現在額報告書の内容審査に必要な調書

      見込現在額報告書の内容審査に必要な調書等は次のとおりとする。

      • 国有財産見込現在額増減事由別調書(以下「見込事由別調書」という。)
    • 3 見込現在額報告書及び内容審査に必要な調書の提出

      • (1) 提出期限

        見込現在額報告書及び見込事由別調書の財務大臣への送付は、法第35条第1項に定める当該年度の9月30 日までとする。

        なお、財政法(昭和22年法律第34号)第18条第1項の規定による予算の概算額の決定に伴い、送付済の見込現在額報告書等に変更が生じた場合は、概算額の閣議決定後3日以内に(政府出資等については確定後速やかに)同報告書等を差し替えるものとする。

      • (2) 提出方法

        上記(1)の報告書等については、電磁的記録により作成したものを提出するものとする。

  • 第5 一件1千万円以上の「報告洩」、「誤謬訂正」の報告

    • 1 増減現在額報告書及び無償貸付報告書は、国会に報告される国有財産増減及び現在額総計算書(以下「増減現在額総計算書」という。)及び国有財産無償貸付状況総計算書(以下「無償貸付総計算書」という。)の作成の基となる重要なものであり、「報告洩」、「誤謬訂正」(以下「報告洩等」という。)による増減が発生しないよう十分留意しなければならない。

    • 2 各省各庁の国有財産に関する事務を総括する部局等の長は、各部局等において、増減現在額報告書及び無償貸付報告書に計上される報告洩等のうち、一件1千万円以上の報告洩等(細則別表第1に規定する区分ごとの報告洩等の増減額(絶対値)を口座単位で合計した額が1千万円以上のものをいう。)が発生した場合には、別紙様式により、発生後速やかに、次の事項を理財局長あて報告するものとする。

      • (1) 会計名

      • (2) 発生年度

      • (3) 部局名

      • (4) 国有財産部局長の官職氏名

      • (5) 口座名

      • (6) 報告洩等が発生した増減事由用語

      • (7) 台帳異動年月日(又は適用年月日)

      • (8) 区分

      • (9) 数量

      • (10) 価格

      • (11) 主管課名及び責任者氏名

      • (12) 報告洩等が発生した要因

      • (13) 報告洩等を発見するに至った経緯

      • (14) 今後の防止策(既に講じているものを含む)

    • 3 なお、本報告に当たっては、報告洩等を発生させた省庁において、事態の重要性を認識し、職員の意識改革に繋げる必要があるため、その発生要因を詳しく分析した上で、最も効果的と考える発生防止策を策定する必要がある。

  • 第6 国外に所在する国有財産等の取扱い

    法第33条により作成すべき増減現在額報告書等については、法附則第2条により所定の地域に係る分は、これを省略することができることとされており、国外に所在する国有財産等の取扱いは次のとおりとする。

    • 1 終戦後新たに取得した国有財産については、増減現在額報告書等の省略は行わないものとする。

    • 2 法附則第2条に規定する地域に所在する国有財産については、上記1に定めるもののほか、日本国との平和条約(同条約の規定に基づく特別取極を含む。以下「条約」という。)により日本政府に返還されることとなった財産を除き、増減現在額報告書等は、省略するものとする。

    • 3 2により省略した財産の国有財産台帳は、別綴として保管すること。

    • 4 条約第14条(a)の2の(III)の規定により日本政府に返還されることとなった国有財産は、その年度の増減現在額報告書に計上するものとし、その場合の国有財産増減事由用語は、「平和条約の規定により返還」とする。

    • 5 千島列島に所在する国有財産については、別に通知するまで従前どおりの取扱いによるものとする。

  • 第7 システムによる増減現在額報告書及び無償貸付報告書の作成等

    システム(法第40条に規定する財務大臣が電子計算機による情報処理の用に供するものである。以下同じ。)の機能(注)を使用して提出される増減現在額報告書及び無償貸付報告書については、次によるものとする。

    • (注) システムの機能とは、各省各庁の長が記録した増減現在額報告書及び無償貸付報告書の対象となる財産に係る電磁的記録を電子計算処理することにより増減現在額報告書及び無償貸付報告書を作成する機能をいう。

    なお、システムにおいて使用する用語の定義については、別紙3によるものとする。

    • 1 システムにより作成される帳票

      システムにより作成される帳票については以下のとおりとする。

      • (1) 増減現在額報告書関係

        • イ 増減現在額報告書

        • ロ 増減事由別調書

        • ハ 政府出資等増減及び現在額内訳調書

      • (2) 無償貸付報告書関係

        • イ 無償貸付報告書

        • ロ 無償貸付事由別調書

        • ハ 国有財産口座別無償貸付現在額調書

    • 2 システムによる事務作業手順

      • (1) Web 入力方式

        • イ 部局管理者は、必ず「確定チェック」及び「相対チェック」を行い、システムへの入力データに問題がないか確認した後、「部局締め」を行う。

        • ロ 省庁管理者は、部局管理者の「部局締め」を確認のうえ「省庁締め」を行う。

        • ハ 「省庁締め」が行われた後、増減異動入力データに誤りがあった場合、省庁管理者は総括情報管理者の「省庁締め」の解除を待って、当該部局の「部局締め」を解除し、一般利用者に訂正入力を指示する。以降、増減異動入力データの誤りがなくなるまで上記イ、ロ及びハを繰り返し、増減異動入力データを確定させる。

