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輸入差止件数は、31,666件(前年比17.5%増)でした。
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輸入差止点数は、1,056,245点(前年比19.7%増)でした。
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1日平均で、86件、2,893点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになります。
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輸入差止価額は、推計で約171億円に上ります。
(注1)「輸入差止件数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品が含まれていた輸入申告又は郵便物の数です。
「輸入差止点数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品の数です。
例えば、1件の輸入申告又は郵便物に、20点の知的財産侵害物品が含まれていた場合は、「1件20点」として計上しています。
(注2)「輸入差止価額」は、正規品であった場合の推計価額です。
知的財産侵害物品の輸入差止実績の推移
(注)令和元年は、平成31年1月から令和元年12月を示します。
仕出国(地域)別輸入差止実績
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輸入差止件数は、中国を仕出しとするものが25,271件(構成比79.8%、前年比23.5%増)、次いでベトナムが2,690件(同8.5%、同26.0%増)、韓国が751件(同2.4%、同15.7%増)、台湾が630件(同2.0%、同55.9%減)でした。
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輸入差止点数は、中国を仕出しとするものが921,579点(構成比87.3%、前年比37.3%増)、次いでベトナムが66,487点(同6.3%、同5.8%減)、香港が27,720点(同2.6%、同56.8%減)、韓国が20,235点(同1.9%、同33.8%減)でした。
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件数・点数ともに中国を仕出しとするものの構成比が引き続き高くなっているほか、ベトナムを仕出しとするものの構成比が件数・点数ともに中国に次いで高くなっています。
仕出国(地域)別 輸入差止件数構成比の推移
(注1)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
(注2)ベトナム、台湾及びタイを仕出しとするものについて、0.5%未満の年は「その他」に含めます。
知的財産別輸入差止実績
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輸入差止件数は、偽ブランド品などの商標権侵害物品が30,448件(構成比95.5%、前年比18.5%増)で、引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が863件(同2.7%、同2.6%増)でした。
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輸入差止点数は、商標権侵害物品が500,824点(構成比47.4%、前年比8.8%減)、次いで加熱式たばこ用カートリッジなどの意匠権侵害物品が442,073点(同41.9%、同224.7%増)、著作権侵害物品が79,221点(同7.5%、同51.4%減)でした。
知的財産別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
知的財産別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
(注1)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
(注2)各権利で保護されているものは、例えば以下のものです。
- 商標権:商標法に基づき商標登録された文字、図形等の「ロゴマークやブランド名」
- 著作権:創作されたキャラクターや音楽CD等の「著作物」
- 意匠権:意匠法に基づき意匠登録された物品の形状、模様等の「デザイン」
- 特許権:特許法に基づき特許登録された「発明」
税関では、各権利を侵害するものを輸入してはならない貨物として、取締りを行っています。
品目別輸入差止実績
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輸入差止件数は、衣類が10,401件(構成比28.3%、前年比49.4%増)と最も多く、次いで財布やハンドバッグなどのバッグ類が9,028件(同24.5%、同0.2%減)、靴類が4,448件(同12.1%、同4.0%増)、携帯電話及び付属品が3,373件(同9.2%、同39.8%増)でした。
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輸入差止点数は、煙草及び喫煙用具が317,764点(構成比30.1%、前年比約5倍)と最も多く、次いで医薬品が118,190点(同11.2%、同20.4%減)、衣類が84,403点(同8.0%、同10.7%増)、イヤホンなどの電気製品が68,976点(同6.5%、同29.7%減)でした。
品目別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
品目別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
(注)構成比の合計は、四捨五入の関係で100%にならない場合があります。
輸送形態別輸入差止実績
-
輸入差止件数は、郵便物が大半を占めており、郵便物が27,969件(構成比88.3%、前年比17.7%増)、一般貨物が3,697件(同11.7%、同16.4%増)でした。
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輸入差止点数は、郵便物が376,605点(構成比35.7%、前年比29.4%減)、一般貨物が679,640点(同64.3%、同94.8%増)でした。
