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収納未済債権の整理及び管理について

平成 11 年 6 月 24 日
蔵理2506


改正平成 25年6月28日財理第3148号

令和 元年6月28日同第2319号

2年1月31日同325号

2年12月18日同第4097号

3年6月11日同第1932号

大蔵省理財局長から各財務(支)局長及び沖縄総合事務局長宛

歳入関係事務の多様化に伴い、また、徴収事務等の省力化のために電子情報処理組織(以下「機械」という。)を使用して帳票類の作成及び整理が行われていることに鑑み、これらの帳票類を活用して、収納未済債権を的確には握するとともに、適切に管理するための取扱いを次のとおり定めたから、通知する。

なお、昭和 33 年 4 月 16 日付蔵管第 1176 号は、廃止する。

整理及び管理の対象とする収納未済債権

収納未済債権は、履行期限内に履行されなかったときに発生し、発生した収納未済債権は、原則としてすべて整理の対象とする。但し、次の各号の一に該当する場合は、整理の対象から除外して差し支えない。

(1)徴収簿として機械から出力される収納未済一覧表(兼督促決議一覧表)(別添1)において、督促区分が「機械作成1回目」、「機械作成2回目」及び履行期限が未到来のもの

(2)少額債権(督促金額が督促状等の郵送費用に満たないもの)

(3)収納未済債権として整理及び管理する必要がないと認められるもの

収納未済整理票等の作成、整理及び管理

(1)1により整理及び管理の対象とする収納未済債権については、機械により出力される収納未済整理票(別添2)並びに収納未済一覧表(債務者別)(別添3)のほか、現況記録票(別添4)及び交渉等事績票(別添5)により整理するものとし、同一債務者に2件以上の契約等に基づく収納未済債権が発生したときは、債務者毎にまとめて整理及び管理する。

(2)収納未済整理票は、完納されるまでの間において各納付期限に出力されるので債務者毎にまとめて整理する。

なお、調査決定履歴情報及び債権履歴情報についても、同様に債務者毎にまとめて整理・更新する。

(3)交渉等事績票への記載は、督促の際の債務者等(債務者及び当該債務者の負担する債務につき弁済の責めに任ずべき他の者をいう。以下同じ。)との折衝経緯、及び実態調査結果等当該収納未済債権の管理上必要と認められる事項の詳細を記載し、担当課長(課制の無い出張所にあっては当該出張所長とする。以下同じ。)の決裁を受けるものとする。

収納未済債権の整理区分

(1)整理区分の設定

1により整理及び管理の対象とすることとした収納未済債権については、その内容又は債務者等の実態に応じた債権管理を明確に行う必要があることから、次に定める整理区分に従い個別に整理し、収納未済整理票の整理区分欄に整理区分決定年月日とともに記載する。

「要督促」

(イ)歳入徴収官事務規程(昭和 27 年大蔵令第 141 号。以下「徴収規程」という。)第 21 条の規定に基づく督促状による督促等が適当と認められるもの

(ロ)債務者等の住所、居所又は勤務先に収入官吏が出張のうえ、督促することが適当と認められるもの(以下「臨戸督促」という。)

「納付誓約中」

債務者等に特に債務履行上の誠意が認められるため、支払誓約書等により一応その履行状況を見守ることが適当と認められるもの(「要履行延期」に該当するものを除く。)

「要実態調査」

債務者等の実態(所在、資産等)が不明であり、他の整理区分に整理できないため、実態調査を要するもの(当該調査の全部又は一部を他の官庁又は他の財務(支)局、財務事務所もしくは出張所に依頼しなければならないものを含む。)

「要移管等」

(イ)債務者等の住所又は居所の移転その他の事由により、他の財務(支)局、財務事務所もしくは出張所に移管の手続きを要するもの

(ロ)調定額の変更、相殺、契約の更改又は解除等の手続きを要するもの

「要保全」

(イ)抵当権の設定、保証人等の保証又は増担保の提供等の保全措置を要するもの

(ロ)十分な担保物がないため、債務者の有する債権について信託的譲渡を受ける必要のあるもの

(ハ)債権を保全するため、債権者代位権を行使する必要のあるもの

(ニ)時効の更新又は完成猶予のため必要な措置を要するもの

(ホ)国の債権の管理等に関する法律(昭和 31 年法律第 114 号。以下「法」という。)第 17 条各号の一に該当するため、債権の申出等の措置を要するもの

(ヘ)債務名義を取得するため、支払督促の措置をとる必要のあるもの

(ト)債権保全のため、仮差押又は仮処分の措置を要するもの

「要強制」

(イ)担保の付されている債権について、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、又は競売その他担保権の実行の手続きをとることを要するもの

