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令和6年度税制改正の大綱(6/10)

納税環境整備

GビズIDとの連携によるe-Taxの利便性の向上

(国税)

所要の法令改正等を前提に、法人が、GビズID(法人共通認証基盤)(一定の認証レベルを有するものに限る。)を入力して、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により申請等又は国税の納付を行う場合には、その申請等を行う際の識別符号及び暗証符号の入力、電子署名並びにその電子署名に係る電子証明書の送信又はその国税の納付を行う際の識別符号及び暗証符号の入力を要しないこととする。

処分通知等の電子交付の拡充

(国税)

電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により行うことができる処分通知等について、次の措置を講ずる。

(1)法令上、全ての処分通知等について、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により行うことができることとする。

(2)電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により処分通知等を受ける旨の同意について、処分通知等に係る申請等に併せて行う方式を廃止し、あらかじめ、メールアドレスを登録して、その同意を行う方式とする。

(3)その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和8年9月24日から施行する。

隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合の重加算税制度の整備

(国税)

過少申告加算税又は無申告加算税に代えて課される重加算税の適用対象に、隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合を加える。

(注1)上記の改正は、令和7年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用する。

(注2)偽りその他不正の行為により国税を免れた場合等に、延滞税の計算期間から一定の期間を控除する特例が不適用となる措置について、隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた一定の場合が対象となることを明確化する運用上の対応を行う。

偽りその他不正の行為により国税を免れた株式会社の役員等の第二次納税義務の整備

(国税)

偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた株式会社、合資会社又は合同会社がその国税(その附帯税を含む。)を納付していない場合において、徴収不足であると認められるときは、その偽りその他不正の行為をしたその株式会社の役員又はその合資会社若しくは合同会社の業務を執行する有限責任社員(その役員等を判定の基礎となる株主等として選定した場合にその株式会社、合資会社又は合同会社が被支配会社に該当する場合におけるその役員等に限る。)は、その偽りその他不正の行為により免れ、若しくは還付を受けた国税の額又はその株式会社、合資会社若しくは合同会社の財産のうち、その役員等が移転を受けたもの及びその役員等が移転をしたもの(通常の取引の条件に従って行われたと認められる一定の取引として移転をしたものを除く。)の価額のいずれか低い額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負うこととする。

(注1)上記の「被支配会社」とは、1株主グループの所有株式数が会社の発行済株式の50%を超える場合等におけるその会社をいう。

(注2)上記の改正は、令和7年1月1日以後に滞納となった一定の国税について適用する。

保全差押え等を解除しなければならない期限の整備

(国税)

納税義務があると認められる者が不正に国税を免れたことの嫌疑等に基づき一定の処分を受けた場合における税務署長が決定する金額(以下「保全差押金額」という。)を限度とした差押え(以下「保全差押え」という。)又はその保全差押金額について提供されている担保に係る国税について、その納付すべき額の確定がない場合におけるその保全差押え又は担保を解除しなければならない期限を、その保全差押金額をその者に通知をした日から1年(現行:6月)を経過した日までとする。

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後にされる保全差押金額の決定について適用する。

地方公金に係るeLTAX経由での納付

(地方税)

eLTAX(地方税のオンライン手続のためのシステム)を通じた電子納付の対象に地方税以外の地方公金を追加することとし、地方自治法の改正に併せて、地方税共同機構の業務に公金収納事務を追加する措置を講ずる。

(注)上記の改正は、地方自治法の一部を改正する法律(仮称)の施行の日から適用する。

その他

(国税)

(1)税務代理権限証書等の様式の整備

税務代理権限証書、申告書の作成に関する計算事項等記載書面及び申告書に関する審査事項等記載書面の様式について、国税庁長官が必要がある場合に、所要の事項を付記すること又は一部の事項を削ることができることとするほか、「所属税理士会等」の欄の記載事項の簡素化を行う。

(注)上記の改正は、令和8年9月1日以後に提出する税務代理権限証書、申告書の作成に関する計算事項等記載書面及び申告書に関する審査事項等記載書面について適用する。

(2)個人番号を利用した税理士の登録事務等の利便性の向上

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の改正に伴い、次の見直しを行う。

1税理士の登録事項について、個人番号を加えるとともに、その登録事項のうち「本籍」を「本籍地都道府県名」とする。

2税理士の登録申請書について、戸籍抄本及び住民票の写しの添付を要しないこととする。

3電子情報処理組織を使用する方法により日本税理士会連合会又は税理士会に対して申請等を行う者は、その申請等に関して添付すべきこととされている書面等でその書面等に記載されている事項又は記載すべき事項を入力して送信することができないものについて、書面等による提出に代えて、スキャナによる読み取り等により作成した電磁的記録(いわゆる「イメージデータ」)を送信することにより行うことができることとする。

4次に掲げる申請書等の様式について、個人番号をその様式に記載するために必要な整備を行う。

税理士試験受験資格認定申請書

税理士試験受験願書

研究認定申請書

税理士試験免除申請書

研究認定申請書兼税理士試験免除申請書

5税理士試験に係る受験手数料又は認定手数料について、電子情報処理組織を使用する方法による申請等により国税審議会会長から得た納付情報及び識別符号を入力して、これらを送信することにより納付することができることとする。

6その他所要の措置を講ずる。

(注1)上記の改正はデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律附則第1条第10号に掲げる規定の施行の日から施行することとし、上記2の改正は同日以後に提出する登録申請書について、上記4イ、ニ及びホの改正は同日以後に提出する税理士試験受験資格認定申請書、税理士試験免除申請書又は研究認定申請書兼税理士試験免除申請書について、上記4ロ及びハの改正は同日以後に行う試験実施の日時等の公告に係る税理士試験について、それぞれ適用する。

