四消費課税
1適格請求書等保存方式に係る見直し
(国税)
(1)適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置
適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、当該課税標準額に対する消費税額に8割を乗じた額とすることにより、納付税額を当該課税標準額に対する消費税額の2割とすることができることとする。
(注1)上記の措置は、課税期間の特例の適用を受ける課税期間及び令和5年10月1日前から課税事業者選択届出書の提出により引き続き事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる同日の属する課税期間については、適用しない。
(注2)課税事業者選択届出書を提出したことにより令和5年10月1日の属する課税期間から事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる適格請求書発行事業者が、当該課税期間中に課税事業者選択不適用届出書を提出したときは、当該課税期間からその課税事業者選択届出書は効力を失うこととする。
適格請求書発行事業者が上記の適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を付記するものとする。
上記の適用を受けた適格請求書発行事業者が、当該適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を納税地を所轄する税務署長に提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を認めることとする。
その他所要の措置を講ずる。
(2)基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除を認める経過措置を講ずる。
(3)売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除する。
(注)上記の改正は、令和5年10月1日以後の課税資産の譲渡等につき行う売上げに係る対価の返還等について適用する。
(4)適格請求書発行事業者登録制度について、次の見直しを行う。
免税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、課税期間の初日から登録を受けようとする場合には、当該課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日)までに登録申請書を提出しなければならないこととする。この場合において、当該課税期間の初日後に登録がされたときは、同日に登録を受けたものとみなす。
適格請求書発行事業者が登録の取消しを求める届出書を提出し、その提出があった課税期間の翌課税期間の初日から登録を取り消そうとする場合には、当該翌課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:その提出があった課税期間の末日から起算して30日前の日の前日)までに届出書を提出しなければならないこととする。
適格請求書発行事業者の登録等に関する経過措置の適用により、令和5年10月1日後に適格請求書発行事業者の登録を受けようとする免税事業者は、その登録申請書に、提出する日から15日を経過する日以後の日を登録希望日として記載するものとする。この場合において、当該登録希望日後に登録がされたときは、当該登録希望日に登録を受けたものとみなす。
(注)上記の改正の趣旨等を踏まえ、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者が、その申請期限後に提出する登録申請書に記載する困難な事情については、運用上、記載がなくとも改めて求めないものとする。
2承認酒類製造者に対する酒税の税率の特例措置の創設
(国税)
(1)承認酒類製造者のうち前年度の酒類の総課税移出数量(完全支配関係がある者(令和5年4月1日前から引き続き完全支配関係がある者を除く。)の課税移出数量を含む。)が3,000㎘以下の者(資本金等の額が3億円を超え、かつ、常時使用する従業員の数が300人を超える法人等を除く。)が、令和6年4月1日から令和11年3月31日までの間に、酒類の製造場から移出する酒類(当該承認酒類製造者が受けた酒類の製造免許の品目と同一の品目のものに限る。)に係る酒税額について、次に掲げる当年度酒税累計額の区分に応じそれぞれ次に定める割合を軽減する措置を講ずる。
当年度酒税累計額 |
軽減割合 |
---|---|
5,000万円以下の金額 |
20% |
5,000万円を超え8,000万円以下の金額 |
10% |
8,000万円を超え1億円以下の金額 |
5% |
(注1)上記の改正は、令和6年4月1日以後に酒類の製造場から移出する酒類について適用する。
(注2)上記の「承認酒類製造者」とは、酒税の保全のために酒類業の健全な発達に資する取組を適正かつ確実に行うことについて税務署長の承認を受けた酒類製造者をいう。
(注3)承認の申請をする者は、申請書に、酒類業の健全な発達に資するために必要な経営基盤の強化のための目標やその目標を達成するための措置等を記載した書面を添付した上で提出しなければならないこととする。
(注4)承認酒類製造者が目標の達成状況等を記載した書面を税務署長に提出しない場合には、この措置は適用しないこととする。
