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令和6年度税制改正の大綱(2/10)

資産課税

土地に係る固定資産税等の負担調整措置

(1)土地に係る固定資産税の負担調整措置

1宅地等及び農地の負担調整措置については、令和6年度から令和8年度までの間、商業地等に係る条例減額制度及び税負担急増土地に係る条例減額制度を含め、現行の負担調整措置の仕組みを継続する。

2据置年度において簡易な方法により価格の下落修正ができる特例措置を継続する。

3その他所要の措置を講ずる。

(2)土地に係る都市計画税の負担調整措置

固定資産税の改正に伴う所要の改正を行う。

租税特別措置等

(国税)

〔新設〕

〈登録免許税〉

(1)産業競争力強化法の改正を前提に、同法に規定する特別事業再編計画(仮称)の認定(同法の改正法の施行の日から令和9年3月31日までの間にされたものに限る。)を受けた特別事業再編事業者(仮称)のうち一定のものが、その特別事業再編計画に基づき行う次に掲げる登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずる。

1合併による増資の登記

1,000分の1(純増部分については、1,000分の1.5)

(本則1,000分の1.5(純増部分については、1,000分の7))

2分割による増資の登記

1,000分の3(本則1,000分の7)

3事業に必要な資産の譲受けの場合における次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の12(本則1,000分の20)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の18(本則1,000分の28)

4合併による次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の1(本則1,000分の4)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の2(本則1,000分の4)

5分割による次に掲げる登記

不動産の所有権の移転登記

1,000分の1(本則1,000分の20)

船舶の所有権の移転登記

1,000分の18(本則1,000分の28)

(2)農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律(仮称)の制定を前提に、同法に規定する開発供給実施計画(仮称)の認定(同法の施行の日から令和9年3月31日までの間にされたものに限る。)を受けた開発供給事業(仮称)を行おうとする者が、その開発供給実施計画に基づき行う次に掲げる登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずる。

1株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の3.5(本則1,000分の7)

2合併による株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の1(純増部分については、1,000分の3.5)

(本則1,000分の1.5(純増部分については、1,000分の7))

3分割による株式会社の設立又は増資の登記

1,000分の5(本則1,000分の7)

4法人の設立等の場合における不動産の所有権の移転登記

1,000分の16(本則1,000分の20)

5合併による不動産の所有権の移転登記

1,000分の2(本則1,000分の4)

6分割による不動産の所有権の移転登記

1,000分の4(本則1,000分の20)

(3)地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に規定する鉄道事業再構築実施計画の認定(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間にされたものに限る。)を受けた鉄道事業者が、その鉄道事業再構築実施計画に基づき取得する不動産の所有権等の移転登記に対する登録免許税の税率を次のとおり軽減する措置を講ずる。

1所有権の移転登記

1,000分の10(本則1,000分の20)

2地上権又は土地の賃借権の移転登記

1,000分の5(本則1,000分の10)

(4)都市緑地法等の改正を前提に、都市緑地法に規定する都市緑化支援機構(仮称)(一定のものに限る。)が、同法の改正法の施行の日から令和8年3月31日までの間に都市緑地法等の規定による都道府県等の要請に基づき特別緑地保全地区等の区域内の土地の買入れを行った場合における当該土地の所有権の移転登記に対する登録免許税を免税とする措置を講ずる。

〔延長・拡充等〕

〈相続税・贈与税〉

(1)直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講ずる。

1適用期限を3年延長する。

2非課税限度額の上乗せ措置の適用対象となるエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋の要件について、住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をする場合にあっては、当該住宅用家屋の省エネ性能が断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(現行:断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)であることとする。

(注1)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用する。

(注2)令和6年1月1日以後に住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をする場合において、当該住宅用家屋の省エネ性能が断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上であり、かつ、当該住宅用家屋が次のいずれかに該当するものであるときは、当該住宅用家屋をエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋とみなす。

令和5年12月31日以前に建築確認を受けているもの

令和6年6月30日以前に建築されたもの

(2)特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例の適用期限を3年延長する。

(3)個人の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、個人事業承継計画の提出期限を2年延長する。

(4)非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度について、特例承継計画の提出期限を2年延長する。

