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【独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書】第6章/財政制度等審議会

第6章 独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準

第1節 基本的な考え方


通則法第39条に定める独立行政法人に対する会計監査人の監査は、法人が作成した財務諸表等の信頼性を担保するための制度であり、その規範となる監査の基準は、財務諸表の作成規範である会計基準とともに、適正なディスクロージャーを確保するための重要な社会基盤である。また、通則法第39条に定める会計監査人の監査は、公共的な事務・事業を行う機関に対する法定監査として初めて導入されるものである。これらの諸点を勘案するならば、監査の基準の必要性が強く認識されなければならない。
監査の基準の作成に当たっては、監査実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを帰納要約すべきと考えるが、公会計監査に関する蓄積の乏しい現状においては、今回の監査の基準の作成に関して独立行政法人を始めとする公的部門の監査実務に依拠することは現実的ではない。そこで、会計監査に係る蓄積が豊富な企業会計の監査基準を参考に、独立行政法人の公共的性格を勘案して、演繹的に独立行政法人の監査基準を策定することが適切であるという認識に立つものである。
独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準は、会計監査人が、通則法第39条に定める監査を行うに当たって、法令によって強制されなくても、常に遵守すべき性格のものである。また、ここに定める監査の基準は、一般的かつ標準的な監査の基準を示すものであり、ここに定められていない事項については、一般に公正妥当と認められる監査の基準に従わなければならない。このような準拠すべき監査の基準については、会計監査人が独立行政法人との間で会計監査契約を締結するに際して、当該契約に盛り込まれることが望ましい。
独立行政法人の監査に関する実務が蓄積されるとともに、公的部門における監査理論がより一層進展することが想定される。この観点から、監査の基準は、今後とも充実と改善を図る必要があり、今後関係者が協議の上で適切に対処することが必要と考える。

第2節 監査の目的



通則法第39条に定める会計監査人の監査の目的は、独立行政法人が通則法並びに独立行政法人会計基準及び同注解に基づき作成した財務諸表等が、独立行政法人の財政状態、運営状況等財務運営の状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、会計監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。



財務諸表等の表示が適正である旨の会計監査人の意見は、財務諸表等には、全体として重要な虚偽の表示がないということ及び財務諸表等の作成に際し重要な影響を与える法令に準拠していることについて、合理的な保証を得たとの会計監査人の判断を含んでいる。


第3節 一般基準



通則法第39条に定める会計監査人の監査は、監査人として適切な専門能力と実務経験を有し、かつ、当該独立行政法人に対して独立の立場にある者によって行われなければならない。



会計監査人は、職業的専門家として、その専門能力の向上と実務経験等から得られる知識の蓄積に常に努めなければならない。



会計監査人は、監査を行うに当たって、常に公正不偏の態度を保持し、独立の立場を損なう利害や独立の立場に疑いを招く外観を有してはならない。



会計監査人は、職業的専門家としての正当な注意を払い、懐疑心を保持して監査を行わなければならない。



会計監査人の監査とは、独立行政法人が作成した財務諸表等の表示の適正性等に関する監査であるが、財務諸表等の作成に際し重要な影響を与える法令に準拠しているかどうかの観点を含むものとする。



会計監査人は、監査手続の実施過程において、独立行政法人の非効率的な取引等の発見に努めなければならない。



会計監査人は、監査計画及びこれに基づき実施した監査の内容並びに判断の過程及び結果を記録した、監査調書を作成しなければならない。監査調書は、会計監査人が職業的専門家としての正当な注意を払って監査を実施し、監査報告書を作成したことを立証するための資料となる。したがって、監査調書は、完全性、秩序性、明瞭性、正確性及び経済性の諸要件を具備しなければならない。
会計監査人は、監査終了後も相当の期間監査調書を整理保存し、被監査独立行政法人の許可なくして、その全部又は一部を他人に示してはならない。



会計監査人は、監査を行うに当たって、指揮命令の系統及び職務の分担を明らかにし、当該監査に従事する補助者に対して適切な指示、指導及び監督を行わなければならない。また、会計監査人は、自らの組織としても、すべての監査がこの監査基準及び一般に公正妥当と認められる企業会計の監査の基準に準拠して適切に実施されるために必要な管理の方針と手続きを定め、これらに従って監査が実施されていることを確かめなければならない。



