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国家公務員宿舎の設置及び維持整備に関するコスト比較について

令和4年3月22日
財理第1164


改正令和6年3月27日財理第938号

財務省理財局長から各財務(支)局長、沖縄総合事務局長宛

令和4年3月22日付財理第1163号「国家公務員宿舎の市町村ごとの需要と供給の状況に応じた対応等について」通達(以下「宿舎の需給通達」という。)及び昭和44年2月24日付蔵理第643号「合同宿舎の維持整備について」通達(以下「維持整備通達」という。)に規定するコスト比較の方法について、下記のとおり定めたので、通知する。

目次

第1基本的な考え方

第2コスト比較の実施について

第3コストの算出方法

コスト比較の前提となる基本的事項の確認

借受に係るコストの算出

建設に係るコストの算出

建替に係るコストの算出

模様替に係るコストの算出

維持管理に係るコストの算出

第4コスト比較の結果の作成

第5電子ファイルによる書面等の作成

第6本省承認

第1基本的な考え方

国家公務員宿舎を建設する場合又は多額の改修費用を伴う模様替(維持整備通達記第3-4-(1)-②に規定するリノベーションをいう。以下同じ。)を実施する場合などには、それぞれ借受の方法により宿舎を確保する場合とのコスト比較を行い経済合理性を検証した上で対応方針を定めるものとする。

具体的には、建設、建替又は模様替については、コスト比較計算期間における各期の純収益を現在価値に割り引き、割引現在価値の合計を算出し、維持管理については、コスト比較計算期間における費用を算出し、それぞれ借受とのコスト比較を行うものとする。

なお、コスト比較の結果、借受が優位となる場合において、必要戸数(宿舎の需給通達別添に規定する戸数をいう。以下同じ。)分の民間賃貸住宅を確保することが困難な場合は、理財局と協議の上、対応方針を定めるものとする。

第2コスト比較の実施について

財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)は、宿舎の需給通達及び維持整備通達に基づき、それぞれ次に掲げる場合におけるコスト比較を行うものとする。

宿舎の需給通達通達記第4-1-(1)に基づき、すう勢的に宿舎の必要戸数が設置戸数を上回り、需要過多となっている市町村において、宿舎の建設を検討する場合における借受と建設のコスト比較

維持整備通達通達記第3-3-(2)に基づき、長期使用を否と判定した場合等における借受と建替のコスト比較

維持整備通達通達記第3-4-(3)に基づき、長期使用の可否判定において、同通達別紙1の3-(2)-ロ「構造躯体に係る改修工事の必要性がある場合(下記ハの場合を除く。)」に該当する宿舎で、同通達記第3-4-(1)-②の模様替を実施する場合における借受と模様替のコスト比較

維持整備通達通達記第4-2-(2)に基づき、改修予算配分の優先順位が低い宿舎について、他の宿舎への集約化を検討した結果、集約化が直ちにできない場合における借受と維持管理のコスト比較

第3コストの算出方法

財務局長等は、上記第2-①、②及び③のコスト比較における借受、建設、建替及び模様替に係るコストについては、コスト比較計算期間における各期の純収益を割引率により現在価値に割り引き、割引現在価値を合計して算出するものとする。算出に用いる割引率は、財政投融資対象事業に関する政策コスト分析で用いられている割引率(国債流通利回りのスポット・レート)を適用するものとする。

また、上記第2-④のコスト比較における借受及び維持管理に係るコストについては、コスト比較計算期間における費用を算出するものとする。

下記1から6までに定める算出方法により難い場合は、コスト比較を行う宿舎の実情に応じ、必要なコストを算出するものとする。

コスト比較計算期間は、上記第2-①及び②は建設期間(敷地調査、設計等の建設関連業務に係る期間を含む。)及び建設後47年間の合計期間、③は20年間、④は1年間とする。

コスト比較の前提となる基本的事項の確認

(1)基本情報及びコスト関係情報の入力

様式2「入力表」(注1)に、維持管理機関名、建設等を予定する財産の施設概要等の基本情報とコスト関係の情報を入力する。

(注1)上記第2-①は様式2-1、②は様式2-2、③は様式2-3により作成するものとする(④は作成不要)。

(2)借受宿舎の事例収集等

借受については、不動産情報サイト等から幅広く事例を収集するものとし、別紙1の②のとおり、各宿舎の規格(国家公務員宿舎法施行規則(昭和34年大蔵省令第10号)第6条第2項に規定する規格をいう。以下同じ。)に照らし、相当する賃貸面積、間取り、機能等を有し、かつ、別紙1の①に定める設定エリアに位置する民間賃貸住宅の事例を調査し、様式3「民間賃貸住宅調査入力表」を作成する。

なお、不動産情報サイト等から設定エリア付近の賃料相場に係る情報が取得可能な場合は、別紙1の③に定める方法でこれに代えることができるものとする。

借受に係るコストの算出

(1)上記第2-①から③関係

コスト比較計算期間における各期の純収益は、別表第1の左欄に掲げる項目について同表の右欄に掲げる方法により算出し、コスト比較計算期間に係る収益の総額と費用の総額の差により、コスト比較計算期間における純収益を算出するものとする。

コスト比較計算期間における純収益の算出に当たっては、様式2「入力表」(上記1-(1)の(注1)参照)及び様式3「民間賃貸住宅調査入力表」に基づき、様式4「計算表(借受)」(注2)を作成するものとする。

(注2)上記第2-①は様式4-1、②は様式4-3、③は様式4-5により作成するものとする。

(2)上記第2-④関係

コスト比較計算期間における費用は、別表第4の左欄に掲げる項目について同表の右欄に掲げる方法により算出するものとする。

建設に係るコストの算出(上記第2-①関係)

コスト比較計算期間における各期の純収益は、別表第2の左欄に掲げる項目について同表の右欄に掲げる方法により算出し、コスト比較計算期間に係る収益の総額と費用の総額の差により、コスト比較計算期間における純収益を算出するものとする。

コスト比較計算期間における純収益の算出に当たっては、様式2-1「入力表」に基づき、様式4-2「計算表(建設)」を作成するものとする。

建替に係るコストの算出(上記第2-②関係)

コスト比較計算期間における各期の純収益は、上記3と同様の方法により算出するものとする。

コスト比較計算期間における純収益の算出に当たっては、様式2-2「入力表」に基づき、様式4-4「計算表(建替)」を作成するものとする。

模様替に係るコストの算出(上記第2-③関係)

コスト比較計算期間における各期の純収益は、別表第3の左欄に掲げる項目について、同表の右欄に掲げる方法により算出し、コスト比較計算期間に係る収益の総額と費用の総額の差により、コスト比較計算期間における純収益を算出するものとする。

コスト比較計算期間における純収益の算出に当たっては、様式2-3「入力表」に基づき、様式4-6「計算表(模様替)」を作成するものとする。

維持管理に係るコストの算出(上記第2-④関係)

コスト比較計算期間における費用は、別表第5の左欄に掲げる項目を同表の右欄に掲げる方法により算出するものとする。

第4コスト比較の結果の作成

財務局長等は、上記第2のコスト比較については、上記第3によりそれぞれのコストを算出した後、様式1「コスト比較計算結果」(注3)を作成し、その結果を判定するものとする。

(注3)上記第2-①は様式1-1、②は様式1-2、③は様式1-3、④は様式1-4により、作成するものとする。

第5電子ファイルによる書面等の作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

第6本省承認

本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、理財局長の承認を得て処理することができるものとする。

別紙1~様式4-6(PDF:518KB)