世界経済は大きな構造変化の途上にあると共に、高まる不確実性に直面しており、これは課題を伴う一方、新たな機会ももたらしている。成長は底堅いが、緊張も生じつつある。我々は、信認を高め、強靱性を構築し、マクロ経済及び金融の安定を守るための健全な政策を採用していく。我々は、グローバル課題への対応に向けて協力を継続する。進行中の戦争及び紛争は、甚大な人道的犠牲をもたらし続けていると同時に、経済的にも多大なコストと重大な負のスピルオーバーを引き起こしている。持続可能な成長及び長期的安定のためには、戦争と紛争を終結させ、世界における恒久的な平和を確保することが依然として不可欠である。
開発委員会は、10月16日にワシントンD.C.で開催された。
総務は、世界経済が、経済成長の持続、雇用創出、貧困削減の取組を妨げる重大な課題や短中期的な不確実性に引き続き直面していることに留意した。
開発委員会のメンバーは、雇用と成長の基盤に関する文書を歓迎し、支援対象国が雇用創出に必要な物理的、人的及び自然のインフラを構築することを支援し、政策や規制による効果的なビジネス環境の醸成、地域の連結性や貿易の促進、及びIFCとMIGAが重要な役割を果たす国外及び国内の民間資金動員に関する、WBGの現在の取組を認識した。
開発委員会は、WBGに対し、融資及び知見貢献の能力を活用し、One WBGとして雇用創出の障壁を取り払い、支援対象国が求める民間投資を促進することを求めた。開発委員会のメンバーは、WBGが、産業のニーズに応じた技術及び職業訓練を含む質の高い教育へのアクセス拡大や、女性や女児を含む全ての人々への経済機会と起業への障壁を取り除く取組を行っていることを支持した。
開発委員会のメンバーは、アフリカ開発銀行や他のパートナーと進めるミッション300を含め、最も必要とする人々に対し、アクセス可能で安価かつ信頼のおけるエネルギーを提供することにWBGが引き続き取り組んでいることに勇気づけられた。総務は、雇用、基本的な公共サービス、ビジネス、デジタル化の進展への必要性による、エネルギーへのアクセスへの需要の高まりを認識した。
開発委員会は、各国の債務の持続可能性、透明性、脆弱性に関し、IMFや開発パートナーと引き続き連携するとともに、効果的で公平な国内資金動員を支援することをWBGに求めた。また、総務は、他の国際機関や民間セクターとのパートナーシップを引き続き強化することをWBGに求めた。
開発委員会は、AAA格付と組織の財務持続可能性を維持しながら、成果へ更に注力しつつ融資余力を拡大することで、より迅速、簡素、効率的かつ効果的になることを目指すWBGの取組を認識した。総務は、改定されたWBGの調達制度における質を重視するアプローチと現地雇用、雇用創出の重点化に留意する。
総務は、スコアカードに示されているように、支援対象国への効果を最大化するための取組を継続することをWBGに強く求めた。開発委員会のメンバーは、居住可能な地球で繁栄の共有を促進し極度の貧困を撲滅するというそのミッションを達成するべく、WBGが2025年度に支援コミットメントを1,185億ドルへ拡大し、689億ドルの民間資金を動員したことに留意した。支援対象国が強い開発効果を生み出すことを支援する観点から、開発委員会のメンバーは、2025年度のプロジェクトが48%の気候に関する共便益を達成したことに留意した。
開発委員会のメンバーは、低所得国、脆弱性、紛争及び暴力(FCV)の影響を受ける国並びに小国に引き続き注力することを求めた。総務は、新たなWBGのFCV戦略及び来る小国戦略の議論を期待する。総務は、中所得国が直面する課題への対応にかかる更なる対話に関心を示した。
開発委員会はIDAへの支援を改めて表明し、IDA21の実施に対する力強い進捗に期待した。
開発委員会のメンバーは、2025年の株式配分見直しに関する総務への進捗報告を認識した。
次の開発委員会は、ワシントンD.C.において、2026年4月に開催する。