(注5)上記の「当年度酒税累計額」とは、その年度の初日以後に製造場から移出した酒類について、酒税法等に規定する税率により算出した額の累計額をいう。
(注6)上記の軽減割合は、前年度の一の品目の酒類の課税移出数量が次に掲げる数量の場合にあっては、それぞれ次に定める割合を上記の軽減割合に乗じて得た割合とする。
400㎘を超え1,000㎘以下75%
1,000㎘を超え1,300㎘以下50%
1,300㎘超25%
(2)清酒等に係る酒税の税率の特例措置、ビールに係る酒税の税率の特例措置及び被災酒類製造者が移出する清酒等に係る酒税の税率の特例措置(以下「旧特例措置」という。)は、適用期限の到来をもって廃止する。なお、激変緩和等の観点から、令和5年度については、旧特例措置を適用できることとするほか、承認酒類製造者は、次に掲げる年度について上記(1)の措置に代えてそれぞれ次に定める措置を適用できることとする経過措置を講ずる。
令和6年度から令和8年度まで旧特例措置
令和9年度旧特例措置の軽減割合に90%を乗じて得た割合を軽減割合とする旧特例措置
令和10年度旧特例措置の軽減割合に80%を乗じて得た割合を軽減割合とする旧特例措置
(注)承認酒類製造者が目標の達成状況等を記載した書面を税務署長に提出しない場合には、上記からまでの措置は適用しないこととする。
(3)その他所要の措置を講ずる。
3車体課税の見直し
(国税)
排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に係る自動車重量税の免税等の特例措置(いわゆる「自動車重量税のエコカー減税」)について、次の措置を講ずる。
(1)令和5年12月31日まで、現行制度を継続する。
(2)その上で、次の見直しを行った上、その適用期限を令和8年4月30日まで延長する。
乗用自動車(軽油自動車を除く。)
イ自動車重量税を免除し、又は税率を50%若しくは25%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年5月1日以後 |
---|---|---|
令和12年度燃費基準 |
現行と同じ |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
ロ平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より50%以上窒素酸化物の排出量が少ない自動車のうち、令和12年度燃費基準に対する達成の程度が75%以上であるもの(令和2年度燃費基準を達成しているものに限る。)で、令和7年5月1日から令和8年4月30日までの間に自動車検査証の交付等を受けるものについては、当該自動車検査証の交付等の際に納付すべき自動車重量税について本則税率を適用する経過措置を講ずる。
ハ新車に係る新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する自動車は、次に掲げるものとする。
(イ)令和12年度燃費基準に対する達成の程度が120%以上である自動車で令和6年1月1日から令和7年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受けるもの
(ロ)令和12年度燃費基準に対する達成の程度が125%以上である自動車で令和7年5月1日から令和8年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受けるもの
乗用自動車(軽油自動車に限る。)
イ平成30年排出ガス規制に適合する自動車で、現行、自動車重量税を免除するものについて、自動車重量税を免除し、又は税率を50%若しくは25%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を上記イと同様とする。
ロ平成30年排出ガス規制に適合する自動車のうち令和12年度燃費基準に対する達成の程度が75%以上であるもの(令和2年度燃費基準を達成しているものに限る。)で、令和7年5月1日から令和8年4月30日までの間に自動車検査証の交付等を受けるものについては、当該自動車検査証の交付等の際に納付すべき自動車重量税について本則税率を適用する経過措置を講ずる。
ハ新車に係る新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する自動車は、上記ハ(イ)及び(ロ)に掲げるものとする。
トラック(車両総重量が2.5t以下の揮発油自動車に限る。)
平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より50%以上窒素酸化物の排出量が少ない自動車について、自動車重量税を免除し、又は税率を75%、50%若しくは25%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
バス(車両総重量が3.5t以下の軽油自動車に限る。)
本措置の適用対象となる自動車の範囲から、平成21年排出ガス規制に適合するものを除外する。
トラック(車両総重量が2.5tを超え3.5t以下の揮発油自動車及び軽油自動車に限る。)
イ揮発油自動車のうち、平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より50%以上窒素酸化物の排出量が少ないもの及び軽油自動車のうち平成30年排出ガス規制に適合するものについて、自動車重量税を免除し、又は税率を75%若しくは50%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
