(2022年3月28日一部修正)
本条約は、我が国について2019年1月1日、ルクセンブルクについて2019年8月1日に発効します。我が国が2018年9月26日に提出した留保及び通告並びにルクセンブルクが2019年4月9日に提出した留保及び通告に基づき、本条約は、以下のとおり、我が国とルクセンブルクとの間の租税条約について適用されます。
1.本条約の対象となる租税条約
○ 「所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルク大公国との間の条約」(1992年3月5日署名、1992年12月27日発効)
○ 「所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルク大公国との間の条約を改正する議定書」(2010年1月25日署名、2011年12月30日発効)
2.適用される本条約の規定
○ 第3条1(課税上存在しないものとして取り扱われる事業体を通じて取得される所得に関する規定)
○ 第5条2(国外所得免除による二重課税の除去に関する租税条約の規定の適用を制限する規定)
(注)この規定は、ルクセンブルクの居住者にのみ適用されます。
○ 第6条1(租税条約は二重非課税の機会を生じさせるものでないことを明らかにする前文の規定)
○ 第6条3(経済関係の発展及び租税に関する当事国間の協力の強化に関する前文の規定)
○ 第7条1(取引等の主要な目的が租税条約の特典を受けることである場合にその特典を認めない規定)
○ 第16条1第一文(租税条約の規定に適合しない課税に係る事案の申立てに関する規定)
○ 第17条1(独立企業原則に沿った課税に係る対応的調整に関する規定)
○ 第6部(租税条約の規定に適合しない課税に係る事案の解決のための仲裁に関する規定)
○ 第19条12(判決等があった事案は仲裁に付託されないことを規定する規定)
○ 第23条2(仲裁のための委員会が権限のある当局から提出される情報に基づき仲裁に付された事項を自ら決定する仲裁手続に関する規定)
○ 第23条5(仲裁手続の過程において入手した情報に対する事案の申立てをした者の守秘義務に関する規定)
○ 第28条2(a)(仲裁に付託することができる事案の範囲に関する規定)
3.適用の開始
(1) 本条約の規定は、我が国とルクセンブルクとの間の租税条約の各当事国において、次のものについて適用されます。
イ 非居住者に対して支払われ、又は貸記される額に対して源泉徴収される租税については、2020年1月1日以後に生ずる課税事象
ロ 当該当事国によって課されるその他の全ての租税については、2020年2月1日以後に開始する課税期間に関して課される租税
(2) 上記(1)にかかわらず、第16条(相互協議手続)の規定は、我が国とルクセンブルクとの間の租税条約につき、2019年8月1日以後に一方の当事国の権限のある当局に対して申し立てられた事案(本条約によって修正される前の我が国とルクセンブルクとの間の租税条約の規定に基づき、2019年8月1日において申立てをすることが認められなかったものを除きます。)に関し、当該事案が関連する課税期間を考慮することなく、適用されます。
(3) 上記(1)及び(2)にかかわらず、第6部(仲裁)の規定は、次の日から適用されます。
イ 第19条(義務的かつ拘束力を有する仲裁)1(a)に規定するところによって一方の当事国の権限のある当局に対して申し立てられた事案については、2019年8月1日
ロ 2019年8月1日の前に一方の当事国の権限のある当局に対して申し立てられた事案であって、第6部の規定を適用することについて両当事国の権限のある当局が合意するものについては、両当事国が、第19条(義務的かつ拘束力を有する仲裁)10の規定に従って合意に達したこと及び当該合意に定める条件に従い、同条1(a)に規定するところによって一方の当事国の権限のある当局に対して当該事案が申し立てられたとみなされる日に関する情報について寄託者に通告した日