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税制メルマガ第143号 2021年9月30日

【税制メルマガ第143号】 
 2021年9月30日

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◆目次
1 はじめに
2 税制をめぐる最近の動き
3 若手コラム
4 編集後記

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1 はじめに

 税制メールマガジンをご覧いただいている皆さん、こんにちは。財務省主税局総務課の企画官(広報担当)の和田良隆です。
 第143号の税制メールマガジンをお届けさせていただきます。
 
 今回は、「3 若手コラム」で、主税局調査課外国係が、アメリカのバイデン政権が、足下、取組んでいる税制改正の内容について解説してくれています。主税局調査課では、海外の税制の動向について、若手職員が担当国を持って精力的に調査業務を行っています。世界的に影響を及ぼしている新型コロナウイルスへの対応等を踏まえて、各国がどのような税制上の対応を行っているのか、しっかりと把握することは、我が国の税制を検討する上で、大変重要です。彼らがそうした日ごろの業務の成果の一端を披露してくれていますので、是非、お目通しいただければと思います。 

 今回、主税局の若手の皆さんが、アメリカの税制改正について紹介してくれるということで、海外業務関係で少し思い出されたことがありましたので、ご紹介させていただきます。 

 私は、2011年から2013年の2年間、保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors:IAIS@スイス・バーゼル市)という国際機関に出向していました。IAISは当時、2008年金融危機の教訓を踏まえ、AIGなどの、国際的に活動し金融システム上重要な巨大金融機関(Systemically Important Financial Institutions:SIFIs)に対する規制の強化に取り組んでいました。
 資本規制強化などの国際規制を導入するということで、各国の利害が激しくぶつかりました。SIFIsの選定手法や資本やリスクの計算方法1つ取っても、それぞれの国が抱える金融機関、保険会社に有利不利があるからです。事務局員だった私は、SIFIsの問題を議論する委員会の議長が、各国の利害を調整して結論を見出していくことのお手伝いをするのが仕事でした。 
 その議長は、英国のPRAという金融監督当局の方でしたが、議論が紛糾する中で、各国の委員に対して発した次の言葉が強く記憶に残っています。

  “Everybody should be equally unhappy.”(皆が等しく不幸であるべきだ) 

 unhappyという言葉がネガティブに響きますが、要諦は、「各国の委員が、それぞれ自国の利益を主張するだけでなく、皆等しく少しずつ譲歩して、合意を目指す姿勢が重要」と個人的に解釈しています。この議長発言を期に、議論が収束に向かい、各国合意ができあがったのを覚えています。

 これは、国際会議における1コマですが、個人的には、国内における政策形成の利害調整にも共通する部分があるのではないかと思っています。税制も含め、ある人にとってメリットのある変更は、ほかの人にとってデメリットになることもあります。社会経済的に影響の大きい政策になればなるほど、皆が少しずつ不満などを飲み込んで、社会全体がよくなるための変革を受け入れる、そうした対応が必要なのではないか、と個人的に思う次第です。

 今回も本編の前に長々と失礼いたしました。それでは皆さん、是非、今月号の税制メールマガジンをお楽しみ下さい! 
 
 主税局総務課 企画官 和田良隆
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2 税制をめぐる最近の動き  

掲載日
 内容
9月1日
令和3年度 7月末租税及び印紙収入、収入額調

(1)令和3年度 7月末租税及び印紙収入、収入額調
令和3年度7月末の租税及び印紙収入、収入額調を財務省ホームページで公開いたしました。

 下記リンクから内容をご覧いただけます。
  https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/taxes_and_stamp_revenues/202107.pdf

 
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3 若手コラム 

 読者の皆様、こんにちは。主税局調査課外国係です。私たちは、日本の税制の企画立案に役立てるべく、海外の税制について日々調査をしております。そんな私たちから、今月より数回にわたり、海外における最近の税制改革の動向についてお伝えしていきたいと思います。記念すべき初回は、皆様のご関心も高いと思われる「アメリカ」です。