〈登録免許税〉

(5)住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を3年延長する。

(6)特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を3年延長する。

(7)認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を3年延長する。

(8)特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を3年延長する。

(9)マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置の適用期限を2年延長する。

(10)農地中間管理機構が農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。

(11)事業再編計画の認定要件が見直された後の産業競争力強化法に規定する認定事業再編計画等に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、その適用期限を3年延長する。

(12)特定創業支援等事業による支援を受けて行う会社の設立の登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、適用対象となる登記の範囲から合名会社及び合資会社の設立登記を除外した上、その適用期限を3年延長する。

(13)金融機能の強化のための特別措置に関する法律に規定する経営強化計画等に基づき行う登記(東日本大震災の影響により自己資本の充実を図ることが必要となった金融機関等が経営強化計画に基づき行うものを含む。)に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。

(14)特定国際船舶の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。

1適用対象となる国際船舶の類型を見直す。

2適用対象となる建造された船舶を海上運送法に規定する認定特定船舶導入計画に基づき建造した特定船舶に限定した上、当該特定船舶に係る次に掲げる登記に対する登録免許税の税率を次のとおり引き下げる。

所有権の保存登記1,000分の2(現行:1,000分の3.5)

抵当権の設定登記1,000分の2(現行:1,000分の3.5)

(15)特定連絡道路工事施行者が取得した特定連絡道路に係る土地の所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置の適用期限を2年延長する。

〈印紙税〉

(16)不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置の適用期限を3年延長する。

〔廃止・縮減等〕

〈贈与税〉

(1)東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の見直しを行う。

1非課税限度額の上乗せ措置の適用対象となるエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋の要件について、住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をする場合にあっては、当該住宅用家屋の省エネ性能が断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(現行:断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)であることとする。

(注)令和6年1月1日以後に住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をする場合において、当該住宅用家屋の省エネ性能が断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上であり、かつ、当該住宅用家屋が次のいずれかに該当するものであるときは、当該住宅用家屋をエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋とみなす。

令和5年12月31日以前に建築確認を受けているもの

令和6年6月30日以前に建築されたもの

2適用対象者から、東日本大震災によりその居住の用に供していた家屋又はその居住の用に供しようとしていた家屋が滅失等をした者(警戒区域設定指示等が行われた日においてその対象区域内に所在する家屋をその居住の用に供していた者又はその居住の用に供しようとしていた者を除く。)を除外する。

(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用する。

〈登録免許税〉

(2)農業競争力強化支援法の認定事業再編計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置は、所要の経過措置を講じた上、令和6年3月31日をもって廃止する。

(3)次に掲げる特別措置は、適用期限の到来をもって廃止する。

1認定経営力向上計画に基づき行う登記に対する登録免許税の税率の軽減措置

2認定特定民間中心市街地経済活力向上事業計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置

3低未利用土地権利設定等促進計画に基づき不動産を取得した場合の所有権等の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置

4特定の社債的受益権に係る特定目的信託の終了に伴い信託財産を買い戻した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置

(地方税)

〔新設〕

〈不動産取得税〉

(1)都市緑地法等の改正を前提に、都市緑地法に規定する都市緑化支援機構(仮称)が、同法の改正法の施行の日から令和8年3月31日までの間に都道府県等の要請に基づき取得した特別緑地保全地区等の区域内の土地に係る不動産取得税を非課税とする措置を講ずる。

(2)地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に規定する鉄道事業再構築事業により鉄道事業者が譲渡を受けた一定の不動産に係る不動産取得税を非課税とする措置を2年間に限り講ずる。

〔延長・拡充等〕

〈固定資産税・都市計画税〉

(1)独立行政法人国民生活センターの一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置について、対象に適格消費者団体が行う差止請求関係業務の円滑な実施のために必要な援助業務の用に供する固定資産を加える。

(2)社会医療法人制度における認定要件のうち救急医療等確保事業に係る要件について、新興感染症発生・まん延時における医療に関する基準を加える見直しが行われた後も、現行制度と同様に、社会医療法人の一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の特例措置を講ずる。

(3)関係法令の改正を前提に、消費生活協同組合等の電気を供給する事業に係る員外利用の制限の緩和等が行われた後も、現行制度と同様に、消費生活協同組合等の一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税を非課税とする措置を講ずる。

(4)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正後の障害福祉サービス事業について、現行制度と同様に、社会福祉法人等が当該事業の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税を非課税とする措置を講ずる。