会計監査人は、業務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏らし、又は窃用してはならない。



0 会計監査人は、被監査独立行政法人の公共的性格を十分に認識し、適切な監査を行わなければならない。


第4節 実施基準

第1 基本原則



会計監査人の監査は、通則法第39条に定めるとおり、財務諸表等を対象とするものである。



会計監査人は、監査リスクを合理的に低い水準に抑えるために、固有リスクと統制リスクを暫定的に評価して発見リスクの水準を決定するとともに、監査上の重要性を勘案して監査計画を策定し、これに基づき監査を実施しなければならない。



会計監査人は、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得るために、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性及び表示の妥当性等の監査要点に適合した十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。



会計監査人は、十分かつ適切な監査証拠を入手するに当たっては、原則として、試査に基づき、統制リスクを評価するために行う統制評価手続及び監査要点の直接的な立証のために行う実証手続を実施しなければならない。



会計監査人は、職業的専門家としての懐疑心をもって、不正及び誤謬並びに違法行為により財務諸表に重要な虚偽の表示がもたらされる可能性に関して評価を行い、その結果を監査計画に反映し、これに基づき監査を実施しなければならない。


第2 監査計画の策定



会計監査人は、監査を効果的かつ効率的に実施するために、監査リスクと監査上の重要性を勘案して監査計画を策定しなければならない。



会計監査人は、監査計画の策定に当たり、独立行政法人の業務の範囲、長期借入金の可否及びその手続、区分経理の要否等独立行政法人の会計処理と関連を有する独立行政法人設立根拠法等の法令の規定に関する情報、独立行政法人の中期目標、中期計画及び年度計画等の計画に関する情報並びに独立行政法人の組織、人的構成、情報技術の利用状況その他独立行政法人の業務運営に関わる情報を入手して、固有リスクと統制リスクを暫定的に評価しなければならない。



会計監査人は、独立行政法人の内部統制の状況を把握して統制リスクを暫定的に評価し、財務諸表項目自体が有する固有リスクも勘案した上で、統制評価手続に係る監査計画並びに発見リスクの水準に応じた実証手続に係る監査計画を策定し、実施すべき監査手続、実施の時期及び範囲を決定しなければならない。



会計監査人は、独立行政法人が利用する情報技術が監査に及ぼす影響を検討し、その利用状況に適合した監査計画を策定しなければならない。



会計監査人は、監査計画の前提として把握した事象や状況が変化した場合、あるいは監査の実施過程で新たな事実を発見した場合には、適宜、監査計画を修正しなければならない。


第3 監査の実施



会計監査人は、統制評価手続を実施した結果、暫定的に評価した統制リスクの水準を変更する必要がないと判断した場合には、監査計画において策定した実証手続を実施し、統制リスクの水準が暫定的な評価よりも高いと判断した場合には、発見リスクを低くするために、監査計画において策定した実証手続を修正することにより十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。



会計監査人は、ある特定の監査要点について、内部統制が存在しないか、あるいは統制リスクが高いと判断した場合は、統制評価手続を実施せず、実証手続により十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。



会計監査人は、会計上の見積りの合理性を判断するために、独立行政法人の長が行った見積りの方法の評価、その見積りと会計監査人の行った見積りや実績との比較等により、十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。



会計監査人は、監査の実施において不正若しくは誤謬又は違法行為を発見した場合には、独立行政法人の長等に報告して適切な対応を求めるとともに、適宜、監査手続を追加して十分かつ適切な監査証拠を入手し、当該不正等が財務諸表等に与える影響を評価しなければならない。



会計監査人は、職業的専門家としての正当な注意を払い、財務諸表等に重要な影響を与える法令に準拠しているかどうかを検討しなければならない。



会計監査人は、監査の実施過程において非効率的な取引等を発見した場合には、独立行政法人の長等に報告して適切な対応を求めなければならない。
また、会計監査人は、監査の実施に当たっては、会計の専門家としての専門能力と実務経験から得られた知識を十分に活用し、独立行政法人の非効率的な取引等の発見に努めなければならない。



会計監査人は、独立行政法人の長による確認書を入手しなければならない。
確認書には少なくとも次に掲げる事項が記載されなければならない。

 


(1)


財務諸表等の作成責任は独立行政法人の長にある旨

 


(2)


財務諸表等は独立行政法人会計基準及び同注解並びに一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して適正に作成している旨

 


(3)


財務諸表等及びその作成の基礎となる会計記録に適切に記録していない重要な取引はない旨

 


(4)


財務諸表等に重要な影響を与える不正及び違法行為はない旨

 


(5)


適正な財務諸表等を作成するため、及び財務諸表等に重要な影響を与える法令に準拠していることを確保するため、有効な内部統制を確立し、維持する責任は独立行政法人の長にある旨

 


(6)