 アメリカでは、2021年1月にバイデン政権(民主党)が誕生しました。バイデン大統領は、自身の選挙公約を踏まえ、道路・橋の修復や浄水設備の整備などのインフラ投資を行う「米国雇用計画」と、子育て世帯・低所得層への支援や教育への投資を行う「米国家族計画」をそれぞれ打ち出しました。

 バイデン大統領の計画を踏まえ、民主党と共和党の間で議論が行われ、「米国雇用計画」の一部の施策については、超党派インフラ法案(5年間で5,500億ドル規模の新規歳出)として合意されました。同法案は8月に上院で可決されましたが、成立のためには、今後下院での可決が必要な状況です。 

 また、超党派インフラ法案に盛り込まれなかった「米国雇用計画」の施策と「米国家族計画」の施策については、民主党が中心となって、10年間で総額3.5兆ドル規模の歳出関連法案として取りまとめられました。同法案は、現在、下院にて審議中であり、可決され次第、上院での審議に移ることとなります。

 主税局調査課外国係としては、全体の議論状況はもちろんですが、特に歳入面について注目しています。このうち、超党派インフラ法案については、これまでの新型コロナウイルス関連対策の余剰金や暗号資産に係る徴税強化等により、財源を捻出することとされています。

 一方、3.5兆ドル規模の歳出関連法案については、財源として、大企業の法人税率引上げや所得税・キャピタルゲイン課税の最高税率引上げ等が議論されており、税制改正案として法案化されています(以下、まとめて、3.5兆ドル規模の歳出・歳入関連法案と言います)。 

 下院は民主党優勢のため、通常であれば、これらの法案は滞ることなく、審議が進められるものと考えられます。しかし、現時点でも可決に至っていないのは、民主党内で方針や内容について議論があるためです。

 民主党の「進歩派」と呼ばれる議員は「超党派インフラ法案を可決する前に、上院・下院ともに3.5兆ドル規模の歳出・歳入関連法案を可決するべき。」との主張をしています。一方、民主党の「中道派」と呼ばれる議員は、「超党派インフラ法案の採決を優先すべき。また、3.5兆ドル規模の歳出・歳入関連法案は、歳出規模が大きすぎるので、縮小すべき。」との考えを示しています。

 下院では民主党が優勢であるとはいえ、これらの法案の可決には、民主党内の意見の一致が必要です。バイデン政権誕生後、初めての税制改革。主税局調査課外国係では、引き続きアメリカの状況を追ってまいります! 


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 4 編集後記 
 今月の税制メールマガジンでは若手コラムではアメリカのバイデン政権が取組んでいる税制改正の内容についてお送りをしました。

 日本においても毎年税制改正が行われておりまして、9月1日には令和4年度の税制改正要望について財務省HPにアップいたしました。
各省庁からの要望はこちらからご覧いただけます。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

 ここで税制改正の流れについて少しご紹介いたします。国税に関する税制改正の要望は例年8月末ごろに各省庁から財務省へ提出されます。その要望等について与党税制調査会が審議を行い、そこで取りまとめられた与党税制改正大綱を踏まえて、税制改正の大綱が閣議に提出されます。閣議決定された税制改正の大綱をもとに財務省において国税の改正法案が作成され、国会に提出されます。そして国会で可決されると改正法案が成立し、改正法に定められた日から施行されることとなります。経済社会の変化に対応できるようこのような流れで毎年税制改正が行われています。

 今年も8月末に各省庁から要望が提出され、これから改正に関する審議などが始まっていくこととなります。今年主税局に配属された私は、これから主税局内の動きもより慌ただしくなっていくのかなと少しどきどきしております。

 今月も最後までお付き合いいただきありがとうございます。次回の税制メールマガジンもよろしくお願いいたします。

 主税局総務課 広報係 田中

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mailto:mg_tax@mof.go.jp

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