(1)税務関係書類における押印義務の見直し
○政府全体の行政手続における押印義務の見直しの方針を踏まえ、税務署長等に提出する税務関係書類において、実印及び印鑑証明書を求めている手続等を除き、押印義務を廃止します。
(参考)地方公共団体の長に提出する地方税関係書類についても同様とします。
※上記のほか、国税の犯則調査手続における質問調書等への押印義務については存置とします。
(2)電子帳簿等保存制度の見直し
○経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、帳簿書類を電子的に保存する際の手続を抜本的に簡素化します(令和4年1月1日以後適用)。
帳簿等
●税務署長の事前承認が必要
●検索機能や訂正削除履歴を備えた信頼性の高いシステムしか認められておらず、低コストなクラウド会計ソフト等の利用者は紙での保存が必要
□税務署長による事前承認を廃止。
□モニター、説明書の備付け等の最低限の要件を満たす電子帳簿(正規の簿記の原則に従って記帳されるものに限る。)も、電子データのまま保存することが可能。
□信頼性の高い電子帳簿(優良な電子帳簿)については、インセンティブにより差別化(過少申加算税を5%軽減、青色申告特別控除を10万円上乗せして65万円)。
受領する請求書等
●税務署長の事前承認が必要
●紙原本による確認が必要なため、その処理のために出勤が必要
●一定日数内でのタイムスタンプ付与の徹底が困難
●保存データに対する高度な検索機能を確保できない場合は紙での保存が必要
□税務署長による事前承認を廃止。
□紙原本による確認の不要化(スキャン後直ちに原本の廃棄が可能)。
□電子データの改ざん等による不正に対しては、重加算税を10%加算。
□タイムスタンプ付与までの期間を最長約2カ月以内に統一。
□検索要件について、「日付、金額、取引先」に限定するとともに、一定の小規模事業者については不要化。
(3)スマートフォンを使用した決済サービスによる納付手段の創設
○国税の納付手段の多様化を図る観点から、令和4年1月より、スマートフォンのアプリ決済サービスを使用した納付を可能とする制度を創設します。
※納付書で納付できる国税を対象とし、税目による制限はありません。
※税額は、30万円以下に限定します。
(参考)地方税共通納税システムの対象税目の拡大
○地方税共通納税システムの対象税目について、固定資産税、都市計画税、自動車税種別割及び軽自動車税種別割を追加し、eLTAX(地方税のオンライン手続のためのシステム)を通じた電子納付を可能とします。
(参考)個人住民税の特別徴収税額通知の電子化
○特別徴収税額通知(納税義務者用)について、特別徴収義務者が求めた場合、市町村は、eLTAX及び特別徴収義務者を経由して電子的に送付するものとします。