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「剣道と財務省」~伝統・文化の継承~

財務副大臣 秋野 公造


2022年8月12日に財務省の一員として着任いたしました秋野公造です。井上貴博副大臣、宮本周司政務官、金子俊平政務官とともに職員の皆様と一致結束して、鈴木俊一大臣をお支えして、組織理念を実行して参ります。
初登庁の際に防具と竹刀を持って参りましたが、私は党の先輩の弘友和夫元参議院議員(剣道教士七段)の勧めで、参議院議員に初当選した後に、剣道を本格的に始めました。
40を過ぎて始めましたので上手くなるはずもなく、しかしながら衆議院道場に月水金のうち可能な限り通って、田口榮治先生と中田琇士先生のご指導を仰ぎ、四段まで取得しました。
約一時間、過去に警視庁の師範を務められ、剣道の最高位である八段の先生を指導する範士八段の先生に、私のような者がご指導を賜れることは幸せなことで、「とんでもないことである。」と多くのご指摘をいただいています。
「無」になれる時間は大変貴重で、疲れも吹っ飛びます。先生方に僅かな心の乱れをご指導頂けることには感謝しか無く、人としての成長の機会に感謝し、稽古の後は、一歩前に出る勇気を生活に反映させようと努めています。
稽古に励む中、もっと早く剣道を始めたかったとの思いから、「剣道と剣道具を国の文化財として継承するべきではないか」との思いに至り、質疑をしたのは参議院財政金融委員会の場でした。文化庁が「順次、検討に着手する」と答弁し、文化庁とは意見交換を続けています。
財務省に参りまして、財務省剣道部に属し、財務省のネーム垂をつけて、張り切って稽古に励んでいます。道場に掲示された木製名札は四段の末席。若い職員の皆様の体当たりに、体は中を舞い、床に叩きつけられた経験に感謝です。また鍔が割れる位の激しい稽古の後に、「湯気を出しながら翌日の答弁レクを受けていた」と茶谷栄治次官にご紹介頂いたくらいに、仕事と財務省剣道部にはまっています。
本稿執筆時点で楽しみにしていることは、税関柔剣道錬成大会に出場することです。輝かしい税関150年に居合わせた縁とその日を迎えた士気高い税関職員の皆様と剣を交えます。あらためて、財務省剣道部、税関剣道部の発展を心より願っています。
さて、財務省の一員として、皆様が仕事に誇りと責任感を持ち、幅広い課題に怯まず向き合う姿に刺激を受けています。日本のよい伝統を継承する組織のあり方には、厳しくとも崇高な職責をともに担いたい先輩の思いと、先輩に積極的に胸を借りてぶつかっていく後輩の思いが協奏しています。よって2023年度新入職員の皆様には「やり甲斐があり人から感謝される最高の職場で最後まで貫く」ことをお願いした次第です。
税関150周年式典や、日銀政策決定会合においては、シャツが汗びっしょりになる経験もしました。国会審議にあたっては、「よく分かったよ。」と先輩議員にお声をいただけるのは、嬉しい瞬間であり、皆様と一緒に説明責任を果たすことの重要性に身が引き締まります。こうして国民に向けて国会審議のための答弁書の作成だけでなく、法案、予算・税制・国の資産債務管理はじめ与党に対する説明も、審議会等の準備と有識者に対する説明も、一言一句無駄なく過去と整合性を持って、未来へ合意形成を続ける財務省無くして国は成り立ちません。
激しい変化の時代です。価値観も多様化しています。培った伝統に、国民の皆様が持つ新しい知識と知恵を互いに注入し合いながら、お役に立って参りたいと決意しています。変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。