資産については、現金・預金、有価証券、たな卸資産、貸付金、有形固定資産及び出資金等、過去の取引又は事象の結果として特別会計に帰属する資源であって、それにより将来の業務提供能力又は経済的便益が期待されるものを計上し、形態を表す科目によって表示する。また、貸借対照表価額については、それぞれの資産の所有目的に応じた評価基準及び評価方法により計上する。 |
(1
| ) 現金・預金 手持ち現金、日本銀行預託金、財政融資資金預託金のほか、円貨預け金及び外貨預け金等を「現金・預金」として計上する。 また、供託金、契約保証金等として、特別会計が保管しているものについては、特別会計に消費寄託されていることから「現金・預金」として計上する。なお、消費寄託の寄託者からの請求権は「保管金等」として負債の部に計上する。
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(2
| ) 有価証券
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| 計上対象 特別会計が保有している債券等及び政策目的以外の目的をもって保有する有価証券を「有価証券」として計上する。また、有価証券の評価基準及び評価方法を注記する。 なお、契約保証金等として国に寄託されている有価証券は、国に所有権が移転していないため計上しない。 |
|  | 評価基準 有価証券については、「満期保有目的有価証券」及び「満期保有目的以外の有価証券」に区分し、それぞれ次のとおり評価する。
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| | i | 満期保有目的有価証券 満期まで所有する意図をもって保有している債券、いわゆる「満期保有目的有価証券」については、償却原価法によって算定された価額をもって貸借対照表価額とする。 ただし、満期保有目的有価証券で市場価格があるものについて、市場価格が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められるときを除き、市場価格をもって貸借対照表価額とする。なお、債券の市場価格の下落率が30%以上である場合には、「著しく下落したとき」に該当するものとする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。回復する見込みがあると認められ、市場価格によって評価しない場合には、その旨、その理由及び市場価格との差額を注記する。 |
| | ii
| 満期保有目的以外の有価証券 「満期保有目的以外の有価証券」のうち、市場価格のあるものについては、会計年度末における市場価格をもって貸借対照表価額とする。市場価格での評価替えに係る評価差額については、洗い替え方式により、資産・負債差額増減計算書において「資産評価差額」として計上する。 ただし、「満期保有目的以外の有価証券」のうち、市場価格のあるものについて、市場価格が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められるときを除き、市場価格をもって貸借対照表価額とする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。なお、有価証券の市場価格の下落率が30%以上である場合には、「著しく下落したとき」に該当するものとする。回復する見込みがあると認められ、市場価格によって評価しない場合には、その旨、その理由及び市場価格との差額を注記する。 「満期保有目的以外の有価証券」のうち、市場価格のないものについては、取得原価又は償却原価をもって貸借対照表価額とする。 ただし、「満期保有目的以外の有価証券」のうち、市場価格のない株式について、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行う。なお、実質価額の低下割合が30%以上である場合には、「著しく低下したとき」に該当するものとする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。
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(3
| ) たな卸資産 製品、半製品、仕掛品等を「たな卸資産」として計上する。また、原則として、それぞれの種類ごとに取得原価により計上し、その評価基準及び評価方法を注記する。 ただし、時価が取得原価より著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められるときを除き、時価をもって貸借対照表価額とする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。なお、回復する見込みがあると認められ、時価によって評価しない場合には、その旨、その理由及び時価との差額を注記する。
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(4
| ) 未収金 会計年度末における未収入金を「未収金」として計上する。 ただし、たな卸資産の売却に伴う未収入金については「売掛金」の科目で計上し、保険業務を行っている特別会計においては保険料に係る未収入金とその他の未収入金とを区分し、保険料に係る未収入金は「未収保険料」として計上する。
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(5
| ) 未収収益 一定の契約に従い、継続して役務の提供を行っている場合、会計年度末において、既に提供した役務に対して未だその対価の支払を受けていないものを「未収収益」として計上する。
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(6
| ) 前払金 会計年度末において、未だ提供されていない役務又は物品に対する既支払額を「前払金」として計上する。 ただし、前金払されている公共事業の対価について、膨大な数に上る事業ごとにその執行状況を把握し、分離・区分することが困難な場合には、これを「建設仮勘定」として計上することができる。
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(7
| ) 前払費用 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受けている場合、会計年度末において、未だ提供されていない役務に対して支払われた対価を「前払費用」として計上する。
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(8
| ) 貸付金 貸付先に対する融資残高を「貸付金」として計上する。
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(9
| ) その他の債権等
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| 他会計(勘定)繰入未収金 他会計からの過去又は現在の繰入不足等であって、将来的に財源の繰入等について、法令等により金額等が具体的に規定されているものを「他会計繰入未収金」として計上する。 |
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| 他会計(勘定)繰戻未収金 他会計への繰入金で、繰入金に相当する金額が繰り戻されること及び繰り戻されるべき具体的金額(又は算出方法)が法令等により規定されているものを「他会計繰戻未収金」として計上する。
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| その他の債権等 特別会計に帰属する上記以外の債権については、「その他の債権」として計上する。 ただし、金額的に重要性があるもの及び各特別会計で固有のものについては、「その他の債権」ではなく独立の科目で表示する。