ロ揮発油自動車のうち、平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より25%以上窒素酸化物の排出量が少ないものについて、自動車重量税の税率を75%又は50%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
ハ本措置の適用対象となる自動車の範囲に、揮発油自動車で平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より25%以上窒素酸化物の排出量が少ない自動車のうち、令和4年度燃費基準に対する達成の程度が90%以上であるものを加える。
ニ本措置の適用対象となる自動車の範囲から、軽油自動車で平成21年排出ガス規制に適合するものを除外する。
バス・トラック(車両総重量が3.5tを超えるものに限る。)
イ現行、税率を75%軽減する自動車に係る軽減割合を、令和6年1月1日から令和7年4月30日までの間、50%とし、税率を50%軽減する自動車に係る軽減割合を、令和6年1月1日から令和7年4月30日までの間、25%とし、同年5月1日以後は、本措置の適用対象となる自動車の範囲から、税率を25%軽減する自動車を除外する。
ロ自動車重量税を免除し、又は税率を50%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年5月1日以後 |
---|---|---|
令和27年度燃費基準 |
現行と同じ |
令和7年度燃費基準 |
令和27年度燃費基準 |
令和27年度燃費基準 |
令和7年度燃費基準 |
(3)自動車重量税の納付の事実の確認等の特例措置について、次の見直しを行う。
自動車重量税のエコカー減税の適用を受け、又は本則税率の適用を受けた自動車の自動車重量税について、自動車製作者等の不正行為に起因し納付不足額が発生した場合の当該自動車製作者等が納付すべき自動車重量税の額は、当該納付不足額に35%(現行:10%)を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
上記の自動車製作者等が納付した自動車重量税の額は、その法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しないこととする。
(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に法定納期限が到来する自動車重量税について適用する。
(4)その他所要の措置を講ずる。
(注)上記((1)及び(2)の適用期限の延長を除く。)の改正は、令和6年1月1日から施行する。
(地方税)
〈自動車税環境性能割〉
(1)環境性能に応じた非課税又は1%若しくは2%の税率(営業用自動車にあっては、非課税又は0.5%若しくは1%の税率)の適用区分について、次の見直しを行う。
自家用乗用車
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年4月1日以後 |
---|---|---|
令和12年度燃費基準 |
同左 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
営業用乗用車
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年4月1日以後 |
---|---|---|
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
同左 |
令和12年度燃費基準 |
バス(車両総重量が3.5t以下のガソリン自動車及び軽油自動車で、令和6年1月1日以後に取得したものに限る。)
イガソリン自動車のうち、平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より50%以上窒素酸化物の排出量が少ないもの又は平成17年排出ガス規制に適合し、かつ、平成17年排出ガス基準値より75%以上窒素酸化物の排出量が少ないもの及び軽油自動車のうち、平成30年排出ガス規制に適合するもの又は平成21年排出ガス規制に適合し、かつ、平成21年排出ガス基準値より10%以上窒素酸化物等の排出量が少ないものに適用する環境性能割の税率は、次のとおりとする。
(イ)令和2年度燃費基準に対する達成の程度が105%以上である自動車について、非課税とする。
(ロ)令和2年度燃費基準を達成している自動車((イ)に掲げるものを除く。)について、税率を1%とする。
(ハ)(イ)及び(ロ)に掲げる自動車以外の自動車について、税率を3%とする。
ロガソリン自動車のうち、平成30年排出ガス規制に適合し、かつ、平成30年排出ガス基準値より25%以上窒素酸化物の排出量が少ないもの又は平成17年排出ガス規制に適合し、かつ、平成17年排出ガス基準値より50%以上窒素酸化物の排出量が少ないもの及び軽油自動車のうち、平成21年排出ガス規制に適合するものに適用する環境性能割の税率は、次のとおりとする。
(イ)令和2年度燃費基準に対する達成の程度が110%以上である自動車について、非課税とする。
(ロ)令和2年度燃費基準に対する達成の程度が105%以上である自動車((イ)に掲げるものを除く。)について、税率を1%とする。