監査の実施に必要なすべての資料は会計監査人に提供した旨

 


(7)


重要な偶発事象及び後発事象



連結附属明細書のうち、関連公益法人等の計算書類及び事業報告書等に基づき記載している部分は会計監査人の監査の対象とはしない。


第4 他の会計監査人等の利用



会計監査人は、他の会計監査人によって行われた監査の結果を利用する場合には、当該他の会計監査人によって監査された財務諸表の重要性及び他の会計監査人の信頼性の程度を勘案して、他の会計監査人の実施した監査が適切であるかを評価し、他の会計監査人の実施した監査の結果を利用する程度及び方法を決定しなければならない。



会計監査人は、連結財務諸表監査において、独立行政法人の特定関連会社又は関連会社の財務諸表が他の会計監査人による監査が行われているときは、上記1と同様の手続により、当該他の会計監査人の実施した監査の結果を利用する程度及び方法を決定し、可能な範囲で当該他の会計監査人の監査の結果を利用するものとする。



会計監査人は、専門家の業務を利用する場合には、専門家としての能力及びその業務の客観性を評価し、その業務の結果が監査証拠として十分かつ適切であるかどうかを検討しなければならない。



会計監査人は、独立行政法人の内部監査の目的及び手続が会計監査人の監査の目的に適合するかどうか、内部監査の方法及び結果が信頼できるかどうかを評価した上で、内部監査の結果を利用できると判断した場合には、財務諸表等の項目に与える影響等を勘案して、その利用の程度を決定しなければならない。


第5節 報告基準

第1 基本原則



会計監査人は、独立行政法人が作成した財務諸表等に対して、次に掲げる事項について意見を表明した監査報告書を作成しなければならない。

 


(1)


財務諸表が独立行政法人の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況及び行政サービス実施コストの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうか

 


(2)


事業報告書が独立行政法人の業務運営の状況を正しく示しているかどうか

 


(3)


決算報告書が独立行政法人の長による予算の区分に従って決算の状況を正しく示しているかどうか



財務諸表等に対する意見表明には、財務諸表等に重要な影響を与える不正及び誤謬並びに違法行為がないかどうかについての意見表明を含むものでなければならない。



会計監査人は上記の監査報告書のうち、財務諸表及び決算報告書に係る部分と同一のものを通則法第38条第2項に定める財務諸表及び決算報告書に関する意見として提出しなければならない。



会計監査人は、監査手続の実施過程において発見した、独立行政法人の非効率的な取引等(軽微なものを除く。)について、1非効率的な取引等の概要、2非効率的な取引等の金額、3非効率的な取引等と判断した理由を明かにした書類を、独立行政法人の長を経由して主務大臣に提出しなければならない。



会計監査人は、財務諸表が独立行政法人の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況及び行政サービス実施コストの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかの判断に当たっては、独立行政法人の長が採用した会計方針が、独立行政法人会計基準及び同注解並びに一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうかのみならず、その選択及び適用方法が会計事象や取引を適切に反映するものであるかどうか並びに財務諸表の表示方法が適切であるかどうかについても評価しなければならない。



会計監査人は、監査意見の表明に当たっては、監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得なければならない。



法律の要請により区分して経理し、区分した経理単位ごとに財務諸表の作成が要請されている独立行政法人の財務諸表に対する監査意見は、勘定別財務諸表及び法人単位財務諸表の全ての財務諸表を監査した結果としての監査意見を表明しなければならない。



会計監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得られないときは、意見を表明してはならない。



会計監査人は、意見の表明に先立ち、自らの意見が独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準及び一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に形成されていることを確かめるため、意見表明に関する審査を受けなければならない。


第2 監査報告書の記載区分



会計監査人は、監査報告書において、監査の対象、実施した監査の概要及び財務諸表等に対する意見を明瞭かつ簡潔に記載しなければならない。ただし、意見を表明しない場合には、その旨を監査報告書に記載しなければならない。



会計監査人は、財務諸表等の表示が適正であると判断し、その判断に関して説明を付す必要がある事項及び財務諸表等の記載について強調する必要がある事項を監査報告書において情報として追記する場合には、意見の表明とは明確に区別しなければならない。



会計監査人は、連結財務諸表に係る監査報告書を個別財務諸表等に係る監査報告書とは別に作成しなければならない。


第3 無限定適正意見の記載事項



会計監査人は、独立行政法人の作成した財務諸表等が、次に掲げる事項の全てにおいて適正に表示していると認められ、かつ、財務諸表等に重要な影響を与える不正及び誤謬並びに違法行為がないと判断したときは、その旨の意見(この場合の意見を「無限定適正意見」という。)を表明しなければならない。

