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第94回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成28年10月8日)

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  1. 開発委員会は、ワシントンDCにて本日10月8日に開催した。

  2. 世界経済は、2017年にやや持ち直しが見込まれるものの、2016年も引き続き低迷したままである。景気刺激的な金融政策にもかかわらず需要は依然として弱く、途上国への海外からの直接投資は低下し、資源輸出国は輸出の減少に対する調整をし、広範な地政学的・経済的な不確実性は信認への重荷となっている。我々は、世銀グループ(WBG)及び国際通貨基金(IMF)に対し、各国と共同で、金融政策・財政政策・構造改革のシナジーを高め、成長を刺激し、雇用を創出し、多国間主義を強化することを求める。

  3. 我々は、筆頭の開発機関としてのWBGのビジョンを共有する。WBGは持続的な成長、貧困削減、及び経済改革のために不可欠な政策を推進するために重要な役割を果たし、国際的なアジェンダを主導し、グローバリゼーションの恩恵が広く共有されるようにする。今後15年の間に、開発を巡る情勢は、気候変動、自然災害、パンデミック、脆弱・紛争・暴力、移民・難民、都市化、人口動態の変化を含む重要な変化に直面する。これらの課題に対応し、WBGの二大目標や持続可能な開発目標(SDGs)、COP21でのパリ協定を実現するために、より良質で強力かつ機動的なWBGが必要となる。また、国際金融機関やグローバルパートナーとのより深い関与・連携、更なる民間資金、技術革新を活用する能力、そして各国政府の国内資金動員の能力向上も必要となる。こうした観点から、「フォワード・ルック:2030年に向けたWBGのビジョン」に関する総務への報告を歓迎する。

  4. 我々は、WBGがリスクに応じた手法をとり、基準を順守し、組織間のシナジーを利用し、これらの変化を支持する文化を有することにより、より効率的かつ機動的な組織となることへのコミットメントを評価する。幅広いクライアントへきめ細かい価値を提供する中で、グローバル及びクライアントのニーズを満たすために、資金は戦略的に割り当てられるべきであり、資金を最も必要としつつもアクセスが最も困難な地域に的を絞るべきである。WBGは、モニタリング・ラーニング・評価の枠組みの強化や南南協力を通じた知的支援の取組を強化するとともに、各国の危機への備え・予防・対応の枠組みの強化を支援すべきである。我々は、2017年の春会合において、明確な成果指標を含むフォワード・ルックの進捗報告が行われることを期待する。

  5. 雇用創出とより高い生活水準を提供するために、民間セクターは重要である。ガバナンスと規制を改善し、より競争力のある市場を作り、開放性と予見可能性を高める政策は、より多くの投資を呼び込み、開発効果を高めるための前提条件である。我々は、特に最も困難な環境下において市場を創出するとともに、特に質の高いインフラや中小企業のために、保証の提供を含め民間資金を動員するといった、WBG全体での取組を求める。WBGの全機関の能力を結集することは、開発資金の動員や国際公共財の提供のために不可欠である。我々は、WBGに対し、最近のインフラに関する宣言に沿って、他の国際開発金融機関との強い連携を拡大することを慫慂する。我々は、2016年9月に公表されたグローバル・インフラ連結性アライアンスを歓迎する。

  6. 国内資金動員と不正資金フローへの対処は、開発資金を引き出すために極めて重要である。我々は、WBGとIMFに対し、こうした取組を推進し公共歳出管理を改善するための政策及び透明性の高い制度を促進することを求める。我々は、失われた財産の回収イニシアティブへのWBGの支援を称賛する。我々は、IMFとWBGによる低所得国の債務持続可能性枠組みの見直しの進展を歓迎する。我々は、万人のための資金アクセス2020の目標を達成するために、技術と民間セクターが果たす重要な役割を強調する。

  7. 野心的なIDA18次増資は、2030アジェンダを実現するための鍵となる。我々は、より多くのドナーによる強力なIDA18次増資を求める。我々は、節目となるAAA格付けを最近取得したIDAが、資金を補完するために資本市場を活用することを可能とする提案を含め、その革新的な資金調達と政策パッケージを歓迎する。我々は、WBGに対し、IDAから卒業する国について円滑な移行を確保することを求める。また、我々は、危機対応ウィンドウの強化と、IFCとMIGAの民間セクターウィンドウを含む民間セクターへの活動の拡大についての提案を歓迎する。

