2022年9月5日
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◆目次
1 はじめに
2 税制をめぐる最近の動き
3 コラム「税制のプロに聞く」
4 課長補佐 ご挨拶
5 編集後記
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1 はじめに
みなさん、こんにちは。
9月に入り、令和5年度の税制改正プロセスが本格的にスタートしました。
各省庁は、所管する業界の要望などを踏まえ、8月末までに、財務省に税制改正要望を提出(地方税の要望は総務省に提出)することになっています。
これから年末にかけて、与党の税制調査会や政府内での検討が本格化し、主税局でも各省庁と精力的に議論を行っていくことになります。
暑い夏が終わり、主税局にとっては、これから、年末の税制改正大綱の決定、年明けの法案提出、国会審議まで、1年で最も熱く、また長い季節が始まります。私も体調管理に気を付けて、税制改正の一端を、広報面からしっかり担っていきたいと思います。
今月のメルマガから、新企画のシリーズ「税制のプロに聞く」がスタートしました。
主税局での勤務が長く、税制改正の経験が豊富な「税制のプロ」10人が、各税目を代表し、毎月、順番にコラムを担当していきます。
今月は、所得税制のプロである伊藤主税調査官が担当しました。是非、ご一読ください。
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2 税制をめぐる最近の動き
掲載日 | 内容 |
8月8日 | コロンビアとの租税条約が発効 |
8月5日 | 税制調査会(第13回総会) |
8月1日 | 令和4年度6月末租税及び印紙収入、収入額調 |
(1)コロンビアとの租税条約が発効
下記リンクから内容をご覧いただけます。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/press_release/20220808Co.html
https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen13kai.html
下記リンクから内容をご覧いただけます。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/taxes_and_stamp_revenues/202206.pdf
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3 コラム「税制のプロに聞く」
読者の皆様、はじめまして。主税局税制第一課所得税係の仕事をしている伊藤です。
所得税係は日本の税制のうち「所得税」に関する企画立案に携わっています。
具体的には、所得税法や所得税法施行令、所得税法施行規則といった所得税に関する法令について、条文の改正案を作成しています。
所得税は、個人の1年間の給料や年金、事業の利益などに課税する皆様にとっても身近な税です(預貯金の利子や株式等といった金融所得に対する金融所得課税もあります)。
確定申告をされた方はご存知でしょうが、ご自身の所得税額の算出のためには、まず、「所得金額」を算出し、医療費控除や基礎控除などの「所得控除」を差し引いた上で、その金額(課税所得)に応じた「税率」を掛けて求めるという中々に複雑な計算が必要となります(更にお住いを購入された場合の住宅ローン控除といった「税額控除」の計算も必要となります)。
私が所得税係に配属されたのは2001年7月(ちなみに、このメールマガジンが創刊されたのは2003年3月です。)なので概ね20年間所得税に関する仕事をしてきたことになりますが、この20年間、毎年所得税に関する改正を行ってきました。
例えば比較的大きな改正だけでも、「所得金額」を計算するための給与所得控除や公的年金等控除について上限を設定、「所得控除」のうち基礎控除額の引上げと所得金額が一定以上の場合の消失控除化、「税率」について最低税率の引下げと最高税率の引上げ、住宅ローン控除の見直し、NISAの創設等と多岐にわたります(制度の概要や改正の詳細については財務省HPの税制のページをご覧ください)。
しかし残念ながら、改正のインパクトが分かりにくいのです。例えば、皆様の身近にある消費税のような、わかり易さが無いのです。
毎年確定申告をされている方であっても、毎年全く同じ所得という方はあまりいらっしゃらないでしょうし、複雑な所得税額の算出過程の中で、毎年の所得税の改正によってどの程度納税額に変化が生じたのかを知るのは困難だと思います(特に近年は細かな計算を自動で行う便利な電子申告を利用される方が多いでしょうし)。
とはいえ、ご自分の昔の申告内容をご確認いただくと、様々な項目が少しずつ変化していることにお気づきになられると思います(確定申告書の様式が全然違っていることの方が驚きかもしれませんが)。
また、サラリーマンの方のように、お勤め先において年末調整という手続で所得税の計算をしていただいている方は、「源泉徴収票」に「源泉徴収税額」として納めていただいている所得税額が記載されています。
長く所得税に関わる仕事をしてきたものとしては、読者の皆様に確定申告書や源泉徴収票でご自身の尊い所得からどの位の所得税を納めていただいているかを知っていただき、是非とも地味に変化(「進化」と信じています。)を続ける身近な所得税へのご関心を深めて頂ければ幸いです。
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4 課長補佐 ご挨拶
メルマガ読者の皆様、はじめまして。主税局の広報担当の課長補佐に着任いたしました中村と申します。
前任と同様、厚生労働省からの出向でまいりました。厚生労働省では、医療政策や新型コロナ対策を担当してきたほか、直近では社会保障政策全般のとりまとめ部署におりました。
社会保障は、国の一般会計歳出の多くを占めており、財源としての税との関係は切っても切り離せないものです。そのため、前部署にいた頃から、もっと税についての理解を深めなければと考えていたところ、主税局への出向という願ってもない機会をいただきました。業務の中で少しでも多くのことを吸収していきたいと思っています。
また、広報を担当するのは初めてですが、どの分野でも広報というのは必要になってきますし、これまた貴重な経験をさせていただけることを嬉しく思っています。国民の方々に、税という、身近だけど難しそうで避けてしまいがちなテーマ(これは社会保障も同じかもしれません)をいかにして分かりやすくお伝えするか、様々な角度から考えていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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5 編集後記
さて、今回の税制メルマガでは新たな連載コラム「税制のプロに聞く」がスタートしました。第一弾として、所得税制のプロの記事をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。私は主税局に異動する前、税務署で所得税を担当していたので、読んでいて心が熱くなりました。今後私も税制改正法案を作る立場になりうるので、しっかりと税法の勉強をするぞ!という思いを強くしたところです。
今月も最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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