令和7年2月19日
財務省
令和6年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
不正薬物の押収量が初の2年連続2トン超え
~大麻・麻薬の摘発件数が過去最高を記録~
財務省は、令和6年の1年間に全国の税関が空港や港湾等において、不正薬物の密輸入その他の関税法違反事件を取り締まった実績をまとめましたのでお知らせします。
1.不正薬物*1等
不正薬物全体の摘発件数は1,020件(前年比24%増)と増加し、押収量*2,3は約2,579kg(同6%減)と減少した。不正薬物全体の押収量は、初めて2年連続で2トンを超え、過去3番目を記録し、極めて深刻な状況となっている。
-
*1覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。
-
*2錠剤型薬物を除く。
-
*3重量等未確定の場合には含まれないものがある。以下、個々の押収量についても同様。
-
●覚醒剤
- 摘発件数は139件(同53%減)、押収量は約1,761kg(同22%減)と共に減少した。
- 押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約5,870万回分、末端価格にして約1,162億円に相当する。
-
●大麻*4
- 摘発件数は390件(同約2.9倍)、押収量は約344kg(同約2倍)と共に増加し、摘発件数は過去最高を記録した。
-
*4大麻には、令和6年12月12日に施行された大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律における、麻薬である大麻及びTHC類製品を含む。THC類製品とは、大麻の有害成分であるTHC類(テトラヒドロカンナビノール類)を含有する液体や菓子類をいう。
-
●麻薬
- 麻薬の摘発件数は322件(同34%増)、押収量は約464kg(同49%増)、錠剤型は約67千錠(同37%増)と共に増加し、摘発件数は過去最高を記録した。
- 麻薬のうち、コカインの摘発件数は54件(同24%減)と減少し、押収量は約260kg(同約2.1倍)と増加した。
-
●指定薬物
- 指定薬物の摘発件数は163件(同14%増)と増加し、押収量は約10kg(同22%減)と減少した。
-
●銃砲等
- 銃砲の摘発件数は26件(同26倍)、押収丁数は27丁(同27倍)と、共に増加した。
- 拳銃部品の摘発件数は1件、押収量は1点と、前年と比較して増減なしであった。
2.金地金*5
金地金の摘発件数は493件(同約2.3倍)、押収量は約1,218kg(同約4倍)と共に増加した。
-
*5金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。
3.知的財産侵害物品等
-
●商標権を侵害する衣類等の密輸入事件等の知的財産侵害物品の密輸入事件を10件告発した。
-
●ツルサイカチ属に該当する木材等のワシントン条約該当物品の密輸入事件、盗難車やロシア向け水上バイク等の不正輸出事件、偽造有価証券の密輸入事件等を告発した。