令和元年9月20日 |
改正令和 3 年3月19日同第951号
同 3 年4月23日同第951-1号
財務省理財局長から各省各庁国有財産総括部局長宛
中央官衙地区及びその周辺においては、様々な行政需要から、国設の既存庁舎のみでは、各省各庁の庁舎需要に対応できず、多数の官署が、民間施設を借受けている状況が続いている。
一方で、都市部では、近年、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を目的に、様々な地域において、市街地再開発事業等の手法による市街地整備が進められており、宿舎跡地等の未利用国有地が市街地再開発事業に取り込まれた結果、国が再開発建物の一部(権利床)を取得する事例も出てきている。
こうした中、「今後の国有財産の管理処分のあり方について―国有財産の最適利用に向けて―」(令和元年6月 14 日財政制度等審議会(以下「財制審」という。)答申)において、「中央官衙地区及びその周辺をはじめとして庁舎が不足している地域において一定規模の権利床の取得が見込まれる場合には、庁舎需要や経済合理性等を勘案した上で、新たに取得する権利床を庁舎として活用すべきである」旨の答申を受けたところである。
これらを踏まえ、国有財産の最適利用を図り、かつ庁舎の安定的な確保を行う観点から、市街地再開発事業等に伴い国が取得する権利床を庁舎として活用する場合の取扱いを定め、財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長(以下「財務局長等」という。)に対して、別添のとおり通知したところである。
ついては、権利床を庁舎として活用するにあたり入居官署の選定等について所要の調整を図る必要があるため、その取扱いを下記のとおり定めたので通知する。
記
第1市街地再開発事業等に係る情報把握
各省各庁の国有財産部局等の長(以下「部局長」という。)は、所管する国有財産が所在する地域における市街地再開発事業等の実施に向けた研究会、準備会等の発足などの情報を把握した場合には、速やかに別紙様式1により当該地域を管轄する財務局長等あて報告するものとする。
第2入居官署の選定案作成への対応
部局長は、財務局長等が実施する入居意向調査や入居官署の選定案作成のためのヒアリング等に適切に対応するものとする。
第3入居に係る調整
再開発建物の入居官署に選定された官署の国有財産部局等の長(以下「入居官署部局長」という。)は、再開発建物竣工後、速やかに入居できるよう、関係機関と調整の上、入居に向けた手続を行うものとする。
第4変更を求めるべき事由が生じた場合の対応
入居官署部局長は、再開発建物への入居に関して変更を求めるべき事由が生じたときは、速やかにその内容及び理由を明らかにした書面により、財務局長等あて報告し、必要な指示を受けるものとする。
(注)入居官署の変更は、財制審に報告の上行うものであることに留意するものとする。
第5再開発建物への入居完了の報告
入居官署部局長は、再開発建物へ入居したときは、速やかにその結果を別紙様式2により財務局長等あて提出するものとする。
第6書面等の作成・報告等の方法
1電子ファイルによる作成
本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。
2電子メール等による報告等
(1)本通達に基づく報告等の手続については、電子メール等の方法により行うことができる。
(2)上記(1)の方法により報告等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。
別紙様式1(PDF:74KB)
別紙様式2(PDF:48KB)
別 添
市街地再開発事業等に伴い取得する権利床を庁舎として活用する場合等の取扱いについて
令和元年9月20日 |
改正令和 3 年3月19日同第951号
同 3 年4月23日同第951-1号
財務省理財局長から各財務(支)局長宛
中央官衙地区及びその周辺においては、様々な行政需要から、国設の既存庁舎のみでは、各省各庁の庁舎需要に対応できず、多数の官署が、民間施設を借受けている状況が続いている。
一方で、都市部では、近年、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を目的に、様々な地域において、市街地再開発事業等の手法による市街地整備が進められており、宿舎跡地等の未利用国有地が市街地再開発事業に取り込まれた結果、国が再開発建物の一部(権利床)を取得する事例も出てきている。