(5)再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に規定する一定の再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。

1太陽光発電設備については、政府の補助を受けて取得した一定の設備を適用対象から除外した上、同法に規定する認定発電設備の対象外であって、地球温暖化対策の推進に関する法律に規定する認定地域脱炭素化促進事業計画に従って取得した一定の設備又はペロブスカイト太陽電池を使用した一定の設備を適用対象に加える。

2バイオマス発電設備については、出力が10,000kW以上20,000kW未満の発電設備のうち一般木質・農作物残さ区分に該当するものについて、価格に次の割合を乗じて得た額を課税標準とする。

大臣配分資産又は知事配分資産7分の6(現行:3分の2)

その他の資産7分の6を参酌して14分の11以上14分の13以下の範囲内において市町村の条例で定める割合(現行:3分の2を参酌して2分の1以上6分の5以下の範囲内において市町村の条例で定める割合)

3その他所要の措置を講ずる。

(6)流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の認定を受けた事業者が、総合効率化計画に基づき取得した一定の家屋及び償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。

1適用対象となる附属機械設備にナンバープレート解析AIカメラ等を加えた上、ナンバープレート解析AIカメラ等に係る課税標準を、最初の5年間、価格の2分の1とする。

2適用対象となる一般倉庫及び冷蔵倉庫の設備等に関する必須要件に到着時刻表示装置が設けられていることを加える。

3適用対象となる倉庫の設備等に関する選択要件から貨物自動車運送事業の用に供する事務所及び駐車施設が併設されていることを除外する。

4その他所要の措置を講ずる。

(7)児童福祉法等の改正に伴い、次の措置を講ずる。

1児童福祉施設の用に供する一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置について、対象に里親支援センターの用に供する固定資産を加える。

2社会福祉事業の用に供する一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置について、対象に親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業及び親子関係形成支援事業の用に供する固定資産を加える。

3児童福祉法等の改正後の障害児通所支援事業、児童自立生活援助事業、子育て短期支援事業、利用者支援事業及び障害児入所施設を経営する事業について、現行制度と同様に、これらの事業の用に供する一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税を非課税とする措置を講ずる。

(8)沖縄電力株式会社が電気供給業の用に供する一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

(9)特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律に規定する認定導入計画に基づき、電波法の規定によりローカル5G無線局に係る免許を受けた者が、新たに取得した一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を1年延長する。

(10)高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に規定する特別特定建築物に該当する家屋のうち主に実演芸術の公演等を行う一定のものについて、同法に基づく建築物移動等円滑化誘導基準に適合させるよう改修工事を行った家屋に係る固定資産税及び都市計画税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

(11)所有する全ての農地(10a未満の自作地を除く。)に農地中間管理事業のための賃借権等を新たに設定し、かつ、当該賃借権等の設定期間が10年以上である一定の農地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(12)農業経営基盤強化促進法に規定する認定就農者であって同法に規定する地域計画に位置付けられた者に利用させるため、農業協同組合等が取得した一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(13)都市再生特別措置法に規定する一体型滞在快適性等向上事業の実施主体が、当該事業により整備した一定の固定資産に対して課する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、課税標準を最初の5年間、価格に2分の1を参酌して3分の1以上3分の2以下の範囲内において市町村の条例で定める割合(現行:2分の1)を乗じて得た額とした上で、その適用期限を2年延長する。

(14)河川法に規定する高規格堤防の整備に係る事業のために使用された土地の上に建築されていた家屋について移転補償金を受けた者が当該土地の上に取得した代替家屋に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

(15)特定都市河川浸水被害対策法又は下水道法の規定により認定を受けた雨水貯留浸透施設整備計画に基づき設置された一定の雨水貯留浸透施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

(16)新築住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

(17)日本貨物鉄道株式会社が取得した新たに製造された一定の機関車に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(18)海上運送法施行規則の改正を前提に、国際船舶に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、同規則の改正に伴う所要の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する。

(19)国内路線に就航する航空機に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(20)津波防災地域づくりに関する法律に規定する津波災害警戒区域における指定避難施設及び協定避難施設のうち避難の用に供する部分並びに当該施設に附属する新たに設置された避難の用に供する一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

