三法人課税
1地方創生や活力ある地域経済の実現
(国税)
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(1)中小企業者等の法人税の軽減税率の特例について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
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所得の金額が年10億円を超える事業年度について、所得の金額のうち年800万円以下の金額に適用される税率を17%(現行:15%)に引き上げる。
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適用対象法人の範囲から通算法人を除外する。
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(2)中小企業投資促進税制について、関係法令の改正を前提にみなし大企業の判定における大規模法人の有する株式又は出資から、その判定対象である法人が農地法に規定する農地所有適格法人である場合で、かつ、一定の承認会社がその農地所有適格法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の50%を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその株式又は出資を除外した上、その適用期限を2年延長する(適用期限の延長は、所得税についても同様とする。)。
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(注)上記の「一定の承認会社」とは、農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法に規定する承認会社のうち地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農林中央金庫又は株式会社日本政策金融公庫がその総株主の議決権の過半数を有しているものをいう。
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(3)中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する(次の
の措置及び
の措置を除き、所得税についても同様とする。)。
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関係法令の改正を前提に、次の措置を講ずる。
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イ特定経営力向上設備等に、その投資計画における年平均の投資利益率が7%以上となることが見込まれるものであること及び経営規模の拡大を行うものとして経済産業大臣が定める要件に適合することにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(機械装置、工具、器具備品、建物及びその附属設備並びにソフトウエアで、一定の規模以上のもの)を追加する。
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(注1)経済産業大臣が定める要件は、次の要件とする。
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(イ)売上向上のための施策及び設備投資時期を示した行程表(ロードマップ)を作成していること。
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(ロ)基準事業年度の売上高が10億円超90億円未満であること。
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(注)上記の「基準事業年度」とは、経営力向上計画の認定を申請する事業年度の直前の事業年度をいう。
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(ハ)売上高100億円超を目指すための事業基盤、財務基盤及び組織基盤が整っていること。
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(ニ)売上高100億円超及び年平均10%以上の売上高成長率を目指す投資計画であること。
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(ホ)次の要件を満たす設備投資を行う投資計画であること。
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a導入予定の設備が、売上高の増加に貢献するものであること。
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b経営力向上計画の認定を受けた日から2年以内に導入予定の設備の取得価額の合計額が、1億円と基準事業年度の売上高の5%相当額とのいずれか高い金額以上であること。
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c生産性の向上に資する設備の導入に伴い建物及びその附属設備の新設又は増設をするものであること。
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(ヘ)投資計画の計画期間中において、給与等の支給額を増加させるものであること。
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(ト)上記のほか、売上高100億円超を目指すために必要とされる要件を満たすこと。
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(注2)上記の設備には、医療保健業を行う事業者が取得等をするもの及び発電の用に供する設備で主として電気の販売を行うために取得等をするものを含まないこととする。
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(注3)上記の「一定の規模以上のもの」とは、それぞれ次のものをいう((イ)、(ロ)及び(ニ)の設備については、現行の特定経営力向上設備等と同様とする。)。
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(イ)機械装置 1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの
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(ロ)工具及び器具備品 それぞれ1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの
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(ハ)建物及びその附属設備 一の建物及びその附属設備の取得価額の合計額が1,000万円以上のもの
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(ニ)ソフトウエア 一の取得価額が70万円以上のもの
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ロ上記イの設備について、普通償却限度額との合計でその取得価額まで(建物及びその附属設備については、その取得価額の15%又は25%)の特別償却とその取得価額の7%(建物及びその附属設備については、1%又は2%)の税額控除との選択適用ができることとする。なお、一定の中小企業者等が取得等をする上記イの設備(建物及びその附属設備を除く。)の税額控除率は10%とする。ただし、上記イの設備の取得価額の合計額のうち本制度の対象となる金額は60億円を限度とする。
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(注1)建物及びその附属設備の特別償却率又は税額控除率は、その建物及びその附属設備を事業の用に供する事業年度(以下「供用年度」という。)の給与増加割合が2.5%以上である場合には、それぞれ15%又は1%とし、供用年度の給与増加割合が5%以上である場合には、それぞれ25%又は2%とする。ただし、供用年度の給与増加割合が2.5%未満の場合又は上記イの投資計画に記載された供用年度の給与増加割合が2.5%未満の場合には、建物及びその附属設備については、特別償却及び税額控除は適用できないこととする。
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(注2)上記の「給与増加割合」とは、その事業年度における雇用者給与等支給額からその事業年度の前事業年度における雇用者給与等支給額を控除した金額のその事業年度の前事業年度における雇用者給与等支給額に対する割合をいう。
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(注3)上記の「雇用者給与等支給額」とは、法人の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内の事業所に勤務する雇用者に対する給与等の支給額をいう。
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(注4)上記の「一定の中小企業者等」とは、中小企業者等のうち、資本金の額又は出資金の額が3,000万円を超える法人(農業協同組合等及び商店街振興組合を除く。)以外の法人をいう。
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ハ上記イの経済産業大臣の確認を受けた中小企業者等は、その確認を受けた投資計画の計画期間中は、中小企業投資促進税制及び中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用を受けることができないこととする。