        • ニ 総括情報管理者は、全省庁の「省庁締め」を確認のうえ「ALL JAPAN 締め」を行う。

        • ホ 「ALL JAPAN 締め」後、増減入力データに誤りがあった場合、省庁管理者は総括情報管理者の「ALL JAPAN 締め」及び「省庁締め」の解除を待って当該部局の「部局締め」を解除し、一般利用者に訂正入力を指示する。以降、増減異動入力データの誤りがなくなるまで上記イ、ロ及びハを繰り返し、増減異動入力データ及び年度末現在額データを確定させる。

        • へ 総括情報管理者は、改めて「ALL JAPAN 締め」を行い全省庁の増減異動入力データ及び年度末現在額データを確定させる。

      • (2) その他の入力方式

        • イ 省庁管理者は、一般利用者及び部局管理者が作成した増減異動入力データをとりまとめ、システムへ入力する。

        • ロ 省庁管理者は、一般利用者及び部局管理者に入力内容を確認させ、増減異動入力データに誤りがあった場合、省庁管理者は総括情報管理者の「省庁締め」の解除を待って、当該部局の「部局締め」を解除し、訂正入力を行う。以降、増減異動入力データの誤りがなくなるまで上記イ、ロを繰り返し、増減異動入力データを確定させる。

        • ハ 以降の事務作業手順は、上記(1)のWeb入力方式の事務作業手順のニ以降に準じて行う。

    • 3 システムへの入力に当たっての留意事項

      • (1) システムへの入力方法及び作成される帳票の様式等については、別途入力マニュアルによるものとする。

      • (2) システムへの入力の際に使用する年度分のコード表は総括情報管理者より、別途通知する。

      • (3) 増減異動入力データ及び年度末現在額データは、第2の2の(1)の提出期限までに確定させるものとする。

【別紙1】

国有財産無償貸付状況報告書作成上の留意事項

  • 1 増減事由用語の取扱い

    無償貸付報告書を作成するに当たっての増減事由用語については、別表1「国有財産無償貸付状況増減事由用語表」による。

  • 2 貸付件数の取扱い

    • (1) 原則として一口座内の財産を同一用途に供するため一契約をもって貸付けた場合、これを一件とする。

    • (2) 同一の用途であっても名称が異なる(例えば、用途は公園であるがA公園とB公園)場合、それぞれの名称ごとに一件とする。

    • (3) 信号機等の小規模施設にあっては、一口座内の財産を複数の同一施設の用に供するため一契約で貸付けた場合、これを一件とする。

      なお、複数の異なる施設が併設され、その施設ごとに貸付面積の算定が困難な場合は、主たる施設をもって一件とする。

    • (4) 貸付契約の一部変更(追加貸付、一部貸付終了及び一部貸付解除)にあっては、件数を計上しない。

    • (5) 貸付更新にあっては、増減それぞれに件数を計上する。

    • (6) 報告洩、誤謬訂正にあっても、上記と同様の取扱いとする。

【別表1 国有財産無償貸付状況増減事由用語表】(PDF:164KB)

【別紙2】

国有財産見込現在額報告書作成上の留意事項

  • 1 対外的異動(国と国以外の者との間の異動)による増減

    • (1) 歳出又は歳入を伴うもの(例:購入、新築、新設、新造、出資(現金)、売払、出資金回収 等)

      国有財産の取得・処分に係る当該年度予算額又は翌年度概算(要求・見積)額等に基づき計上する。

      なお、以下の点に留意する。

      • イ 「新築」、「新造」等による国有財産の取得に2年以上の期間が見込まれる場合、及び明許繰越又は事故繰越があり、当該年度に国有財産の取得が見込まれない場合には、国有財産の取得見込時期の属する年度をもって取得年度とする。

      • ロ 「購入」、「新築」等により土地、建物等を取得する場合において、予算額又は概算(要求)額に間接費(事務費、補償費等)が含まれているときには、これら間接費を除いた直接費を計上する。

      • ハ 「購入」、「新造」等により船舶又は航空機を取得する場合において、予算額又は概算(要求)額に、その付帯物件で物品管理法(昭和31年法律第113号)の適用を受ける物品に対する経費が含まれているときには、これらの経費を除いた取得見込額を計上する。