(21)新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

(22)耐震改修等を行った住宅に対して、次の措置を講ずる。

1耐震改修を行った一定の住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

2バリアフリー改修を行った一定の住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

3省エネ改修を行った一定の住宅に係る固定資産税の税額の減額措置の適用期限を2年延長する。

(23)津波防災地域づくりに関する法律に規定する推進計画区域において、同法に規定する推進計画に基づき新たに取得等された津波対策の用に供する一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を4年延長する。

(24)東日本大震災により滅失・損壊した償却資産に代わるものとして一定の被災地域内で取得等された償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

〈不動産取得税〉

(25)社会医療法人制度における認定要件のうち救急医療等確保事業に係る要件について、新興感染症発生・まん延時における医療に関する基準を加える見直しが行われた後も、現行制度と同様に、社会医療法人の一定の不動産に係る不動産取得税の特例措置を講ずる。

(26)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正後の障害福祉サービス事業について、現行制度と同様に、社会福祉法人等が当該事業の用に供する不動産に係る不動産取得税を非課税とする措置を講ずる。

(27)児童福祉法等の改正に伴い、次の措置を講ずる。

1児童福祉施設の用に供する一定の不動産に係る不動産取得税の非課税措置について、対象に里親支援センターの用に供する不動産を加える。

2社会福祉事業の用に供する一定の不動産に係る不動産取得税の非課税措置について、対象に親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業及び親子関係形成支援事業の用に供する不動産を加える。

3児童福祉法等の改正後の障害児通所支援事業、児童自立生活援助事業、子育て短期支援事業、利用者支援事業及び障害児入所施設を経営する事業について、現行制度と同様に、これらの事業の用に供する一定の不動産に係る不動産取得税を非課税とする措置を講ずる。

(28)医療機関の開設者が、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する認定再編計画に基づく医療機関の再編に伴い取得した一定の不動産に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(29)中小事業者等が中小企業等経営強化法に規定する認定経営力向上計画に従って行う事業の譲受けにより取得した一定の不動産に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(30)小笠原諸島振興開発特別措置法の一部改正により、小笠原諸島へ帰島する者が取得した一定の不動産に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を5年延長する。

(31)宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2分の1とする特例措置の適用期限を3年延長する。

(32)住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限を3年延長する。

(33)河川法に規定する高規格堤防の整備に係る事業のために使用された土地の上に建築されていた家屋について移転補償金を受けた者が当該土地の上に取得した代替家屋に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

(34)不動産取得税について、新築住宅を宅地建物取引業者等が取得したものとみなす日を住宅新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置の適用期限を2年延長する。

(35)新築住宅特例が適用される住宅の用に供する土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍(200m²を限度)相当額等の減額)について、土地取得後から住宅新築までの経過年数要件を緩和する特例措置の適用期限を2年延長する。

(36)マンションの建替え等の円滑化に関する法律に規定する施行者又はマンション敷地売却組合が取得した特定要除却認定マンション及びその敷地に係る不動産取得税を非課税とする措置の適用期限を2年延長する。

(37)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が取得した一定の土地に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を3年延長する。

(38)新築の認定長期優良住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。

〈事業所税〉

(39)公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律等の改正を前提に、収支相償原則の見直し等の公益法人制度改革が行われた後も、公益社団法人及び公益財団法人が行う収益事業以外の事業に係る事業所税について、引き続き非課税とする措置を講ずる。

(40)関係法令の改正を前提に、消費生活協同組合等の電気を供給する事業に係る員外利用の制限の緩和等が行われた後も、消費生活協同組合等が行う事業に係る事業所税について、現行制度と同様の特例措置を講ずる。

(41)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正後の障害福祉サービス事業の用に供する施設に係る事業所税について、引き続き非課税とする措置を講ずる。

(42)公益法人等の収益事業から除外される公的医療機関に該当する病院等を設置する農業協同組合連合会が行う医療保健業の要件の見直しが行われた後も、同連合会が行う収益事業以外の事業に係る事業所税について、引き続き非課税とする措置を講ずる。

(43)児童福祉法等の改正に伴い、次の措置を講ずる。

1児童福祉施設の用に供する施設に係る事業所税の非課税措置について、対象に里親支援センターの用に供する施設を加える。

2社会福祉事業の用に供する施設に係る事業所税の非課税措置について、対象に親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業及び親子関係形成支援事業の用に供する施設を加える。