(ロ)債務名義のある債権について、強制執行の手続きを要するもの

(ハ)債務者等の有する債権について、転付命令又は取立命令の措置を要するもの

「要訴訟」

(イ)訴訟により解決するのが適当と認められるもの

(ロ)債務者等又は第三者から訴訟が提起され応訴する必要のあるもの

(ハ)法第 31 条の規定による和解又は調停により処理することが適当と認められるもの

(ニ)詐害行為取消権を行使する必要のあるもの

「要履行延期」

(イ)法第 24 条第 1 項の規定による履行延期の特約をすることが適当と認められるもの

(ロ)法第 28 条の規定による履行延期の特約に代わる和解をすることが適当と認められるもの

「要停止」

法第 28 条の規定による徴収停止の措置をとることが適当と認められるもの

「要消滅」

(イ)法第 32 条の規定による免除の措置をとることが適当と認められるもの

(ロ)債権管理事務取扱規則(昭和 31 年大蔵省令第 86 号)第 30 条の規定により消滅したものとみなして整理することが適当と認められるもの

(2)整理区分の変更及び見直し

(1)により整理区分したのちにおいて、他の整理区分に移すことが適当と認められる事由が生じた場合は、遅滞なく他の整理区分に移し、交渉等事績票にその経緯等を記載し、併せて収納未済整理票の整理区分欄に新たな区分を記載する。

3の(1)及び(2)により整理区分を行った収納未済債権については、毎年度当初において見直しを行い、整理区分整理簿(別添6)等に整理することとする。

担当課長は、ロにより作成した整理区分整理簿等を活用して、債権管理業務についての進行管理を行うこととする。

収納未済債権の整理が完了した時点は、次の通りとする。

(イ)「要督促」・「納付誓約中」

督促等により収納したとき及び他の整理区分に整理したとき

(ロ)「要実態調査」

他の整理区分に整理したとき

(ハ)「要移管等」

移管等の手続きが完了したとき

(ニ)「要保全」・「要強制」

法務局に依頼したものについては、法務局から完了の通知を受けたとき

(ホ)「要訴訟」

法務局から完了の通知を受けたとき

(ヘ)「要履行延期」

法第 24 条第 1 項の規定による履行延期の特約にあっては、債務者と履行延期の特約をしたとき及び法第 28 条の規定による履行延期の特約に代わる和解にあっては、和解が成立したとき

(ト)「要停止」

法第 21 条第 1 項の規定による徴収停止の措置をとる場合は、国の債権の管理等に関する法律施行令(昭和 21 年政令第 337 号)第 19 条により債権管理簿において他の債権と区分して整理したとき

(チ)「要消滅」

債権管理事務取扱規則別表第四「債権管理簿の記入の方法に関し必要な事項」一の4により「債権が消滅した日付」を記入したとき

収納未済債権の管理

収納未済債権の管理は、上記3の整理区分ごとに債務者等の実態に応じて原則として次により行うこととする。

「要督促」

会計センター等から定期に督促状が送付された後においても、「要強制」、「要訴訟」に整理替えを行うことなく、なお臨戸等による督促をもって債務者等の納付を促すことが適当と認められるものについては、次の方法により対処するものとする。

(イ)債権金額、債務者等の状況及び収納状況からみて収納がかなり難しいと考えられるものについては、年1回督促状の送付又は電話による督促を行う。

(ロ)債権金額、債務者等の状況及び収納状況からみて一時の収納は困難であるが、ある程度収納が見込まれるものについては、3ヵ月に1回程度定期的な臨戸督促を行う。但し、債務者等の状況によっては臨戸督促に代えて督促状の送付又は電話による督促によることができる。

なお、未納金額が多額となっている者等については、上記督促のほか、書面をもって面談を求め、具体的な返済方法等について説明を求めることとする。

(ハ)督促等により一部が収納され、かつ納付することについて債務者等が前向きの姿勢を示している場合は、債務者等から「納付誓約書」等を徴することとし、提出があったときは、整理区分を「納付誓約中」に変更する。

(ニ)債務者等への督促過程において、未納の原因として例えば貸付料が高過ぎる等契約内容に起因する理由をあげている場合は、当該情報を契約担当課へ伝達し、その対応等について協議する。

「納付誓約中」

納付誓約書等によりその履行状況を見守っていくが、債務者等において誓約どおり履行しない事態が生じた場合は、臨戸督促等により債務者等に対し履行を促がし、それに対し履行が期待できないものについては、他の整理区分に変更する。

「要実態調査」・「要移管等」・「要保全」・「要強制」・「要訴訟」・「要履行延期」・「要停止」

すみやかにそれぞれの処理を終了させることとする。また、所要の措置をとれないと認められるものについては、随時見直しを行い、他の整理区分に変更するものとする。

「要消滅」

債権の免除又はみなし消滅等の措置をとることができるものについては、すみやかにその措置をとるものとする。

収納未済債権整理区分別現在額報告書の提出

収納未済債権整理区分別現在額報告書(別添7)を、毎年度 6 月 30 日までに1部提出するものとする。

書面等の作成・送付等の方法

(1)電子ファイルによる作成

本通達に基づき、作成を行う書面等(書面その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下同じ。)については、電子ファイルにより作成を行うことができる。

(2)電子メール等による送付等

本通達に基づく送付等の手続のうち、書面等により行うこととしているものについては、電子メール等の方法により行うことができる。

上記(1)の方法により送付等を行うときは、電子ファイルをもって行うものとする。

(3)適用除外

上記(1)及び(2)の措置は、本通達に規定する手続のうち、次に掲げる場合については適用しないものとする。

本通達4-イ-(イ)及び本通達4-イ-(ロ)に規定する督促状を送付する場合

本通達4-イ-(ロ)に規定する書面をもって面談を求める場合

本通達4-イ-(ハ)に規定する「納付誓約書」等を徴する場合

別添1~7