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関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等について、上記①イのほか、次の見直しを行う。
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イ一定の時期に発売された設備で、旧モデル比で経営力の向上の指標が年平均1%以上向上するものであるものの経営力の向上の指標について、単位時間当たり生産量、歩留まり率又は投入コスト削減率のいずれかにより評価することとする。
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ロその投資計画における年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれるものであることにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備の投資利益率を7%に引き上げる。
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ハ次の設備を除外する。
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(イ)遠隔操作、可視化又は自動制御化に関する投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(デジタル化設備)
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(ロ)暗号資産マイニング業の用に供する設備
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食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の改正を前提に、中小企業者等が、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定があったものとみなされる改正後の食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の認定を受けた持続的供給事業活動計画(仮称)に記載された経営力向上設備等の取得等をする場合のその経営力向上設備等について、改正後の本制度の対象とする。
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関係法令の改正を前提に、みなし大企業の判定における大規模法人の有する株式又は出資から、その判定対象である法人が農地法に規定する農地所有適格法人である場合で、かつ、一定の承認会社がその農地所有適格法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の50%を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合におけるその株式又は出資を除外する。
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(4)地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する(所得税についても同様とする。)。
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特別償却率を50%に、税額控除率を5%に、それぞれ引き上げる措置について、次の措置を講ずる。
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イ本措置の対象に、次の要件の全てを満たす場合を加える。
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(イ)その承認地域経済牽引事業者のその承認地域経済牽引事業が、その承認の際に適合すると認められた地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律に規定する同意基本計画において次の要件を満たすものとして指定された業種(以下「指定業種」という。)に該当すること又は指定業種に該当する事業を行う事業者と直接の取引関係を有する一定の事業に該当すること。
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aその地方公共団体におけるその業種の付加価値額の増加率又はその付加価値額のその県内総付加価値額に占める割合が全国平均に比して一定水準以上であること。
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bその地方公共団体におけるその業種の売上高の総額、就業者の総数又は給与の総額のいずれかについて、直近5年間の伸び率が10%以上であること。
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cその地方公共団体において、その業種の振興に関する具体的な目標等を定めており、予算措置等の具体的な取組が実施されていること。
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(ロ)その承認地域経済牽引事業計画に定められた施設又は設備を構成する減価償却資産の取得予定価額の合計額が10億円以上であること。
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(ハ)その承認地域経済牽引事業が1億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであること。
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(ニ)その承認地域経済牽引事業について、労働生産性の伸び率及び投資収益率が一定水準以上となることが見込まれること。
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ロ本措置の対象である直前事業年度における付加価値額の増加率が8%以上である場合について、その要件にその承認地域経済牽引事業が1億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであることを加える。
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ハ労働生産性の伸び率が4%以上となることが見込まれることとの要件におけるその対象である中小企業者の範囲について、所要の措置を講ずる。
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機械装置及び器具備品の特別償却率を35%(現行:40%)に引き下げる。
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特定地域経済牽引事業施設等に係る投資規模要件を1億円以上(現行:2,000万円以上)に引き上げる。
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承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件について、次の見直しを行う。
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イ対象となる事業類型からサプライチェーンの強じん化に資する類型を除外する。
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ロ要件に、労働生産性の伸び率又は投資収益率が一定水準以上となることが見込まれることとの要件を加える。
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ハ先進性に係る要件について、次の運用の改善を行う。
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(イ)労働生産性の伸び率又は投資収益率が一定水準以上となることが見込まれることの確認を不要とする。
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(ロ)先進性が認められない事業の明確化その他の評価委員の評価精度の向上に向けた措置を講ずる。
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ニ減価償却資産の取得予定価額の合計額に係る規模要件を1億円以上(現行:2,000万円以上)に引き上げる。
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ホ対象事業を行う承認地域経済牽引事業者(以下「対象事業者」という。)が取得する予定の減価償却資産の取得予定価額がその対象事業者の前事業年度における減価償却費の額の20%以上の額であることとの要件について、次の見直しを行う。
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(イ)前事業年度における減価償却費の額について、会社法の適用のない法人からの出資が過半数である場合の算出方法を明確化する。
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(ロ)前事業年度における減価償却費の額に乗ずる割合を25%に引き上げる。
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(5)認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度について、関係法令等が改正され、次の措置が講じられることを前提に、その適用期限を3年延長する。