(注2)上記の改正の施行の日から令和7年3月31日までの間に提出される税理士の登録申請書について、日本税理士会連合会が税理士登録のため必要があると認める場合には、従前どおり戸籍抄本及び住民票の写しを添付しなければならないこととする経過措置を講ずる。

(3)長期間にわたり供託された換価代金等の配当がされない事態へ対応するための措置の整備

供託された換価代金等の配当について、民事の長期間にわたり供託金の配当がされない事態へ対応するための措置と同様に、次の措置を講ずる。

1その供託に係る債権を有する者は、その供託の事由が消滅したときは、直ちに、その旨を税務署長に届け出なければならないこととする。

2税務署長は、換価代金等の供託がされた場合において、その供託がされた日から上記1の届出がされることなく一定期間を経過したときは、その供託に係る債権を有する者に対し、その届出について催告しなければならないこととする。

3上記2の催告を受けた供託に係る債権を有する者が、催告を受けた日から一定期間内に届出をしないときは、税務署長は、その供託に係る債権を有する者を除外して供託金について換価代金等の配当を実施することができることとする。

4その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、民事の長期間にわたり供託金の配当がされない事態へ対応するための措置の適用時期を踏まえ、実施する。

(4)学資支給金に係る国税の滞納処分による差押禁止措置の整備

独立行政法人日本学生支援機構法の学資支給金について、所要の法令改正を前提に、引き続き国税の滞納処分による差押えを禁止することとする。

(地方税)

(1)アメリカ合衆国の軍隊の構成員等が所有する自動車に係る自動車税等の種別割の徴収方法の見直し

アメリカ合衆国の軍隊の構成員等が所有する自動車に係る自動車税及び軽自動車税の種別割の徴収について、証紙を用いる方法に加え、普通徴収等の方法によることができることとする。

(2)災害損失欠損金額の繰越控除の適用に係る所要の措置

災害が発生した日から6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失欠損金額につき当該中間期間に係る仮決算の中間申告書の提出により法人税額の還付を受けた場合における法人住民税の法人税割及び法人事業税の所得割について、次の措置を講ずる。

1当該中間期間の属する事業年度の法人住民税の法人税割の課税標準となる法人税額から当該災害損失欠損金額につき還付を受けた法人税額を控除し、控除しきれない額については翌事業年度以降に控除することとする。

2当該中間期間の属する事業年度の法人事業税の所得の計算上、当該還付を受けた金額の計算の基礎となった災害損失欠損金額に相当する金額は益金算入せず、当該事業年度に生じた欠損金額について、繰越控除制度を適用する。

3その他所要の措置を講ずる。

(注)上記の改正は、令和6年4月1日以後に終了する事業年度から適用する。

(3)新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置における申告の見直し

新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置について、マンション管理組合の管理者等から市町村長に必要書類等の提出があり、減額措置の要件に該当すると認められるときは、当該認定長期優良住宅の区分所有者から減額措置に係る申告書の提出がなかった場合においても、当該減額措置を適用することができることとする。

(4)隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合の重加算金制度の整備

過少申告加算金又は不申告加算金に代えて課される重加算金の適用対象に、隠蔽し、又は仮装された事実に基づき更正請求書を提出していた場合を加える。

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後に申告書の提出期限が到来する地方税について適用する。

(5)偽りその他不正の行為により地方団体の徴収金を免れた株式会社の役員等の第二次納税義務の整備

偽りその他不正の行為により地方団体の徴収金を免れ、又は地方団体の徴収金の還付を受けた株式会社、合資会社又は合同会社がその地方団体の徴収金を納付し、又は納入していない場合において、徴収不足であると認められるときは、その偽りその他不正の行為をしたその株式会社の役員又はその合資会社若しくは合同会社の業務を執行する有限責任社員(その役員等を判定の基礎となる株主等として選定した場合にその株式会社、合資会社又は合同会社が被支配会社に該当する場合におけるその役員等に限る。)は、その偽りその他不正の行為により免れ、若しくは還付を受けた地方団体の徴収金の額又はその株式会社、合資会社若しくは合同会社の財産のうち、その役員等が移転を受けたもの及びその役員等が移転をしたもの(通常の取引の条件に従って行われたと認められる一定の取引として移転をしたものを除く。)の価額のいずれか低い額を限度として、その滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負うこととする。

(注1)上記の「被支配会社」とは、1株主グループの所有株式数が会社の発行済株式の50%を超える場合等におけるその会社をいう。

(注2)上記の改正は、令和7年1月1日以後に滞納となった一定の地方団体の徴収金について適用する。

(6)保全差押え等を解除しなければならない期限の整備

納付又は納入の義務があると認められる者が不正に地方団体の徴収金を免れたことの嫌疑等に基づき一定の処分を受けた場合における地方団体の長が決定する金額(以下「保全差押金額」という。)を限度とした差押え又はその保全差押金額について提供されている担保に係る地方団体の徴収金について、その納付し、又は納入すべき額の確定がない場合における当該差押え又は担保を解除しなければならない期限を、その保全差押金額をその者に通知をした日から1年(現行:6月)を経過した日までとする。

(注)上記の改正は、令和7年1月1日以後にされる保全差押金額の決定について適用する。

(7)学資支給金に係る地方税の滞納処分による差押禁止措置の整備

独立行政法人日本学生支援機構法の学資支給金について、所要の法令改正を前提に、引き続き地方税の滞納処分による差押えを禁止することとする。