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老朽化し耐震性等に問題がある宿舎等については、売却収入や法定容積率の利用率、業務上の必要性や立地等を勘案して廃止する宿舎を選定するとともに、存置することとした耐震性等に問題がある宿舎については、より詳細なコスト比較を実施し、その処置について判定を行った。
こうしたコスト比較手法については、民間企業からのヒアリングや有識者の意見等を踏まえつつ、財政制度等審議会国有財産分科会(平成24年9月11日開催)における審議を経て策定したものであり、その内容は以下の通り。

    • 老朽化し耐震性等に問題のある宿舎については、削減計画における「コスト比較等を行うことによって、極力、耐震改修等により対応し、できる限り、建替を抑制」するとの方針の下、耐震改修等(長寿命化)、借受への移行、建替という様々な選択肢の間でのコスト比較を実施。その際、民間不動産のコスト比較時に主に採用されているDCF法(純収益等を発生時期に応じて現在価値に割り引き、コスト比較を行う手法)を使用。

    • 具体的には、コスト比較計算期間(20年間)における各期の純収益(収益-費用)の割引現在価値の合計を算出し、耐震改修等(長寿命化)、借受、建替についてコスト比較。
      (注)コスト比較計算期間は、民間の実態(5~20年程度)を踏まえつつも、マル1国家公務員宿舎は修繕しつつ長期間使用されるのが実態(例えば鉄筋コンクリート造宿舎については、経過年数40年以上使用することを原則としている)であること、マル220年程度で大規模修繕が行われること、を考慮して20年間と設定。

    • 収益は、土地建物の売却収入や、建設工事等の国からの支出に伴い発生する法人税や消費税収入を見込み、費用は、耐震改修費・大規模修繕費等、維持管理費、設計・建設費、解体費等に加え、新たに資金調達コストも勘案。
      (注)宿舎使用料収入については、耐震改修等(長寿命化)、借受、建替のいずれのケースでも徴収するため、算入せずとも比較結果に影響を与えないことから、試算の対象から除外。

  • 資金調達コストは、将来の資金調達時点に対応する国債利回り(インプライド・フォーワード・レート)により計算。
    (注)インプライド・フォーワード・レートとは、国債流通利回りを基に算出した将来時点を起点とする特定期間に対応する利回り。なお、財政投融資対象事業に関する政策コスト分析において、将来の財政融資資金の貸付金利として用いられている。