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(1
| 0) 貸倒引当金 売掛金、未収金及び貸付金等の債権に対しては、個々の債権の事情に適した合理的な基準により貸倒見積高を算定し、「貸倒引当金」として計上する。ただし、合理的な基準により難い特別の事情がある場合には、過去3年間の実績に基づいて算定することができる。 また、保険特別会計における未収保険料については、不納欠損額等の実績を踏まえ、合理的な基準により不納欠損額を算定し計上する。 貸倒引当金については、その計上基準及び算定方法のほか、貸倒引当金の計上対象となっている債権の状況等について注記する。
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(1
| 1) 有形固定資産 有形固定資産については、その種類ごとに表示科目を設け計上する。 有形固定資産は管理客体ごとに管理法規が定められていること等から、それぞれの目的に応じた評価方法により計上する。また、減価償却の方法について注記する。
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| 国有財産(公共用財産を除く) 公共用財産(公園及び広場を除く。以下同じ。)を除く国有財産については、国有財産台帳によってその価額が管理されていることから、これを基礎として貸借対照表計上額を決定する。非償却資産については、国有財産台帳価格で計上する。また、償却資産については、価格改定年度以外の年度においては、減価償却費が台帳価格に反映されていないことから、価格改定に適用される減価償却の方法(定率法)により減価償却費相当額を算出し、国有財産台帳価格から当該減価償却費相当額を控除した後の価額を計上する。 国有財産の台帳価格の改定に係る評価差額については、資産・負債差額増減計算書において、「資産評価差額」として計上する。国有財産の処分時においては、台帳価格(償却資産については、価格改定年度の翌年度以降は減価償却費相当額を控除した後の価額)に基づいて処分損益を算定する。 また、国有財産法施行細則別表1に掲げる国有財産の区分を参考に表示科目を設定する。 なお、売却を前提として国有財産を保有している特別会計においては、これを「たな卸資産」として計上する。 |
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| 公共用財産 公共用財産のうち、国の所有となるものについて、施設の耐用年数にわたる過去の用地費や事業費等を累計(累積)することにより取得原価を推計し計上する。 非償却資産である公共用財産の用地部分については、施設の耐用年数分の用地費等を累計(累積)した価額を計上する。 償却資産である公共用財産の施設部分については、過去の事業費等を累計(累積)することにより資産価額を推計し、更に定額法により減価償却費相当額を算出し、当該資産価額から、当該減価償却費相当額を控除した後の価額を計上する。 また、事業費の累計(累積)にあたっては、国の事業費のほか、地方公共団体等の負担がある場合には、地方公共団体等の負担分を推計し、これも合算した上で事業費を累計(累積)する。
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| 物品 取得価格又は見積価格が50万円以上の重要物品を「物品」として計上する。また、物品管理簿の記載価格を基礎とし、減価償却を行い、当該減価償却費相当額を控除した後の価額を計上する。 なお、物品の耐用年数については、原則として、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」に定める耐用年数を基準とする。
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(1
| 2) 無形固定資産 国有財産として管理されている地上権等の用益物権及び特許権等の無体財産権のほか、電話加入権やソフトウェアを「無形固定資産」として計上する。また、減価償却の方法について注記する。
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| 国有財産 国有財産として管理されている地上権等の用益物権及び特許権、著作権等の無体財産権については、国有財産台帳価格で計上する。 地上権等の用益物権など、国有財産台帳上、価格改定時に償却が反映されていないものについては償却を要しないが、その他の償却資産は償却を行うこととし、実施料等の見積価格で国有財産台帳に計上されているものについては、実施料等相当額を償却し、当該実施料等相当額を控除した後の価額を計上する。 国有財産の台帳価格の改定に係る評価差額については、資産・負債差額増減計算書において「資産評価差額」として計上する。国有財産の処分時においては、台帳価格(償却資産については、価格改定年度の翌年度以降は減価償却費相当額を控除した後の価額)に基づいて処分損益を算出する。 |
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| 電話加入権 電話加入権については、取得原価で計上する。ただし、取得原価が判明しないものについては、現在の取得価格に相当する金額で計上する。
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| ソフトウェア ソフトウェアについては、研究開発費に該当しないソフトウェア制作費について、当該ソフトウェアの利用により将来の費用削減が確実であると認められるものを計上する。計上価額は、当該ソフトウェアの取得に要した費用(過去に遡って算出することが困難な場合は、5年間の開発費等の累計)を資産価額とし、定額法による減価償却を行い、当該減価償却費相当額を控除した後の価額とする。
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(1
| 3) 出資金 国有財産として管理されている政府出資等のうち、国が政策目的をもって保有しているものを「出資金」として計上する。ただし、政策目的をもって保有していない有価証券については、「有価証券」として計上する。 「出資金」のうち、市場価格があるものは、会計年度末における市場価格をもって貸借対照表価額とする。市場価格での評価替えに係る評価差額については、洗い替え方式により、資産・負債差額増減計算書において「資産評価差額」として計上する。 ただし、市場価格のあるものについて、市場価格が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められるときを除き、市場価格をもって貸借対照表価額とする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。なお、市場価格の下落率が30%以上である場合には、「著しく下落したとき」に該当するものとする。回復する見込みがあると認められ、市場価格によって評価しない場合には、その旨、その理由及び市場価格との差額を注記する。 「出資金」のうち、市場価格がないものは、出資金額をもって貸借対照表価額とする。 ただし、市場価格のないものについて、出資先の財政状態の悪化により出資金の価値が著しく低下した場合には、相当の減額を行う。なお、出資金の価値の低下割合が30%以上である場合には、「著しく低下したとき」に該当するものとする。この強制評価減に係る評価差額については、業務費用計算書に計上する。 この出資先の財政状態について、行政コスト計算書を作成している特殊法人等においては、「特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針」に基づいて作成された貸借対照表によって出資金の実質的価値を算出する。 なお、出資金の評価について、出資先法人に勘定区分があり、当該勘定の業務に充てるために出資がなされている場合には、当該勘定の財務状況によって評価を行う。
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