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まち・ひと・しごと創生寄附活用事業(以下「寄附活用事業」という。)を実施した認定地方公共団体は、寄附活用事業の完了の時及び各会計年度終了の時に、寄附活用事業を適切に実施していることを確認した書面(以下「確認書面」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。ただし、次のいずれかに該当する場合には、それぞれ次の日以後速やかに内閣総理大臣に確認書面を提出しなければならないこととする。
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イ寄附活用事業の企画・立案に、その認定地方公共団体以外の者が関与している場合において、その者とその寄附活用事業に関連する寄附金を支出した法人又はその法人の関係会社(以下「寄附法人等」という。)との間に取引等の関係があるときその寄附金を支出した法人からその寄附活用事業に関連する寄附金を受領した日
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ロ寄附活用事業の企画・立案に、その認定地方公共団体以外の者が関与している場合において、その者がその寄附活用事業に係る事業の契約の相手方となったときその契約の締結の日
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ハ寄附活用事業に係る事業の歳出予算がその認定地方公共団体の議会において議決される前にその寄附活用事業に関連する寄附金を受領した場合その寄附金を受領した日
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認定地方公共団体が、その実施する寄附活用事業に関連する寄附金を受領した場合において、その寄附活用事業に係る契約等が次のいずれかに該当するときは、その認定地方公共団体は内閣総理大臣にその寄附金を支出した法人の名称を報告するとともに、その寄附金を支出した法人の名称を公表することとする。ただし、寄附金を支出した法人がその名称の公表を希望しない場合であって、その公表を希望しない理由が正当であることについて、その寄附金を受領した認定地方公共団体が第三者を含む審議会等の確認を受けたときは、公表しないことができることとする。
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イその寄附活用事業に係る事業の入札において応札者が一の者又は一の者とその者の関係者のみであり、かつ、その事業に係る契約者等が寄附法人等である場合
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ロその寄附活用事業に係る事業に関する契約が随意契約(少額のものを除く。)であり、かつ、その事業に係る契約者等が寄附法人等である場合
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ハその寄附活用事業に係る補助金の交付申請者が一の者又は一の者とその関係者のみであり、かつ、その補助金の交付先等が寄附法人等である場合
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ニその寄附活用事業に係る負担金の拠出先が一の者又は一の者とその関係者のみであり、かつ、その負担金の拠出先等が寄附法人等である場合
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上記
の報告を受けた内閣総理大臣は、その報告を受けた寄附活用事業及び寄附金を支出した法人の名称(その名称を公表しない場合は、その理由)を公表することとする。
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認定地方公共団体は、寄附活用事業に係る事業について、一般競争入札、指名競争入札又は随意契約(少額のものを除く。)により契約の相手方を選定した場合には、その寄附活用事業に係る契約の相手方を公表することとする。
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地域再生計画の認定の取消しを受けた地方公共団体は、その取消しの日から起算して2年を経過するまでは、地域再生計画の認定を受けることができないこととする。ただし、地方公共団体が自ら認定の取消しを申し出たことにより地域再生計画の認定が取り消された場合(地域再生計画の認定が取り消されることを予見して申し出た場合を除く。)は、この限りでない。
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その他所要の措置を講ずる。
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(地方税)
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(1)国税(2)の見直し及び延長に伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を法人住民税に適用する。
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(2)国税(3)の見直し及び延長に伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を法人住民税に適用する。
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(3)国税(4)の見直し及び延長に伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。
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(4)認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人住民税法人税割額及び法人事業税額の特別控除制度について、関係法令等が改正され、次の措置が講じられることを前提に、その適用期限を3年延長する。
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まち・ひと・しごと創生寄附活用事業(以下「寄附活用事業」という。)を実施した認定地方公共団体は、寄附活用事業の完了の時及び各会計年度終了の時に、寄附活用事業を適切に実施していることを確認した書面(以下「確認書面」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。ただし、次のいずれかに該当する場合には、それぞれ次の日以後速やかに内閣総理大臣に確認書面を提出しなければならないこととする。
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イ寄附活用事業の企画・立案に、その認定地方公共団体以外の者が関与している場合において、その者とその寄附活用事業に関連する寄附金を支出した法人又はその法人の関係会社(以下「寄附法人等」という。)との間に取引等の関係があるときその寄附金を支出した法人からその寄附活用事業に関連する寄附金を受領した日
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ロ寄附活用事業の企画・立案に、その認定地方公共団体以外の者が関与している場合において、その者がその寄附活用事業に係る事業の契約の相手方となったときその契約の締結の日
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ハ寄附活用事業に係る事業の歳出予算がその認定地方公共団体の議会において議決される前にその寄附活用事業に関連する寄附金を受領した場合その寄附金を受領した日
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認定地方公共団体が、その実施する寄附活用事業に関連する寄附金を受領した場合において、その寄附活用事業に係る契約等が次のいずれかに該当するときは、その認定地方公共団体は内閣総理大臣にその寄附金を支出した法人の名称を報告するとともに、その寄附金を支出した法人の名称を公表することとする。ただし、寄附金を支出した法人がその名称の公表を希望しない場合であって、その公表を希望しない理由が正当であることについて、その寄附金を受領した認定地方公共団体が第三者を含む審議会等の確認を受けたときは、公表しないことができることとする。
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イその寄附活用事業に係る事業の入札において応札者が一の者又は一の者とその者の関係者のみであり、かつ、その事業に係る契約者等が寄附法人等である場合
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ロその寄附活用事業に係る事業に関する契約が随意契約(少額のものを除く。)であり、かつ、その事業に係る契約者等が寄附法人等である場合
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ハその寄附活用事業に係る補助金の交付申請者が一の者又は一の者とその関係者のみであり、かつ、その補助金の交付先等が寄附法人等である場合
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ニその寄附活用事業に係る負担金の拠出先が一の者又は一の者とその関係者のみであり、かつ、その負担金の拠出先等が寄附法人等である場合
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上記