  8. 人々の大規模な移動は、国家の発展段階を問わず共通する長期的な課題である。世界の貧困層の半数以上は、IDAによる支援が特に重要な脆弱・紛争・暴力の問題を抱える国に住んでいる。我々は、こうした国への資金支援を2倍にし、具体的なニーズへのきめ細かい取組を通じて、難民と受入側のコミュニティを支援するといった提案を歓迎する。WBGとIMFは、投資環境の改善、地域のガバナンス強化、国の諸制度の再構築、資金アクセスの拡大、そして紛争予防と強靭性の強化を通じて、脆弱性の原因の解決を支援すべき。WBGは、これらの取組への資源配分を増やし、こうした環境での実施能力を高め、難民・移民に関する業務を拡大し、人道的パートナーと協力すべき。

  9. 我々は、2016年9月の難民サミットにおいて公表された、グローバル危機対応プラットフォームを歓迎し、その迅速な実施を求める。我々は、同プラットフォームが、大規模かつシステマチックでよく連携のとれた支援を提供し、難民、自然災害、パンデミック等から生じる危機に対応することを期待する。この取組において、グローバル譲許的資金ファシリティ、IDA危機対応ウィンドウ及びIDA18で提案されている難民のためのウィンドウは重要。また、我々は、同プラットフォームの一部としてのパンデミック緊急ファシリティの立ち上げを歓迎し、その早期の開始を望む。これは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けた一層の取組と併せて、保健資金アーキテクチャーにおける重大なギャップを埋める。

  10. 我々は、WBGの気候変動行動計画の実施に期待し、COP21でのパリ協定に基づく各国の貢献を支持する。我々は、WBGに対し、保険スキームを拡大するとともに気候に優しい国土利用、グリーン・インフラストラクチャー、持続的な都市に対する投資を増加させつつ、強靭性の構築に引き続き注力することを求める。小国は、海面上昇や極度の天候変化を含む自然災害によって、不均衡に影響を受ける。我々は、WBGとIMFに対し、各国が気候変動への適応・緩和及び災害リスクマネジメントの強化のための気候資金へ円滑にアクセスするための取組を継続することを求める。

  11. 女性は、依然として多くの経済機会の尺度において遅れをとっており、各国及び世界経済の成長見通しを悪化させている。各国が主要セクターでジェンダーギャップの解消に顕著な進展を見せない限り、WBGの二大目標やSDGsに掲げられた野心的な目標は達成できない。我々は、WBGの2015年ジェンダー戦略の継続的な実施とWBG職員の多様化の進捗を強く支持する。

  12. 我々は、WBGにおいてこれまで最も広範な協議を反映した、世銀の新しい環境社会枠組みの承認を歓迎する。この基準は、世銀が支援する投資プロジェクトにおいて人々と環境に対する保護を広げるものであり、WBGによる開発効果を改善するための遠大な取組の一部である。我々は、世銀に対し、効果的な実施に注力し、職員やクライアントの能力構築のための適切な資金や人材を確保し、強固な説明責任の枠組みを構築し、必要に応じて実践的な支援を提供することを求める。

  13. 我々は、ボイス改革の一環として、2015年の年次総会で合意された、シェアホルディングレビューの実施に向けたロードマップへのコミットメントを維持する。我々は、世界経済の進展とWBGのミッションへの貢献を反映した動的計算式に関する作業を完了したことについて、世銀理事に感謝する。我々は、合意された株式保有の原則、動的計算式のガイダンス及び動的計算式に関する総務への報告におけるコミットメントのパッケージに基づき、次の段階の議論に期待する。

  14. また、我々は、WBGの機関の財務状況を強化するオプションの検討を期待する。我々は、リマ総会で承認されたロードマップに沿って、2017年の年次総会までに、これらの議論の結論を得ることを目指す。

  15. 我々は、バンバン・ブロジョネゴロ氏に対し、開発委員会の議長として発揮した貴重なリーダーシップに感謝し、後任となる初の女性議長であるインドネシアのスリ・ムリヤニ・インドラワティ財務大臣を歓迎する。我々は、キム総裁の2期目の再選を祝福する。
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  17. 次の開発委員会は2017年4月22日に開催する。