このページの本文へ移動

国庫金の施策


国庫収支の調整

    • 国庫収支については、年度を通して見れば予算上の歳入と歳出がバランスするように、概ね均衡するものですが、「日々」の単位では受払に「ずれ」が発生します。このため、日によって現金不足や現金余剰が発生することがあり、その調整を行う必要があります。
    • 財務省においては、一般会計・特別会計等の国庫全体の受払の調整、すなわち「国庫の資金繰り」を行っています。特に、現金に不足が見込まれる場合には「政府短期証券」という資金繰りのための債券を発行して資金手当を行っています。

国庫収支の調整のイメージ(PDF:55KB)
国庫収支の調整前後の収支波動(PDF:56KB)
政府短期証券(FB)の概要(PDF:67KB)
政府短期証券発行状況の推移 (Excel:63KB)

国庫収支の調整

(参考)

(1)円の国際化の推進策について(平成10年12月22日)(PDF:82KB)

(2)政府短期証券(FB)の公募入札発行について(平成11年3月5日)(PDF:193KB)

(3)当面の政府短期証券の発行について(平成12年3月15日、平成13年3月15日)(PDF:64KB)

 

政府短期証券

 財政法や特別会計に関する法律に基づき、国庫または特別会計等において、受入と支払のタイミングのずれによって発生する一時的な現金不足を補うために、国が発行する短期の証券(資金繰り債)です。

政府短期証券(FB)の発行根拠等

1.FBの発行根拠別分類

これまでに発行されたFBを発行根拠によって分類すると次表のとおりとなります。

名称
発行根拠法
発行目的
償還
財務省証券 財政法第7条第1項 国庫金の出納上必要があるとき 当該年度の歳入
財政融資資金証券 財政融資資金法第9条第1項 財政融資資金に属する現金に不足があるとき 1年内

外国為替資金証券

特別会計に関する法律第83条第1項 外国為替資金に属する現金に不足がある場合 1年内
石油証券 特別会計に関する法律第94条第2項 国家備蓄石油の購入に要する費用の財源に充てるために必要がある場合 1年内
同法第95条第1項 支払上現金に不足がある場合 当該年度の歳入
原子力損害賠償支援証券 特別会計に関する法律第94条第4項 国債整理基金特別会計繰入れに要する費用の財源に充てるために必要がある場合 1年内
同法第95条第1項 支払上現金に不足がある場合 当該年度の歳入
食糧証券 特別会計に関する法律第136条第1項 主要食糧及び輸入飼料の買入代金の財源に充てるために必要がある場合 1年内
同法第137条第1項 支払上現金に不足がある場合 当該年度の歳入

2.FBの種類等
 
 これまでに公募発行されたFBは、償還期間2ヶ月程度、3ヶ月、6ヶ月、1年の4種類です。FBについては、平成11年度に発行方式を市中公募入札方式へ移行したことに伴い、それまで財務省証券や外国為替資金証券等それぞれ別個に発行してきたものを、「政府短期証券」として統合して発行するようになりました。また、平成21年2月からは、割引短期国債と統合し「国庫短期証券」として発行しています。
 FBの発行限度額(財政法上は「最高額」という)は、各負担会計の毎年度の予算総則に定められます。FBは、発行残高がこの限度額を超えない限り何度でも発行することができます。ただし、FBのほかに一時的な現金不足を補うための調達手段(一時借入金の借入や国庫余裕金の繰替使用)が認められている会計等においては、それらの調達手段による調達すべてを合算した残高が限度額を超えないようにしなければなりません。

 3.FBの日本銀行引受
 
 FBは、平成10年度までは定率公募残額日銀引受方式により発行しており、そのほとんどを日本銀行が引き受けていました。平成11年度に、FBの発行方式が市中公募入札方式に移行されたことに伴い、FBの発行は市中公募入札発行を原則としつつ、日本銀行が引き受ける場合を以下のとおりとしました。
(1)公募入札において募集残額等が生じた場合及び国庫に予期せざる資金需要が生じた場合には、日本銀行は、例外的に所要のFBの引受を行うものとする。
(2)日本銀行は、上記(1)による例外的な引受のほか、自らの業務運営上の必要に応じ、FBの引受を行うことができる。