の報告を受けた内閣総理大臣は、その報告を受けた寄附活用事業及び寄附金を支出した法人の名称(その名称を公表しない場合は、その理由)を公表することとする。
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認定地方公共団体は、寄附活用事業に係る事業について、一般競争入札、指名競争入札又は随意契約(少額のものを除く。)により契約の相手方を選定した場合には、その寄附活用事業に係る契約の相手方を公表することとする。
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地域再生計画の認定の取消しを受けた地方公共団体は、その取消しの日から起算して2年を経過するまでは、地域再生計画の認定を受けることができないこととする。ただし、地方公共団体が自ら認定の取消しを申し出たことにより地域再生計画の認定が取り消された場合(地域再生計画の認定が取り消されることを予見して申し出た場合を除く。)は、この限りでない。
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その他所要の措置を講ずる。
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2円滑・適正な納税のための環境整備
(国税)
非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の算定方法等について、次の見直しを行う。
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(1)一定の資産評定により移転を受ける資産及び負債の価値が等しくなる場合等においてその対価がないときの調整勘定の算定方法を明確化する。
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(2)いわゆる対価省略型の非適格合併等が行われた場合において移転を受ける資産等が資産超過であり、かつ、一定の資産評定を行っていないとき等における処理の方法を適正化する。
3その他の租税特別措置等
(国税)
〔新設〕
青色申告書を提出する法人で資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律の高度再資源化事業計画又は高度分離・回収事業計画の認定を受けたものが、同法の施行の日から令和10年3月31日までの間に、再資源化事業等高度化設備の取得等をして、その法人の高度再資源化事業又は高度分離・回収事業の用に供した場合には、その取得価額の35%の特別償却ができることとする。
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(注1)上記の「再資源化事業等高度化設備」とは、認定高度再資源化事業計画又は認定高度分離・回収事業計画に記載された廃棄物処理施設を構成する機械装置及び器具備品のうち、再資源化事業等の高度化に著しく資する設備として環境大臣が財務大臣と協議して指定するもので、一定の規模以上のものをいう。
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(注2)上記の「一定の規模以上のもの」とは、1台又は1基の取得価額がそれぞれ次の金額以上のものをいう。
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(1)機械装置2,000万円
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(2)器具備品200万円
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(注3)対象資産の取得価額の合計額のうち本制度の対象となる金額は20億円を限度とする。
〔拡充等〕
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(1)沖縄関連税制のうち次の措置について、主務大臣の確認要件に係る措置期間につき適正化を図った上、それぞれ次の措置を講ずる(特別償却制度は、所得税についても同様とする。)。
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沖縄の観光地形成促進地域において特定民間観光関連施設を取得した場合の法人税額の特別控除制度について、対象施設から国際健康管理・増進施設を除外した上、その適用期限を2年延長する。
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沖縄の情報通信産業振興地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除制度について、対象事業からパッケージソフトウェア業を除外した上、その適用期限を2年延長する。
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沖縄の産業イノベーション促進地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、対象事業からデザイン業を除外した上、その適用期限を2年延長する。
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沖縄の国際物流拠点産業集積地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、対象となる国際物流拠点産業集積地域につき次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
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イ津嘉山地区、照屋地区及び神里地区(南風原町)並びに友寄地区(八重瀬町)を加える。
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ロその全域が対象である那覇市、浦添市、豊見城市、宜野湾市及び糸満市の区域につき国際物流拠点産業の集積が見込まれる地区に限定する。
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(注)上記の措置について、認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の廃止に伴う所要の整備を行う。
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(2)食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の改正を前提に、産業競争力強化法の事業適応計画(エネルギー利用環境負荷低減事業適応に関するものに限る。)の認定があったものとみなされる改正後の食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の認定を受けた環境負荷低減事業活動計画(仮称)に従って行うエネルギー利用環境負荷低減事業適応のための措置として導入する生産工程効率化等設備の取得等をする場合のその生産工程効率化等設備について、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の対象とする(所得税についても同様とする。)。
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(3)保険会社等の異常危険準備金制度について、次の見直しを行う。
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異常災害損失に係る保険の種類について火災保険等、動産総合保険等及び賠償責任保険を同一の区分とした上、その区分に係る異常災害損失率を55%(現行:火災保険等、動産総合保険等及び賠償責任保険の区分ごとに50%)とする。
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(注1)上記の「火災保険等」とは、火災保険及び風水害保険をいう。
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(注2)上記の「動産総合保険等」とは、動産総合保険、建設工事保険、貨物保険及び運送保険をいう。
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前事業年度から繰り越された異常危険準備金の金額の計算及び洗替保証限度額の計算に係る保険の種類について、火災保険等、動産総合保険等及び賠償責任保険を同一の区分とする。
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火災保険等及び動産総合保険等に係る特例積立率について、対象事業年度を火災保険等、動産総合保険等及び賠償責任保険に係る異常危険準備金の残高がこれらの保険の正味収入保険料の30%以下の事業年度とした上、その適用期限を3年延長する。
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火災共済に係る特例積立率の適用期限を3年延長する。
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(4)探鉱準備金又は海外探鉱準備金制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する(探鉱準備金制度は、所得税についても同様とする。)。
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探鉱準備金又は海外探鉱準備金制度の積立限度額について、当該事業年度開始の日前5年以内に開始した各事業年度における新鉱床探鉱費の額又は国外にある鉱物に係る新鉱床探鉱費の額の合計額が零である場合には、現行の積立限度額から、次のイの金額からロの金額を控除した残額(現行の積立限度額に25%を乗じて計算した金額を限度とする。)を控除することとする。
