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輸入差止件数は、33,019件(前年比4.3%増)でした。
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輸入差止点数は、1,297,113点(前年比22.8%増)でした。
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1日平均で、90件、3,544点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになります。
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輸入差止価額は、推計で約282億円でした。
「輸入差止件数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品が含まれていた輸入申告又は郵便物の数です。
「輸入差止点数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品の数です。
例えば、1件の輸入申告又は郵便物に、20点の知的財産侵害物品が含まれていた場合は、「1件20点」として計上しています。
「輸入差止価額」は、正規品であった場合の推計価額です。
知的財産侵害物品の輸入差止実績の推移
仕出国(地域)別輸入差止実績
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輸入差止件数は、中国を仕出しとするものが26,604件(構成比80.6%、前年比5.3%増)、次いでベトナムが3,215件(同9.7%、同19.5%増)、マレーシアが979件(同3.0%、同101.4%増)、韓国が785件(同2.4%、同4.5%増)でした。
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輸入差止点数は、中国を仕出しとするものが931,082点(構成比71.8%、前年比1.0%増)、次いで台湾が237,430点(同18.3%、同4186.5%増)、香港が47,612点(同3.7%、同71.8%増)、ベトナムが45,407点(同3.5%、同31.7%減)でした。
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件数・点数ともに中国の構成比が大部分を占め、件数では、ベトナムの構成比が中国に次いで引き続き高くなっており、マレーシアの構成比が増加しました。
仕出国(地域)別 輸入差止件数構成比の推移
(注1)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
(注2)ベトナム、マレーシアを仕出しとするものについて、0.5%未満の年は「その他」に含めます。
知的財産別輸入差止実績
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輸入差止件数は、偽ブランド品などの商標権侵害物品が31,212件(構成比93.6%、前年比2.5%増)で、引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が1,380件(同4.1%、同59.9%増)でした。
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輸入差止点数は、商標権侵害物品が443,887点(構成比34.2%、前年比11.4%減)、次いで著作権侵害物品が317,293点(同24.5%、同300.5%増)、意匠権侵害物品が298,131点(同23.0%、同32.6%減)でした。
知的財産別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
知的財産別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
(注1)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
(注2)各権利で保護されているものは、例えば以下のものです。
- 商標権:商標法に基づき商標登録された文字、図形等の「ロゴマークやブランド名」
- 著作権:創作されたキャラクターや音楽CD等の「著作物」
- 意匠権:意匠法に基づき意匠登録された物品の形状、模様等の「デザイン」
- 特許権:特許法に基づき特許登録された「発明」
税関では、各権利を侵害するものを輸入してはならない貨物として、取締りを行っています。
品目別輸入差止実績
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輸入差止件数は、衣類が11,774件(構成比31.1%、前年比13.2%増)で最多、次いで財布やハンドバッグなどのバッグ類が7,293件(同19.3%、同19.2%減)、靴類が4,228件(同11.2%、同4.9%減)、身辺細貨類が2,083件(同5.5%、同51.5%増)でした。
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輸入差止点数は、煙草及び喫煙用具が191,976点(構成比14.8%、前年比39.6%減)で最多、次いで衣類が74,160点(同5.7%、同12.1%減)、イヤホンなどの電気製品が57,516点(同4.4%、同16.6%減)、紙製品が36,830点(同2.8%、同76.2%増)でした。また、その他(同58.2%)にはシールや包装用品などが含まれます。
品目別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
品目別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
(注)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
輸送形態別輸入差止実績
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輸入差止件数は、郵便物が大半を占めており、郵便物が28,948件(構成比87.7%、前年比3.5%増)、一般貨物が4,071件(同12.3%、同10.1%増)でした。
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輸入差止点数は、郵便物が359,883点(構成比27.7%、前年比4.4%減)、一般貨物が937,230点(同72.3%、同37.9%増)でした。
