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2002年(平成14年)改正

.改正の目的

 

 

 2001年9月の米国同時多発テロ事件の発生以降、国際社会においてはテロ対策の更なる推進が喫緊の課題となり、テロ資金供与防止条約及び国連安保理決議第1373号で、テロリスト等に対する効果的かつ遅滞なき資産凍結等が求められました。
 このような状況に鑑み、外国為替取引においてテロリスト等の資産凍結等を迅速かつ有効に実施するために、外為法の一部を改正し、必要な規定を整備しました。

.改正の概要

 

(1

)資産凍結等の対象となるテロリスト等を迅速かつ適切に指定
 国連安保理決議第1373号は、各国がそれぞれテロリスト等を指定して資産凍結等の措置を講ずることを求めています。この指定に当たっては国際的なテロリスト等に関する情報を有する省庁の協力が不可欠であり、関係省庁(外務省、法務省、警察庁等)による情報提供等の根拠となる規定を整備しました。

 

(2

)金融機関等による顧客本人確認を義務化
 資産凍結措置等の実効性を確保するため、これまでの外為法では努力規定であった送金等に係る顧客等の本人確認を義務規定とし、あわせてその対象取引を非居住者預金その他の資本取引を加える等の規定を整備しました。
 これに伴い、200万円相当額を超える海外送金、両替、外貨預金等を行おうとする者は、銀行等の金融機関において、顧客の本人特定事項を確認するために、運転免許証や保険証等の提示が求められます。

 

 

 

2004年(平成16年)改正

.改正の目的

 

 

 近年における我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全の維持のため、特に必要があるときは、閣議において対応措置を講ずべきことを決定できることとし、閣議決定が行われたときは主務大臣が支払等について許可等を受ける義務を課することができるようにするために、必要な規定を整備しました(この改正は、議員立法によるものです)。

.改正の概要

 

(1

)目的の改正
 この法律の目的において、我が国又は国際社会の平和及び安全の維持の観点を明示しました。

 

(2

)我が国の平和及び安全の維持のための措置等

 

 

a.
 

 我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、対応措置(閣議決定に基づき主務大臣により行われるbからdまでによる措置をいう。)を講ずべきことを決定することができることとしました。

 

 


 

 イの閣議決定に基づき対応措置を講じた場合には、当該対応措置を講じた日から20日以内に国会に付議し、当該対応措置を講じたことについて国会の承認を求めなければならないこととしました。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合は、その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならないこととしました。

 

 

 

 政府は、ロの場合において不承認の議決があったときには、速やかに、当該対応措置を終了させなければならないこととしました。

 

 

b.

 

 主務大臣が、支払等、資本取引、特定資本取引及び役務取引等について許可を受ける義務を課することができる場合として、aイの閣議決定が行われた場合を加えました。

 

 

c.

 

 財務大臣が、対外直接投資の内容の変更又は中止を勧告することができる場合として、aイの閣議決定が行われた場合を加えました。

 

 

d.

 

 貨物の輸出及び輸入について、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又はaイの閣議決定を実施するため、承認を受ける義務を課せられることがある旨を明記しました。

 

 

 

2017年(平成29年)改正

.改正の目的

 

 

 安全保障の観点から、国の安全に関する投資に関し、無届け等で対内直接投資等を行った外国投資家に株式売却等の命令を行うことができる制度を創設したほか、外国投資家による他の外国投資家から非上場株式を取得する行為を審査付事前届出制の対象とする等、対内直接投資等規制の強化を行いました。

.改正の概要

 

(1

)特定取得の事前届出制対象への追加
 国の安全を損なうおそれが大きい業種について、外国投資家による他の外国投資家からの非上場株式の取得を事前届出制の対象に追加しました。

 

(2

)事後措置命令の導入
 無届けや虚偽届出により対内直接投資等を行った外国投資家等に対し、国の安全を損なうおそれがある場合には、株式売却等の措置命令を行うことができる制度を導入しました。

2019年(令和元年)改正

.改正の目的

 

 

 日本経済の健全な発展に寄与する対内直接投資を一層促進するとともに、国の安全等を損なうおそれがある投資に適切に対応していくことを目的とし、事前届出免除制度を導入し、事前届出の対象を見直す等の改正を行いました。
 (2020年5月8日施行)

.改正の概要

 

(1

)取得時事前届出免除制度の導入
 一定の基準の遵守を前提に株式取得時の事前届出を免除する制度を導入しました。

 

(2

)事前届出の対象の見直し
 上場会社の取得時事前届出の閾値を10%から1%に引き下げたほか、役員への就任及び指定業種に属する事業の譲渡・廃止について、行為時事前届出を導入しました。

 

(3

)国内外の行政機関との情報連携の強化

2022年(令和4年)4月改正

.改正の目的

 

 

 支払規制及び資本取引規制をより一層効果的なものとするため、暗号資産に関する取引を資本取引規制の対象とするとともに、暗号資産交換業者に資産凍結措置に係る確認義務を課す等の措置を講ずる等の改正を行いました。
 (2022年5月10日施行)

.改正の概要

 

(1

)資本取引規制の対象に暗号資産に関する取引を追加
 暗号資産に関する取引を資本取引とみなす取引として新たに定義することにより、財務大臣の許可を受ける義務を課す資本取引規制の対象としました。

 

(2

)暗号資産交換業者による確認義務等
 暗号資産交換業者に資産凍結措置(支払等又は資本取引等を許可の対象とする措置をいう。)に係る確認義務等を課すこととしました。

2022年(令和4年)12月改正

.改正の目的

 

 

 国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(令和4年法律第97号)により以下①②の措置を講ずる等の外為法の一部改正を行いました。
①資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)の改正により、電子決済手段(いわゆるステーブルコイン)及び電子決済手段等取引業者が新設されることを受け、電子決済手段に関する取引を資本取引規制の対象とするとともに、電子決済手段等取引業者に資産凍結措置に係る確認義務を課す(2023年6月1日施行)
②資産凍結措置の実効性をより一層確保するため、外為法の適用を受ける金融機関等に対し、外国為替取引等取扱業者遵守基準に従って資産凍結措置を適切に実施する態勢整備義務を課す(2024年4月1日施行)

 

 

.改正の概要

 

(1

)資本取引規制の対象に電子決済手段に関する取引を追加
 電子決済手段に関する取引を資本取引とみなす取引として新たに定義することにより、財務大臣の許可を受ける義務を課す資本取引規制の対象としました。

 

(2

)電子決済手段等取引業者による確認義務等
 電子決済手段等取引業者に資産凍結措置(支払等又は資本取引等を許可の対象とする措置をいう。)に係る確認義務等を課すこととしました。

 

(3

)外国為替取引等取扱業者遵守基準
 金融機関等に対し、外国為替取引等取扱業者遵守基準に従って資産凍結措置を適切に実施する態勢整備義務を課すこととしました。



【その他の直近の改正等】