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イ当該事業年度における次の金額の合計額
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(イ)積立て後5年を経過した探鉱準備金又は海外探鉱準備金の取崩しにより益金の額に算入される金額
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(ロ)探鉱準備金又は海外探鉱準備金の任意の取崩しにより益金の額に算入される金額
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ロ当該事業年度における新鉱床探鉱費の額及び探鉱用機械設備の償却額の合計額又は国外にある鉱物に係る新鉱床探鉱費の額及び海外探鉱用機械設備の償却額の合計額
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(注)上記の改正は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
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海外探鉱準備金制度における国内鉱業者に準ずる法人の要件のうち「その法人の有する議決権割合が50%以上である外国法人にその法人の役員及びその法人又はその子会社の技術者が派遣されていること」との要件について、役員に重要な使用人を加えるとともに、技術者から重要な使用人を除外する。
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(5)沖縄の国際物流拠点産業集積地域における認定法人の所得控除制度について、対象となる国際物流拠点産業集積地域につき次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
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津嘉山地区、照屋地区及び神里地区(南風原町)並びに友寄地区(八重瀬町)を加える。
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その全域が対象である那覇市、浦添市、豊見城市、宜野湾市及び糸満市の区域につき国際物流拠点産業の集積が見込まれる地区に限定する。
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(6)農業経営基盤強化準備金制度及び農用地等を取得した場合の課税の特例について、次の見直しを行った上、農業経営基盤強化準備金制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。
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農業経営基盤強化準備金制度の積立限度額の計算の基礎となる金額のうち農用地の取得に充てるための金額について、農用地のうち農業経営基盤強化促進法に規定する地域計画の区域においてその法人の利用が見込まれるものの取得に充てるための金額(現行:農用地の取得に充てるための金額)に限定する。
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(注)上記の改正は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
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農用地等を取得した場合の課税の特例の対象となる農用地について、農業経営基盤強化促進法に規定する認定計画の定めるところにより取得をする農用地で同法に規定する地域計画にその法人が利用するものとして定められたもの(現行:認定計画の定めるところにより取得をする農用地)に限定する。
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(注)上記の改正は、令和8年4月1日以後に取得をする農用地について適用する。
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確定申告書等に添付することとされている農林水産大臣の証明書について、その証明書の原本の添付のほか、その写しの添付を可能とする。
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(7)特定の医療法人の法人税率の特例における承認要件について、次の見直しを行う。
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社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に補助金等に係る収入金額を加えるとともに、計算の基礎となる全収入金額を医療保健業務による収入金額(補助金等に係る収入金額を含むものとし、経常的なものに限る。)とする。
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医療診療による収入金額が患者のために直接必要な経費の額に100分の150を乗じて得た額の範囲内であることとの要件について、現行の医療診療による収入金額及び患者のために直接必要な経費の額の範囲に係る取扱いを法令上明確化するとともに、当該収入金額の範囲に補助金等に係る収入金額を加える。
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(注1)上記の「補助金等に係る収入金額」とは、国又は地方公共団体(以下「国等」という。)から交付される補助金その他相当の反対給付を伴わない給付金(固定資産の取得に充てるためのものを除くものとし、国等に代わってその交付に係る事務を行う者から交付されるものを含む。)に係る収入金額及び国等からの委託(国等に代わってその委託に係る事務を行う者からの委託を含む。)を受けて行う事業に係る収入金額であって、医療保健業務(上記
にあっては、本来業務)に係るものをいう。
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(注2)上記の「医療保健業務」とは、特定の医療法人の本来業務及び附帯業務(医業及びこれに類する業務、介護サービスに係る業務並びに障害福祉サービスに係る業務に限る。)をいう。
〔延長〕
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(1)沖縄の経済金融活性化特別地区において工業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の適用期限を2年延長する(特別償却制度は、所得税についても同様とする。)。
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(注)上記の措置について、認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の廃止に伴う所要の整備を行う。
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(2)沖縄の離島の地域において旅館業用建物等を取得した場合の特別償却制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。
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(3)沖縄の経済金融活性化特別地区における認定法人の所得控除制度の適用期限を2年延長する。
〔廃止・縮減等〕
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(1)認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。
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(2)デジタルトランスフォーメーション投資促進税制は、適用期限の到来をもって廃止する(所得税についても同様とする。)。
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(3)関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、施設規模要件を4億5,000万円以上(現行:4億円以上)に引き上げた上、その適用期限を2年延長する。
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(4)特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、対象資産から感染症の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する減価償却資産(サーモグラフィ装置)を除外した上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。
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(5)共同利用施設の特別償却制度について、建物の取得価額要件を650万円以上(現行:600万円以上)に引き上げた上、その適用期限を2年延長する。
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(6)特定地域における工業用機械等の特別償却制度のうち次の措置について、対象事業から、コールセンター及び市場等に関する調査の業務並びにその業務により得られた情報の整理等の業務に係る事業を除外した上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。ただし、次の①の措置は、半島振興法の期限の延長を前提とする。