(ハ)令和2年度燃費基準を達成している自動車((イ)及び(ロ)に掲げるものを除く。)について、税率を2%とする。
(ニ)(イ)から(ハ)までに掲げる自動車以外の自動車について、税率を3%とする。
トラック(車両総重量が2.5t以下のもの)
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
トラック(車両総重量が2.5tを超え3.5t以下のもの)
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
― |
バス・トラック(車両総重量が3.5tを超えるもの)
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年4月1日以後 |
---|---|---|
平成27年度燃費基準 |
平成27年度燃費基準 |
令和7年度燃費基準 |
平成27年度燃費基準 |
平成27年度燃費基準 |
令和7年度燃費基準 |
平成27年度燃費基準 |
平成27年度燃費基準 |
令和7年度燃費基準 |
(2)令和4年4月1日から令和5年3月31日までの間に取得した軽油自動車(乗用車に限る。)のうち、平成30年排出ガス規制又は平成21年排出ガス規制に適合し、かつ、令和12年度燃費基準に対する達成の程度が60%以上であり、かつ、令和2年度燃費基準を達成しているものに係る環境性能割を非課税とする措置の適用期限を9月延長する。
(3)その他所要の措置を講ずる。
〈自動車税種別割〉
(4)種別割において講じている燃費性能等の優れた自動車の税率を軽減し、一定年数を経過した自動車の税率を重くする特例措置(いわゆる「種別割のグリーン化特例」)について、次の措置を講ずる。
営業用乗用車(ガソリン自動車、石油ガス自動車又は軽油自動車に限る。)
イ現行のグリーン化特例(軽課)については、次のとおり適用期限を延長する。なお、本特例措置は延長後の適用期限の到来をもって廃止する。
(イ)税率を概ね100分の75軽減する措置の適用期限を3年延長する。
(ロ)税率を概ね100分の50軽減する措置の適用期限を2年延長する。
ロ現行のグリーン化特例(重課)の適用期限を3年延長する。
以外の自動車
現行のグリーン化特例(軽課)及びグリーン化特例(重課)の適用期限を3年延長する。
(5)その他所要の措置を講ずる。
〈軽自動車税環境性能割〉
(6)環境性能に応じた非課税又は1%若しくは2%の税率(営業用軽自動車にあっては、非課税又は0.5%若しくは1%の税率。自家用軽自動車に係る特例措置による2%の税率を除く。)の適用区分について、次の見直しを行う。
乗用車
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
令和7年4月1日以後 |
---|---|---|
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
同左 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
令和12年度燃費基準 |
トラック(車両総重量が2.5t以下のもの)
燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 |
令和6年1月1日以後 |
---|---|
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準を達成している |
平成27年度燃費基準に対する達成の |
令和4年度燃費基準に対する達成の |
(7)その他所要の措置を講ずる。
〈軽自動車税種別割〉
(8)種別割において講じている、燃費性能等の優れた軽自動車(新車に限る。)を取得した日の属する年度の翌年度分の税率を軽減する特例措置(いわゆる「種別割のグリーン化特例(軽課)」)について、次の措置を講ずる。
営業用乗用車(ガソリン軽自動車に限る。)
現行のグリーン化特例(軽課)については、次のとおり適用期限を延長する。なお、本特例措置は延長後の適用期限の到来をもって廃止する。
イ税率を概ね100分の50軽減する措置の適用期限を3年延長する。
ロ税率を概ね100分の25軽減する措置の適用期限を2年延長する。
以外の軽自動車
現行のグリーン化特例(軽課)の適用期限を3年延長する。
(9)その他所要の措置を講ずる。
〈自動車税・軽自動車税〉
(10)自動車税及び軽自動車税の賦課徴収の特例措置について、次の見直しを行う。
自動車製作者等の不正行為に起因し自動車税環境性能割等の納付不足額が発生した場合の当該自動車製作者等が納付すべき自動車税環境性能割等の額は、当該納付不足額に35%(現行:10%)を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
の自動車製作者等が納付した自動車税環境性能割等の額は、その法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しないこととする。
その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に取得された自動車等に対して課する環境性能割並びに令和5年度分の令和6年1月1日以後に納税義務が発生した者に課する種別割及び令和6年度以後の年度分の種別割について適用する。
4租税特別措置等
(国税)
〔新設〕