輸送形態別輸入差止実績構成比の推移(件数ベース)
輸送形態別輸入差止実績構成比の推移(点数ベース)
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例
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パーカー(商標権) |
ハンドバッグ(商標権) |
スマートフォンケース(商標権) |
スマートフォン等のグリップ・スタンド(特許権) |
トナーカートリッジ(商標権) |
スニーカー(商標権) |
ゲームコントローラ(特許権) |
腕時計(商標権) |
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例(つづき)
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スライドファスナー(商標権) |
椅子(商標権) |
紙製カード(商標権) |
ヘアアクセサリー(著作権) |
シートベルトキャンセラー(商標権) |
目元温熱アイマスク(意匠権) |
美容用ローラー(意匠権) |
ペット用ベッド(商標権) |
税関で輸入を差し止めた侵害物品の例(つづき)
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加熱式たばこ用カートリッジ(意匠権) |
浄水器用カートリッジ(商標権) |
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医薬品(商標権) |
サプリメント(商標権) |
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電池(商標権) |
バッテリー(商標権) |
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折りたたみ椅子(特許権) |
シャワー器具(商標権) |
告発事例
事例1商標権を侵害するエアバッグ等の密輸出事犯を告発
東京税関は、警視庁及び群馬県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害するエアバッグ12点を米国へ密輸出しようとしたパキスタン人4名を関税法違反で告発しました。(令和5年3月)
事例2商標権を侵害する医薬品の密輸入事犯を告発
門司税関は、九州厚生局麻薬取締部及び福岡県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害するボトル入り錠剤1,560錠を韓国から密輸入しようとした日本人3名を関税法違反で告発しました。(令和5年3月)
事例3商標権を侵害する帽子の密輸入事犯を告発
大阪税関は、大阪府警察と共同調査を実施し、商標権を侵害する帽子100点を中国から密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発しました。(令和5年4月)
事例4商標権を侵害するオイルキャップ用シール等の密輸入事犯を告発
函館税関は、北海道警察と共同調査を実施し、商標権を侵害するオイルキャップ用シール等100点を中国から密輸入しようとした日本人2名を関税法違反で告発しました。(令和5年6月)
事例5商標権を侵害する衣類等の密輸入事犯を告発。
神戸税関は、兵庫県警察と共同調査を実施し、商標権を侵害する衣類等10点を中国から密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発しました。(令和5年11月)
差止回避工作事例
税関による差止めを回避するためと思われる工作を施した事例も見受けられます。
事例1立体商標の一部を隠すように椅子の背もたれを布製カバーで覆っていた事例
①
(Y字形状の背もたれを「布製カバー」で覆っている)
②
(スナップボタンを外す)
③
(布製カバーを外すとY字形状を確認)
①
(Y字形状の背もたれを「布製カバー」で覆っている)
②
(スナップボタンを外す)
③
(布製カバーを外すとY字形状を確認)
-立体商標とは-
商標は、企業のロゴマークや商品名など、文字や図形からなるものが一般的ですが、商品の容器や店頭に置かれる広告用人形など立体的形状からなる「立体商標」もあります。
本事例もその一例であり、椅子の形状それ自体が消費者等から見て、他の商品と区別することができる(識別力を有している)と認められた結果、「立体商標」として保護を受けているものです。
事例2他の物品のパッケージの中に商標権を侵害する医薬品を隠匿していた事例
①
②
(個別包装された海苔を取り出したところ)
③
(明らかに形状が異なる物品を発見)
④
⑤
(隠匿された医薬品)
①
②
(個別包装された海苔を取り出したところ)
③
(明らかに形状が異なる物品を発見)
④
⑤
(隠匿された医薬品)
事例3バッグの標章部分をシールで覆い隠匿していた事例
① |
② |
(標章部分がシールで隠匿された状態) |
(シールを剥がした状態) |
③ |
④ |
(標章部分がシールで隠匿された状態) |
(シールを剥がした状態) |
事例4標章部分を隠すように粘着テープを巻き付けていた事例
① |
② |
(粘着テープで覆われた筒を発見) |
(開披すると外装と異なる柄を確認) |
③ |
④ |
(参考)差止申立ての状況
-
令和5年末時点において税関が受理している輸入差止申立ての件数は736件で、前年に比べて2.8%増加しました。
-
知的財産別では、商標権の申立てが477件(構成比64.8%、前年比5.1%増)、次いで意匠権の申立てが127件(同17.3%、同2.4%増)、著作権の申立てが90件(同12.2%、同3.2%減)、特許権の申立てが34件(同4.6%、前年と同数)となっています。
-
輸出差止申立ての件数は、商標権12件、意匠権2件となっています。
(注)知的財産の権利者は、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸出又は輸入されようとする場合には、当該貨物について侵害物品かどうかを認定する手続きを執るべきことを、税関長に対し申し立てることができます。
(参考)税関が受理している輸入差止申立ての例(写真は全て真正品)
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