こうした中、「今後の国有財産の管理処分のあり方について―国有財産の最適利用に向けて―」(令和元年6月 14 日財政制度等審議会(以下「財制審」という。)答申)において、「中央官衙地区及びその周辺をはじめとして庁舎が不足している地域において一定規模の権利床の取得が見込まれる場合には、庁舎需要や経済合理性等を勘案した上で、新たに取得する権利床を庁舎として活用すべきである」旨の答申を受けたところである。
これらを踏まえ、国有財産の最適利用を図り、かつ庁舎の安定的な確保を行う観点から、市街地再開発事業等に伴い国が取得する権利床を庁舎として活用する場合の取扱いについて、下記のとおり定めたので、通知する。
記
目次
第1基本方針
第2用語の定義
第3対象財産
第4権利床取得の検討
1市街地再開発事業等の情報把握
2地方整備局長等への情報提供
3権利床取得の要否に関する検討
第5権利床の庁舎としての活用
1権利変換計画に係る同意の手続
2権利床の庁舎としての活用の決定
3入居意向調査の実施
4財務局案の作成
第6入居官署の選定等
1入居官署の選定
2入居官署との調整
第7統一的管理者の指定等
第8入居完了後の報告
第9庁舎等の取得等調整計画の取扱い
第10その他
第11書面等の作成・報告等の方法
第1基本方針
市街地再開発事業等は、都市計画、事業計画、権利変換計画の決定など、様々な手続を経る必要があり、事業完了までに長期間を要するものである。このため、市街地再開発事業等に伴い取得する権利床を庁舎として活用する場合には、財務局長等は、庁舎需要等を踏まえ、市街地再開発事業等のスケジュールの各タイミングに合わせて、段階的に意思決定を行うこととする。
第2用語の定義
本通達において使用する用語の定義は、以下による。
1市街地再開発事業 都市再開発法(昭和 44 年法律第 38 号)第2条第1号に規定する事業
2市街地再開発事業等 市街地再開発事業及び市街地再開発事業以外の市街地整備に係る事業(権利床の取得が見込まれる事業に限る。)
3再開発建物 都市再開発法第2条第6号に規定する施設建築物
4権利床 市街地再開発事業等において従前の権利者が原則として従前権利と等価で置き換えられる形で取得する建築物の床
5都市計画決定 都市計画法(昭和 43 年法律第 100 号)第 18 条又は第 19 条に規定する都市計画の決定
6権利変換計画 都市再開発法第 72 条第1項の規定に基づき定められる計画
7財務局等 財務局、福岡財務支局及び沖縄総合事務局
8財務局長等 財務局長、福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長
9地方整備局長等 地方整備局長、北海道開発局長及び沖縄総合事務局長
10部局長 各省各庁の国有財産部局等の長
11入居官署部局長 再開発建物の入居官署に選定された官署の国有財産部局等の長
12取得予定面積 市街地再開発事業等に伴い権利床として国が取得する予定の面積
13留保財産 国が所有権を留保しつつ、有効活用・最適利用を図ることとして最適利用通達の記の第4に基づき決定された財産
第3対象財産
令和元年9月 20 日付財理第 3206 号「最適利用に向けた未利用国有地等の管理処分方針について」通達(以下「最適利用通達」という。)記の第2 の2に規定する未利用国有地等及び各省各庁から財務局等に引継ぎが予定されている財産(検討中のものを含む。)(以下「対象財産」という。)を対象とする。
(注)所管する行政財産が市街地再開発事業等に取り込まれることにより取得が見込まれる権利床を、各省各庁が、引き続き同様の行政用途により活用する処理方針である場合には、本通達の手続(第4の1及び第9 を除く。)は不要とする。
第4権利床取得の検討
1市街地再開発事業等の情報把握
(1)財務局長等は、対象財産が所在する地域における市街地再開発事業等の実施に向けた研究会、準備会等の発足などについて、的確に情報を把握することとする。
また、当該情報を把握した場合は、速やかに、別紙様式1により理財局長あて報告するものとする。
(2)財務局長等は、上記により報告を行った事案について、権利床の庁舎としての活用の要否を決定するまでの間、市街地再開発事業等の進捗状況や対象財産が所在する地域における庁舎需要の動向等、当該市街地再開発事業等に係る情報を、別紙様式2により半期(9月末及び3月末)ごとに取りまとめの上、当該半期の翌月 20 日までに理財局長あて報告するものとする。
