アジア債券市場育成イニシアティブは、アジアにおいて効率的で流動性の高い債券市場を育成することにより、二重のミスマッチ(ドル等の外貨を海外から短期で借り入れ、自国通貨建てで国内の長期の融資を実施)を解消し、アジアにおける貯蓄をアジアに対する投資へと活用できるようにすることを目的として、2003年第6回ASEAN+3財務大臣会議(於:フィリピン・マニラ)にて合意され、これまでに数多くの検討課題に精力的に取り組んできました。
2005年には、今後新たに取り組む重点分野と、実施のためのアプローチを明確化するために、ロードマップが策定されました。それ以降、ロードマップは、課題の優先度合いを見直し、新たな課題を追加するため、定期的に見直しが行われています。2023年5月には、これまでのABMIの取組みの成果についての評価(PDF:542KB)とともに、グリーンやデジタルといった新たな潮流を踏まえた新ロードマップ(PDF:341KB)が2023年第26回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議(於:韓国・仁川)にて承認されました(ロードマップの概要はこちら(PDF:538KB))。
これまで以下のような様々な取組みにより、ASEAN+3域内の現地通貨建て債券市場の規模は大きく拡大しました。
<アジア・ボンド・オンライン(Asian Bonds Online)>
アジア・ボンド・オンラインによる債券市場やABMIの進展に係る情報発信が行われてきました。
<ASEAN+3債券市場フォーラム(ASEAN+3 Bond Market Forum)>
2010年9月には、ASEAN+3域内のクロスボーダー債券取引を促進することを目的として、クロスボーダー債券取引に係る市場慣行の標準化や、規制の調和化を図るため、官民一体のフォーラムとしてASEAN+3債券市場フォーラムを設置しました。ABMFはASEAN+3各国の規制及び取引慣行に関する調査を行い、調査結果をもとに「ASEAN+3債券市場ガイド」を策定し2012年4月に公表、域内各国・地域版も順次公表しました。また、域内のプロ投資家向け債券市場への上場プロセスの共通化を目的に、ASEAN+3債券共通発行フレームワーク(AMBIF)を進めており、2015年9月にはAMBIFに基づく一号債券が発行され、その後も新規債券が発行されています。
<信用保証・投資ファシリティ(CGIF:Credit Guarantee and Investment Facility)>
2010年11月には、域内の企業が発行する社債に保証を供与することで、現地通貨建て債券の発行を支援し、域内債券市場の育成に貢献するため、信用保証・投資ファシリティを設立し、2013年4月に一号案件を実施して以降、順調に保証残高を増やしています。
2017年4月には、現地通貨建て債券市場育成に関する、域内、域外との知見共有を目的に、ABMIの取組みの一環として、債券市場育成のGood Practicesが作成されました。2019年5月には、国債市場に加え社債市場を追加するとともに、読みやすく構成しなおしたGood Practices改訂版が公表されました。
アジア債券市場育成イニシアティブについて
報道発表