理財局財政投融資総括課長 西川 健士
1.令和7年度 財政投融資計画の改定について
昨年11月21日、「生活の安全保障・物価高への対応」「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」「防衛力と外交力の強化」の3つを柱とする「「強い経済」を実現する総合経済対策(以下、「総合経済対策」という)」が閣議決定された。
この総合経済対策を踏まえ、令和7年度財政投融資計画補正を行うこととし、昨年11月28日に閣議に提出し、その内容を盛り込んだ補正予算が12月16日に国会にて成立した。
この補正においては、総額4兆4,777億円(財政融資:2兆3,327億円、産業投資:2,700億円、政府保証:1兆8,750億円)を追加することとしており、具体的な施策としては、
・福祉医療機構(2,756億円)
物価高騰により厳しい状況に直面している医療・福祉事業者に対する無利子・無担保等の優遇融資や、
・日本政策投資銀行(1,000億円)
半導体関連産業をはじめとした戦略分野への支援や、地域の基幹産業の活性化等のための資金供給、
・国際協力銀行(4兆850億円)
日米戦略的投資イニシアティブ(5,500億ドルの対米投資)の着実な推進に向け、「日本戦略投資ファシリティ」を通じ、企業の海外展開支援や強靱なサプライチェーン構築のため、産業投資によって国際協力銀行の財務基盤を強化するとともに、財政融資及び政府保証によって出融資に必要な資金を手当てすること
などを盛り込んだ。(資料1)
また、令和7年度補正予算の成立等に伴って、地方公共団体が実施する事業にかかる資金の確保のため、地方公共団体に対する財政融資資金の貸付けを、1兆1,006億円追加することとした。
2.令和8年度財政投融資計画について
令和8年度財政投融資計画(以下、「8年度計画」という)については、昨年8月末に各省庁からの要求を受けた後、財政制度等審議会財政投融資分科会における議論も踏まえながら編成を行い、12月26日、予算政府案とあわせて閣議提出された。
(1)令和8年度財政投融資計画のポイント
8年度計画の総額は、19兆180億円であり、日米戦略的投資イニシアティブの着実な推進、成長の呼び水となる長期資金供給や物価高への対応のため、前年度比で約6.8兆円増加した。(資料2)
このうち産業投資は、対米投資のほか、天然ガス・レアメタルといった資源の安定供給確保、AI・半導体、GX、スタートアップをはじめ重要分野への官民連携による積極的投資を促進するため、過去最大の5,003億円となっている。(資料3)
(2)令和8年度財政投融資計画の主な施策
【不確実性が高まる国際情勢の中で、強靱な経済構造の構築】
・国際協力銀行(8兆5,827億円)
官民連携により、企業の戦略的分野における海外展開や強靱なサプライチェーン構築を支援し、我が国の経済・国家安全保障を強化する(令和7年度補正で措置された財政投融資及び自己資金等をあわせ、約21.5兆円の対米投資が可能)。
・エネルギー・金属鉱物資源機構(1,048億円)
天然ガスやレアメタル、水素等の安定供給に取り組む企業に対する支援により、エネルギー安定供給の推進や経済安全保障、次世代燃料の確保に貢献する。
【「強い経済」の実現に向け、官民が連携した積極的な投資促進】
・日本政策投資銀行(7,150億円)
半導体や航空機部品といった経済安全保障上の重要物資の供給力強化や、再生可能エネルギーの開発に向けた設備投資への支援により、サプライチェーンやインフラの強靱化、GX化を促進する。
・電力広域的運営推進機関(新規)(540億円)
長期資金を供給して民間金融を補完し、長期かつ大規模な電源・系統整備を促進することで、電力の安定供給と脱炭素化の早期実現に貢献する。
・産業革新投資機構(1,200億円)
事業再編に取り組む企業やスタートアップへ、傘下のPEファンド・ベンチャーキャピタルや民間ファンドを通じてリスクマネーを供給し、新産業の創出を推進する。
【物価高への対応、地方、暮らしの安定に向けた課題解決の取組推進】
・日本政策金融公庫(2兆8,793億円)
米国関税の影響を受けた事業者に対するセーフティネット貸付の金利引下げ措置の拡充や、物価高対応の資金繰り支援、事業承継支援を着実に実施する。
・福祉医療機構(2,632億円)
物価高や医療需要の変化等の影響を受けた地域の医療・福祉事業者の安定的なサービス提供体制の確保のため、無利子・無担保融資による支援を継続する。
・鉄道建設・運輸施設整備支援機構(445億円)
会社をまたいだEVバスの一括調達を通じた地域交通の経営効率化・GX化や、ドライバー不足への対応のため自動運転トラックの導入等を支援する。
・地方公共団体(2兆3,558億円)
上下水道の老朽化対策や学校教育施設整備をはじめ、住民生活に密着した社会資本整備等を促進するため、必要な資金を供給する。