特定複合観光施設区域整備法の規定により認定設置運営事業者のカジノ業務に係るものとして経理される課税仕入れ等については、仕入税額控除制度の適用を認めないこととし、それに伴い、次の調整措置その他所要の措置を講ずる。ただし、当該認定設置運営事業者のその課税期間における資産の譲渡等の対価の額の合計額にカジノ業務に係る収入の合計額を加算した金額のうちに、当該カジノ業務に係る収入の合計額の占める割合が5%を超えない場合には、当該課税仕入れ等について仕入税額控除制度の対象とする。
(1)認定設置運営事業者が、調整対象固定資産に係る課税仕入れ等の税額(以下「調整対象税額」という。)についてカジノ業務以外の業務(以下「非カジノ業務」という。)の用に供するものとして仕入税額控除制度の適用を受けた場合において、当該調整対象固定資産を課税仕入れ等の日から3年以内にカジノ業務の用に供したときは、当該カジノ業務の用に供した日に応じた一定の割合を乗じた調整対象税額を同日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額から控除し、当該控除をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
(2)認定設置運営事業者が、調整対象税額についてカジノ業務の用に供するものとして仕入税額控除制度の適用を受けなかった場合において、当該調整対象固定資産を課税仕入れ等の日から3年以内に非カジノ業務の用に供したときは、当該非カジノ業務の用に供した日に応じた一定の割合を乗じた調整対象税額を同日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額に加算し、当該加算をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日以後に開始する課税期間から適用する。
〔延長・拡充等〕
(1)入国者が輸入する紙巻たばこのたばこ税の税率の特例措置の適用期限を1年延長する。
(2)バイオエタノール等揮発油に係る課税標準の特例措置の適用期限を5年延長する。
(3)特定の用途に供する石炭に係る石油石炭税の軽減措置の適用期限を3年延長する。
(4)特定の石油製品等を特定の運送、農林漁業又は発電の用に供した場合の石油石炭税の還付措置の適用期限を3年延長する。
(5)輸入・国産農林漁業用A重油に係る石油石炭税の免税・還付措置の適用期限を5年延長する。
(6)非製品ガスに係る石油石炭税の還付措置の適用期限を5年延長する。
(7)航空機燃料税の税率の特例措置、沖縄路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例措置及び特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例措置について、次の措置を講ずる。
次のとおり税率を引き上げた上、その適用期限を5年延長する。
現行 |
改正案 |
|
---|---|---|
一般国内航空機に積み込まれる |
13,000円/㎘ |
18,000円/㎘ |
沖縄路線航空機に積み込まれる |
6,500円/㎘ |
9,000円/㎘ |
特定離島路線航空機に積み込ま |
9,750円/㎘ |
13,500円/㎘ |
上記の改正は、令和5年4月1日から実施するが、激変緩和の観点から、上記の現行の税率を2年間維持した上、税率改正の実施時期について次のとおり経過措置を講ずる。
イ第一段階令和7年4月1日
ロ第二段階令和9年4月1日
上記による税率改正の実施時期における具体的な税率は、次のとおりとする。
現行 |
改正案 |
||
---|---|---|---|
第一段階 |
第二段階 |
||
一般国内航空機に積み |
13,000円/㎘ |
15,000円/㎘ |
18,000円/㎘ |
沖縄路線航空機に積み |
6,500円/㎘ |
7,500円/㎘ |
9,000円/㎘ |
特定離島路線航空機に |
9,750円/㎘ |
11,250円/㎘ |
13,500円/㎘ |
(8)車両安定性制御装置等を装備した貨物自動車等に係る自動車重量税率の特例措置について、次の措置を講ずる。
車両総重量が8tを超えるトラック(トレーラーを除く。において同じ。)のうち、側方衝突警報装置及び歩行者検知機能付き衝突被害軽減制動制御装置(前方障害物との衝突に対する安全性の向上を図るための装置をいう。において同じ。)を装備したものについて、令和5年5月1日から令和6年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受ける場合には、当該新規検査の際に納付すべき自動車重量税の税率を50%軽減する。
バス等又は車両総重量が3.5tを超えるトラックのうち、歩行者検知機能付き衝突被害軽減制動制御装置を装備したもの(に該当するものを除く。)について、令和5年5月1日から令和8年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受ける場合には、当該新規検査の際に納付すべき自動車重量税の税率を25%軽減する。
(地方税)
〔新設〕
〈軽自動車税種別割〉
特定小型原動機付自転車に係る税率を2,000円とし、道路交通法の一部を改正する法律附則第1条第3号に定める日の属する年度の翌年度(同法の施行日が4月1日の場合には、同年度)分以後の軽自動車税種別割について適用する。
〔拡充・延長等〕
〈自動車税環境性能割〉
(1)側方衝突警報装置を装備した自動車(新車に限る。)に係る自動車税環境性能割の課税標準の特例措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
