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特定普通財産の買受勧奨を行う場合の取扱いについて

昭和48年7月27日

蔵理第3510


改正昭和51年9月7日蔵理第3719号

56年5月12日同第1902号

57年3月26日同第1148号

59年8月10日同第2808号

61年11月13日同第4316号

平成元年3月2日同第728号

元年4月1日同第1668号

9年3月24日同第1111号

12年12月26日同第4612号

13年3月30日財理第1296号

21年2月19日同第585号

令和元年6月28日同第2319号

2年12月18日同第4097号

3年2月17日同第510号

4年6月15日同第2129号

5年6月28日同第1877号

大蔵省理財局長から財務局長、沖縄総合事務局長宛

「国有財産特別措置法」(昭和27年法律第219号。以下「法」という。)第10条の2の規定に基づき、特定普通財産の買受勧奨を行う場合の取扱いについては、下記によることとしたから通知する。

また、「国有財産特別措置法施行令」(昭和27年政令第264号。以下「政令」という。)第9条に定める「財務大臣が定める規模」、同条第3号に定める「財務大臣が定めるものの敷地」、同条第5号に定める「財務大臣が定めるもの」については、下記第1-2、1-3、1-4によることとされたので、命により通知する。

なお、この通達の趣旨は、昭和48年7月27日「国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律」(昭和 48 年法律第 67 号。以下「改正法」という。)が施行されたことに伴い、特定普通財産の買受勧奨を行う場合の事務処理の円滑化を図ることにある。

第1定義

「特定普通財産」とは、法第10条の2に規定する普通財産をいう。

(注)国有財産特別措置法第10条の2に規定する「居住の用に供する部分と事業の用に供する部分とが結合して併用住宅と認められる施設」は、居住の用に供する部分の床面積の施設全体の床面積に対する割合がおおむね4分の1以上の場合に限るものとし、居住の用に供する部分に居住する者及び事業の用に供する部分で事業を行う事業主が貸付相手方以外の者であっても差し支えない。

政令第9条の「財務大臣が定める規模」は、土地について、1戸当たりの建物の敷地面積がおおむね500m2(ただし、建物が民有で同一の所有者に属する場合において、当該土地が2戸以上の建物の敷地であるときは、おおむね1,000m2)とする。

(注)1戸とは、自用の建物の借地契約1件又は建物の入居者ごとの借家契約(国との契約であるか否かを問わない。)1件のことをいう。

政令第9条第3号の「財務大臣が定めるものの敷地」は、地方公共団体又は旧住宅営団が昭和29年度までに引揚者、戦災者等の住宅困窮者を収容するため建設した住宅で、その居住者に分譲されたものの敷地とする。

政令第9条第5号の「財務大臣が定めるもの」は、次に掲げるものとする。

(1)行政財産をその用途廃止前の管理者から、占用許可若しくは承認を受けて使用を開始した者(注1)又は国有財産を自己の所有に属するもの若しくは自己の権原に基づくものと誤信して使用を開始した者(注2)が、改正法施行の際、既に当該財産を長期間にわたって使用し、かつ、永続的に使用する意思をもつて相当の有益費を投じていると認められる財産

(注1)「行政財産をその用途廃止前の管理者から、占用許可若しくは承認を受けて使用を開始した者」が「改正法施行の際、既に当該財産を長期間にわたって使用し」とは、次の場合をいう。

行政財産の用途廃止により引き受けた財産について、改正法施行の時よりおおむね10年以前に、用途廃止前の管理者から書面により占用許可又は承認を受けて使用を開始した者が引き続き使用(貸付契約を締結しているものを含む。)している場合

行政財産の用途廃止により引き受けた財産について、改正法施行の時よりおおむね3~4年以前に用途廃止前の管理者から書面により占用許可又は承認を受けて引き続き使用(貸付契約を締結しているものを含む。)をしている者が、当該占用許可又は承認の日以前において事実上使用している場合において、その期間(用途廃止前の管理者がこれを確認し、その旨を書面により証した期間とする。)の2分の1を、占用許可又は承認された期間に加算するとおおむね10年以上になるとき