国庫資金繰りの必要性

 現在、国の会計は一般会計のほかに13の特別会計(令和4年4月現在)が存在しますが、仮にそれぞれの会計毎の資金繰りしか行われないとすると、(1)現金余剰となっている会計があり、国庫全体が現金余剰であったとしても、(2)現金不足となっている会計があれば、その会計は資金調達を行う必要が生じます。
 そこで、国庫全体での資金繰り(調整)を行うことにより、現金余剰となっている会計から一時的に現金不足となっている会計に資金融通を行うことにより、国庫金の効率的な管理・運用が可能となります。

一方の会計で現金が不足し、他の会計で現金余剰が生じる場合には、会計間で一時的に融通することにより国庫金を効率的に運用しています。

資金繰りのイメージ

(注)上記の図は、基本的に、流通市場において国庫短期証券が恒常的にプラス利回りで取引されている場合を前提と
       していますが、マイナス利回りの場合であっても、資金需要への対応に際して民間からの資金調達に安易に頼る
       のではなく、国庫内にある余裕資金をできるだけ有効活用することが重要です。
    

  • 国庫資金繰りの必要性

     各年度の予算の歳入と歳出は一致しており、年度を通じれば均衡します。しかしながら、政府の財政活動に伴い国庫には日々様々な受払があり、短期的には受入と支払のタイミングにずれが生じることから、国庫は日によって現金不足となったり余裕金が発生したりしています。このため、現金不足が生じた場合には不足現金を調達し、余裕金が発生した場合にはこれを運用または有効活用することにより、過不足を調整することが必要となります。
     財務省では、国庫金の統一的・効率的な管理・運用の観点から、特別会計等も含めた国庫全体の現金過不足の調整(国庫の資金繰り)を行っています。また、近年では、国庫金の受入日と支払日を合わせる調整などの国庫金の効率的な管理により、国庫余裕金の圧縮を図る等の効率化に取り組んでいます。

  • 国庫資金繰りの方法

     国庫の資金繰りは、(1)国庫収支見込の作成、(2)国庫収支見込による資金繰り方針の決定、という手順で行われます。

    (1)国庫収支見込の作成
     国庫収支事務オンラインシステム(注)を通じて各府省及び日本銀行等から送信される収支見込報告等を基に、過去の受払傾向等も勘案して、国庫収支見込を作成します。
    (注)各府省及び日本銀行等から送信される収支見込報告や実績等のデータ収集・蓄積や指定預金組替額の日本銀行への連絡など、国庫の資金繰り事務を支援するシステム。

    (2)国庫収支見込による資金繰り方針の決定
     (1)で作成した国庫収支見込において、余裕金の発生が見込まれる場合には、国庫余裕金の繰替使用を行います。余裕金の発生期間が短い場合など国庫余裕金の繰替使用を行うことができない場合や繰替使用後なお残額がある場合には、利子の附される国内指定預金(一般口)への組替を行います。逆に現金不足が見込まれる場合には、まず国庫余裕金の繰替使用残高がある場合はそれを返還させ、なお不足する場合には政府短期証券(財務省証券)を発行し不足現金を調達します。

【参考】
国庫余裕金繰替使用の積極的活用(PDF:134KB)
国庫余裕金繰替使用の実績(Excel:15KB)


これまで講じてきた施策

 理財局国庫課においては、国庫金の効率的管理の観点から国庫全体の資金繰りを通して、国庫余裕金繰替使用の積極的活用を進めているほか、以下のような施策を講じています。

  1. 国庫への受入と支払の時期のマッチングに向けた取組み

     平成17年9月から、租税や国債発行収入金のような大きな収入(歳入)の受入日に、普通交付税等の大きな支出(歳出)を充てるといった、国庫金の入りと出を合わせるような調整を行うことにより、国庫余裕金を圧縮し、政府預金の平準化を図っています。
    【参考】  概念図(PDF:71KB)    報道発表資料(PDF:136KB)

  2. 国庫余裕金のきめ細かな活用等に向けた取組み

     平成18年8月から、主に毎月初に受入れられる租税・保険料収入と、偶数月の月央に支払われる年金等の支出による国庫資金繰り上のギャップを調整するため、税収等により発生する国庫余裕金の繰替使用と2ヶ月程度の政府短期証券(FB)を併用することにより、政府預金残高と通常の3ヶ月物FBの発行額の縮減を図っています。
     さらに平成19年6月からは、よりきめ細かい資金繰りを行うため、2ヶ月程度よりも短いFBを発行(国庫内での引受を活用)して政府預金残高が過大とならないよう、努めています。
    【参考】  概念図(PDF:74KB)    報道発表資料(PDF:57KB)