 


(1)


財務諸表が独立行政法人の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況及び行政サービス実施コストの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうか

 


(2)


事業報告書が独立行政法人の業務運営の状況を正しく示しているかどうか

 


(3)


決算報告書が独立行政法人の長による予算の区分に従って決算の状況を正しく示しているかどうか



会計監査人は、無限定適正意見を表明する場合には、監査報告書に次の記載を行うものとする。

 


(1)


監査の対象
監査対象として財務諸表等の範囲、財務諸表等の作成責任は独立行政法人の長にあること、会計監査人の責任は独立の立場から財務諸表等に対する意見を表明することにあること

 


(2)


実施した監査の概要
独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準及び一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠して監査を行ったこと、監査の基準は会計監査人に財務諸表等に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めていること、監査は試査を基礎として行われていること、監査は独立行政法人の長が採用した会計方針及びその適用方法並びに独立行政法人の長によって行われた見積りの評価も含め全体としての財務諸表等の表示を検討していること、財務諸表等の重要な虚偽の表示をもたらす違法行為の有無について検討していること、監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たこと

 


(3)


財務諸表等に対する監査結果

  


(ア)


財務諸表(利益の処分に関する書類(案)を除く。)が独立行政法人会計基準及び同注解並びに一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して、独立行政法人の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況及び行政サービス実施コストの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められること

  


(イ)


利益の処分に関する書類(案)が法令に適合していると認められること

  


(ウ)


事業報告書が独立行政法人の業務運営の状況を正しく示していると認められること

  


(エ)


決算報告書が独立行政法人による予算の区分に従って決算の状況を正しく示していると認められること

  


(オ)


財務諸表等に重要な影響を与える不正及び誤謬並びに違法行為がないと認められること


第4 意見に関する除外



会計監査人は、独立行政法人が採用した会計方針の選択及びその適用方法、財務諸表等の表示方法に関して不適切なものがあり、無限定適正意見を表明することができない場合において、その影響が財務諸表等を全体として虚偽の表示に当たるとするほどには重要でないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、財務諸表等に対する意見において、除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響を記載しなければならない。



会計監査人は、独立行政法人が採用した会計方針の選択及びその適用方法、財務諸表等の表示方法に関して著しく不適切なものがあり、財務諸表等が全体として虚偽の表示に当たると判断した場合、又は財務諸表等に重要な影響を与える不正及び誤謬並びに違法行為があると判断した場合には、財務諸表等に対する意見において、財務諸表等が不適正である旨及びその理由を記載しなければならない。


第5 監査範囲の制約



会計監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、無限定適正意見を表明することができない場合において、その影響が財務諸表等に対する意見表明ができないほどには重要でないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、実施した監査の概要において実施できなかった監査手続を記載し、財務諸表等に対する意見において当該事実が影響する事項を記載しなければならない。



会計監査人は、重要な監査手続を実施できなかったことにより、財務諸表等に対する意見表明のための合理的な基礎を得ることができなかったときには、意見を表明してはならない。この場合には、財務諸表等に対する意見を表明しない旨及びその理由を記載しなければならない。



会計監査人は、他の会計監査人が実施した監査の重要な事項について、その監査の結果を利用できないと判断したときに、さらに当該事項について、重要な監査手続を追加して実施できなかった場合には、重要な監査手続を実施できなかった場合に準じて意見の表明の適否を判断しなければならない。



会計監査人は、将来の帰結が予測し得ない事象又は状況について、財務諸表等に与える当該事象又は状況の影響が複合的かつ多岐にわたる場合には、重要な監査手続を実施できなかった場合に準じて意見の表明ができるか否かを慎重に判断しなければならない。


第6 追記情報

 


会計監査人は、次に掲げる事項その他説明又は強調することが適当と判断した事項は、監査報告書に情報として追記するものとする。

 


(1)


正当な理由による会計方針の変更


(2)


重要な偶発事象


(3)


重要な後発事象


(4)


監査した財務諸表を含む開示書類における当該財務諸表の表示とその他の記載内容との重要な相違


第7 参考資料

 


会計監査人は、監査の内容等を分かりやすい形で適切に情報開示するため、1監査責任者又は関与社員以外の監査従事者の資格及び氏名、2監査責任者、監査法人又は関与社員の異動状況、3監査の実施状況(事業場等別、資格等区分別監査時間数)、4監査報酬、5専門家又は他の会計監査人の業務の利用に関する事項等の事項を、監査報告書の参考資料として提出しなければならない。