      • ニ 以下の庁舎等については、財産の引渡しを受けることとなる省庁において「新築」等として計上する。

        • (イ) 国土交通省所管一般会計(項)官庁営繕費により整備される庁舎

        • (ロ) 財務省所管一般会計(項)公務員宿舎施設費により整備される宿舎

          • (注)翌年度概算(要求)額による整備宿舎については、予算の各宿舎別割当額の決定が概算額の決定と同時に行われないため、計上することを要しない。

        • (ハ) 財務省所管一般会計(項)特定国有財産整備費により整備される庁舎等(国土交通省への予算の移替えの場合を含む。)

    • (2) 歳出又は歳入を伴わないもの(例:帰属、租税物納、出資(現物)、交換、信託、譲与、取こわし、伐採 等)

      当該年度6月末時点で処理済及び処理が確定しているもの等を計上する。

  • 2 対内的異動(国の内部における異動)による増減

    • (1) 調整上の増減(例:所管換、所属替、引受、引継、用途廃止、行政財産より組替 等)

      当該年度6月末時点で処理済及び処理が確定しているもの等を計上するものとし、財産受渡しの相手省庁又は部局がある場合には、事前に当該省庁又は部局間で数量、価格について照合するものとする。

      ただし、一般会計内における増減(「公共物へ編入」及び「公共物より編入」は除く。)については、計上を要しない。

      • (注)有償での「所管換」又は「所属替」の場合、渡財産は台帳価格、受財産は有償価格をもって計上することに留意すること。

    • (2) 整理上の増減(例:実測、実査、誤謬訂正、報告洩 等)

      当該年度6月末時点で処理済及び処理が確定しているもの等を計上する。

      ただし、「誤謬訂正」及び「報告洩」については、計上を要しない。

    • (3) 価格改定上の増減

      国有財産法施行令第23条に基づく台帳価格の改定による増減は、見込まないものとする(下記3の(3)の場合を除く。)。

  • 3 その他

    • (1) 見込現在額報告書は、円単位で算出したものを財務大臣へ送付する際に千円未満を切り捨てて作成する。

    • (2) 見込事由別調書の作成に当たり、財務省を相手方とする増減の場合には、以下による。

      • イ 財務省大臣官房会計課を相手方とする場合 「財務省(会計課)」

      • ロ 財務省合同宿舎を相手方とする場合   「財務省(合同宿舎)」

      • ハ 財務省所管一般会計所属普通財産を相手方とする場合 「財務省(一般会計普通財産)」

    • (3) 細則別表第1に規定する政府出資等については、政府関係機関及び財政法第28条第7号に該当する政府出資主要法人のうち市場価格のないものについて、概算額決定後、予算に添付する貸借対照表に基づく計数に差し替えるものとする。

    • (4) 特別会計にあっては、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第3条第2項第6号に基づき歳入歳出予定計算書等の添付書類として作成する貸借対照表、財産目録等の固定資産勘定への計上額と見込現在額報告書への計上額との整合性に留意する。

【別紙3】

システムにおいて使用する用語の定義

システムにより増減現在額報告書及び無償貸付報告書を作成するに当たって使用する用語の定義は以下のとおりとする。

  • 1 「省庁管理者」とは、各省各庁の長又は所管の国有財産に関する事務を総括する者をいう。

  • 2 「部局管理者」とは、各部局所属の国有財産に関する事務を分掌する者をいう。

  • 3 「一般利用者」とは、部局管理者のもと、各部局所属の国有財産に関する増減異動の入力等実作業を行う者をいう。

  • 4 「総括情報管理者」とは、省庁管理者からの電磁的記録の提出を受け、その内容を審査し、増減現在額総計算書及び無償貸付総計算書を作成する者をいう。

  • 5 「Web入力」とは、霞ヶ関WANを利用したWebオンラインシステムにより、総括情報管理者の管理するデータベースサーバーにデータを送信する方式をいう。

  • 6 「その他の入力方式」とは、「代行入力」をいい、一般利用者又は部局管理者において作成された増減異動入力データを省庁管理者がシステムへ入力する方式をいう。

  • 7 「締め」とは、システムにより電子計算処理するために増減異動入力データを確定させるための作業をいい、部局管理者による確定作業である「部局締め」、省庁管理者による確定作業である「省庁締め」及び総括情報管理者による確定作業である「ALL JAPAN 締め」をいう。

  • 8 「確定チェック」とは、確定年度内の決議書データに対して、「適用年月日」「契約等年月日」「取得年月日」「台帳整理日」「契約日」等の入力や、入力されたデータに不整合がないか等のチェックをいう。

  • 9 「相対チェック」とは、確定年度内の国有財産台帳において、所属替、所管換、引受、引継等の増減情報の入力が省庁間、部局間、会計間の相互において不整合がないかをチェックすることをいう。

別紙様式(PDF:159KB)