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トルクメニスタンとの新租税条約のポイント

1 事業利得に対する課税

 事業利得については、企業が進出先国内に支店等の恒久的施設を設けて事業活動を行っている場合に、その恒久的施設に帰属する利得に対してのみ、進出先国において課税することができること及び恒久的施設に帰属する利得は、本支店間の内部取引を網羅的に認識し、独立企業原則を厳格に適用して計算されることを規定しています。

2 投資所得に対する課税

 投資所得(配当、利子及び使用料)については、以下のとおり、源泉地国(所得が生ずる国)における課税の上限(限度税率)が設けられ、又は課税が免除されることを規定しています。 

 

現行条約

新条約

 配当

15%

免税:持分保有割合25%以上・保有期間6か月以上 (注)
10%:その他

 利子

免税:政府受取等

10%:その他

免税:政府受取、金融機関受取、年金基金受取等

10%:その他

 使用料

免税:著作権

10%:その他

10%


(注)持分は、日本法人支払の場合は議決権、トルクメニスタン法人支払の場合は資本を指します。 

3 相互協議手続及び仲裁制度

 条約の規定に適合しない課税は、両国の税務当局間の協議による合意に基づき解決されることを規定しています。また、両国の税務当局間の協議により2年以内に事案が解決されない場合には、第三者から構成される仲裁委員会の決定に従って解決されることを規定しています。

4 情報交換及び徴収共助

 国際的な脱税及び租税回避に効果的に対処するため、両国間における租税に関する情報交換及び租税債権の徴収に関する相互支援を行うことを規定しています。 

5 条約の特典の濫用防止

 条約の特典の濫用を防止するため、親子会社間の配当に対する免税は適格者等の一定の要件を満たす居住者に限って認められること、また、第三国内に存在する恒久的施設に帰属する所得に対して第三国において課される租税の額が一定の額に満たない場合及び条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと認められる場合については、条約の特典は認められないことを規定しています。