(3)財務局長等は、部局長等から市街地再開発事業等の情報を把握した旨の報告があった場合は、速やかに、当該報告の写しを理財局長あて報告するものとする。
2地方整備局長等への情報提供
財務局長等は、上記1により把握している市街地再開発事業等に関する情報については、半期(9月末及び3月末)ごとに取りまとめの上、当該半期の翌月 20 日までに地方整備局長等あて提供するものとする。
また、本情報提供は、権利床の庁舎としての活用の要否を決定するまでの間、行うものとする。
3権利床取得の要否に関する検討
(1)庁舎としての活用の見込みに基づく検討
財務局長等は、上記1の(1)により報告を行った事案については、平成19年1月 11 日付財理第1号「庁舎等使用調整計画の策定等に係る取扱いについて」通達(以下「使用調整通達」という。)記の第1により把握した各省各庁の庁舎需要や取得予定面積の見込み等を踏まえ、速やかに権利床取得の要否に関する検討を開始するものとし、市街地再開発事業等における都市計画決定までに、本省への確認を経た上で、権利床取得の要否について決定するものとする。
検討の結果、将来的に庁舎としての活用が見込まれる場合には、市街地再開発事業等に参加の上、権利床の取得を行うものとする。
財務局長等は、上記の検討結果について、速やかに別紙様式3により理財局長あて報告するものとする。
(注)中央省庁の入居が見込まれる場合その他理財局長が必要と認める場合は、理財局において権利床取得の要否に関する検討を行うことに留意する。
(2)最適利用通達に基づく手続
財務局長等は、上記(1)の検討の結果、庁舎としての活用が見込まれない場合には、最適利用通達に基づき、以下の手続を行うものとする。
①暫定留保財産の選定
財務局長等は、最適利用通達第4の2の(1)及び(2)に基づき、暫定留保財産の選定に係る手続を行うものとする。
②留保財産の決定
財務局長等は、上記①の手続により、暫定留保財産を選定した場合には、最適利用通達第4の2の(3)及び(4)に基づき、留保財産の決定に係る手続を行うものとする。
なお、暫定留保財産としない財産又は暫定留保財産としたが、留保財産とならなかった財産については、最適利用通達第6の4において定める個別活用財産とする。
(注)留保財産として決定した財産については、市街地再開発事業等の完了後直ちに利用できるよう、今後の事業の見通し及びスケジュールに留意し、利用方針を策定するものとする。
③個別活用財産に係る処理方針の策定
財務局長等は、個別活用財産とした財産について、権利床の規模、市街地再開発事業等に伴う資産価値の向上等を勘案し、本省の承認を得た上で、金銭給付又は権利床の取得の処理方針を策定するものとする。
(注)処理方針の策定にあたっては、民間精通者の意見を踏まえるものとする。
第5権利床の庁舎としての活用
財務局長等は、上記第4の3の(1)の検討を踏まえ、権利床を取得することとした事案については、次の手順により財務局等における入居官署の選定案(以下「財務局案」という。)を作成するものとする。
(注)中央省庁の入居が見込まれる場合その他理財局長が必要と認める場合は、理財局において入居官署の選定案を作成することとしていることに留意する。
1権利変換計画に係る同意の手続
財務局長等は、使用調整通達記の第1により把握した各省各庁の庁舎需要を参考に、取得する権利床の再開発建物内における位置、面積等について検討の上、取得する権利床の位置、面積等を決定するものとする。また、当該決定をした後、市街地再開発事業等の施行者に対して、権利変換計画に係る同意の手続を行うものとする。
財務局長等は、権利変換計画に係る同意の手続を行った場合は、速やかに別紙様式3にて理財局長あて報告するものとする。
2権利床の庁舎としての活用の決定
財務局長等は、下記3の手続を行うにあたり、事前に権利床を庁舎として活用することの要否について、経済合理性の観点からの検証(民間施設を借受けする場合と国が保有する場合のコスト比較)、使用調整通達記の第1により把握している各省各庁の庁舎需要及び既存庁舎の適正かつ効率的な使用の可能性を踏まえ、検討を行い、本省への確認を経た上で、決定するものとする。
