じめに 平成16年度予算編成は、我が国財政の将来を占う上で極めて重要な意味を持つと考えられる。年金改革、国と地方の改革といった大きな課題を抱えた平成16年度予算編成は、今後の財政の在り方、国の役割、受益と負担の関係等、国の在り方に対する根本的な考え方を国民に問い直すことになろう。我が国財政は、平成15年度末の公債残高が約450兆円にも達する見込みであるなど、主要先進国中最悪の危機的状況に陥っており、それが国民の将来不安につながっている。このような状況の下、将来の国民生活に真に安心感を与え、経済の活力を回復するためにも、財政健全化に向け不退転の決意で諸改革を進めていく必要がある。 財政制度等審議会財政制度分科会は、このような認識の下、平成16年度予算編成に対する基本的な考え方について取りまとめた。今や従来のような右肩上がりの経済成長が望めず、また少子高齢化が進展していく中、将来世代の負担を考えれば、我々が採りうる選択肢は自ずと厳しいものとならざるを得ない。厳しい改革を行っていくためには、国民の理解と協力が不可欠であり、この「基本的考え方」が、平成16年度予算編成に向けた様々な課題について一つの方向性を提示し、国民各層の議論に資することを期待する。 |