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Ⅰ-3.財政投融資計画の編成と国会への提出

財政投融資計画とは

 財政投融資は、政府による資源配分として重要な機能を持っており、長期にわたる投融資活動は、国民生活に大きな影響を与えると考えられます。
 財政融資、産業投資、政府保証はそれぞれ異なる仕組み、特徴を持っていますが、政府が政策的見地から行う投融資活動という点では共通しており、統一性・一覧性をもったものとして全体を整理する必要があります。
 そのため、「財政融資資金の長期運用に対する特別措置に関する法律」(長期運用法)第5条に基づき、財政融資(期間5年以上)、産業投資(出資及び期間5年以上の貸付け)、政府保証(期間5年以上)のそれぞれの予定額を、財投機関ごとに計上した財政投融資計画が策定されます。

財政投融資計画の編成

 財投機関を所管する官庁は、一般会計などの予算要求と同時に、財投機関の要求を取りまとめ、財務大臣に提出します。その後、予算編成と並行して、財政投融資計画の編成が行われます。各財投機関の要求は、財政制度等審議会の意見聴取も行いながら、財務省理財局によって審査されます。
 要求の審査においては、政策評価や政策コスト分析の手法などを活用し、
 ・ 個々の施策の必要性、重要性(政策的必要性)
 ・ 民間で対応することができないか、また、民業圧迫とならないか(民業補完性
 ・ 供給する資金が確実に返済されるか(償還確実性)
などが精査されます。
 このようにして編成された財政投融資計画は、予算と一体のものとして閣議に提出されます。

国会の審議・議決

 財政投融資計画は、長期運用法に基づき、毎年の通常国会において、特別会計予算と一体のものとして国会に提出されます。
 財政投融資計画の構成要素については、財政融資は特別会計予算総則における長期運用予定額、産業投資は財政投融資特別会計投資勘定における歳出予算額、政府保証は一般会計予算総則における債務保証契約の限度額という形で、それぞれ予算の各所に盛り込まれています。予算が国会の審議・議決を経ることで、財政投融資計画は国会による財政統制の下に置かれることとなります。

財政投融資計画編成の一般的な流れ

財政投融資計画編成の一般的な流れ

(参考)財政制度等審議会財政投融資分科会

 財政制度等審議会は、国の財政全般の在り方を検討する財務大臣の諮問機関であり、同審議会に財政投融資制度、財政投融資計画及び財政融資資金に関する重要事項の調査審議などを所掌する財政投融資分科会が設置され、学識経験等のある委員によって構成されています。
 この財政投融資分科会では、法律に基づき毎年度の「財政融資資金運用計画」、「財政投融資計画」についてあらかじめ意見を述べるとともに、当該年度経過後の7月31日までに「財政融資資金運用報告書」の提出を受けることとなっています。
 また、この他にも、諸外国における財政投融資類似制度の調査結果や政策コスト分析結果、財投機関に対する実地監査結果など、財政投融資制度に関する様々な議題について調査審議がなされています。

 ※財政投融資分科会においてとりまとめられた主な報告書
 ・「財政投融資改革の総点検について(平成16年(2004年))」
 ・「財政投融資改革の総点検フォローアップ(平成17年(2005年))」
 ・「財政投融資を巡る課題と今後の在り方について(平成26年(2014年))」
 ・「今後の産業投資について(令和元年(2019年))」


 ※財政投融資分科会の議事や提出資料など詳しい内容については、以下のリンクからご覧頂けます。

議事要旨・提出資料など

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/index.html

答申・報告書など

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/report/index.html

委員名簿

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/member.htm