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「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」3/6


第5章 貸借対照表



48 表示区分

 貸借対照表は、資産の部、負債の部及び資本の部の三区分に分かち、更に資産の部を流動資産及び固定資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。



49 資産、負債及び資本の記載の基準

 資産、負債及び資本は、適切な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。



50 総額主義の原則

 資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。



51 資産と負債・資本の均衡

 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。



52 配列

 資産及び負債の項目の配列は、この基準に定めるもののほか、流動性配列法によるものとする。



53 貸借対照表科目の分類

 資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。

 資産は、流動資産に属する資産及び固定資産に属する資産に分類しなければならない。

 負債は、流動負債に属する負債及び固定負債に属する負債に分類しなければならない。

 資本は、資本金に属するもの、資本剰余金に属するもの及び利益剰余金に属するものに分類しなければならない。



54 資産の表示項目

 流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 現金及び預金

 

(2

) 有価証券

 

(3

) 受取手形

 

(4

) 売掛金

 

(5

) たな卸資産(「第9流動資産」(5)から(10)までに掲げる資産をいう。以下同じ。)

 

(6

) 前渡金

 

(7

) 前払費用

 

(8

) 未収収益

 

(9

) 繰延税金資産

 

(1

0) その他

 有形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 建物(その附属設備を含む。以下同じ。)

 

(2

) 構築物

 

(3

) 機械及び装置(その附属設備を含む。以下同じ。)

 

(4

) 船舶(水上運搬具を含む。以下同じ。)

 

(5

) 車両その他の陸上運搬具

 

(6

) 工具、器具及び備品

 

(7

) 土地

 

(8

) 建設仮勘定

 

(9

) その他

 無形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 特許権

 

(2

) 借地権(地上権を含む。)

 

(3

) 商標権

 

(4

) 実用新案権

 

(5

) 意匠権

 

(6

) 鉱業権

 

(7

) 漁業権

 

(8

) ソフトウェア

 

(9

) その他

 投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 投資有価証券(関係会社株式及びその他の関係会社有価証券を除く。)

 

(2

) 関係会社株式

 

(3

) その他の関係会社有価証券

 

(4

) 長期貸付金(役員、職員及び関係法人に対する長期貸付金を除く。)

 

(5

) 役員、職員及び関係法人に対する長期貸付金

 

(6

) 破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権

 

(7

) 長期前払費用(債券発行差金を除く。)

 

(8

) 債券発行差金

 

(9

) 繰延税金資産

 

(1

0) 未収財源措置予定額

 

(1

1) その他

 「第89 信用の供与を主たる業務としている独立行政法人における債務保証の会計処理」により計上される保証債務見返は、固定資産の次に別の区分を設け、保証債務見返の科目をもって表示しなければならない。



55 減価償却累計額の表示方法

 有形固定資産に対する減価償却累計額は、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注42)

 無形固定資産については、減価償却累計額を控除した未償却残高を記載する。

 



注42> 減価償却累計額について
 減価償却累計額には、各年度の損益計算書に計上された減価償却費の累計額だけでなく、損益外減価償却相当額の累計額が含まれる。



56 負債の表示項目

 流動負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 運営費交付金債務

 

(2

) 預り施設費

 

(3

) 預り補助金等

 

(4

) 預り寄附金

 

(5

) 短期借入金

 

(6

) 買掛金

 

(7

) 未払金

 

(8

) 未払費用

 

(9

) 未払法人税等

 

(1

0) 繰延税金負債

 

(1

1) 前受金

 

(1

2) 預り金

 

(1

3) 前受収益

 

(1

4) 引当金

 

(1

5) その他

 固定負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

 

(1

) 資産見返負債

 

(2

) 長期預り補助金等

 

(3

) 長期預り寄附金

 

(4

) (何)債券

 

(5

) 長期借入金

 

(6

) 繰延税金負債

 

(7

) 引当金

 

(8

) その他

 「第88 法令に基づく引当金等」により計上される法令に基づく引当金等及び「第89 信用の供与を主たる業務としている独立行政法人における債務保証の会計処理」により計上される保証債務は、固定負債の次に、それぞれ別の区分を設けて記載しなければならない。なお、法令に基づく引当金等は当該引当金等を示す適切な名称を付した科目をもって表示し、保証債務については当該区分に債務保証の金額を記載しなければならない。



57 資本の表示項目

 資本金は、政府出資金、地方公共団体及びそれ以外の者からの出資金(出資者等により適切な名称を付することを要する。)とに区分して表示しなければならない。

 資本剰余金は、資本剰余金の総額を表示するとともに、「第86 特定の償却資産の減価に係る会計処理」を行うこととされた償却資産の損益外減価償却相当額の累計額を損益外減価償却累計額として控除して表示しなければならない。(注43)

 利益剰余金は、通則法第44条第1項に基づく積立金(以下「積立金」という。)、個別法において定められている場合における前中期目標期間繰越積立金、通則法第44条第3項により中期計画で定める使途に充てるために、使途ごとに適切な名称を付した積立金(以下「目的積立金」という。)及び当期未処分利益に区分して表示する。なお、当期未処分利益の内訳として、当期総利益を表示するものとする。

 その他有価証券の評価差額は、利益剰余金の次に別に区分を設け、その他有価証券評価差額金の科目により表示しなければならない。

 



注43> 資本剰余金に含まれる民間出えん金の表示方法
 資本剰余金として民間出えん金を計上する場合は、民間出えん金の科目により、他の資本剰余金と区分して表示しなければならない。



58 貸借対照表の様式
 貸借対照表の標準的な様式は、次のとおりとする。

 

第58 貸借対照表を表す図

 

 


第58 貸借対照表を表す図

 


第58 貸借対照表を表す図

 



第58 貸借対照表を表す図