検討の結果、庁舎として活用することが必要と認められる場合には、下記3及び4の手続により財務局案を作成するものとし、庁舎として活用することが必要でないと認められる場合には、最適利用通達に基づき、処分等を行うものとする。
財務局長等は、上記の検討結果について、速やかに別紙様式3により理財局長あて報告するものとする。
3入居意向調査の実施
財務局長等は、入居官署を選定するため、使用調整通達記の第1より把握している各省各庁の庁舎需要を踏まえ、当該権利床が所在する地域に移転要望のある部局長等に対し、入居意向調査を実施する。
なお、入居意向調査の実施にあたっては、以下の諸条件等を提示の上、実施するものとする。
(1)取得する権利床の使用用途
(2)取得する権利床の再開発建物内における位置及び面積
(3)入居可能時期
(4)その他入居にあたり留意すべき事項
4財務局案の作成
(1)財務局案の作成及び報告
財務局長等は、上記3による入居意向調査の結果を踏まえ、必要に応じて地方整備局長等から庁舎の営繕に関する技術的な助言及び協力を得た上で、別紙様式4により再開発建物の竣工予定年度の前々年度の 11 月 30 日までに財務局案を作成の上、理財局長あて報告するものとする。
(2)入居官署に係る審査の観点
財務局長等は、入居官署に係る審査にあたり、以下の観点に留意の上、財務局案を作成するものとする。
①庁舎等の新規需要、分散解消、狭隘解消
②借受庁舎の解消による借受費用の縮減
③庁舎等の耐震性能の確保
④再開発建物の所在地に官署が所在する必要性
⑤利用者への利便性及び業務の効率性の向上
⑥再開発建物竣工後の早期入居の実現
⑦再開発建物の整備方針等(開発目的・建物用途等)との調和
第6入居官署の選定等
1入居官署の選定
理財局長は、上記第5の4により報告のあった財務局案を基に、入居官署を選定し、当該入居官署が財制審に報告された後、財務局長等あて入居官署の選定通知を行う。
(注)財制審は原則として再開発建物が竣工する前々年度の3月までに開催するが、緊急に入居官署の選定案を作成し、又は変更する必要があるときは、財務局長等からの報告を踏まえ、適宜開催する。
2入居官署との調整
(1)財務局長等は、理財局長から入居官署の選定通知を受けたときは、速やかに関係機関との間で移転スケジュール等を確認するとともに、調整を進めるものとする。
(2)財務局長等は、選定した入居官署を変更する事情が生じ、又は入居官署部局長から変更要請があったときは、速やかに所要のヒアリング等を行い、変更の適否を検討の上、変更することが適当と認められる場合は、必要に応じて地方整備局長等の意見を付して、理財局長あて報告するものとする。
なお、入居に際しての改修工事等により使用面積が増減する場合は、変更として取り扱わないものとする。
(3)理財局長は、上記(2)により報告があった場合は、上記1に準じ、処理する。
第7統一的管理者の指定等
財務局長等は、昭和 43 年8月 27 日付蔵理第 1676 号「合同庁舎の管理者の指定等について」通達の手続に基づき、必要な措置を講じるものとする。
第8入居完了後の報告
財務局長等は、入居官署が再開発建物へ入居したときは、入居官署部局長から、速やかにその結果を別紙様式5により提出させるものとする。
また、入居官署の再開発建物への入居がすべて完了したときは、上記により提出された報告の写しを取りまとめの上、速やかに理財局長あて提出するものとする。
第9庁舎等の取得等調整計画の取扱い
権利床を庁舎として活用することを決定した事案に係る庁舎等の取得等調整計画の取扱いについて、昭和 49 年6月 13 日付蔵理第 2394 号「庁舎等の取得等予定の調整について」通達の定めるところによるものとする。
第10その他
本通達により処理することが適当でないと認められる場合には、理財局と調整の上、処理することができるものとする。
第11書面等の作成・報告等の方法
1電子ファイルによる作成
本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。
2電子メール等による報告等
(1)本通達に基づく報告等の手続については、電子メール等の方法により行うことができる。
(2)上記(1)の方法により報告等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。
別紙様式1(PDF:114KB)
別紙様式2(PDF:61KB)
別紙様式3(PDF:68KB)
別紙様式4(PDF:115KB)
別紙様式5(PDF:60KB)