以 上
1.令和7年度 財政投融資計画の改定について
昨年11月21日、「生活の安全保障・物価高への対応」「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」「防衛力と外交力の強化」の3つを柱とする「「強い経済」を実現する総合経済対策(以下、「総合経済対策」という)」が閣議決定された。
この総合経済対策を踏まえ、令和7年度財政投融資計画補正を行うこととし、昨年11月28日に閣議に提出し、その内容を盛り込んだ補正予算が12月16日に国会にて成立した。
この補正においては、総額4兆4,777億円(財政融資:2兆3,327億円、産業投資:2,700億円、政府保証:1兆8,750億円)を追加することとしており、具体的な施策としては、
・福祉医療機構(2,756億円)
物価高騰により厳しい状況に直面している医療・福祉事業者に対する無利子・無担保等の優遇融資や、
・日本政策投資銀行(1,000億円)
半導体関連産業をはじめとした戦略分野への支援や、地域の基幹産業の活性化等のための資金供給、
・国際協力銀行(4兆850億円)
日米戦略的投資イニシアティブ(5,500億ドルの対米投資)の着実な推進に向け、「日本戦略投資ファシリティ」を通じ、企業の海外展開支援や強靱なサプライチェーン構築のため、産業投資によって国際協力銀行の財務基盤を強化するとともに、財政融資及び政府保証によって出融資に必要な資金を手当てすること
などを盛り込んだ。(資料1)
また、令和7年度補正予算の成立等に伴って、地方公共団体が実施する事業にかかる資金の確保のため、地方公共団体に対する財政融資資金の貸付けを、1兆1,006億円追加することとした。
2.令和8年度財政投融資計画について
令和8年度財政投融資計画(以下、「8年度計画」という)については、昨年8月末に各省庁からの要求を受けた後、財政制度等審議会財政投融資分科会における議論も踏まえながら編成を行い、12月26日、予算政府案とあわせて閣議提出された。
(1)令和8年度財政投融資計画のポイント
8年度計画の総額は、19兆180億円であり、日米戦略的投資イニシアティブの着実な推進、成長の呼び水となる長期資金供給や物価高への対応のため、前年度比で約6.8兆円増加した。(資料2)
このうち産業投資は、対米投資のほか、天然ガス・レアメタルといった資源の安定供給確保、AI・半導体、GX、スタートアップをはじめ重要分野への官民連携による積極的投資を促進するため、過去最大の5,003億円となっている。(資料3)
(2)令和8年度財政投融資計画の主な施策
【不確実性が高まる国際情勢の中で、強靱な経済構造の構築】
・国際協力銀行(8兆5,827億円)
官民連携により、企業の戦略的分野における海外展開や強靱なサプライチェーン構築を支援し、我が国の経済・国家安全保障を強化する(令和7年度補正で措置された財政投融資及び自己資金等をあわせ、約21.5兆円の対米投資が可能)。
・エネルギー・金属鉱物資源機構(1,048億円)
天然ガスやレアメタル、水素等の安定供給に取り組む企業に対する支援により、エネルギー安定供給の推進や経済安全保障、次世代燃料の確保に貢献する。
【「強い経済」の実現に向け、官民が連携した積極的な投資促進】
・日本政策投資銀行(7,150億円)
半導体や航空機部品といった経済安全保障上の重要物資の供給力強化や、再生可能エネルギーの開発に向けた設備投資への支援により、サプライチェーンやインフラの強靱化、GX化を促進する。
・電力広域的運営推進機関(新規)(540億円)
長期資金を供給して民間金融を補完し、長期かつ大規模な電源・系統整備を促進することで、電力の安定供給と脱炭素化の早期実現に貢献する。
・産業革新投資機構(1,200億円)
事業再編に取り組む企業やスタートアップへ、傘下のPEファンド・ベンチャーキャピタルや民間ファンドを通じてリスクマネーを供給し、新産業の創出を推進する。
【物価高への対応、地方、暮らしの安定に向けた課題解決の取組推進】
・日本政策金融公庫(2兆8,793億円)
米国関税の影響を受けた事業者に対するセーフティネット貸付の金利引下げ措置の拡充や、物価高対応の資金繰り支援、事業承継支援を着実に実施する。
・福祉医療機構(2,632億円)
物価高や医療需要の変化等の影響を受けた地域の医療・福祉事業者の安定的なサービス提供体制の確保のため、無利子・無担保融資による支援を継続する。
・鉄道建設・運輸施設整備支援機構(445億円)
会社をまたいだEVバスの一括調達を通じた地域交通の経営効率化・GX化や、ドライバー不足への対応のため自動運転トラックの導入等を支援する。
・地方公共団体(2兆3,558億円)
上下水道の老朽化対策や学校教育施設整備をはじめ、住民生活に密着した社会資本整備等を促進するため、必要な資金を供給する。
以 上