車両総重量が8tを超えるトラック(トレーラーを除く。)で側方衝突警報装置(左側面への衝突に対する安全性の向上を図るための装置をいう。において同じ。)及び歩行者検知機能付き衝突被害軽減制動制御装置(衝突に対する安全性の向上を図るための装置で、歩行者検知機能付きのものをいう。において同じ。)を装備したものに係る自動車税環境性能割について、当該自動車の取得が令和5年4月1日から令和6年4月30日までの間に行われたときに限り、その通常の取得価額から350万円を控除する。
車両総重量が8tを超えるトラック(トレーラーを除く。)で側方衝突警報装置を装備したものに係る自動車税環境性能割について、当該自動車の取得が令和5年4月1日から令和6年4月30日までの間に行われたときに限り、その通常の取得価額から175万円を控除する。
バス等及び車両総重量が3.5tを超えるトラック(トレーラーを除く。)で歩行者検知機能付き衝突被害軽減制動制御装置を装備したものに係る自動車税環境性能割について、当該自動車の取得が令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間に行われたときに限り、その通常の取得価額から175万円を控除する。
(2)都道府県の条例で定める路線の運行の用に供する一般乗合用のバスに係る自動車税環境性能割の非課税措置の適用期限を2年延長する。
(3)公共交通移動等円滑化基準に適合したノンステップバス及びリフト付きバス並びにユニバーサルデザインタクシー(新車に限る。)に係る自動車税環境性能割の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。
〈航空機燃料譲与税〉
(4)航空機燃料譲与税の譲与割合を、令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間は13分の4(現行と同じ。)、令和7年4月1日から令和9年3月31日までの間は15分の4、令和9年4月1日から令和10年3月31日までの間は9分の2とする等所要の措置を講ずる。
5その他
(国税)
(1)電気事業法の改正に伴い、消費税法上の生産設備等の範囲に蓄電用の電気工作物を加える。
(2)外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)について、免税購入された物品の税務署長の承認を受けない譲渡又は譲受けがされた場合には、当該物品を譲り受けた者に対して譲り渡した者と連帯してその免除された消費税を納付する義務を課すこととするほか、所要の措置を講ずる。
(注1)上記の改正は、令和5年5月1日以後に行われる課税資産の譲渡等に係る税務署長の承認を受けない譲渡又は譲受けについて適用する。
(注2)上記の改正に伴い、輸出酒類販売場制度について所要の措置を講ずる。
(3)資金決済に関する法律の改正に伴い、同法に規定する電子決済手段の譲渡について、消費税を非課税とするほか、所要の措置を講ずる。
(4)事業再構築のための私的整理法制が整備されることを前提に、消費税に係る貸倒れの範囲に事業再構築のための計画が成立したことにより債権の切捨てがあったことを加える。
(5)刑法等の一部を改正する法律による改正後の更生保護法の規定に基づく更生緊急保護に係る医療について、引き続き消費税を非課税とする。
(6)都道府県知事等から国家戦略特別区域内に所在する場合の外国の保育士資格を有する者の人員配置基準等の一定の基準を満たす旨の証明書の交付を受けた認可外保育施設において行われる保育について、消費税を非課税とする。
(7)金融サービスの提供に関する法律の改正を前提に、金融経済教育推進機構(仮称)を消費税法別表第三法人とする。
(8)原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律の改正を前提に、使用済燃料再処理機構の業務範囲の見直し等が行われた後も、同機構を引き続き消費税法別表第三法人とする。
(9)福島国際研究教育機構の設立に伴い、同機構を消費税法別表第三法人とする。
(10)日米宇宙協力に関する枠組協定(仮称)の締結を前提に、同協定に基づき保税地域から引き取られる物品に係る消費税を免除する。
(11)税関事務管理人制度の見直しに伴い、税関長が、輸入申告に係る納税管理人及び税関事務管理人を定めなければならない者について特定税関事務管理人を指定したときは、当該特定税関事務管理人は、保税地域からの引取りに係る内国消費税に関する一定の事項を処理することとする等の所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、令和5年10月1日から施行する。
(12)内国消費税について、課税貨物を保税地域から引き取る特例輸入者が帳簿への記載を省略する場合に保存することとされている輸入許可書等の範囲に、これらの書類に係る電磁的記録を含めることとする。
(13)課税済み輸入製造たばこを輸出した場合におけるたばこ税の還付手続に当たって必要となる書類の記載について、輸出許可書等に係る電磁的記録に基づいて記載できることとする。
(14)石油石炭税における月別申告の特例の適用に当たって必要となる承認申請書の記載について、輸入許可書等に係る電磁的記録に基づいて記載できることとする。
(15)電気事業法の改正を前提に、電源開発促進税の課税対象である販売電気の範囲について所要の措置を講ずる。