3児童福祉法等の改正後の障害児通所支援事業、児童自立生活援助事業、子育て短期支援事業、利用者支援事業及び障害児入所施設を経営する事業の用に供する施設に係る事業所税について、引き続き非課税とする措置を講ずる。

(44)特定農産加工業経営改善臨時措置法の改正を前提に、同法に規定する承認計画に基づき特定農産加工業者等が事業の用に供する一定の施設に対する資産割に係る事業所税の課税標準の特例措置について、適用期限を1年9月(個人の事業については2年)延長する。

〔廃止・縮減等〕

〈固定資産税・都市計画税〉

(1)農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律の認定を受けた事業者が取得した一定のバイオ燃料製造設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、木質固形燃料製造設備に係る課税標準を価格の4分の3(現行:3分の2)とした上、その適用期限を2年延長する。

(2)公害防止用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。

1産業廃棄物処理施設について、廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の処理施設を適用対象から除外する。

2下水道除害施設について、汚泥処理装置、濾過装置、生物化学的処理装置、貯溜装置及び輸送装置並びに現行制度において適用対象となっている装置に附属する電動機、ポンプ、配管、計測器その他の附属設備を適用対象から除外する。

(3)子ども・子育て支援法に基づく政府の補助を受けた者が一定の保育施設(特定事業所内保育施設)の用に供する固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を廃止する。

〈不動産取得税〉

(4)都市再生特別措置法の規定による公告があった低未利用土地権利設定等促進計画に基づき取得された居住誘導区域又は都市機能誘導区域内にある一定の土地に係る不動産取得税の課税標準の特例措置を廃止する。

その他

(国税)

(1)公益信託制度改革による新たな公益信託制度の創設に伴い、次の措置を講ずる。

1公益信託の信託財産とするために相続財産を拠出した場合について、相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税制度の対象とするほか、所要の措置を講ずる。

2公益信託から給付を受ける財産については、その信託の目的にかかわらず贈与税を非課税とする。

3その他所要の措置を講ずる。

(2)調書の電子情報処理組織(e-Tax)を使用する方法等による提出義務制度について、提出義務の対象となるかどうかの判定基準となるその年の前々年に提出すべきであった調書の枚数を30枚以上(現行:100枚以上)に引き下げる。

(注)上記の改正は、令和9年1月1日以後に提出すべき調書について適用する。

(3)税務署長に提出する書類について、次の措置を講ずる。

1国税庁長官は、次に掲げる書類の書式について必要がある場合には、所要の事項を付記すること又は一部の事項を削ることができることとする。

特定障害者に対する贈与税の非課税制度に係る申告書

相続税法に規定する調書

2国税庁長官は、上記1イ又はロに掲げる書類の書式について所要の事項を付記し、又は一部の事項を削る場合において、当該書類について必要があるときは、日本産業規格に定める用紙の大きさに変更することができることとする。

(注)上記の改正は、令和8年9月1日以後に提出する書類について適用する。

(4)児童福祉法の改正に伴い、直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、その適用対象となる結婚・子育て資金の範囲に、同法の子育て世帯訪問支援事業及び親子関係形成支援事業に係る施設に支払うものを加える。

(5)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等における医療法人の移行計画の認定要件のうち社会保険診療等に係る収入金額の合計額が全収入金額の100分の80を超えることとの要件について、社会保険診療等に係る収入金額の範囲に同法の流行初期医療確保措置に係る収入金額が含まれることを明確化する。

(6)登記機関が職権に基づいてする個人の資格に係る変更の登録に対する登録免許税を非課税とする措置を講ずる。

(7)国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正により国立研究開発法人情報通信研究機構の資本金の額等の全部が国の所有に属することとなることに伴い、同機構を登録免許税法別表第二(非課税法人)掲名法人(現行:同法別表第三(登録免許税の非課税登記等)掲名法人)とする。

(8)奄美群島振興開発特別措置法の期限の延長を前提に、独立行政法人奄美群島振興開発基金を引き続き非課税法人(印紙税法別表第二)とし、その受ける登記等について引き続き非課税措置(登録免許税法別表第三)を講ずる。

(9)脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づき設立される脱炭素成長型経済構造移行推進機構が受ける事務所用建物の所有権の取得登記及び事務所用建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記に係る登録免許税を非課税とする措置(登録免許税法別表第三)を講ずる。