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半島振興対策実施地域に係る措置
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離島振興対策実施地域に係る措置
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(7)医療用機器等の特別償却制度について、医療用機器に係る措置の対象機器の見直しを行った上、制度の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。
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(8)沖縄の情報通信産業特別地区における認定法人の所得控除制度について、対象事業からパッケージソフトウェア業を除外した上、その適用期限を2年延長する。
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(9)特定の公共施設等運営権の設定に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例は、廃止する。なお、令和7年4月1日前にした特定空港運営事業に係る公共施設等運営権の設定については、現行の延払基準の方法により収益の額及び費用の額を計算することができる経過措置を講ずる。
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(10)農業協同組合等の合併に係る課税の特例は、適用期限の到来をもって廃止する。
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(11)関係法令の改正を前提に、特定目的信託に係る受託法人の課税の特例について、超過分配事業年度における金銭の分配の額が分配可能利益の額の90%を超えていることとする要件における分配可能額の計算上加算される超過分配額を、金銭の分配の額が受託法人の当該事業年度終了の時における純資産価額から元本の額及び評価・換算差額等の額の合計額を控除した金額(現行:純資産価額から元本の額を控除した金額)を上回る場合におけるその上回る部分の金額とする。
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(12)帰還・移住等環境整備推進法人に対する土地等の譲渡に係る法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度の適用除外措置(優良住宅地の造成等のための譲渡等に係る適用除外)は、令和7年3月31日をもって廃止する。
(地方税)
〔延長・拡充等〕
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(1)国税〔拡充等〕(1)の見直し及び延長に伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を法人住民税に適用する。
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(2)国税〔拡充等〕(2)の見直しに伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を中小企業者等に係る法人住民税に適用する。
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(3)国税〔延長〕(1)の延長に伴い、特別償却制度を法人住民税及び法人事業税に、税額控除制度を法人住民税に適用する。
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(4)一般送配電事業者又は配電事業者の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、当該一般送配電事業者が原子力損害の賠償に要する金銭に相当する金額及び原子力発電工作物の廃止に要する金銭に相当する金額(以下「賠償負担金相当金額等」という。)を原子力発電事業者に対し交付する場合又は当該配電事業者が賠償負担金相当金額等を一定の一般送配電事業者に対し交付する場合における当該賠償負担金相当金額等に相当する収入金額をそれぞれ追加する課税標準の特例措置の適用期限を5年延長する。
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(5)ガス供給業を行う法人の事業税の課税標準である収入金額を算定する場合において控除される収入金額の範囲に、他のガス供給業を行う法人から託送供給を受けてガスの供給を行う場合の当該供給に係る収入金額のうち、ガスの供給に係る託送供給の料金として支払うべき金額に相当する収入金額を追加する課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。
〔廃止〕
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(1)国税〔廃止・縮減等〕(1)の廃止に伴い、法人住民税及び法人事業税について、国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。
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(2)国税〔廃止・縮減等〕(2)の廃止に伴い、法人住民税及び法人事業税について、国税の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。
4その他
(国税)
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(1)非営利型法人の要件のうち「その定款に解散したときはその残余財産が公益社団法人等に帰属する旨の定めがあること」及び「その定款に解散したときはその残余財産が特定の個人又は団体(公益社団法人等を除く。)に帰属する旨の定めがないこと」との要件について、その残余財産の帰属先として認められるものの範囲に、公益信託制度改革により創設される新たな公益信託制度における公益信託の信託財産を加える。
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(2)共同で事業を行うための合併又は分割型分割であって、特別の法律により設立された法人のうちその組合員である事業者又は消費者の相互扶助その他これに類する目的を有する一定のもの(以下「対象組合」という。)のみが当事者となるものに係る適格要件について、次の見直しを行う。
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その合併については、事業規模比5倍以内要件及び特定役員引継要件(その合併の直前にその合併に係る被合併法人の全てについて他の者との間に当該他の者による支配関係がない場合等には、株式継続保有要件を含む。)を除外する。
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その分割型分割については、事業規模比5倍以内要件及び特定役員引継要件(その分割型分割の直前にその分割型分割に係る分割法人の全てについて他の者との間に当該他の者による支配関係がない場合には、株式継続保有要件を含む。)を除外する。
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(注)上記の「対象組合」とは、次の法人をいう。
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公益法人等(法人税法別表第二)のうち、漁業共済組合、漁業共済組合連合会、漁船保険組合、酒造組合、酒造組合中央会、酒造組合連合会、酒販組合、酒販組合中央会、酒販組合連合会、商工組合、商工組合連合会、農業共済組合、農業共済組合連合会、公的医療機関に該当する病院等を設置する農業協同組合連合会、輸出組合及び輸入組合
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協同組合等(法人税法別表第三)のうち、次のもの以外のもの
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イ漁業生産組合
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ロ生活衛生同業組合
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ハ生活衛生同業組合連合会
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ニ生産森林組合
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ホ農事組合法人(農業の経営(その行う農業に関連する一定の事業及び農業と併せ行う林業の経営を含む。)を行うものに限る。)
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特例農業協同組合中央会
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(3)公益法人等の収益事業に係る課税について、次の見直しを行う。
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収益事業から除外される民間都市開発推進機構が参加業務として行う不動産販売業及び不動産貸付業に、都市再生特別措置法に規定する認定整備事業計画に記載された緑地等管理効率化設備及び再生可能エネルギー発電設備等の整備に要する費用の一部を負担して行うものを加える。