輸送形態別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
輸送形態別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例
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セーター(商標権) |
ハンドバッグ(商標権) |
スニーカー(商標権) |
スマートフォンケース(商標権) |
ゲームコントローラ(特許権) |
腕時計(商標権) |
シール(著作権) |
加熱式たばこ用カートリッジ(意匠権) |
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例(つづき)
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ネックレス(商標権) |
自動車給油口キャップ(商標権) |
シャワー器具(商標権) ![]() |
帽子(商標権) |
ワッペン(商標権) |
文房具セット(著作権) |
カメラ用バッテリー(商標権) |
イヤホン(意匠権) |
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例(つづき)
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医薬品(商標権) |
電動工具(商標権) |
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グミキャンディー(商標権) |
包装袋(ゼリー入り)(意匠権) |
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パック化粧料(商標権) |
自動車用ペダルカバー(商標権) |
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浄水器用カートリッジ(商標権) |
送風機(意匠権) |
告発事例
事例1商標権を侵害する衣類の密輸入事犯を告発。
東京税関は、福島県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害する衣類34点を中国から密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発しました。(令和6年10月)
事例2商標権を侵害するネックレス等の密輸入事犯を告発。
神戸税関は、兵庫県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害するネックレス等887点を中国から密輸入しようとしたベトナム人2名を関税法違反で告発しました。(令和6年2月)
事例3商標権を侵害するUSBメモリ等の密輸入事犯を告発。
大阪税関は、京都府警察と共同調査を実施し、商標権を侵害するUSBメモリ等4,008点を中国から密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発しました。(令和6年3月)
事例4商標権を侵害する衣類等の密輸入事犯を告発。
長崎税関は、熊本県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害する衣類等34点を中国から密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発しました。(令和6年7月)
差止回避工作事例
税関による差止めを回避するためと思われる工作を施した事例も見受けられます。
事例1本を使って商標権を侵害する腕時計を隠匿していた事例
(本(糊付けされ開くことはできない)) |
(糊を剥がし本を開いた状態(右側に緩衝材あり)) |
(緩衝材を取り除いた状態(袋あり)) |
(袋の中から商標権を侵害する腕時計を発見) |
事例2他のイヤホンの外箱の中に商標権を侵害するイヤホンを隠匿していた事例
(開披した状況) |
(外箱) |
(外箱の中から別の外箱等を発見) |
(商標権を侵害するイヤホンを発見) |
事例3バイクシートの標章部分をシールで覆い隠匿していた事例
(緩衝材で梱包されている状態) |
(シールが付された状態) |
(シールを剥がしたところ、別の標章を発見) |
(シールを剥がした状態) |
事例4Tシャツの標章部分に布を縫い付けて隠匿していた事例
(胸元標章部分に布が縫い付けられた状態) |
(胸元標章部分を接写したもの) |
(襟元タグの上に別のタグが縫い付けられた状態) |
(タグをめくると別の標章を発見) |
(参考)差止申立ての状況
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令和6年末時点において税関が受理している輸入差止申立ての件数は781件で、前年に比べて6.1%増加しました。
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知的財産別では、商標権の申立てが503件(構成比64.4%、前年比5.5%増)、次いで意匠権の申立てが144件(同18.4%、同13.4%増)、著作権の申立てが92件(同11.8%、同2.2%増)、特許権の申立てが36件(同4.6%、同5.9%増)となっています。
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輸出差止申立ての件数は、商標権10件、意匠権2件となっています。
(注)知的財産の権利者は、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸出又は輸入されようとする場合には、当該貨物について侵害物品かどうかを認定する手続きを執るべきことを、税関長に対し申し立てることができます。
(参考)税関が受理している輸入差止申立ての例(写真は全て真正品)
コミテ アンテルナショナル オリンピック |
カンロ株式会社 |
岩谷マテリアル株式会社 |
一般財団法人長谷川町子美術館 |
任天堂株式会社 |
岡本株式会社 |
株式会社フェリシモ |
株式会社ウカ |
アリナミン製薬株式会社 |
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 |
日本テレビ放送網株式会社 |
株式会社MTG |