令和4年2月16日
財務省
令和3年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
不正薬物の押収量が6年連続で1トン超え
MDMA及び大麻樹脂等(大麻リキッドを含む)の押収量が増加
財務省は、令和3年の1年間に全国の税関が空港や港湾等において、不正薬物の密輸入その他の関税法違反事件を取り締まった実績をまとめましたのでお知らせします。
1.不正薬物*1
不正薬物全体の摘発件数は833件(前年比12%増)と増加し、押収量*2,3は約1,138kg(同41%減)と減少した。不正薬物全体の押収量は、6年連続で1トンを超え、深刻な状況となっている。
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*1覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。
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*2錠剤型薬物を除く。
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*3重量等未確定につき含まれないものがある。以下、個々の押収量についても同様。
〔覚醒剤〕
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摘発件数は95件(同32%増)、押収量は約912kg(同12%増)と共に増加した。
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押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約3,040万回分、末端価格にして約547億円に相当する。
〔大麻〕
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大麻草の摘発件数は94件(同9%増)と増加し、押収量は約22kg(同56%減)と減少した。
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大麻樹脂等(大麻リキッド等の大麻製品を含む。)は、摘発件数が105件(同11%減)あり、その内、大麻リキッドが81件*4と大宗を占めた。
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大麻樹脂等の押収量は約132kg(同72%増)と大幅に増加した。
*4大麻樹脂等の摘発件数の内、関税局・税関において大麻リキッドと判断した物件が含まれるものの件数である。
〔麻薬〕
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MDMAの摘発件数は81件(同9%増)、押収量は錠剤型が約12万7千錠(同42%増)、その他の形状が約27kg(同約16.2倍)といずれも増加した。
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コカインの摘発件数は34件(同26%増)と増加し、押収量は約14kg(同98%減)と大幅に減少した。
〔指定薬物〕
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指定薬物の摘発件数は302件(同1%増)、押収量は約17kg(同90%減)と減少した。
2.知的財産侵害物品等
商標権を侵害するケーブルや衣類等の知的財産侵害物品の密輸事件を11件告発した。
ワシントン条約に該当するアメリカアリゲーターの骨格標本等の密輸入事件や、水中探知装置の不正輸出事件等を告発した。
3.金地金
摘発件数は5件(同90%減)、押収量は約27kg(同82%減)と共に減少した。