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税制メルマガ第148号 2022年3月1日

【税制メルマガ第148号】 
 2022年3月1日

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◆目次
1 はじめに
2 税制をめぐる最近の動き
3 「令和4年度税制改正(案)のポイント」の見どころ
4 若手コラム
5 編集後記

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1 はじめに

 税制メールマガジンをご覧いただいている皆さん、こんにちは。財務省主税局総務課の企画官(広報担当)の和田良隆です。

 第148号の税制メールマガジンをお届けさせていただきます。

 今回は、
・税制をめぐる最近の動き、
・「令和4年度税制改正(案)のポイント」の見どころ、
・若手コラム(外国調査係によるフランスの税制の概要)
などのコンテンツを掲載させていただいております。是非、楽しくご覧になっていただければと思います。

 さて、後ほどのコンテンツで綴らせていただいておりますが、去る2月18日に、「令和4年度税制改正(案)のポイント」というパンフレットを財務省HPで公表させていただきました。

 パンフレットでは、令和4年度税制改正(案)の内容を図表を用いてできるだけ分かり易く網羅的に紹介しています。
 また、今回、例年と異なる取組として、2つのコラムを掲載し、「住宅ローン控除制度の見直し」と「積極的な賃上げ等を促す措置」について、その改正の背景を説明させていただいています。
 これは、改正内容をただ紹介するのではなく、なぜそうした改正が行われるのか、どういった事情背景があるのかについても知っていただくことが有意義だと考えたからです。
 住宅ローン控除制度については、「2050年カーボンニュートラルに向けた対応」と「会計検査院の指摘への対応等」、賃上げ税制については、「平均賃金の国際比較」、「企業の教育訓練費支出額」、「成長と分配の好循環」等に関して紹介しています。
 コラムは、それぞれ、以下のURLのパンフレット内の3ページ、6ページに掲載されています。是非ご覧いただければと存じます。

令和4年度税制改正(案)のポイント(令和4年2月)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian22.html

ポスター もう一つ、最近、どのような広報をすべきか検討する中で、過去の担当者の方が作成した税制に関する啓蒙ポスターを発見し、個人的に大変魅力的なキャッチフレーズだと思いましたので、紹介させていただけたらと思います。

 『私たちは、遊びながら、食べながら、買いながら、笑い、泣き、悩み、見つめ合い、恋をし、「税」を納めている。これからの税のこと、向かい合い、考え、話してみませんか?』

 如何でしょうか。個人的には、多くの人の共感を呼び、より公平で中立な税制のあり方について一人一人が考えるきっかけになったのではないかと思いました。現担当として、皆さんの心に届く広報を実現すべく頑張ろうと意を新たにした次第です。
 キャッチフレーズだけでなく、絵の構図も個人的に見栄えが良いなと思っております。

 今回も本編の前に長々と失礼いたしました。それでは皆さん、今月号の税制メールマガジンをお楽しみ下さい! 

 主税局総務課 企画官 和田良隆
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2 税制をめぐる最近の動き  

掲載日
 内容
2月18日 パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」を掲載しました
2月1日 令和3年度12月末租税及び印紙収入、収入額調

(1)パンフレット「令和4年度税制改正(案)のポイント」を掲載しました
 「令和4年度税制改正の大綱」(令和3年12月24日閣議決定)及び「所得税法等の一部を改正する法律案」(令和4年1月25日閣議決定)の内容を分かりやすくまとめたパンフレットを作成いたしました。
 下記リンクから内容をご覧いただけます。
 https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian22.html

(2)令和3年度12月末租税及び印紙収入、収入額調
  令和3年度12月末の租税及び印紙収入、収入額調を財務省ホームページで公開いたしました。
 下記リンクから内容をご覧いただけます。
 https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/taxes_and_stamp_revenues/202112.pdf


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3 「令和4年度税制改正(案)のポイント」の見どころ 

 財務省主税局では2月18日に「令和4年度税制改正(案)のポイント」をリリースしました。
 税制メールマガジンをご登録いただいている皆さんはすでに財務省HPからご覧いただけましたでしょうか?
 まだご覧になっていない方は、「1.はじめに」でURLが掲載されているので是非ご覧ください! 

 また、こちらのパンフレットについては、国内に限って無料で配布も行っているので、是非下記URLからお申込みください!

  https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/haifu/index.php 

 本号では「令和4年度税制改正(案)のポイント」の作成にあたって工夫した点についてお届けしようと思います。

 まず、財務省主税局では、例年、税制改正についてのパンフレットを2種類作成しています。

 一つは今回リリースした「令和●年度税制改正(案)のポイント」で、我々は「案パンフ」と呼んでいます。
 こちらは、「令和●年度税制改正の大綱」と「所得税法等の一部を改正する法律案」の内容を分かりやすくまとめたもので、法案成立前の内容として、例年1月~2月頃にリリースするものです(そのため、パンフレットをご覧いただければわかるように、各項目の後ろには(案)という文字があると思います)。

 もう一つは「令和●年度税制改正」と呼ばれるパンフレットで、我々は「案取れパンフ」と呼んでおり、こちらは「所得税法等の一部を改正する法律」が成立したタイミングで作成・公表しています。(直近は、「令和3年度税制改正」(令和3年3月26日に公表)のものです。)

 「令和4年度税制改正(案)のポイント」(以下「案パンフ」と呼びます。)で工夫した点は、①色味と表紙、②コラムの掲載です。

 ①色味と表紙について、例年、案パンフは2色刷りで作成しており、昨年は青色、一昨年は赤色でした。
 本年のパンフレット作成にあたっては、温かみのある、目に優しい色味にしたいとの考えから暖色を選び、黄色としています。
 また、表紙についてもこれまで人物が描かれていることが多かった表紙から変更して、鳥が大空を飛んでいるイラストとしました。
 コロナ禍で気軽に出歩くことが難しくなった昨今ですが、いつかこのイラストの鳥のように自由に出歩ける日が来るように、という思いと、
毎年の税制改正についても、我々の居住しているすぐ近くにいる鳥のように、身近なものである、という意味合いを込めています。

