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アゼルバイジャンとの新租税条約のポイント

1 事業利得に対する課税 

事業利得については、企業が進出先国内に支店等の恒久的施設(注)を設けて事業活動を行っている場合に、その恒久的施設に帰属する利得に対してのみ、進出先国において課税することができます。また、恒久的施設に帰属する利得は、本支店間の内部取引を網羅的に認識し、独立企業原則を厳格に適用して計算されます。

(注)企業が使用人等を通じて一定期間を超えて行う役務の提供(いわゆるサービスPE)を含みます。

2 投資所得に対する課税

投資所得(配当、利子及び使用料)については、以下のとおり、源泉地国(所得が生ずる国)における課税の上限(限度税率)が引き下げられ、又は課税が免除されます。

投資所得(配当、利子及び使用料)
現行条約 改正後
配当 15% 7%
利子 免税(政府受取等)
10%(その他)
免税(政府受取等)
7%(その他)
使用料 免税(著作権)
10%(その他)
7%

3 条約の特典の濫用防止

条約の特典の濫用を防止するため、条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと認められる場合及び第三国内に存在する恒久的施設に帰属する一定の所得については、条約の特典は認められません。

4 相互協議手続

条約の規定に適合しない課税は、両国の税務当局間の協議による合意に基づき解決されます。

5 情報交換及び徴収共助

国際的な脱税及び租税回避に効果的に対処するため、両国間における租税に関する情報交換の対象となる租税及び事案が拡大されるとともに、両国間における租税債権の徴収に関する相互支援が導入されます。