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「平成16年度予算編成における基本的考え方について」のポイント/財政制度等審議会

(別 紙)
 
「平成16年度予算編成における基本的考え方について」のポイント



【総 論】



.持続可能な財政構造の確立

「2010年代初頭におけるプライマリーバランスの黒字化」という目標の達成に向け全力で取り組むべき

財政赤字の累積は、財政の硬直化や世代間不公平の拡大に加え、制度の持続可能性への疑問から国民に将来不安をもたらすため、極力公債発行額の抑制に努めるべき

平成16年度予算編成においても、昨年度同様の歳出改革路線を堅持していくことが重要



.歳出見直しの基本的考え方

義務的な経費、裁量的な経費を問わず、聖域なく歳出内容を見直すことが不可欠

構造改革により「保護・救済型」から「自立支援型」の制度へ(社会保障制度改革・国と地方の改革等)

予算配分の重点化・効率化(メリハリ付け)が重要な課題

単価の見直しによるコスト縮減等、歳出効率化に向けた努力を継続

特別会計の歳出の効率化・合理化を図っていくことが必要



.予算編成における事後評価の充実

「PLAN(編成)-DO(執行)-SEE(評価・検証)」のプロセスのうち、特に「SEE」の充実を図ることは重要

予算執行調査の結果を予算編成に的確に反映させていくことが必要

公会計制度の充実に取り組んでいくことが必要



【各 論】



.国と地方

地方公共団体の自立のため、地方公共団体による自助努力と自己責任による行財政運営を実現

地方交付税制度について引き続き「自立支援型」の改革を推進
(徹底した地方歳出の見直し、交付税の財源保障機能を将来的に廃止し地方に財政規律のインセンティブを与える、地方公共団体の歳入歳出両面での自助努力を求める)

国庫補助負担金について、事務事業の在り方を見直し、国の関与の縮減、国・地方を通じた行政のスリム化の観点から、改革を実施



.社会保障

潜在的国民負担率を50%程度に抑制

世代間の公平、給付と負担のバランスを図り、持続可能な年金制度を構築(既裁定年金を含む過去期間の給付債務の削減、概念上の拠出建てによる給付設計、国民年金滞納者への滞納処分の実施等)

医療制度改革(公的保険がカバーする範囲の見直し、高齢者医療コスト等の縮減等)

介護保険制度の抜本改革(公的介護保険の給付範囲、給付率など給付の在り方の見直し等)

生活保護の制度・運営面の抜本的見直し(執行の適正化、扶助基準・加算の引下げ、廃止、期限の設定等)

雇用対策について、既存の施策の十分な検証、施策の重点化・合理化



.公共事業

国・地方を通じて公共投資の水準を着実に抑制し、受益と負担の明確な関係の下で、既存ストックの有効活用、事業の選別と集中投資を推進

引き続き、建設・管理コストの縮減に格段の努力

社会資本整備を成果重視に転換する観点も踏まえ、事業評価の改善を図り、より積極的に活用



.文教・科学技術

児童・生徒一人当たりの公教育予算の拡大ではなく質の向上を目指し、義務教育費国庫負担制度改革の着実な推進、教員給与の一律優遇制度や教職員定数改善計画の見直しなど既存施策の徹底した見直し

高等教育について、国公私を通じた競争原理に基づく支援へシフト。国立大学の法人化に際し、客観的かつ厳格な事後評価により重点的な支援を可能とする制度設計

科学技術予算について、「選択と集中」を強化。厳正な研究評価とその結果の反映を通じてプロジェクトを厳選



.防 衛

各種の多様な事態や国際情勢等の変化に対応するためにも一層強力に防衛関係費を合理化・効率化。必要性の低下している装備の縮減等、新規の正面装備の抑制

組織定員の抑制、予算執行状況等の精査によりあらゆる経費を効率化



.政府開発援助(ODA)

新しいODA大綱の考え方を予算に反映

量重視から質重視への転換により国際的責任は果たしつつ、引き続きODAの量的規模を縮減



.農林水産

担い手への施策の集中化

米に係る助成措置の効率化・重点化、食糧管理特別会計の健全化



.エネルギー対策

エネルギーの安定供給の確保や環境保全などに適切に対処しつつ施策の効率化・重点化を推進

石油対策は全体として予算を縮減



.中小企業対策

やる気と能力のある中小企業の前向きな自助努力への支援への重点化

中小企業信用保証制度の収支改善


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.司法制度改革

司法機能の充実・強化に当たっては、合理的かつ機能的な制度・仕組みを構築

司法修習生の給費制の廃止(貸与制への切替)、裁判官・検察官の給与の在り方の見直し
 


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