 次に②コラムの掲載についてです。これまでのパンフレットをご覧いただければわかるのですが、従来までの構成ですと税制改正の各項目が列挙されています。
 そこで、本年の案パンフについては、メインの改正となる「住宅ローン税制」と「賃上げ促進税制」についての改正の背景もコラムとして掲載することで、より本年の改正について理解していただけるように工夫しています。

 なお、「住宅ローン税制」と「賃上げ促進税制」については、前回、前々回の税制メルマガでも取り上げているので、まだご覧になっていない方はぜひ過去の税制メルマガからご確認いただければ幸いです。
・第147号「住宅ローン税制」 
 URL:https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/mail_magazine/20220201.html

・第146号「賃上げ促進税制」 
 URL:https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/mail_magazine/20211224.html

また、過去のパンフレットについても以下からご覧いただけるので、ご興味があればぜひご覧ください!
・パンフレット「令和3年度税制改正」
 URL:https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei21.html
・パンフレット「令和2年度税制改正」以前
 URL:https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/backnumber.htm

主税局総務課 広報係 柏木

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4 若手コラム 

 読者の皆さん、ボンジュール!主税局調査課外国係です。今回ご紹介するのはフランス!ルーブル美術館、エッフェル塔、パリコレ、マカロンなどでご存じの方も多いのではないでしょうか。私もいつかパリで音楽活動をしていたピアニスト、ショパンゆかりの地を巡ってみたいです!そんなフランスは、実は付加価値税(日本でいう消費税)発祥の国でもあります。フランスで最初に導入されたのは1954年(全面的に導入されたのは1968年)。今から68年前のことです。ここでは、付加価値税がどのような経緯で生まれ、普及していったのかをご紹介していきます!

 付加価値税の源泉と言われているのは1917年に導入された支払税。戦費調達を目的に小売段階で支払額に応じて課税されていました。

 1920年になると支払税に代わり売上高税が導入されました。全ての商品・サービスに各取引段階で課税されたため、取引段階が多いほど税が累積することが課題でした。

 この課題への対応として、1925年に一部の品目について、特定の段階でのみ課税する単一物品税が導入されました。ところが今度は、売上高税と単一物品税の最終税負担を同一にすることが難しく、品目間で不公平が生じてしまいました。なかなか難しいですね・・・。

 1936年に、売上高税と単一物品税に代わって生産税が導入されました。各取引段階で課税する仕組みは変わりませんが、生産者間での原料・部品等取引については優遇する仕組みが設けられたことが大きな特徴です。ところが、機械等の資本財の購入についてはそのような仕組みがなかったため、工場の近代化の障壁となっていたという指摘もあったようです。

 そしてついに1954年、生産税に代わり付加価値税が導入されます。付加価値税は、売上高にかかる税額から仕入れにかかる税額を控除する「前段階税額控除方式」を採用して税の累積を防ぎました。また、資本財についても消費財と区別なく仕入税額控除できるようになり、投資に対して中立的な税になりました。これまでに出てきた課題が改善されていますね。 

 しかし、1954年導入当時は小売業者やサービス業には別の税が課せられており、付加価値税は部分的な導入に留まりました。一方EEC(欧州経済共同体)が域内貿易円滑化の観点から、付加価値税に着目。1967年指令で加盟国に対して付加価値税の導入を促したことも後押しとなり、フランスでは1968年に付加価値税が全面的に導入されました(ちなみに、ドイツでは同年に、イギリスでは1973年に付加価値税が導入されています。)。

 EECの後身であるEC(欧州共同体)、EU(欧州連合)は域内における付加価値税制度の統一を目指し、1992 年には、標準税率を15%以上とすること、軽減税率を5%以上で2種類までとすること等が合意されました(ただし経過措置として、各国において、同水準よりも低い税率が1991年1月1日時点で適用されていた場合、引き続き適用することが認められました)。

 
 今では多くの国で導入されている付加価値税ですが、このように様々な課題を乗り越えようとする先人の試行錯誤の中から生まれました。難しい税制も歴史を紐解くと、その当時の社会情勢や人々の悩みが反映されていることが分かりますね。日本においても、諸外国の税制の動きも踏まえつつ、1989年(平成元年)に消費税が創設されました。近年には国境を越えた役務の提供に係る課税の見直しが行われるなど、時代の変化に合わせて見直されてきました。

 主税局調査課外国係では歴史的な背景も学びながら、調査を進めていきます。それでは、オールヴォワール(またお会いしましょう)! 

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 5 編集後記 

 今月号では若手コラムでフランス税制についてお届けしました。いかがでしたでしょうか。フランスが付加価値税発祥の地なのですね。
 私はフランスには旅行で行ったことがありますが、免税対象額になるような高いものを買わなかったので、付加価値税を払っていたと思うのですが、当時税率については無関心でした。海外旅行に行くと円換算が面倒で、日本にいるときよりは細かい金額を気にしなくなりがちですよね。(もちろん普段は税込みいくらかーというようにちゃんと気にします。)一緒に行った友達は空港で免税手続きをしていましたが、機械で完結していて簡単そうでした。ただの思い出話ですみません。
 早く海外旅行に行けるような日常が戻ってきてほしいですね。

 今月も最後までお付き合いいただきありがとうございます。次回の税制メールマガジンもよろしくお願いいたします。

 主税局総務課 広報係 田中

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