  3. 年度末の国庫余裕金について、より一層の活用に向けた取組み

     特別会計に関する法律等において、政府短期証券を発行する外国為替資金や財政融資資金に対し、年度を越える国庫余裕金の繰替使用を可能とする措置を盛り込みました。
    【参考】  概念図(PDF:170KB)

  4. 外貨調達コストの縮減に向けた取組み

     外貨による国庫金を送金する場合において、(1)平成19年4月から、100万米ドル以上の大口送金を対象に、さらに(2)平成22年11月から、100万米ドル未満の小口送金についても、日本銀行が外国為替資金から両替手数料を支払うことなく調達を行い、民間銀行に当該米ドルを交付して送金を行うことにより、外貨へ両替するためのコストの縮減を図っています。
     また、平成26年10月から対象通貨にユーロを追加しました。
    【参考1】  概念図(PDF:101KB)    報道発表資料(PDF:55KB)
    【参考2】  国庫金の外国送金に伴う外貨調達コストの削減について(PDF:1557KB)
                (財務省広報「ファイナンス」平成19年5月号掲載)

 

 

国庫金の効率的管理

 国庫金の受払のタイミングのずれ等により一時的に発生する国庫余裕金の圧縮など、国庫金管理の効率化を図るための取組みです。

 

国庫余裕金の繰替使用

 国庫余裕金の繰替使用とは、国庫全体として余裕金が生じている場合に、現金不足となっている特別会計等に対して一時的に無利子で融通することです。
 国庫余裕金の定義を法令上規定しているものはありませんが、実務上、当座預金に支払準備として置くこととしている1,500億円を超える額、すなわち国内指定預金(一般口)残高相当額を国庫余裕金として取り扱っています。国庫余裕金は、国庫金の受入と支払のタイミングのずれ等により一時的に発生するものであり、年度を通じて発生する性格のものではありません。

(参考)国庫余裕金の繰替使用の概要

 国庫全体としては余裕金が生じていても、個別の特別会計等においては現金不足となっている場合があります。この場合、特別会計等においては、一時借入金の借入または政府短期証券(FB)の発行により不足現金を調達することになりますが、一方で余裕金が生じているにもかかわらず他方で資金調達を行うことは非効率です。
 そこで、資金需要への対応に際して民間からの資金調達に安易に頼るのではなく、国庫内にある余裕資金をできるだけ有効活用することにより、国庫金の効率的な管理を行っています。
 国庫余裕金の繰替使用は、法令上、すべての特別会計(特別会計に関する法律第15条)、外国為替資金(特別会計に関する法律第83条)、財政融資資金(財政融資資金法第9条)等に対して行うことができるとされています。
 ただし、国庫余裕金の繰替使用を行うためには、毎年度の予算総則に限度額を規定する必要があり、限度額の規定のない特別会計等に対しては、国庫余裕金の繰替使用を行うことはできません。
 なお、実務上は、FB発行額の抑制の観点から、外国為替資金に対して優先的に行っています。
 上記のとおり、国庫余裕金の繰替使用の限度額は毎年度の予算総則に規定する必要がありますが、国庫余裕金の繰替使用は、繰替使用残高がこの限度額を超えない限り何度でも繰替使用することができます。ただし、国庫余裕金の繰替使用は、他の一時的な現金不足を補うための調達手段(一時借入金の借入やFBの発行)の代替手段となりますので、それらの調達手段による調達すべてを合算した残高が限度額を超えないようにしなければなりません。
 国庫余裕金の繰替使用は、国庫金の受入と支払のタイミングのずれにより発生する一時的な資金であるため、特別会計においては繰替使用を行った会計年度内、外国為替資金及び財政融資資金においては1年内に返還しなければなりません。
 また、上記の償還期限前であっても、国庫の資金繰り上必要と認められる場合には、随時返還させることとしています。

 

外国送金

 外国送金とは、外国に居住する債権者に対して行う国庫送金のことです。
 外国送金には、(1)外国送金請求書の金額欄に記載された邦貨額の範囲内で外貨を買って送金する方法(邦貨建)と、(2)同請求書の外貨額欄に記載された外貨額を購入して送金する方法(外貨建)とがあり、いずれも外国為替銀行を通じて行う扱いとなります。