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我が国とフィンランドとの間の租税条約に対する本条約の適用関係の概要

本条約は、我が国について2019年1月1日、フィンランドについて2019年6月1日に発効します。
我が国が2018年9月26日に提出した留保及び通告並びにフィンランドが2019年2月25日及び2023年6月27日に提出した留保及び通告に基づき、本条約は、以下のとおり、我が国とフィンランドとの間の租税条約について適用されます。

1.本条約の対象となる租税条約
○ 「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約」(1972年2月29日署名、1972年12月30日発効)
○ 「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約を改正する議定書」(1991年3月4日署名、1991年12月28日発効)

2.適用される本条約の規定
○ 第6条1(租税条約は二重非課税の機会を生じさせるものでないことを明らかにする前文の規定)
○ 第7条1(取引等の主要な目的が租税条約の特典を受けることである場合にその特典を認めない規定)
○ 第9条4(不動産化体株式の譲渡収益に対する課税に関する規定)
○ 第16条1第一文(租税条約の規定に適合しない課税に係る事案の申立てに関する規定)
○ 第16条1第二文(相互協議の申立ては3年以内にしなければならないとする規定)
○ 第16条2第二文(相互協議の合意を実施する義務に関する規定)
○ 第17条1(独立企業原則に沿った課税に係る対応的調整に関する規定)
○ 第6部(租税条約の規定に適合しない課税に係る事案の解決のための仲裁に関する規定)
○ 第19条12(判決等があった事案は仲裁に付託されないことを規定する規定)
○ 第23条2(仲裁のための委員会が権限のある当局から提出される情報に基づき仲裁に付された事項を自ら決定する仲裁手続に関する規定)
○ 第23条5(仲裁手続の過程において入手した情報に対する事案の申立てをした者の守秘義務に関する規定)
○ 第28条2(a)(仲裁に付託することができる事案の範囲に関する規定)

(注)フィンランドが2023年6月27日に提出した通告に基づき、本条約第9条4の規定が新たに適用されます。詳細については統合条文②をご参照ください。また、適用の開始については以下をご参照ください。

3.適用の開始
1(1) 本条約の規定は、我が国とフィンランドとの間の租税条約の各当事国において、次のものについて適用されます。
イ 我が国においては、
(イ) 非居住者に対して支払われ、又は貸記される額に対して源泉徴収される租税については、2020年1月1日以後に生ずる課税事象
(ロ) 当該当事国によって課されるその他の全ての租税については、2019年12月1日以後に開始する課税期間に関して課される租税
ロ フィンランドにおいては、
(イ) 非居住者に対して支払われ、又は貸記される額に対して源泉徴収される租税については、2020年1月1日以後に生ずる課税事象
(ロ) 当該当事国によって課されるその他の全ての租税については、2020年1月1日以後に開始する課税期間に関して課される租税

(2) 上記(1)にかかわらず、第6部(仲裁)の規定は、次の日から適用されます。
イ 第19条(義務的かつ拘束力を有する仲裁)1(a)に規定するところによって一方の当事国の権限のある当局に対して申し立てられた事案については、2019年6月1日
ロ 2019年6月1日の前に一方の当事国の権限のある当局に対して申し立てられた事案については、両当事国が、第19条(義務的かつ拘束力を有する仲裁)10の規定に従って合意に達したこと及び当該合意に定める条件に従い、同条1(a)に規定するところによって一方の当事国の権限のある当局に対して当該事案が申し立てられたとみなされる日に関する情報について寄託者に通告した日

2 フィンランドが2023年6月27日に提出した通告は、次のものについて適用されます。
(1) 源泉徴収される租税に係る規定に関する留保及び通告については、2024年1月1日以後に生ずる課税事象
(2) その他の全ての規定に関する留保及び通告については、2024年1月1日以後に開始する課税期間に関して課される租税