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次の収益事業から除外される医療保健業の各要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に補助金等に係る収入金額を加えるとともに、計算の基礎となる全収入金額又は事業収益の額を医療保健業務による収入金額(補助金等に係る収入金額を含むものとし、経常的なものに限る。)とする。
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イ医師会法人等がその開設する病院又は診療所において行う医療保健業の要件のうち社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の60を超えることとの要件
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ロ公的医療機関に該当する病院等を設置する農業協同組合連合会が行う医療保健業の要件のうち社会保険診療等に係る収入金額の合計額が事業収益の額の100分の80を超えることとの要件
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ハ無料又は低額な料金による診療事業等を行う公益法人等が行う医療保健業の要件のうち社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件
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(注1)上記の「補助金等に係る収入金額」とは、国又は地方公共団体(以下「国等」という。)から交付される補助金その他相当の反対給付を伴わない給付金(固定資産の取得に充てるためのものを除くものとし、国等に代わってその交付に係る事務を行う者から交付されるものを含む。)に係る収入金額及び国等からの委託(国等に代わってその委託に係る事務を行う者からの委託を含む。)を受けて行う事業に係る収入金額であって、医療保健業務に係るものをいう。
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(注2)上記の「医療保健業務」とは、上記イからハまでの法人のそれぞれの本来業務及び附帯業務(医業及びこれに類する業務、介護サービスに係る業務並びに障害福祉サービスに係る業務に限る。)をいう。ただし、上記ロの法人の附帯業務にあっては、障害福祉サービスに係る業務を除く。
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(4)通算法人の行った株式分配に係るみなし配当の額の計算の基礎となる分配資本金額等及び資本金等の額から減算する金額並びに通算法人の株主がその通算法人の行った株式分配により完全子法人の株式等の交付を受けた場合の所有株式の譲渡損益の計算の基礎となる完全子法人株式対応帳簿価額について、株式分配の直前のその通算法人の資本金等の額及び株式分配の直前の所有株式の帳簿価額に乗ずる割合につき次の見直しを行う(所得税についても同様とする。)。
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割合の分子の金額について、その完全子法人の株式の投資簿価修正前の帳簿価額に簿価修正相当額を加減算した金額とする。
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割合の分母の金額について、株式分配の直前の時において上記の通算法人の有する完全子法人の株式に係る簿価修正相当額を加減算する。
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(注1)上記の「簿価修正相当額」とは、離脱法人の株式を有する通算法人の株式分配の日の属する事業年度の前事業年度終了の時(以下「前期期末時」という。)においてその離脱法人が有する資産の帳簿価額の合計額及び負債の帳簿価額の合計額を株式分配の直前においてその離脱法人が有する資産の帳簿価額の合計額及び負債の帳簿価額の合計額とみなして投資簿価修正の規定を適用した場合の簿価純資産不足額又は簿価純資産超過額に相当する金額をいう。
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(注2)上記(注1)の「離脱法人」とは、他の通算法人(初年度離脱通算子法人及び通算親法人を除く。)のうち上記の株式分配に起因して通算終了事由が生ずるものをいう。
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(注3)上記(注1)の前事業年度終了の時は、上記(注1)の通算法人が株式分配の日以前6月以内に仮決算による中間申告をしていた場合には、その中間申告に係る期間終了の時とする。
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(注4)前期期末時から株式分配の直前の時までの間に上記(注1)の離脱法人の資本金等の額又は利益積立金額(所得の金額及び投資簿価修正に係る金額を除く。)の増減がある場合には前期期末時においてその離脱法人が有する資産の帳簿価額の合計額及び負債の帳簿価額の合計額にその増減額を加減算し、株式分配の直前の時において上記(注1)の離脱法人が有する資産に他の離脱法人の株式がある場合には前期期末時においてその離脱法人が有する資産の帳簿価額の合計額及び負債の帳簿価額の合計額に他の離脱法人の株式の簿価修正相当額を加減算する。
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(注5)通算法人の行った適格株式分配に係る資本金等の額から減算する金額並びに通算法人の行った分割型分割に係るみなし配当の額の計算の基礎となる分割資本金額等及び資本金等の額から減算する金額並びに通算法人の株主がその通算法人の行った分割型分割により分割承継法人の株式等の交付を受けた場合の所有株式の譲渡損益の計算の基礎となる分割純資産対応帳簿価額についての分割型分割の直前のその通算法人の資本金等の額及び分割型分割の直前の所有株式の帳簿価額に乗ずる割合の計算上含まれる通算子法人の株式の帳簿価額についても、同様とする。
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(5)国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度の対象となる国庫補助金等の範囲について、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法に基づく次の補助金等を加える(所得税についても同様とする。)。
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鉱工業技術に関する研究開発の成果の企業化に必要な事業活動に要する資金に充てるための補助金
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デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業等に係る助成金
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(6)スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律の施行に伴い、同法の課徴金制度における課徴金及び延滞金について、損金算入しないこととする(所得税についても同様とする。)。
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(7)受益証券発行信託に関する会計の見直しを前提に、法人が有する特定受益証券発行信託の受益権(以下「所有受益権」という。)につき元本の払戻しとして金銭の交付を受けた場合における所有受益権の譲渡損益の計算について、その譲渡原価を所有受益権の帳簿価額に元本減少割合を乗じて計算した金額とするほか、所要の措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。
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(注1)上記の「元本減少割合」とは、特定受益証券発行信託の元本の払戻しの直前の元本の額のうちに元本の払戻しにより減少した特定受益証券発行信託の元本の額の占める割合をいう。
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(注2)上記の改正は、令和8年4月1日以後に行われる元本の払戻しについて適用する。
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(8)リースに関する取引について、次のとおり整備を行う。
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法人が各事業年度にオペレーティング・リース取引によりその取引の目的となる資産の賃借を行った場合において、その取引に係る契約に基づきその法人が支払う金額があるときは、その金額のうち債務の確定した部分の金額は、その確定した日の属する事業年度に損金算入する。
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(注1)上記の「オペレーティング・リース取引」とは、資産の賃貸借のうちリース取引(ファイナンス・リース取引)以外のものをいう。
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(注2)上記の支払う金額には、その資産の賃借のために要する費用の額及びその資産を事業の用に供するために直接要する費用の額を含むものとし、当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額、固定資産の取得に要した金額とされるべき費用の額及び繰延資産となる費用の額を除く。