(10)高齢者の医療の確保に関する法律の改正に伴い、社会保険診療報酬支払基金が行う同法の出産育児支援金等の徴収等の業務に関する文書については、印紙税を課さないこととする。

(11)病床転換助成事業の期限の延長に伴い、社会保険診療報酬支払基金が行う病床転換助成事業に係る業務に関する文書については、引き続き印紙税を課さないこととする。

(12)介護保険法の改正に伴い、国民健康保険団体連合会が市町村からの委託を受けて行う同法の介護情報基盤の整備に係る業務に関する文書については、印紙税を課さないこととする。

(13)都市緑地法等の改正を前提に、都市緑地法に規定する都市緑化支援機構(仮称)が都道府県等の要請に基づく対象土地の買入れ及び対象土地の都道府県等への譲渡を行う際に作成する不動産の譲渡に関する契約書については、印紙税を課さないこととする。

(14)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会が行う同法の流行初期医療確保措置関係業務及び流行初期医療確保措置に係る事務に関する文書については、印紙税を課さないこととする。

(15)独立行政法人日本学生支援機構法に基づき独立行政法人日本学生支援機構等が行う「授業料後払い制度」の学資の貸与に係る業務に関する文書については、印紙税を課さないこととする。

(16)国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正により国立研究開発法人情報通信研究機構の資本金の額等の全部が国の所有に属することとなることに伴い、同機構を非課税法人(印紙税法別表第二)(現行:同法別表第三)とする。

(17)脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づき設立される脱炭素成長型経済構造移行推進機構が行う一定の業務に関する文書については、印紙税を課さないこととする。

(18)二酸化炭素の貯留事業に関する法律(仮称)の制定を前提に、同法の貯留権(仮称)及び試堀権(仮称)の譲渡に関する契約書について印紙税の課税物件に加える。

(19)公益信託制度改革による新たな公益信託制度の創設に伴い、公益信託の信託行為に関する契約書(行政庁の認可を受けた後に作成されるものに限る。)には、印紙税を課さないこととする。

(20)新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税措置の適用期限を1年延長する。

(地方税)

〈固定資産税・都市計画税〉

(1)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、同法の流行初期医療確保措置に係る収入が、社会医療法人の収入要件における社会保険診療に係る収入金額に加えられた後も、現行制度と同様に、社会医療法人の一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税の特例措置を講ずる。

(2)都市緑地法の改正を前提に、都市計画事業に要する費用に、同法の規定により都市計画事業として施行する特別緑地保全地区内の土地の買入れ及び機能維持増進事業に要する費用を含め、都市計画税を充てることを可能とする。

(3)国際戦略港湾及び一定の要件を満たす国際拠点港湾において、港湾運営会社が、港湾の脱炭素化を推進する事業により、政府の補助を受けて取得した陸上電力供給設備に係る固定資産税について、令和6年度予算措置を前提に、対象となる補助金の見直しに係る所要の措置を講ずる。

(4)建築基準法の改正に伴い、固定資産税について所要の措置を講ずる。

〈不動産取得税〉

(5)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、同法の流行初期医療確保措置に係る収入が、社会医療法人の収入要件における社会保険診療に係る収入金額に加えられた後も、現行制度と同様に、社会医療法人の一定の不動産に係る不動産取得税の特例措置を講ずる。

(6)建築基準法の改正に伴い、不動産取得税について所要の措置を講ずる。

〈事業所税〉

(7)国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正により国立研究開発法人情報通信研究機構の資本金の額等の全部が国の所有に属することとなることに伴い、同機構が行う事業に係る事業所税について、非課税とする措置を講ずる。

(8)第一種指定電気通信設備接続料規則の改正を前提に、専ら公衆の利用を目的として電気通信回線設備を設置して電気通信事業を営む者のうち固定電話事業者が事業の用に供する一定の施設に係る事業所税について、中継電話の提供に係る接続形態の変更後も、引き続き非課税とする措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年3月1日以後に終了する事業年度分の法人の事業に対して課すべき事業所税について適用する。

(9)脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づき設立される脱炭素成長型経済構造移行推進機構が行う収益事業以外の事業に係る事業所税について、非課税とする措置を講ずる。