(注2)「国有財産を自己の所有に属するもの若しくは自己の権原に基づくものと誤信して使用を開始した者」が「改正法施行の際、既に当該財産を長期間にわたって使用し」とは、次の場合をいう。

行政財産の用途廃止により引き受けた財産又はその他の普通財産について、これを自己の所有に属するもの又は自己の権原に基づくものと誤信して、改正法施行の時よりおおむね 15 年以前から使用を開始した者が引き続き使用(貸付契約を締結しているものを含む。)をしている場合

(2)恩賜財団同胞援護会が、昭和 27 年度までに引揚者、戦災者等の住宅困窮者を収容するため建設した住宅で、その居住者に分譲されたものの敷地

法第10条の2の「当該財産と一体として処分することが適当と認められる普通財産」は、政令第9条に掲げる財産に隣接する崖地、通路部分等、単独利用困難な財産とする。

第2法第10条の2に基づく買受勧奨等

法第10条の2の規定に基づく買受勧奨については、次に定めるところによるものとする。

(1)特定普通財産の買受勧奨は、当該財産を売り払うため特に必要がある場合で、売払価額を提示して1年間の猶予期間を与えることにより、資金の手当てが可能となると認められるときに行うものとする。

なお、買受勧奨は、当該財産の所在する地域における都市計画、立地条件等を十分考慮して、当該権利者等に売り払うことを不適当と認める場合には、行わないよう留意すること。

(注)1棟の建物又はその敷地について、2名以上の者が分割して権利を有しているものであるときは、当該権利者等の全員が、同時に買い受けることとなるよう配意すること。

(2)法第10条の2の規定により特定普通財産を当該財産の権利者等に対し、買い受けるよう勧奨するときは、別紙様式国有財産買受勧奨書により行うものとする。

(3)1戸当たりの建物又はその敷地につき、権利者等が2人以上にわたる場合(注) には、買受勧奨を行おうとする相手方に売り払うことについて、他の権利者等の承諾又は同意が得られると認められる場合に限り、買受勧奨を行うものとする。

(注)例えば、民有地上の国有建物の場合がこれに該当し、この場合には、借家人と地主が権利者等となるので、借家人に買受勧奨を行う場合は、借家人に売り払うことについて、地主の承諾が得られるときに限ることになる。

(4)特定普通財産の買受勧奨を行う場合には、買受勧奨をしたことを明らかにするため配達証明又は内容証明郵便によるものとし、買受勧奨の日は、文書を発送した日から相手方に到達するまでの期間を見込んで到達することが確実と認められる日を定めるものとする。

(5)特定普通財産の買受勧奨を行う場合において提示価額で買受けができるのは、上記(4)に定める買受勧奨の日から 1 年以内とし、相手方が買受けの申込みを行うことができる期限については、提示価額での売払手続が 1 年以内に終了する必要がある点を考慮し、買受勧奨の日からおおむね11か月以内とする。

第3売払価額

特定普通財産の売払価額は、「国有財産評価基準」の規定により求めた評定価格に消費税及び地方消費税の相当額を加えた額によるものとする。

買受勧奨書に記載する売払価額は、当該買受勧奨の日が、価格時点から起算して1か月以内である場合は、当該価格時点における評定価格に消費税及び地方消費税の相当額を加えた額によるものとし、1か月を超え6か月以内である場合は、当該価格時点における評定価格を当該買受勧奨の日までの期間に応じて時点修正した価格に消費税及び地方消費税の相当額を加えた額によるものとする。ただし、この場合、当該財産が土地以外のものである場合においては、当該価格時点における評定価格に消費税及び地方消費税の相当額を加えた額によることができる。

特定普通財産に該当する場合であっても、令和5年6月28日付財理第1877号「貸付中の財産の売却促進について」通達を適用し、概算価格による買受勧奨することも可能であることに留意されたい。


別紙様式、別添(PDF:150KB)