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リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度の特例は、廃止する。なお、令和7年4月1日前にリース譲渡を行った法人の令和9年3月31日以前に開始する事業年度において行ったリース譲渡について、延払基準の方法(同日後に開始する事業年度にあっては、リース譲渡に係る利息相当額のみを同日後に開始する各事業年度の収益の額とする方法に限る。)により収益の額及び費用の額を計算することができることとするとともに、令和7年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度において延払基準の適用をやめた場合の繰延リース利益額を5年均等で収益計上する等の経過措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。
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令和9年4月1日以後に締結された所有権移転外リース取引に係る契約に係るリース資産の減価償却について、リース期間定額法の計算において取得価額に含まれている残価保証額を控除しないこととし、リース期間経過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとする(所得税についても同様とする。)。
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(注)令和9年3月31日までに締結された所有権移転外リース取引に係る契約に係るリース資産(その取得価額に残価保証額が含まれているものに限る。)については、令和7年4月1日以後に開始する事業年度の償却方法につき改正後のリース期間定額法により償却できることとする経過措置を講ずる。
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その他所要の措置を講ずる。
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(9)社会保険診療報酬支払基金法等の改正を前提に、社会保険診療報酬支払基金の業務範囲の見直し等が行われた後も、引き続き公共法人(法人税法別表第一)とする。
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(10)土地改良法の改正により次の法人の解散時の財産処分に係る見直し等が行われた後も、引き続き次の措置を講ずる。
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土地改良区及び土地改良区連合を公共法人(法人税法別表第一)とする。
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土地改良事業団体連合会を公益法人等(法人税法別表第二)とする。
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(11)独立行政法人男女共同参画機構法(仮称)の制定を前提に、独立行政法人男女共同参画機構(仮称)を公共法人(法人税法別表第一)とする。
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(12)日本学術会議法(仮称)の制定を前提に、日本学術会議の法人化により新たに設立される法人を公益法人等(法人税法別表第二)とする。
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(13)科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の改正を前提に、先端技術研究成果活用機構(仮称)を公益法人等(法人税法別表第二)とする。
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(14)社会医療法人制度における認定要件について、関係法令の改正により次の見直しが行われた後も、その見直し後の社会医療法人を引き続き公益法人等(法人税法別表第二)とする。
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社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に補助金等に係る収入金額を加えるとともに、計算の基礎となる全収入金額を医療保健業務による収入金額(補助金等に係る収入金額を含むものとし、経常的なものに限る。)とする。
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医療診療による収入金額が患者のために直接必要な経費の額に100分の150を乗じて得た額の範囲内であることとの要件について、現行の医療診療による収入金額及び患者のために直接必要な経費の額の範囲に係る取扱いを法令上明確化するとともに、当該収入金額の範囲に補助金等に係る収入金額を加える。
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本来業務に係る費用の額が経常費用の額の100分の60を超えることとの要件について、現行の本来業務に係る費用の額及び経常費用の額の範囲に係る取扱いを法令上明確化するとともに、下限となる割合を100分の63とする。
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(注1)上記の「補助金等に係る収入金額」とは、国又は地方公共団体(以下「国等」という。)から交付される補助金その他相当の反対給付を伴わない給付金(固定資産の取得に充てるためのものを除くものとし、国等に代わってその交付に係る事務を行う者から交付されるものを含む。)に係る収入金額及び国等からの委託(国等に代わってその委託に係る事務を行う者からの委託を含む。)を受けて行う事業に係る収入金額であって、医療保健業務(上記②にあっては、本来業務)に係るものをいう。
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(注2)上記の「医療保健業務」とは、社会医療法人の本来業務及び附帯業務(医業及びこれに類する業務、介護サービスに係る業務並びに障害福祉サービスに係る業務に限る。)をいう。
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(15)マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正を前提に、次の措置を講ずる。
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マンション除却組合(仮称)を公益法人等とみなして、収益事業から生じた所得以外の所得について非課税とする。
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マンション建替組合及びマンション敷地売却組合のマンション再生組合(仮称)及びマンション等売却組合(仮称)への改組後も、引き続き公益法人等とみなす。
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敷地分割組合の業務範囲の見直し後も、引き続き公益法人等とみなす。
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(16)農業経営基盤強化促進法の改正に伴い、農地所有適格法人について、議決権要件の特例が措置された後も、引き続き現行の措置を適用する。
(地方税)
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(1)リースに関する取引について、次のとおり整備を行う。
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事業税付加価値割の課税標準の算定について、法人が各事業年度にオペレーティング・リース取引によりその取引の目的となる土地又は家屋の賃借を行った場合において、その取引に係る契約に基づきその法人が賃借権等の対価として支払う金額があるときは、その金額のうち法人税の所得の計算上損金の額に算入される部分の金額は、その損金の額に算入される事業年度の支払賃借料とするほか、所要の措置を講ずる。
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(注)上記の「オペレーティング・リース取引」とは、資産の賃貸借のうちリース取引(ファイナンス・リース取引)以外のものをいう。
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国税(8)の見直しに準じて、法人住民税及び法人事業税について所要の措置を講ずる。
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(2)土地改良法の改正により土地改良区及び土地改良区連合の解散時の財産処分に係る見直し等が行われた後も、その見直し後の各法人について、引き続き法人住民税及び法人事業税を非課税とする措置を講ずる。
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(3)独立行政法人男女共同参画機構法(仮称)の制定を前提に、独立行政法人男女共同参画機構(仮称)を非課税独立行政法人とする(非課税独立行政法人の規定があるその他の全ての税目についても同様とする。)。
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(3)国税における諸制度の取扱い等を踏まえ、その他所要の措置を講ずる。